パワハラの相談件数は、現在もますます増加しています。
「違法なパワハラなら慰謝料を請求しよう」と思い立つ方は多いですが、会社のパワハラをどこに相談すればいいか、つまり、パワハラの相談先を知らないと、被害の回復はできません。
パワハラをどこに相談するのがよい?
パワハラの相談はどうやってすべきか
職場のパワハラに悩む方にとって、その苦しみを誰かに相談するのが、解決に向けた第一歩です。しかし、どこに相談すればいいか、どのように相談すべきか、迷う方は少なくないでしょう。パワハラと一言で言っても種類は様々で、程度によっても適切な相談先が異なります。一人で抱え込んで泣き寝入りにならないよう、パワハラの相談先について理解してください。
執拗に繰り返されるパワハラだと特に、労動者一人では対処が困難です。相談の仕方を誤ると、適切な救済を受けられません。
今回は、パワハラの被害者に向けて、パワハラの相談先と具体的な相談方法を解説します。重度のパワハラを裁判で解決したいなら、労働問題に強い弁護士への相談が最適です。
- パワハラの相談先は、「緊急性」と「重要性」を基準に選ぶ
- まず社内での解決を試み、解決できない場合は社外の相談窓口を活用する
- パワハラの相談の仕方は、具体的な事実を整理し、詳細に伝えるのがポイント
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パワハラ問題をすぐに相談すべき5つの理由
パワハラの相談件数は、統計上、年々増加しています。
これほどまでに多くの人から相談されるパワハラが「違法」であり「相談すべき重大な労働問題である」ことは、もはや周知の事実かと思いきや、未だに次のような理由で「パワハラの相談をするのは不安だ」といって我慢してしまう被害者が跡を絶ちません。
- 自分の被害はパワハラに当たらないのではないか
- 問題が小さすぎて、相談しても相手にしてもらえないのではないか
- 自分の気にしすぎだと馬鹿にされたらどうしよう
- 弁護士に相談するほど大事な問題なのかわからない
しかし、このような不安や心配から、相談するのを先延ばしにしていると、結果的に泣き寝入りになってしまいます。文句を言わなければ、周囲に気付いてもらうこともできず、加害者を図に乗らせ、パワハラ被害をエスカレートさせてしまう危険もあります。
以下の統計の示す通り、パワハラの相談件数は増加傾向にあり、今後も増加が続くと予想されます。
パワハラに悩み、「相談したい」と考えるのは、決してあなただけではないので安心してください。
現在では、「殴る」「蹴る」といった物理的なパワハラの相談よりも、精神的な攻撃によるパワハラの相談が増えている傾向にあります。
精神的なパワハラの被害は、物理的なものよりも目に見えず、分かりづらいため、被害者ですら「本当にパワハラなのだろうか」と悩みがちです。
「分からないことを人に聞く」というのは、何ら恥ずかしいことではありません。
「パワハラ」は日常的に起こるため軽く見られがちですが、実際は非常に難しい法律問題です。1人で悩まず、適切な相談先を選び、専門家に判断してもらうべきです。
このように年々増え続けるパワハラ問題について、すぐにでも相談すべき5つの理由について、まずは解説していきます。
「パワハラをストップしたい」「慰謝料請求したい」といった悩みがあるとき、パワハラの相談窓口に駆け込むのがスタート地点です。
そもそもパワハラとは、職場で優位に立つことを利用した嫌がらせです。
パワハラは、不法行為(民法709条)であり、慰謝料を請求することができます。慰謝料は加害者に対してだけではなく、パワハラを防止し、安全に働かせる義務を怠った会社に対しても請求することができます。
「パワハラかどうか」を正しく判断するには、「パワハラの6類型」が参考になります。これは、パワハラの判断基準を知るため、厚生労働省が定めた典型的なパワハラの例示です。
- 身体的な攻撃
- 精神的な攻撃
- 人間関係からの切り離し
- 過大な要求
- 過小な要求
- 個の侵害
このパワハラの6類型に当たるときには、当然に、相談すべきパワハラ問題であると考えるべきです。ただし、6類型はあくまで例示であり、これにあてはまらないからといって「パワハラではない」と即断はできません。
心身の健康を守るため
何よりもまず、パワハラを相談することで、自分の心身の健康を守ることができます。
パワハラは労動者に大きな被害を与えます。物理的な暴力が身体的なダメージとなるのは当然、暴言や態度によるパワハラも、心に深いキズを与えます。長期間放置して精神的苦痛が増大すれば、うつ病や適応障害などの精神疾患に発展し、休職を余儀なくされる可能性もあります。
パワハラを我慢せず、早期の段階で相談することで、適切なサポートを受け、健康被害を防ぐことができます。精神的、身体的な健康を害せば、最悪は退職せざるを得ない状況に陥るおそれもあるため、早急な相談が欠かせません。
「うつ病で休職したいときの適切な対応」の解説
法的に被害を回復するため
パワハラは法的にも許されるものではなく、法律に基づいた被害回復を図るべきです。
日本では、労働者の権利を守る法律や制度が整備されています。パワハラに関する相談をすれば、法的保護を活用して権利を守り、受けてしまった被害については法律に基づいて回復を要求できます。具体的には、パワハラは不法行為(民法709条)であり、加害者と会社に慰謝料などを請求できます。直接の加害者が法的責任を負うのは当然ですが、会社に対しても、不法行為の使用者責任(民法715条)や、安全配慮義務違反の責任を追及できます。
法的手続きに関する相談は、法律の専門家である弁護士が、適切な相談先となります。
職場の環境を改善するため
適切な相談先に伝えることでパワハラをなくし、職場環境を改善できます。
被害者が声を上げれば、組織全体の課題が明らかになり、改革や対策が進む可能性があります。見て見ぬふりだった経営陣も、相談があれば対応せざるを得ず、健全な職場環境を目指せます。パワハラを放置すると職場全体の空気が悪化し、生産性も低下します。つまり、パワハラは、被害者だけの問題ではなく、社内全体の問題なのです。
「パワハラの相談をすると人間関係が悪くなるのでは」という不安は誤りです。相談していない現状こそ「最悪」ならば、相談してもこれ以上悪化することはありません。
「安全配慮義務違反」の解説
社内のパワハラ被害者を減らすため
パワハラは一人の被害者のみの問題ではなく、他の従業員にも悪影響です。
自分がパワハラの相談をすることは、結果的に、パワハラの減少に繋がり、他の潜在的なパワハラ被害者をも救うことができます。パワハラの原因となった社長や上司に、違法な行為であると知らしめることで、職場全体としてパワハラ問題を未然に防ぐことができるからです。
パワハラを我慢する人によって、無自覚なパワハラ加害者を増やし、エスカレートさせる危険もあります。被害を訴えず、黙っている被害者は、間接的にパワハラを助長してしまっているのです。
「パワハラにあたる言葉一覧」の解説
将来の自己成長のため
ここまで、パワハラ被害者の「心身の健康」と「法的な被害回復」、そして、それだけでなく「職場全体の環境改善」と「他の被害者の予防」といった順に解説してきました。
最後に、パワハラ問題の解決は、自身の成長やキャリアの向上に繋がる面もあります。
職場は、人生の大半を過ごす場所なので、パワハラがない健全な環境で働くことができれば、仕事のやりがいやパフォーマンスの向上に繋がります。その結果、パワハラによって成果を上げ、能力を向上することができない状態となると、自身の将来にとって大きな悪影響となるのです。
以上の理由をご覧いただき、それでもなお「パワハラの相談をすべきケースかどうか」に迷うなら、まずは軽い無料相談で疑問を解消するのがよいでしょう。
「労働問題を弁護士に無料相談する方法」の解説
パワハラを受けたらまずは社内の相談窓口に相談する
社内の相談窓口にパワハラの相談をするときの、適切な相談先を解説します。
初期のパワハラなど、軽度な問題ならば、まずは社内の相談窓口が適切です。加害者に悪意がなかったり、身体的な被害のなかったりするケースのように、悪質性がそれほど高くない場合には、社内の相談先で解決できる可能性があるからです。
ただ、社内の相談は、適切な相談先を選択しないと次の不安があります。
- 社内の人間関係が悪くならないだろうか…。
- 相談した事実が加害者に伝わらないだろうか…。
- パワハラ加害者から報復を受けないだろうか…。
このような疑問はもっともですが、パワハラ被害者が相談を我慢すべき理由にはなりません。適切な相談先を間違わなければ、リスクは軽減することができます。
なお、不安の最たる例が「社長がパワハラ加害者だ」というケース。トップに問題があるブラック企業では、社内での解決は難しく、社外の相談窓口を選択すべきです。
直属の上司
まず、直属の上司への相談を検討してください。
上司は責任者であり、リーダーとして、部下の問題解決をサポートする役割です。直属の上司があなたを守ってくれるなら、相談先としても適切です。信頼できる上司なら、すぐ相談してください。
ただし、直属の上司にそれほど権限がないこともあります。親身に聞いてくれても、パワハラ問題の解決には繋がらないなら、別の相談先を検討しましょう。上司よりも上のポジション(最悪は社長)がパワハラの加害者だと、直属の上司への相談では限界があります。
更に上位の上司(上司の上司)
更に上位の上司(上司の上司)が、パワハラの相談先として適任なケースもあります。
例えば、直属の上司こそがパワハラの原因だったり、相談に適さない人物であったりするとき、更に上位の上司に相談すべきケースです。
上位の上司ほど、より強い権限を持っています。また、組織全体の管理を行い、広い視野でパワハラ問題を検討し、解決してくれることが期待できます。直属の上司がパワハラ加害者のとき、更に上位の上司から注意してもらうことでパワハラを牽制できる可能性があります。
「ブラック上司の特徴と対策」の解説
職場の同僚
信頼できる同僚が職場にいるなら、パワハラ被害を相談してもよいでしょう。
同じ職場環境を共有している分、状況を理解しやすく、共感してくれるでしょう。パワハラ上司に皆が悩まされているとき、同僚への相談は特に有効。同僚の助言によって適切な相談先を見つけたり、場合によっては同僚と一緒に相談する方法もあります。勇気を出して打ち明けたら、被害者はあなただけではなく「実は自分も相談したかった」という例もあります。
1人では会社に立ち向かえなくても、同僚同士で協力することで意見を通しやすくなるケースもあります。1人では軽く見られていたパワハラも、集団で戦えば会社も無視できず、対応せざるを得ません。「パワハラ上司が原因で全員退職した」といった最悪の事態は、会社としても避けたいはずです。
ただ、「仲間意識」や「傷の舐め合い」にとどまると、パワハラ問題の解決には繋がりません。同僚に相談しただけでは解決しない重大な問題は、その他の相談先にも必ず相談しましょう。
人事部
ある程度の規模のある会社なら、パワハラ問題は、管轄する部署に相談した方がよいでしょう。労働問題は、人事部、もしくは法務部といった部署が適切です。
人事部は、労働環境や従業員の福利厚生を担当する部署なので、パワハラ問題にも適切な対処する必要があります。パワハラをどう防止するか、加害者を処分するか、被害回復をどう図るかといった点について、社内の決定は、人事に関する事項を決める部署が行います。また、法的な見地からパワハラの違法性を検討する必要があるので、法務部が担当することもあります。
したがって、人事部をパワハラ被害の相談先とすることによって、会社全体としての対策や予防策を講じてもらうことができます。
社長
会社の規模によっては、社長に直接相談することも考えられます。中小企業では特に、重要な判断は全て社長がしていることも多いです。
社長は、会社を統括し、社内で起こった労働問題の最終責任を取る立場です。社長が適切な対応をしないならば、もはや社内の相談先での解決は困難であり、いわば「最後の砦」です。直接の加害者が、相当上位の役職者でも、社長からの注意があれば止む可能性は十分あります。
会社は、労動者に対して安全配慮義務安全配慮義務を負いますが、社長は、経営に関する責任を負い、同義務を最終的に実行する立場にあります。パワハラの相談を受ければ、無視するわけにはいかないはずです。トップの指示があれば、迅速かつ効果的な対策が期待できます。
なお、社長自身がパワハラの加害者の場合には、社外の相談窓口が適切です。
社長には権限が集まるため、パワハラの加害者になりやすいものです。社長が加害者の場合、社内の相談先を選べないだけでなく、退職を余儀なくされるおそれもあり、徹底して争う必要があります。
「ワンマン社長の対策」の解説
内部通報窓口
社内に内部通報窓口が設置されているなら、相談先として適切です。
いわゆるパワハラ防止法により、パワハラの相談窓口を設けるのが会社の義務とされています。そのため、労動者に相談窓口の案内が全くないなら、それ自体が違法の可能性があります。
社内でもみ消されてしまいそうなとき、内部通報窓口を活用してください。内部通報窓口なら、匿名での相談や通報が可能です。外部の弁護士に相談窓口を委託している会社もあり、その場合、社内の相談窓口ではありますが、中立公正な立場からパワハラ問題についての判断を受けられます。
ただし、顧問弁護士が内部通報窓口を兼ねているとき、相談内容が会社に共有されてしまい、問題のある会社だと報復人事の対象とされる危険があります。社内の対応が悪いと、セカンドハラスメント(二次被害)となる危険があるので注意してください。
「セカンドハラスメント(二次被害)の対策」の解説
パワハラの相談を社外の相談窓口にすべきケースもある
社内で解決可能な場合もありますが、それはあくまで、パワハラ問題が軽微であり、かつ、社内の相談窓口が適切に機能し、正しい対応をする場合に限られます。重度のパワハラだったり、事後対応が不適切な会社だったりすると、社内の相談先では解決することは到底できません。
次のようなパワハラ問題は、社外の窓口に相談するのが適切です。
- 社長や役員など、経営陣がパワハラ加害者である
- 社内で相談してももみ消されるおそれがある
- 適切な対応の期待できないブラック企業である
- すぐ対処しないと危険な緊急性の高いパワハラ
速やかに社外の相談窓口に相談すべきケースについて、適切な相談先は次の通りです。
労働基準監督署
労働基準監督署は、労働者の権利を保護するための行政機関です。
労基署においてもパワハラ問題は相談件数の多い分野の1つ。労働基準監督署では、相談を受けると、必要に応じて企業を調査したり、指導したりし、これによってパワハラ防止の効果が期待できます。労働者の生命、身体を害する緊急性の高いパワハラには、直ちに対応してくれます。労働基準監督署に相談することで、法的な観点から問題解決のアドバイスを得ることもできます。
ただし、労働基準監督署は強い権限を持つ反面、軽度のパワハラに留まるケースでは、是正勧告や立入検査といったその強い権限を行使してくれないおそれがあります。
「労働基準監督署への通報」の解説
労働組合
労働組合を、パワハラの相談窓口とすることができます。
労働組合を相談窓口として選ぶと、団体交渉によって解決する方法となります。団体交渉では、労働組合のサポートを受けながら、会社と集団で話し合いをします。
労働組合は、憲法、労働組合法で、強い権利を認められています。「労働三権(団結権、団体交渉権、団体行動権)」により、弱い立場にある労働者が団結して戦うのです。社内の労働組合が衰退した現在では、社外の合同労組(ユニオン)に相談するのが適切です。
「労働組合がない会社の相談先」の解説
弁護士
パワハラ被害について、弁護士を相談窓口にすることができます。弁護士に相談するメリットは、「問題の切り分け」からすべて任せることができること。「どこに相談してよいかわからない」という問題も、弁護士ならすべて相談できます。
パワハラ問題が法的に複雑なケースや、損害賠償を求める場合は、弁護士への相談が適しています。労働問題に精通した弁護士に相談すれば、お悩みが違法なパワハラかどうかを含めて、法律の専門的な観点からアドバイスしてくれます。特に複雑なのが「パワハラと指導の違い」が争いとなるケースであり、このような場合、弁護士の助けを借りることで解決がスムーズに進みます。
違法なパワハラに対しては、労働審判や訴訟などの裁判手続きを利用して救済をサポートできるのも、弁護士に相談するメリットです。
「労働問題に強い弁護士の選び方」の解説
相談して不利益を受けることはない
パワハラを相談することで不利益を受けるのではないかと不安な方もいるでしょう。
実際は、労動者の権利を保護し、被害を最小限とする法制度が整備されており、パワハラ相談をしたことで不利益を受けたなら違法です。その代表的な法律が、公益通報者保護法です。
公益通報者保護法は、従業員が勤務先の不正を通報したことを理由として、解雇や減給などの不利益な扱いを受けないよう、通報者を保護するための法律です。この法律は、職場のパワハラを労働基準監督署や労働組合、弁護士といった社外の窓口に相談した際にも役立てられます。通報者が不利益を受けることを防止し、公正な環境で働けるようにすることが目的です。
また、労働基準法もまた、労動者の権利を保護するために、労働条件や環境の改善を求めて相談することを理由とした不利益な扱いを防止する規定を置いています。具体的には、労働基準監督署への相談や申告をしたことを理由に不利益な取扱いをすることを禁止し(労働基準法104条)、その違反に対しては、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金の刑事罰を定めています(労働基準法119条)。
「労働条件の不利益変更」の解説
パワハラを受けたときの相談の仕方
最後に、相談先を正しく選んだら、どうやって相談するか、パワハラの相談の仕方を解説します。パワハラを受けた際に効果的に相談するには、以下の手順やポイントを押さえるのが重要です。
相談の事前準備をする
パワハラの相談先が決まったら、実際に相談にいく前に、事前準備をしておきます。相談時間には限りがあり、装弾窓口によっては費用もかかるので、相談当日はスムーズに進める必要があります。また、相談内容を整理しておかないと、パワハラ被害を分かりやすく伝えられず、有効はアドバイスを得づらくなってしまいます。
相談の事前準備として、パワハラ被害について次の事項を事前にまとめましょう。うまく説明できない方は、メモを作成し、相談時に持参するのがお勧めです。
- パワハラ被害の起こった日時、場所
- パワハラと感じた具体的な理由
- パワハラと考える具体的な行為
- 加害者の氏名、役職、被害者との関係性
- 客観的証拠(録音・録画など)の有無
- 目撃していた第三者(証人)の有無
- 希望する解決方法
相談内容の整理ができたら、深刻さに応じてどこに相談するかを決めます。本解説をもとに、社内と社外の相談窓口のいずれがよいか、状況に応じた最適な相談先を選んでください。
「パワハラのメモ」の解説
パワハラの証拠を集める
パワハラの相談をする際には、具体的な証拠を集めることが重要です。
パワハラの多くは、陰湿に隠れて行われます。そのため、パワハラかどうかや、被害の程度を相談先に理解してもらうには、証拠を揃えなければなりません。中立的な窓口ほど、パワハラの証拠がないと内容を信じてくれず、良いアドバイスが得られないことがあります。
パワハラの証拠として役立つのは、例えば次の資料です。
- パワハラ行為に当たるメールやメッセージ、命令書などの書面
- パワハラ言動の録音、録画
- パワハラを受けた日時や場所、内容を記録した日記やメモ
- 同僚や目撃者など、第三者の証言
現在まさにパワハラに悩まされているなら、まずはパワハラの録音を取るのが重要です。過去のパワハラについて訴えたいなら、当時の記録や日記、メモなどを収集しましょう。
「パワハラの証拠の集め方」の解説
当日の相談の仕方
当日の相談の仕方についても注意が必要です。
パワハラの相談の場合は特に、感情的にならず冷静に、事実のみを伝えるのが大切です。パワハラの加害者への恨みが溜まっているのは理解できますが、感情的に話すと重要な事実が伝わらないばかりか、「他責思考だ」と思われイメージ悪くとらえられる危険もあります。許せない気持ちは当然ですが、「加害者や会社への不平不満」と受け取られないようにすべきです。
「具体的な事実」を話すことも大切です。
「抽象的」だったり、「事実」でなく「評価」「感想」だったりすると、少なくとも「相談」としては不適切であり狙った目的は果たせません。事実を具体的に説明するには「5W1H」に従って詳細に伝え、不明点についてはむしろ、相談窓口の担当者から質問してもらいながら進めるのが適切です。
「労働問題の具体例と解決策」の解説
相談だけで解決しないパワハラはどこに訴える?
パワハラ問題が「相談」だけで解決しない場合、次のステップとして、法的な手続きに訴える必要があります。法的措置を検討するなら、あらかじめ弁護士に相談しておきましょう。弁護士は裁判に要する法律知識、裁判例の知識を有し、豊富な経験があります。
相談で解決しないパワハラを訴える方法は、労働審判、もしくは訴訟がお勧めです。
労働審判は、労働問題を迅速に解決するため準備された、訴訟より簡易な手続きです。労働審判では、裁判所が調停と審判を通じて問題を解決します。調停による話し合いがまとまらない場合に審判が下されますが、当事者のいずれかに異議があると、訴訟に移行します。
最終手段は、民事訴訟を起こすことです。
パワハラの訴訟は、慰謝料をはじめとした損害賠償の請求を内容とします。弁護士に依頼すれば、訴状の作成や証拠の準備、裁判の審理の進行に至るまで、代理人として任せることができます。
「労動者が裁判で勝つ方法」の解説
まとめ
今回は、パワハラの相談窓口や相談方法について詳しく解説しました。
継続的なパワハラほど、精神的苦痛は非常に大きいです。否定され続ければ、「自分は無価値だ」「自分が悪い」と思い込み、うつ病などの精神疾患になってしまう危険もあります。不安を払拭するきっかけこそパワハラの法律相談。パワハラの問題は一人で抱え込まず、相談するのが重要です。
パワハラは違法であり、会社や加害者に慰謝料を請求すべきです。
社内の相談窓口だけでなく、弁護士や労働局など、頼りになる相談先は多く用意されています。本解説を参考に、適切な相談窓口へパワハラの悩みを打ち明けてください。大切なのは勇気を持って一歩を踏み出し、自分の権利を守ることです。正しい相談先からアドバイスと解決方針を教えてもらうことができれば、より良い職場環境を目指せます。
どこに相談してよいかお悩みなら、まずは弁護士にご相談ください。
- パワハラの相談窓口は、「緊急性」と「重要性」を基準に選ぶ
- まず社内での解決を試み、解決できない場合は社外の相談窓口を活用する
- パワハラの相談の仕方は、具体的な事実を整理し、詳細に伝えるのがポイント
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【パワハラの基本】
【パワハラの証拠】
【様々な種類のパワハラ】
- ブラック上司のパワハラ
- 資格ハラスメント
- 時短ハラスメント
- パタハラ
- 仕事を与えないパワハラ
- 仕事を押し付けられる
- ソーハラ
- 逆パワハラ
- 離席回数の制限
- 大学内のアカハラ
- 職場いじめ
- 職場での無視
- ケアハラ
【ケース別パワハラの対応】
【パワハラの相談】
【加害者側の対応】