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浅野 英之
弁護士
弁護士(第一東京弁護士会所属、登録番号44844)。
東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。

企業側の労働問題を扱う石嵜・山中総合法律事務所、労働者側の法律問題を扱う事務所の労働部門リーダーを経て、弁護士法人浅野総合法律事務所を設立。

不当解雇、未払残業代、セクハラ、パワハラ、労災など、注目を集める労働問題について、「泣き寝入りを許さない」姿勢で、親身に法律相談をお聞きします。

→労働問題弁護士ガイドとは
★ 労働問題を弁護士に相談する流れは?

労働問題とは?具体例と、種類ごとの解決策について詳しく解説

労働問題は、働くことに関する問題のこと。労働者として会社に雇われて働けば、労働問題は日常的に起こってしまいます。

労働問題は、人の生活に密接に関わる分だけ、トラブルとなると悩みも深刻です。「労働」は「人生」の大半を占めるので、労働問題を解決できないと不利益は甚大です。そして、一口に「労働問題」といっても、不当解雇、未払残業代、サービス残業、セクハラ、パワハラ、労災など、様々な種類があり、その種類ごとに内容や解決策も異なります。

相談者

自分の悩みは労働問題に含まれるのだろうか

相談者

労働問題をどう解決したらよいかわからない

労働問題に悩まされているとき、素人判断で動くのは危険です。労働者は、労働問題では「被害者」になる場面が多いからです。残念ながらブラック企業に入社してしまうと、労働問題を解決するのに莫大な労力を要します。

誰しもが直面しうる労働問題の解決策は、まずは弁護士に相談するのが最適です。弁護士なら、労働問題の解決方法、解決手段を何種類も知っていて、相談されたケースに合わせた方針を提案することができます。

今回は、労働問題の内容と種類を例を挙げて解説します。また、労働審判、裁判といった労働問題の解決方法とその選び方など、基本的な知識もあわせて紹介します。

この解説のポイント
  • 労働問題は労働者の人生に関わる深刻な問題であり、速やかに解決する必要がある
  • 労働問題を、労働者に有利に、スピーディに解決できる方法は、主に3つ
  • 弁護士に相談する方法によって、適切な解決策の選択から、アドバイスをもらえる

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解説の執筆者

弁護士 浅野英之

弁護士(第一東京弁護士会所属、登録番号44844)。
東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。

企業側の労働問題を扱う石嵜・山中総合法律事務所、労働者側の法律問題を扱う事務所の労働部門リーダーを経て、弁護士法人浅野総合法律事務所を設立。

不当解雇、未払残業代、セクハラ、パワハラ、労災など、注目を集める労働問題について、「泣き寝入りを許さない」姿勢で、親身に法律相談をお聞きします。

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労働問題に関する相談は、弁護士が詳しくお聞きします。
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労働問題とは

労働問題とは、その名のとおり、「労働」にまつわる問題事です。「労働」とは、働くこと。そして、「問題」とは、トラブルのことです。

労働問題は、求職から入社、就労中はもとより、退職ないし解雇に至るまで、あらゆるタイミングで起こります。会社で働くと、多数の人が1つの場所に集まるため、どうしてもトラブルが避けられません。このとき、会社と労働者との間で(場合によっては労働者間で)労働問題が起こります。

そして、労働問題の起こる場面では、労働者は、会社に雇われて給与をもらっているために、会社には逆らい辛く、弱い立場に置かれます。労働問題における労動者は、いわば「被害者」というわけです。労動者から搾取し、虐げる「ブラック企業」の出現により、弱い立場にある労動者を保護する必要性が高まる近年、労働問題は、特に社会問題となっています。

労働法は、労働問題を、労働者を保護しながら適正に解決するために存在します。労動者の立場で、労働問題を有利に解決しようとするなら、労働法の理解は必須。労働基準法労働組合法労働関係調整法という3つの法律を「労働三法」と呼びますが、近年の「働き方改革」に代表されるように労働法は時代に合わせて新設・改正されるため、法律の専門家である弁護士のサポートは欠かせません。

一言で「労働問題」といっても様々な種類があり、全ての問題を同一に扱うのは危険です。労働問題は、そのケースや内容に応じて、適切な解決方法、解決策が異なるからです。

適切な解決方法を選ぶには、今回解説する労働問題の種類と、労働問題の解決方法をそれぞれ理解するのが大切です。

労働問題に強い弁護士の選び方」の解説

労働問題の種類

労働問題とはどのようなものかを知り、その解決方法を理解するには、労働問題にどのような種類があるのかという分類を知るのが近道です。

ここでは「緊急性」「起こる時期」という2つの側面から、労働問題の種類を説明します。

「緊急性」による労働問題のまとめ

労働問題のなかには、緊急性が高く、すぐに対処すべき課題が多くあります。労働者の生活の支障となったり、最悪は命にかかわったりする労働問題は、緊急性が高いです。

一方、重要な労働問題ではあるけれども、緊急性はそれほど高くない問題もあります。職場環境や社内の人間関係のように、労使の話し合いによって徐々に改善が期待できる問題点であれば、さほど緊急だとはいえず、むしろ時間をかけて解決していくべきものです。

「緊急性」による労働問題の分類は、次のようにまとめられます。

  • 緊急性が高い労働問題とは
    放置しておくと、労動者の生命や生活を根本から奪うおそれがある。
    (例:労災長時間労働、重度のハラスメント、給料の未払い、不当解雇など)
  • 緊急性が中程度の労働問題とは
    生命を奪うほどではないが労動者のダメージが大きく、金銭解決が必要である。
    (例:未払い残業代、不当処分など)
  • 緊急性が低い労働問題とは
    話し合いによって時間をかけて解決していくことが期待できる。
    (例:軽度のハラスメント、不当な人事評価、職場環境など)

緊急性の高い労働問題ほど、労働審判、訴訟といった裁判手続きによる解決策を講じるべきです。緊急性が特に高いトラブルでは、「仮処分」という裁判手続きによって、通常訴訟よりも早く裁判所の「仮」の判断を得られる手段も選ばれます。例えば、不当解雇によって失われた給料をすぐに回復して生活を守る必要性の高いケースでは、賃金仮払いの仮処分が活用されています。

一方で、緊急性の低い労働問題の解決方法としては、まずは話し合いによる解決を図るべきです。職場環境の問題のように他人との調整が必要な問題は、会社や社長、上司と話し合って、徐々に解決していくのに適しています。

ただし、緊急性が低いからといって、労働問題の重要性が落ちるわけではありません。

緊急性の低い労働問題だと甘く見ていて、突然に深刻化するケースも珍しくないからです。例えば、未払い残業代を請求せずに放置していたところ、長時間労働が続き、過重労働の問題点に発展してしまったケースなどが挙げられます。

重度の労働問題に発展することが予想される場合には、当初の段階から緊急性の高いトラブルと同じ解決策をとるべきこともあります。

「起こる時期」による労働問題のまとめ

どのようなタイミングで起こるかによっても、労働問題を詳しく知ることができます。

労働問題は、労働のすべてのシーンで起こります。つまり、労働者の就労中はもちろん入社前に起こることがありますし、退職後に起こる労働問題もあります。「起こる時期」による労働問題の分類は、次のようにまとめられます。

労働問題の起こる時期、タイミングによって、適切な解決方法が異なります。

例えば、労働問題の解決方法のなかでもよく利用される労働審判は、労使間のトラブルのうち、主に退職時の労働問題の解決策として利用されることの多い手続きです。入社前や退職後など、雇用関係が成立していないタイミングでの争いは、労働審判より訴訟が適しているケースもあります。

なお、時効にかからない限り、在職中の労働問題を、退職してから争うことも可能です(例:残業代の時効は3年、ハラスメントの時効は3年または5年)。

不当解雇をいつまで訴えることが可能か」の解説

労働問題の解決方法とは

ここまでの解説で、残念ながら身に降りかかった労働問題が、具体的にどのように分類される問題なのかを理解することができます。その上で、次に、その労働問題の解決方法について解説します。

労働者側で、特に有効であると考えられる労働問題の解決方法には、次の3つの方法があります。

いずれの労働問題の解決方法にもメリットとデメリットがあるので、どの方法が一番よいかは、ケースによって異なります。スムーズに労働問題を解決し、かつ、労働者に有利な解決とするためには、適切な方法を選択する必要があります。なお、今回紹介する以外にも、労働問題を解決できる「可能性のある」方法はありますが、上記の3つは「より労働者に有利に」「より迅速に」「法律に基づいて適法に」解決するという視点で、重要度の高いものです。

次章以降では、労働問題の3つの解決方法について、それぞれの解決方法の特徴、メリットとデメリット、有効な活用方法などを弁護士が解説します。

労働問題の解決方法1│弁護士に相談する

弁護士は、法律の専門家です。弁護士に相談する方法を「法律相談」といい、労働問題の解決方法として真っ先に思いつくでしょう。

弁護士にも得意分野が分かれており、離婚や交通事故などの個人の法律問題を得意とする弁護士もいれば、企業法務など会社の案件を得意とする弁護士もいます。そして、労働問題を得意とする弁護士にも、労働者側の立場の弁護士、使用者側の立場の弁護士、両方とも扱う弁護士などがいます。

労働問題に強い弁護士に依頼すれば、労働審判、訴訟、仮処分といった、裁判所を利用してする強力な解決方法によって労働問題を解決できます。

裁判所で行われる労働問題の解決方法は、労働者自身だけでも利用可能です。しかし、法律知識や裁判例の知識がなければ、有効活用するのは難しいです。弁護士がいれば、労働問題を解決した経験、労働法の豊富な知識によりサポートしてもらえ、労働者側にとって有利な解決に導いてもらえます。

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弁護士による労働問題の解決方法のメリット

弁護士は、労働問題はもちろん、あらゆる法的トラブルについて、本人の代理人として交渉する権限があります。

労働問題を扱う専門家は多々いますが、代理権があるのは弁護士のみです。弁護士以外が、法的トラブルについて代理をするのは、違法な「非弁行為」であり、弁護士法72条で禁止されます。

弁護士を代理人とすれば、一切の交渉窓口を弁護士にまかせられます。そのため、ブラック企業やワンマン社長からのしつこい連絡、パワハラ的なやりとりも、自分で相手をする必要はなくなり、労働問題のストレスから解放されることができます。

労働問題の解決実績が豊富な弁護士なら、労働法についての専門的な知識をふまえて、依頼者である労働者の主張したい内容を的確に会社に伝え、交渉を有利に進められます。

労働問題の解決は、自分ひとりでも可能ではありますが、証拠を収集したり、会社、社長、上司と直接交渉をしたり、裁判所への手続を行ったりすることは、不慣れな個人には困難な場合もあります。

弁護士による労働問題の解決方法のデメリット

労働問題の解決を弁護士に依頼するとき、注意しなければならないのは、適切な弁護士の選び方です。そのため、依頼するよりも前に、労働問題を解決した実績がどれほどあるのか、初回の法律相談などで十分に確認する必要があります。

また、労働問題をひとまとめに議論することもできません。労働問題のなかには、不当解雇、残業代請求、セクハラ、パワハラといった典型的なものばかりではなく、労災、職場いじめなど、さまざまな問題があります。労働問題にしっかりと取り組んでいる法律事務所でなければ、あなたのケースが特別で、めずらしい問題だと、解決しきれないおそれもあります。

弁護士に依頼するときに注意すべきポイントとして、費用面の問題もあります。予想外の費用がかからないよう、相談時に念入りに説明してもらうようにしましょう。

労働問題を弁護士に無料相談する方法」の解説

労働問題の解決方法2│労働基準監督署に通報する

労働基準監督署とは、ブラック企業をはじめとした会社が、労働基準法、労働安全衛生法など、労働問題についての基本的な法律に違反しないよう監督する行政機関です。厚生労働省の管轄であり、略して「労基署」ないし「労基」とも呼ばれます。

労働問題のなかでも、基本的な労働法に違反した会社には、刑事罰を初めとした厳しい処分が下されます。そのような問題が起こらぬよう監督し、いざ問題を発見したら制裁を加える、とても強い権限をもった機関です。

労働基準行政の組織

しかしその反面、権限が強い分だけ、対応範囲は限定されます。労働基準監督署は、「警察」をイメージするとわかりやすいでしょう。

刑事罰のついた労働法違反という深刻なケースで、動いてくれさえすれば強力な解決方法となりますが、そうでない軽度な問題では労働者側にまったく味方してくれず、「話を聞いてくれるだけで何もしてくれない」、「役立たずで意味がない」というイメージを持つ方もいます。

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労働基準監督署による労働問題の解決方法のメリット

労働基準監督署を利用するメリットは費用面にあります。労働基準監督署が動いてくれて労働問題が解決されれば、労働者の出費はゼロ。費用のまったくかからない解決方法となるのです。

費用がかからないわりには、刑事罰という強い効果ある解決手段でもあります。残業代が払われない、給料がもらえないといったケースでは、労働者は生活に困窮しているでしょうから、費用がかからない解決方法は、とても重宝します。

月100時間の長時間労働過労死してしまった」「労災隠しをされている」など、緊急性、重要性ともに高い労働問題では、とても頼りになる解決方法です。労働基準監督署には警察と同じく強制捜査の権限があり、社長、役員を逮捕・送検する強い権限があります。

労働基準監督署による労働問題の解決方法のデメリット

労働基準監督署は、とても強力な解決方法ですが、デメリットもあります。まったく対応されず、軽くあしらわれたり、相談しても動いてくれず、あきらめるよう労働者が逆に説教されたりする例も少なくありません。

労働基準監督署は、決して「労働者の味方」ではありません。労働法によるルールや秩序を守るため、労働基準法違反の企業には刑事罰など厳しい処分をしてくれ、結果として労働者の利益になることはありますが、あくまでも社会のためであり、労働者個人のためではありません。

次のような労働問題は、労働基準監督署が、解決方法として向いていないおそれがあります。その他の解決方法も検討したほうがよいでしょう。

  • 不当解雇の撤回を求める場合
  • 民法の違反など、労働基準監督署の管轄外の法律への違反
  • 刑事罰のついていない労働問題
  • 労使いずれにも原因のある労働問題(労働者側にも原因のある解雇など)
  • 軽度のセクハラ、パワハラなど、事情の把握が困難な労働問題

労働基準監督署に相談するとき、できるだけ動いてもらいやすくするためには、時系列のメモをまとめたり、必要な証拠資料をわかりやすく整理したりする準備が大切です。

労働基準監督署への通報」「労働基準監督署が動かないときの対処法」の解説

労働問題の解決方法3│労働組合に相談する

労働組合とは、労働者同士が団結して、助け合って労働問題を解決するための組織です。憲法と労働組合法という法律によって、強い権利保障され、保護を受けます。

労働組合は、会社にも行政機関にも頼ることのない独立した存在です。労働者が自主的に運営することで、労働三権(団結権・団体交渉権・団体行動権)を発揮し、労働問題の解決を目指します。そのため、労働組合による労働問題の解決は、話し合い(団体交渉)の方法によります。

日本の伝統的な労使関係では、企業内に労働組合が組織されることもありましたが、現在では、企業内組合のある会社は少ないか、存在しても、会社とのつながりの強い、いわゆる御用組合のケースが多いです。現在、労働問題の解決方法として機能しているのは、社外にあって労働者1人から加入できることを謳う「合同労組(ユニオン)」です。

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労働組合による労働問題の解決方法のメリット

労働問題の解決方法として労働組合を選ぶメリットは、法律による強い保障です。つまり、労働組合は、憲法と労働組合法によって強い権限を付与されています。

憲法はすべての法律の基礎であり、ここに労働組合の団結する権利が定められていることは、労働組合がそれだけ労働問題の解決方法として認められていることを意味しています。憲法では、労働三権(団結権・団体交渉権・団体行動権)が認められており、正当な組合行為であれば、ストライキ、争議をすることができ、民法、刑法への違反も免責されます。

労働三権とは

更に、労働組合法は、不誠実交渉、不利益取扱、支配介入の3つを違法な不当労働行為とし、厳しく禁止します。これにより、会社は、労働組合から団体交渉を申し入れされたとき、正当な理由なく拒否できず、しっかりと話し合いをし、労働問題の解決を目指さなければなりません。

労働組合による労働問題の解決方法のデメリット

労働組合に相談することによって労働問題を解決する方法には、さほど大きなデメリットはありません。ただ、労働組合に相談するにあたり、いくつか注意しなければならない点があります。

まず、費用面の問題です。労働組合に相談するとき、弁護士ほど費用がわかりやすく表示されない例もあるものの、タダではありません。労働組合に相談し、団体交渉により労働問題を解決しようとするとき、費用を明確にしておくとよいでしょう。

労働組合に加入する必要があるか、加入後に組合活動に協力する義務があるかも確認してください。

憲法、労働組合法に認められた労働組合の権利は強力ですが、一定の限界もあります。

団体交渉による話し合いが進まず、平行線となったとき、他の解決方法を選択するしかないこともあります。また、全ての会社に労働組合があるわけではなく、労働組合のない会社で、労働問題に悩むときには、別の解決策を試す必要があります。

労働組合がない会社での相談先」の解説

よくある労働問題の例にはどんなものがあるか【一覧】

次に、労働問題をよりわかりやすくイメージいただくため、実際にどのような労働問題が起こりがちなのか、よくある労働問題の具体例を挙げて解説します。

以下の「解雇」「残業代」「ハラスメント」といった労働問題のテーマは、その名称こそがそのまま、労動者にどのような不利益が及んでいるかを端的に表わしています。

どのような解決策を選ぶにせよ、労働問題のタイプごとの法律知識を理解が欠かせません。たとえ弁護士に相談するにせよ「どの弁護士がよいか」「労働問題に詳しい弁護士なのかどうか」は、労働者が自分で判断せねばなりません。そのためには、労働問題についての法律知識を事前に得ておき、法律相談時に質問するなどして、損しない選択をする必要があります。

不当解雇のよくある労働問題の例

解雇とは、会社が、労働者との雇用契約を、一方的に解約することです。

解雇をされるケースのなかでも、不当解雇は違法であり、最も労働問題に発展しやすいケースです。具体的には、解雇権濫用法理により、客観的に合理的な理由、社会通念上の相当性なく行われる解雇は、違法性があります(労働契約法16条)。

労働者が辞めたくないのに、会社から一方的に出社しないよう命じられたり、辞めざるを得ない状況に追いやられるのが、不当解雇の典型例です。「解雇」「クビ」といった明示的な発言がなくても、労働者が辞めたくないのに辞めさせられるなら、不当解雇といってよいでしょう。

不当解雇に強い弁護士への相談方法」の解説

残業代請求のよくある労働問題の例

残業代は、決められた時間以上に働いたときに、必ずもらえる法律上の権利です。具体的には「1日8時間、1週40時間」の法定労働時間を超えて働いた時間に対しては、残業代が支払われます(労働基準法37条)。

そのため、残業代が未払いなのは、深刻な労働問題といってよいでしょう。「残業代が全く支払われない」という会社がブラック企業なのは当然ですが、実際には、残業代を払おうとしない会社の手口は年々巧妙化しています。

固定残業代、みなし残業手当などの名目で残業代の一部を払い、それですべて終わらせようとするケースや、残業許可制や持ち帰り残業を駆使して、サービス残業せざるを得ない状況に追い込むといった、労働問題が生じていることすら気付かせないのが、近年の残業代トラブルによくある例です。

残業代請求に強い弁護士への無料相談」の解説

労災・安全配慮義務違反のよくある労働問題の例

業務に関連して病気になったり、ケガしたりすれば労災(業務災害)です。労災を申請して、労災認定がおりれば、労災保険給付をもらえるほか、解雇制限がかかるため、療養によって休職している間、解雇されることなく安心して休むことができます。

職場環境の劣悪さが原因で、うつ病や適応障害といった精神疾患に罹患してしまったケースは、労災の労働問題の例でよくあるものです。このようなケースでは、会社には、職場環境に配慮して、安全に働いてもらう義務(安全配慮義務)の違反がありますから、損害賠償請求をすることもできます。

労災について弁護士に相談する方法」の解説

セクハラのよくある労働問題の例

セクハラとは、セクシュアルハラスメント、つまり、性的な嫌がらせです。職場なのに、性的な嫌がらせを受ければつらいのは当然のことであり、労働問題の典型例だといってよいでしょう。

セクハラの労働問題の例には、性的な行為を強要されたり、しつこくデートに誘われたり、性的関係を断ったことを理由に不利益な扱いをしたりするといった事例があります。また、セクハラをめぐっては、被害者側に労働問題が生じるだけでなく、加害者側でも、セクハラ冤罪といった別の労働問題に巻き込まれるおそれもあります。

セクハラの相談窓口」の解説

パワハラのよくある労働問題の例

パワハラは、パワーハラスメントのことで、つまり、優位な地位を利用した嫌がらせです。暴力を伴う重度なものがある一方で、パワハラの労働問題のなかには、軽度な相談もたくさん含まれます。

殴られた、蹴られた、物を投げられた、職場でいじめられた、違法な命令をされたといったものから、誹謗中傷を受けた、悪口を言われた、無視されているといった相談もあります。職場への不平不満がパワハラ相談にあらわれると、すべての労働問題が法的に解決できるとは限りません。

パワハラの相談窓口」の解説

労働問題が起こらないよう対策するのも大切

発生した労働問題の解決策だけでなく、実際は、労働問題が起こらないよう対策するのが肝心です。労働問題を減らす取り組みは、本来なら使用者がしっかりと着手すべきです。会社は、働かせるための適正な環境作りをする必要があり、そのために業務命令権や人事権を行使しながら、法令を遵守し、企業の秩序を守らなければなりません。

とはいえ、企業のみでは限度があり、労動者の協力が必要なのも事実。また、予防策を実施しない会社や、不適切な行為を放置したり、あえて違法なことをしたりするブラック企業も存在します。労働問題の犠牲にならないためには労動者側での対策も必須なのです。

最後に、働く人が理解すべき、労働問題の事前対策について解説します。

労働契約の内容を確認する

労動者と会社との関係は「労働契約」という契約関係です。「契約」は、すなわち法的な「約束」であり、労使関係のルールとなります。そのため、重要な内容をよく確認する必要があります。

雇用契約書や労働条件通知書に書かれた給料や勤務時間、職務内容といった労働条件を把握し、不明点は使用者に質問することで、不当な扱いを避けることができます。労働条件の確認は入社前に必ず行うべきですが、「入社したら実際は条件が異なっていた」という労働問題も珍しくありません。

求人内容と違う労働条件の違法性」の解説

労働法の基本知識を理解する

労働問題の解決は、法律によって行うべきです。「法律」は社会のルールであり、労働問題は、最終的には労働法に基づいて、裁判所の判断によって解決されるからです。労動者としての権利や義務を理解すれば、正当な権利を奪われたり、不当な義務を課されたりすることを防止できます。

労働問題のトラブルのなかには、会社の言い分や説明が正しくなかったり、処分が無効であったりする例もあります。法律の基本的な知識を知ることで、会社の誤った判断を信じたり、言うなりになったりするのを止めることができます。

職場のコミュニケーションを円滑に保つ

労働問題の多くは、コミュニケーションの不足から生じます。

ハラスメントの問題が典型例であるように、上司や同僚と、日常的に良好なコミュニケーションを取っておけば、問題が大きくなる前に対処することができます。重度の労働問題に進展しないよう注意し、職場の悩みは小さいうちに解消すべきです。

専門家への相談は早めに行う

「労働問題かもしれない」と疑問を持った段階で、早いうちに専門家に相談しましょう。弁護士の無料相談や行政機関を活用すれば、費用はかかりません。労働組合に事前に加入しておくのも有効です。

労働問題が悪化すると、ストレスによって心身に不調を来す方もいます。労働問題を予防するためには、早く被害の予兆に気づくことが大切であり、自身の健康管理も欠かせません。弁護士に相談すると共に、医療機関の受診も忘れず行ってください。

スキルアップで選択肢の幅を広げる

自分のスキルを磨き、キャリアを積むことで、職場内での評価を高めることも、労働問題の事前対策となります。スキルアップをすれば、劣悪な労働環境に我慢して働き続けるのでなく、転職してキャリアを転換する選択肢を持てるからです。

気になることは全て記録して証拠化する

労働問題を解決する方法のうち、最終手段は「裁判」です。そして、裁判所における審理は、証拠を重視して行われるため、証拠のない主張は、たとえ正しかったとしても裁判所では認めてもらえないリスクがあります。

証拠となる資料は、労働問題が起こっている「最中」に集めるのが最善です。勤務時間、業務内容や会社からの指示の内容など、日々の業務に関することについて、疑問を感じたら全て記録を取っておくようにしてください。労働問題が発生した際の具体的な証拠として活用できます。

労動者が裁判で勝つ方法」の解説

まとめ

弁護士法人浅野総合法律事務所
弁護士法人浅野総合法律事務所

今回は、労働者として会社で働くなら誰しも、いつでも遭遇しうる「労働問題」について、まとめて解説しました。

労働問題の解決方法を知り、そのなかから適切な解決策を選ぶため、基本的な法律知識を理解してください。労働問題の解決方法は1つではありません。労働者にとって有利な解決を得たいならば、数ある解決方法のなかから、ケースに応じた適切な解決策を選ばなければならず、このとき、労働法をはじめとした法律の専門知識が役に立ちます。

労働問題を解決したいとき、解決方法に迷うなら、まずは弁護士にご相談ください。「法律」「裁判」以外の解決方法を活用すべきケースでも、労働問題を熟知した弁護士なら、相談を受けたトラブルの種類に応じて、解決方法を丁寧にアドバイスすることができます。

この解説のポイント
  • 労働問題は労働者の人生に関わる深刻な問題であり、速やかに解決する必要がある
  • 労働問題を、労働者に有利に、スピーディに解決できる方法は、主に3つ
  • 弁護士に相談する方法によって、適切な解決策の選択から、アドバイスをもらえる

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