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契約社員の「雇止め」は違法?雇止めを撤回させる4つの方法

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アルバイト、パート、契約社員など、正社員ではない「非正規社員」は、正社員よりも劣悪な労働環境に置かれていることが多く、労働トラブルが多く起こっています。

特に、契約期間の定めのある「契約社員」は、契約期間の満了を理由に、会社から「退職をしてほしい。」、「更新はしない。」といわれることがあります。これを「雇止め(雇い止め)」といいます。

「契約社員」は、契約期間が終わることで、雇用が終了するのが原則です。雇用契約のとき、期間についても「契約社員」は合意したのですから、期間満了で終了しても「契約社員」にとって不利益ではないからです。

しかし、期間満了によってただちに契約が終了するのでは、「契約社員」にとって不利益が大きすぎる場合があります。例えば、次のケースです。

  • 雇用契約が更新されて、長期間にわたって雇用されているケース
  • 仕事の内容や責任が、正社員と全く変わらないケース
  • 契約を更新しないことに、まったく合理的な理由がないケース

そこで、労働法や裁判例では、一定の要件のもとに「契約社員の雇止め(更新拒絶)」が許されないこととなっており、上記のケースでは、「不当解雇(不当な雇止め)」として無効になるわけです。

今回は、契約社員の雇止め(雇止)が違法、無効となる要件と、「雇止め」を撤回させる方法を、労働問題に強い弁護士が解説します。

1. 雇止めは「会社の自由」ではない!

会社が契約社員に対して、雇用契約期間が終わったことを理由に会社を辞めてもらうことを「雇止め」といいます。契約期間が終わったとき「更新」しないことにより、これ以上雇い続けないということです。

契約社員は、忙しいときだけ雇われているケースもあり、会社の業績が悪化したり仕事が減ったりすると「雇止め」されることも少なくありません。

しかし、「雇止め」は、会社が自由に行うことができるわけではありません。たとえ「契約社員」であっても、契約更新されて長年働いてきた労働者や、正社員とかわりない労働者の場合、「雇止め」が無効となるケースもあります。

契約社員などの期間の定めのある労働者であっても、賃金(給与)は重要な生活の糧であるのは当然であり、突然収入を得られなくなってしまえば家族を路頭に迷わすことになりかねないからです。

2. 雇止めが無効となるケース

「雇止め」が、会社の一方的な都合だけではできない場合があり、「不当解雇(不当な雇止め)」として争うことができることを理解していただけましたでしょうか。

その上で、特に「許されない雇止め」のケースについて、契約社員の方にも具体的にイメージしていただくため、まずは「雇止め」が無効となる具体例について、弁護士がまとめました。

2.1. 予告のない雇止め

正社員を解雇するときは、労働基準法によって、解雇日の30日前に予告するか、もしくは、予告が不足する日数分の手当(解雇予告手当)を支払うかの方法によって、労働者にあらかじめ解雇を伝えなければなりません。

「契約社員の雇止め」の場合、労働基準法によって「解雇予告」が義務付けられてはいないものの、次の場合には、雇止め(契約満了)の30日前に、予告をすべきとされています。

  • 雇用契約が、合計3回以上更新されている場合
  • 契約期間が1年以下の雇用契約が更新され、合計1年を超える場合
  • 契約期間が1年を超える雇用契約の場合

したがって、「契約社員の雇止め」についての労働トラブルで、契約社員が保護されるべきケースであるのに、「雇止め」を事前に予告していない場合、その「雇止め」は無効と判断されやすくなります。

2.2. 契約更新を繰り返した後の雇止め

たとえ契約社員であっても、何度も雇用契約を更新され、長年会社で働き続けている場合には、正社員と大きく変わりがない立場にある労働者の方も多く存在します。

そのため、有期契約を過去に複数回更新しているようなケースでは、契約社員であっても「長く働き続けられるはずだ。」「雇い続けてもらえるはずだ。」という期待が生まれますから、保護する必要があります。

したがって、「契約社員の雇止め」のうち、過去に契約更新を繰り返したことがあるケースでは、「雇止め」は無効と判断されやすくなります。

2.3. 合理的な理由のない雇止め

契約社員であっても、全く理由がないのに契約を終了して、会社から追い出すことは適切ではありません。

特に、さきほど解説したような、契約更新を繰り返し、正社員とあまり変わらない状態にある契約社員は、正社員の解雇と同様に、「雇止め」について「合理的な理由」が必要となります。

つまり、契約更新を繰り返した後に「雇止め」をしようとする場合には、「解雇権濫用法理」と同様に、「雇止め」もまた厳しく制限され、無効となる可能性があるということです。

3. 契約更新後の雇止めは無効!?

「契約社員」であっても、契約が何度も更新されたり、契約期間の制限のない正社員と同視されるような場合には、労働者の「雇い続けてもらえるであろう。」という期待を保護する必要があります。

この労働者の期待を保護する「雇止めの法理」というルールについて、弁護士が解説します。「雇止めの法理」は、裁判例によってつくられ、現在は労働契約法に定められて、より明確化されています。

したがって、今後は、契約社員の方であっても、不当な「雇止め」の被害にあった場合には、労働審判や訴訟で、積極的に会社と争っていくことができるというわけです。

3.1. 「雇止めの法理」とは?

冒頭でも解説したとおり、契約期間が終われば契約は終了するのが「契約社員」の原則ですが、「雇止めの法理」は、この原則の「例外」としての意味があります。

では、どのような場合に「雇止めの法理」が適用されて、契約社員の雇止めが「不当解雇」であり違法、無効と判断されるのでしょうか。

「雇止めの法理」のルールを定めた労働契約法の条文には、次のとおり書かれています。

 労働契約法19条 

有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって、使用者が当該申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす。

  1. 当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められること。
  2. 当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められること。

この労働契約法の「雇止めの法理」によれば、一定の場合には、正社員の解雇と同じように、「解雇権濫用法理」の要件が、雇止めを行うためにも必要となるということです。

3.2. 雇止めを無効にできる条件は?

さきほど説明しました労働契約法によれば、「雇止めの法理」のあてはまるケースでは、

  • 客観的に合理的な理由があり
  • 社会通念上相当な雇止め

でない限りは、「契約社員の雇止め」は違法、無効となるということです。

「雇止めの法理」のあてはまる次の2つのケースでは、契約社員の雇止めは、「不当解雇(不当な雇止め)」として違法、無効となるということです。

  • 有期労働契約の雇止めが、期間の定めのない労働契約の終了と社会通念上同視される場合
  • 有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由がある場合

4. 契約社員の期待は保護される?

「雇止めの法理」によって「雇止め」が違法、無効となるケースは、「契約社員」の「契約が更新されるはず。」、「継続的に雇ってもらえるはず。」という期待を保護すべき場合をいいます。

ここで「契約社員の期待が保護されるのは、どのようなケースか?」が問題となります。

「雇止めの法理」のルールを定める労働契約法にも、すべての判断基準が書かれているわけではないため、どのような場合に「契約社員」の期待が保護されるかは、裁判例を検討しましょう。

契約社員の期待を保護し、「雇止め」を無効と判断すべきケースかどうかについて、考慮される事実について弁護士がまとめました。

 例 

例えば、有名な判例に、期間の定めのある労働者(工場の臨時工)として働いていた労働者のケースがあります。

過去の契約期間の満了時に「雇止め」されることなく、契約期間満了後も引き続いて雇用されていたなどの事実を重視して、「雇止め」が、正社員の解雇と同視されるとし、「雇止め」を無効と判断しました。

4.1. 契約社員の業務内容

まず、契約社員の担当する業務が、会社に常にある業務であるか、それとも臨時的な業務であるかという点が、契約社員の「働き続けられるはず。」という期待を保護するかどうかの考慮要素となります。

特に、契約社員の業務が、正社員の業務と同一、類似のものであると認められる場合には、契約社員の期待を強く保護すべきだとされ、「雇止め」を無効とすべきであると考えられます。

4.2. 契約上の地位

2つ目は、「契約社員」の地位が、基幹的なものであるか、それとも臨時的なものであるかという点です。

基幹的な地位にあると認められるほど、正社員と同様であると考えられることから、「契約社員」の契約更新の期待が認められやすく、「雇止め」が無効であると判断されやすくなります。

4.3. 更新を期待させる言動

3つ目は、契約更新を期待させるような言動が、会社側にあったかどうかという点です。

契約更新を期待させるような言動が、会社から「契約社員」に対して行われたとすれば、契約社員が更新を期待してもしかたなく、「雇止め」は無効と判断すべきだと考えられるからです。

また、発言だけでなく、継続雇用を前提とする制度が会社に整備されており、「契約社員」がその対象となっている場合も、契約社員の期待を保護すべきといえるでしょう。

 例 

例えば、契約社員の更新への期待を保護するような、「継続雇用を前提とする制度」としては、正社員を対象とした試用期間、休職、懲戒、配置転換などの制度があげられます。

4.4. 契約更新の手続

最後に、契約更新の状況、つまり、更新されているか、更新の回数や雇用契約の期間について、更新が多く、契約期間が長いほど有期契約労働者の期待が認められやすくなります。

そして、契約更新の時に、適切な手続を毎回行っているかどうかもまた、「契約社員」の期待が保護されるかどうかに大きく影響してきます。

契約更新の手続を全く行っていなければ、それは正社員と同視されることから、有期契約労働者の更新への期待は保護されやすくなり、「雇止め」が無効であると判断されやすくなります。

5. 雇止めが無効か?【チェック手順】

ここまで解説したように、「契約社員の期待が保護されるか?」、いいかえれば「雇止めが無効か?」は、多くの考慮要素を検討して判断する必要があります。

この検討の結果、「雇止めの法理」が適用されると、労働契約法によって、「客観的に合理的な理由がなく、社会通念上不相当な雇止め」は無効と判断されます。

まさしく正社員の「解雇権濫用法理」と同じように「不当解雇(不当な雇止め)」となるわけです。

そこで、不幸にも「雇止め」をされてしまった契約社員の方に向けて、雇止めの有効性を判断するときのチェックの手順について、弁護士が順に解説します。

【STEP1】正社員と同視できるか?

「契約社員」(有期契約)であるものの、実質的には正社員(無期契約)と同視できるほどの強度の期待があるというケースでは、「雇止めは無効」と判断されます。

ただ、「雇止め」のトラブルが社会問題化したことから、正社員(無期契約)と契約社員(有期契約)とが同視できるほどの違法な扱いをしているブラック企業は、それほど多くはありません。

実際、弁護士の行う法律相談でも、「雇止めをされた契約社員は、正社員と同視できる。」とあきらかに断言できるものは、それほど多くはありません。

例えば、正社員(無期契約)と同視できるほどの「契約社員」の具体例は、次のような場合です。

 例 
  • 業務内容が、会社に常時存在するものである。
  • 契約期間満了時の更新手続きが全く行われていないか、形骸化している。
  • 他の同種の労働者も、雇止めを行った実績がない。

【STEP2】労働条件による期待が保護されるか?

「契約社員」の、雇用契約を更新してもらえるという期待が、「合理的である。」と認められる場合には、「雇止めの法理」にしたがって、会社の一方的な「雇止め」を撤回させることもできます。

この「契約社員」が抱いてしまう期待の中で、入社時の労働条件が、更新の期待の原因となっていることがあります。例えば次のようなケースです。

 例 
  • 担当業務が、常に存在する業務である。
  • 正社員と同程度の責任ある地位・役職についている。
  • 更新をすることが契約書に明記されている。
  • 毎日、一定時間の残業をするように命令されている。
  • 試用期間、休職、有給休暇などの制度の対象となっている。

【STEP3】更新継続による期待が保護されるか?

「契約社員」が、実質的に正社員(無期契約)と同視されるほどではないものの、更新が繰り返されたことを理由として、「契約社員」に合理的期待が認められるというケースがあります。

このような場合には、正社員の解雇に関する法理が類推適用され、解雇が制限されます。更新が繰り返されたことによって、「契約社員」に更新の合理的期待が認められる場合とは、例えば、次のようなケースです。

 例 
  • 業務内容が恒常的なものである。
  • 更新の回数が多い。
  • 更新の結果、合計すると雇用期間が比較的長い。

更新の回数だけでなく、更新をするときの契約期間、全体の雇用契約の期間も、「契約社員」の期待を判断するときの、重要な考慮要素となります。

【STEP4】その他の事情による期待が認められるか?

「契約社員」(有期契約)が更新回数、更新年数にかかわらず、その他の事情を原因として、「契約社員」に更新への合理的期待を与えるとされるケースもあります。

この場合にも、正社員の解雇に関する法理が類推適用され、解雇が制限されます。その他の事情により更新の合理的期待が認められる場合とは、例えば、次のようなケースです。

 例 
  • 更新回数が少なくても、必ず更新する旨の経営者からの約束があった。
  • その他、契約更新の経緯に特別な事情があった。

6. 不当な雇止めを受けた場合の対応

以上の通り、「契約社員」(有期契約)の労働者の場合は、期間満了によって雇用契約が終了するのが原則ではあるものの、「契約社員」の保護が必要なケースでは、「雇止め」は無効となります。

ブラック企業による「不当解雇(不当な雇止め)」は、違法、無効と判断されますから、交渉によって撤回を求めるべきケースもあります。

とはいえ、労働法の知識がなく、または、労働法の知識があっても、雇止めが許されることがわかっていながらあえて労働者に泣き寝入りをさせるブラック企業が少なくありません。

「期間を定めて雇用したのだから期間満了によって辞めるのは当然だ。」という言い分で、「不当な雇止め」を強行するブラック企業も後を断ちません。

そこで、実際に「契約社員」が不当な雇止めを受けた場合に、労働者が会社に対してどのように対処すればよいかについて、弁護士が解説します。

6.1. 雇用契約書をチェックする

まず、会社から突然、「雇用継続をしない。」、「次から更新しない。」など、「雇止め」であることを告げられたら、まずは雇用契約書をチェックし、契約内容を確認するようにしてください。

突然生活の補償を失うわけですから、「不当な雇止め」のしらせを冷静に聞くことは難しいかもしれませんが、雇止めの撤回を求めて争うことができるケースもありますから、まずは慌てず方針を考えましょう。

雇用契約書に、「更新をする場合がある。」と記載されていたり、「不更新条項」が記載されていないようなケースでは、「契約社員」の更新の期待が、保護される場合も少なくありません。

6.2. 退職届・合意書にサインしない

会社が更新を拒絶し、「雇止め」を通知するようなケースでも、単に会社から追い出すだけではなく、退職にともなって様々な書面にサインをするよう要求してくる場合があります。

これは、正社員の解雇と同様に、強引に解雇をしてしまうと「不当解雇(不当な雇止め)」として労働トラブルとなるリスクがあることから、「契約社員」の側から自発的に辞めた証拠を作ろうとしているのです。

したがって、会社から提示された書類は、「退職届」、「合意書」、「誓約書」など、題名が何であっても、安易に署名(サイン)押印してはいけません。

6.3. 更新する場合も「不更新条項」に注意

以上のように、不当にやめされられる場合ではなく、「今回は契約を更新する。」と伝えられた場合であっても、油断してはいけません。

更新は「今回限り」であって、次回以降は「雇止め」されてしまうというケースがあるからです。会社は、このように1回限りの更新である場合、そのことを記載した雇用契約書に署名(サイン)を求めてきます。

特に、「不更新条項(今後は契約更新をしないという内容の条項)」の入った雇用契約書ではないかどうか、入念にチェックするようにしてください。

6.4. 雇止めに異議を申し入れる

「契約社員」が「不当解雇(不当な雇止め)」を受けた場合、まず一番に行わなければいけない対応は、まずは早急に、会社に対して異議を申し入れ、「雇用契約を継続してほしい。」という要望を会社に伝えることです。

というのも、労働契約法では、次のように定め、労働者側が会社に対して、一定の意思表示をすることが、「雇止め法理」のルールが適用されて雇止めを無効とするための条件としているからです。

「契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって」

 参考 

ただし、この雇止めルールが適用されるための「雇用契約の申込み」は、「申込」といいながら、雇止めに異議があることが会社に表示されればそれで足りるされています。

これは、「雇止め法理」のルールを定めた労働契約法の知識のない労働者を保護するためです。

しかし、労働者が全く雇止めへの異議の意思表示すらしないとなると、「本当は不満であった。」と後から言っても、雇止め無効の判断を勝ち取ることができなくなるおそれがあります。

6.5. 【内容証明】で雇止め無効を主張する

雇止めに対する異議の意思表示を行ったことを、後の労働審判や訴訟で証明できるよう、内容証明郵便によって意思表示を明確に行っておくべきです。雇止めに対する異議は、内容証明郵便で送りましょう。

労働者(あなた)が異議を伝えても、使用者(会社)が雇止めを撤回しない場合には、早めに労働問題に強い弁護士へご相談ください。

労使間の話し合いでは労働問題が解決しない場合には、弁護士が内容証明郵便を送付し、

  • 問題となる雇止めが、労働法、裁判例に照らして違法、無効であること
  • 問題となる雇止めを撤回しなければ、労働審判、裁判で争うこと

という2点を、弁護士名義で伝えてもらい、説得を試みます。

6.6. 【労働審判】で雇止め無効を主張する

話し合いによって解決しない場合には、労働審判によって雇止めの無効を主張します。

雇い止めの無効を主張するということは、「いまだ労働者の地位にある。」ことの確認を求めるという内容の請求となります。これを、「地位確認請求」といいます。

労働審判では、合意退職を前提として、解決金による金銭的な解決を目指して話し合いが行われることが多いです。

「一度雇止めになってしまったので、もうこの会社でははたらきたくはない。」という本音がある労働者の方には、労働審判がオススメです。

6.7. 【裁判】で雇止め無効を主張する

労働審判でも、雇止めによる労働問題が解決しない場合には、いよいよ裁判による解決へと移行します。

裁判によって徹底的に争うのに適したケースとは、「雇止めをされた会社に復職したい。」という希望を強く持っている労働者の場合です。

この場合には、会社との話し合いによる解決は困難を窮めますので、労働者としての地位を確認するために、裁判によって雇い止めの無効を主張、立証します。

7. 「無期転換」と雇止めのルール【法改正対応】

まず、労働契約法では、雇用契約期間に制限のある「契約社員」でも、契約期間が5年を超えて更新される場合には、労働者側からの一方的な申込みによって、無期契約に転換させることが可能とされています。

「無期転換ルール」と呼びます。労働契約法に定められた「無期転換」についての条項は、次の通りです。

 労働契約法18条1項 

同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約(契約期間の始期の到来前のものを除く。以下この条において同じ。)の契約期間を通算した期間(次項において「通算契約期間」という。)が5年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす。この場合において、当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件は、現に締結している有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除く。)と同一の労働条件(当該労働条件(契約期間を除く。)について別段の定めがある部分を除く。)とする。

つまり、「有期雇用契約を更新されて5年を超える。」という要件を満たす場合には、「無期契約へ転換したい」と労働者が申込みを行えば、会社側は承諾したとみなされます。

「みなす」というのは、会社側の意思にかかわらず、無期契約に転換する、という意味です。

無期契約に転換するわけですから、その後は、最初の契約が雇用期間の制限のある契約であったとしても、無期契約転換後の雇止めはできないこととなります。

無期契約に転換後は、労働者を辞めさせたいと会社が思った場合、通常の正社員と同様、解雇をすることとなりますが、解雇には非常に厳しいハードルがあります。

8. まとめ

今回解説しました「契約社員」のように、雇用期間に制限のある労働者を「有期契約労働者」といい、期間満了によって更新をせずに終了することを「雇止め(雇い止め)」といいます。

「契約社員」の場合、雇止めされることのほうがむしろ原則なわけですが、一定程度長い期間働き続けられていたり、更新を繰り返していたりなど、「契約社員」が更新の期待を抱いた場合には、「雇止め」を違法、無効としたり、撤回させたりできるケースがあります。

労働契約法の「雇止めの法理」のルールを正しく理解すれば、ブラック企業による「不当解雇(不当な雇止め)」に対して、適切な対応をすることが可能です。

不当な雇止めをされてお悩みの契約社員、労働者の方は、労働問題に強い弁護士にお早目に法律相談ください。

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