不当解雇・残業代など労働問題に強い弁護士に”イマスグ”相談!!

労働問題弁護士ガイド

 03-6274-8370

Shortcodes Ultimate

(24時間フォーム問い合わせ対応)

解雇

横領を理由とする懲戒解雇は有効?懲戒解雇となる着服の金額は?

投稿日:

会社のお金を、つい魔がさして、横領してしまったというケースについて考えます。

横領、着服は犯罪行為であり、刑法上の横領罪として処罰を受ける行為です。「業務上横領罪」に該当すると、刑法により「10年以下の懲役」という刑事罰で処罰されます。

刑事罰だけでなく、会社内で行われた横領・着服行為が会社の企業秩序を侵害することは明らかですから、企業秩序侵害行為に対する制裁である「懲戒処分」のおそれがあります。

懲戒処分の中でも最も重い処分は「懲戒解雇」であり、会社との間の雇用契約を解消されることはもちろんのこと、問題社員としての十字架を背負うことになり、将来的にも再就職が困難です。

横領、着服は企業秩序違反行為の中でも特に重大です。

会社は、利益を追求する組織ですが、その構成員である従業員が、会社の利益を横領・着服するのでは、会社本来の目的である利益の追求を実現することが困難になってしまいます。

したがって、あなたがつい横領、着服行為を行ってしまった場合には、厳しい処罰が待ち受けていると予想されます。

今回は、会社内で業務中に行われた横領、着服に対する懲戒解雇について解説します。犯罪行為により懲戒解雇された場合、早急に労働問題に強い弁護士へご相談ください。

1. 横領による懲戒解雇のダメージ

懲戒解雇は非常に重い処分です。

使用者(会社)との雇用契約を継続できないことはもちろん、今後は、「懲戒解雇をされたことがあります。」と言って求職活動をすれば、再雇用は非常に困難です。

そのため、生涯にわたって就職活動で嘘をつき続けなければなりません。懲戒歴がバレれば、また解雇される可能性も少なくないでしょう。

懲戒解雇は非常に重大な処分ですが、しかし、業務中に会社のお金を横領、着服するとなると、「業務上横領罪」という非常に重い犯罪に該当します。

1.1. 少額でも懲戒解雇となる

横領行為は、刑法によって刑事罰の対象となる、非常に悪質な行為です。

そのため、「金額が少ないから許してください。」というのは虫のいい話であるといわざるを得ません。

金額が少なかったとしても相応の懲戒処分が予想されます。たとえ数万円程度の横領、着服であったとしても、懲戒解雇を有効とした裁判例は少なくありません。

金額だけでない理由は、「会社の信頼を裏切った。」という事情が非常に重く評価されるからです。

したがって、会社から業務上、金銭を扱うことを任されている、経理担当者、金融担当者などによる横領行為は、非常に重く処罰され、懲戒解雇も有効と判断される傾向にあります。

1.2. 解雇予告の除外認定のおそれあり

解雇の場合には、労働基準法上のルールでは、30日以上前に予告を行うか、その予告期間が不足する日数分の解雇予告手当を支払う必要があります。

しかしながら、窃盗、横領、傷害などの重大な犯罪行為を理由とする懲戒解雇の場合には、労働者の責任による解雇ということで、解雇予告除外認定がされるおそれがあります。

横領、着服を理由とした懲戒解雇処分の場合には、解雇予告手当が受け取れない可能性があるということです。

なお、横領、着服の場合には、再発のおそれがあることから、解雇予告期間をおいて解雇するということは通常考え難く、懲戒解雇までの期間も自宅待機とされることが一般的です。

自宅待機に「再発防止」という正当な理由があることから、この間の賃金も請求できない可能性があります。

2. 横領・着服の懲戒解雇について考慮すべき事情

では、横領、着服をしてしまったら、もはやすべてあきらめざるを得ないのかというと、そういうわけではありません。

きちんと反省、謝罪し、横領した金額を返済することは当然ですが、「懲戒解雇まで行うことは無効である。」と判断した裁判例も、少なくないからです。

横領を理由とする懲戒解雇が有効であるかどうかを判断するためには、次に解説する原則が重要となります。

2.1. 平等の原則

第一に、「平等の原則」です。

会社は、懲戒解雇を行うかどうかを判断する際には、「平等の原則」に違反してはなりません。

同種、同様の企業秩序違反に対しては、会社内では同等の懲戒処分がなされる必要があるということです。

そのため、過去の横領・着服事例の場合に、どのような懲戒処分がなされたかを調べておきましょう。この際、横領行為の程度を判断するために、横領金額が同等であるケースと比較してください。

過去に横領、着服を行った従業員が「譴責、戒告」という軽い処分しか受けていないのであれば、横領、着服行為の悪質性が同程度の場合には、あなただけ懲戒解雇を行うことは、「無効」となる可能性があります。

2.2. 適正手続の原則

第二に、「適正手続の原則」です。

会社は、懲戒解雇を行うことを決定した場合であっても、「適正手続の原則」に違反してはなりません。

たとえ悪質な横領、着服行為に対する懲戒解雇といえども、懲戒解雇を行う際に必要とされる「適正な手続」を踏む必要があります。

すなわち、労働者(あなた)に対して懲戒解雇の理由を説明した上で、横領、着服行為を行った理由や情状などの点について、弁明の機会を与える必要があります。

また、就業規則において、懲戒解雇の場合に必要となる手続の定めがある場合、その手続きをも踏む必要があります。

労働者(あなた)を、横領行為を理由として懲戒解雇する場合にどのような手続が必要となるか、行われた手続が十分であるかは、労働問題に強い弁護士に判断してもらいましょう。

3. 裁判例に見る、横領による懲戒解雇

では、横領行為を理由として懲戒解雇をされたら、もはや争うことはできないのかというと、そうではありません。

実際、横領行為を行った労働者が、懲戒解雇の有効性を労働審判や裁判で争い、勝訴を得たケースもあります。

3.1. 懲戒解雇を無効とした裁判例

横領行為を理由として使用者(会社)が行った懲戒解雇について、裁判所が「無効」と判断した裁判例には、次のようなものがあります。

東京地方裁判所八王子支部 平成15年6月9日判決
福岡高等裁判所 平成9年4月9日判決
大阪地方裁判所 平成6年7月12日決定
東京地方裁判所 平成18年2月7日判決

3.2. 懲戒解雇を有効とした裁判例

横領行為を理由として使用者(会社)が行った懲戒解雇について、裁判所が「有効」と判断した裁判例には、次のようなものがあります。

福岡地方裁判所 昭和60年4月30日判決
東京高等裁判所 平成元年3月16日判決

なお、懲戒解雇が有効と判断されたとしても、退職金の減額、不支給、没収が有効かどうかは、また別の問題です。

4. 【体験談】横領による懲戒解雇を無効としたケース

ご相談までの経緯

私は、営業会社で経理をしています。

会社の売上は好調でしたが、新卒で入社した私は、なかなか仕事に慣れず、失敗すると上司に怒られたりして、ストレスをため込んでいました。

ある日、他の社員の手があかず、取引先からお預かりした金銭の入金を任されることになりました。

日ごろの業務の多忙さと、上司からの度重なる叱責にストレスがたまっていた私は、自暴自棄になってしまったのでしょうか。お預かりした金銭の一部を、自分のポケットに入れてしまいました。

「こんなにたくさんあるから、少しくらいなくなってもバレないのではないか。」という軽い気持ちや、「会社に合わないからもうやめてもいいや。」という甘い考えであったのでしょう。今も後悔の思いが止まりませんが、やってしまったことは戻りません。

会社に発覚すると、即座に自宅謹慎を命じられ、翌日には「もう来なくてよい。」と告げられました。

私としては、「会社に悪いことをした。」という思いはもちろんあるのですが、反省し、これからも仕事を頑張りたいと思っていた矢先のことで、気が動転してなにも言い返すことができませんでした。

労働法の法律や裁判例について、詳しい知識がないので、弁護士に相談をして解決することとしました。

弁護士による労働問題の解決

横領・着服行為は、悪質な行為であって、会社において何等かの処分がされることを止めることはできません。

しかし一方で、「懲戒解雇」は非常に重い処分です。労使関係においては、「死刑(極刑)」に例えられるほどです。

というのも、懲戒解雇となってしまった労働者を雇う企業はなく、今後の就職活動も困難となってしまうからです。

そこで、ご相談を受けてすぐに、懲戒解雇を回避し、退職をする方向にもっていくという方針で、会社と交渉を開始しました。

まずは内容証明郵便の形式で、会社に対して弁護士が選任した旨を伝えて交渉を開始しましたが、会社側が、話し合いによって懲戒解雇を撤回することはありませんでした。

労働者を信頼して預けた金銭を横領されたのですから、会社の気持ちも理解できます。

その後、労働審判において、横領した金額、横領行為の回数、すでに横領した金額を返済していることを主張し、懲戒解雇をするほどの相当性はないと主張して争いました。

その結果、「懲戒解雇は撤回し、合意退職する。」という内容で、労働者の権利を実現することができました。

5. まとめ

横領、着服などの犯罪行為に手を出してしまった場合、懲戒解雇とされる可能性が高く、また、懲戒解雇の有効性が認められる可能性が高いといえます。

しかし、あきらめてはいけません。いずれにしても会社を辞めるにせよ、懲戒解雇は、労働者にとって非常に不利益の大きい処分だからです。

どれほど悪質な行為であっても、懲戒解雇に至るまでの手続きの適正性は保たなければなりません。

十分な調査をせずに事実に反する犯罪行為によって懲戒解雇としたり、労働者(あなた)の言い分を一切聞かずに懲戒解雇を決定したりといった場合、懲戒解雇が無効とされるケースもあります。

むしろ会社に対して解決金や慰謝料などの金銭を要求していくべきケースもあります。

横領、着服などの行為を行ってしまい、懲戒解雇とされるおそれがある場合には、できるだけ早期に、労働問題に強い弁護士へご相談ください。

労働問題に強い弁護士へ相談!

労働問題に強い弁護士へ相談!


ご相談者名(必須)

メールアドレス(必須)

電話番号

ご住所

ご相談の内容

労働問題は、弁護士にご相談ください!
不当解雇、残業代、パワハラ、セクハラなど、会社で起こる労働問題にお悩みではありませんか?労働者に有利な解決のためには、労働法、裁判例の知識、解決実績が豊富な弁護士にお任せください!

労働問題に強い弁護士が、あなたの労働問題の解決を、徹底サポートいたします。

-解雇
-, , ,

Copyright© 労働問題弁護士ガイド , 2017 AllRights Reserved.