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懲戒解雇の9つの手続は?弁明の機会の手続がないと不当解雇?

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懲戒解雇にすると会社から突然言われて、「寝耳に水だ。」と思う労働者の方は、懲戒解雇の手続について、働いている会社の就業規則を確認してみてください。

就業規則に、懲戒解雇をするときの手続きとして、「弁明の機会を付与する。」、「事情聴取する。」といった記載があるのではないでしょうか。

懲戒解雇をするときの手続について、就業規則にルールが記載してある場合にはもちろん、就業規則に細かく定めていない場合であっても、懲戒解雇をするときには、会社は一定の手続を守らなければなりません。

就業規則に、懲戒解雇についての規定がないという場合にはそもそも懲戒解雇にできない可能性が高いですし、懲戒解雇をするときの手続的ルールに違反しているときは、違法な「不当解雇」となって、懲戒解雇を争って無効にすることができる可能性があります。

今回は、適切な手続きを踏まずに、突然「懲戒解雇」と言い渡された労働者の方に向けて、懲戒解雇の手続について、労働問題に強い弁護士が解説します。

1. なぜ懲戒解雇には手続が求められるの?

懲戒解雇は、会社が労働者に対して下せる処分の中で、最も重いものであるとされています。

そして、労働者側の意思によって行われる辞職(自主退職)、合意退職とは違って、会社側が一方的に行う雇用契約の解消であり、また、同じ解雇であっても「普通解雇」とは異なり、「制裁(ペナルティ)」という強い意味を持っています。

また、懲戒解雇には、労働者にとって大きな影響のある、多くのデメリットがあります。

そのため、懲戒解雇をするかどうかを会社が判断するにあたって、「懲戒解雇をするだけの理由があるかどうか。」、「その理由が、懲戒解雇に足る程度のものか。」という2点を判断するために、懲戒解雇のための適切な手続きが必要となるわけです。

懲戒解雇が非常に厳しい処分である以上、懲戒解雇に至るまでの手続(プロセス)を踏むことによって、懲戒解雇の対象となる労働者の言い分もしっかり聞き、会社が「懲戒解雇の有効性」についての正しい判断を下せるようにする必要があるからです。

そして、懲戒解雇の手続のうち、最も重要なのが、「弁明の機会」、すなわち、懲戒解雇の対象となる労働者の弁明(言い分)を会社が聞く、事情聴取の手続です。

2. 懲戒解雇のときに行うべき9つの手続

それでは早速、突然解雇をいいわたされてしまった労働者の方に理解しておいてほしい、「懲戒解雇のときに行うべき手続き(適正手続)」について、ポイントごとに解説していきます。

「懲戒解雇」「即日解雇」の対象となってしまった労働者の方は、会社がはたして適正な手続きを踏んで懲戒解雇としているのか、それとも手続違反のブラック企業なのか、順番に確認していってください。

手続が足りていないと考えられるときは、違法な「不当解雇」の可能性がありますので、労働問題に強い弁護士まで、お気軽にご連絡ください。

【懲戒解雇の手続①】懲戒理由を確認する

まず、懲戒解雇をするにあたって重要な手続きは、懲戒理由を確認し、「懲戒解雇が有効かどうか。」を判断、検討する手続きです。

つまり、会社は、労働者に問題がある、労働者が企業の秩序を侵害していると考えたとしても、「懲戒解雇」という厳しい処分にすることが可能であるのかどうかを、まず内部で検討をする必要があるというわけです。

この手続きは、懲戒解雇としたときに、労働者側が労働審判、裁判などで争い、「懲戒解雇が無効」、「不当解雇」でならないためにも非常に重要な手続きです。

懲戒解雇の重要性からして、この「懲戒理由を確認する。」という手続きの際に、事実関係が客観的に明らかでない場合には、労働者に対して、弁明を求めたり、事情を聴取したりする必要があります。

【懲戒解雇の手続②】弁明の機会を与える

懲戒解雇を行う場合の「適正手続」のうち、最も重要なものとして「弁明の機会」をあげました。

会社の就業規則で、労働組合と協議するという手続きを定めていたり、労働組合がない場合であっても、懲戒解雇の対象となる労働者自身に、言い分を言う機会をあたえ、会社の判断材料とする必要があります。

社内に労働組合があり、労働協約によって、会社と労働組合との間で、「懲戒解雇をする場合には労働組合の意見を聞く。」と決められている場合にも同様に、この手続きが必要となります。

裁判所もまた、「懲戒解雇が有効かどうか。」を判断するにあたって、「弁明の機会」という手続を重要なものと考えています。

そのため、「弁明の機会」という手続がない場合には、ささいな手続き上のミスであるという場合でなければ、それだけで、労働審判や裁判で、懲戒解雇が無効であると判断される可能性が高まります。

【懲戒解雇の手続③】懲戒委員会を開催する

就業規則に、懲戒解雇をする場合には、その重要性、労働者へのダメージの大きさを考慮して、慎重な検討をするために「懲戒委員会」などの委員会を開催して決定するという記載がある会社も少なくありません。

ブラック企業や、ワンマン社長のいる中小企業のように、代表者が感情的に「懲戒解雇」としてしまわないために、「懲戒解雇の有効性」について、委員会の合議で決定しようという趣旨で行われる手続です。

就業規則に、懲戒解雇の場合には委員会の開催が必要であると記載されているにもかかわらず、適正な手続を踏まずに行われた懲戒解雇は、違法、無効な「不当解雇」と判断される可能性が高いといえるでしょう。

なお、懲戒解雇の手続として必要となる「委員会」は、「懲戒委員会」「懲罰委員会」など、会社によって名称が異なる場合がありますので、働いている会社の就業規則で確認をしてみてください。

【懲戒解雇の手続④】解雇予告の除外認定

懲戒解雇であっても、原則として、30日前に解雇予告をするか、解雇予告手当を支払うという手続きが、労働基準法(労基法)によって必要となります。

懲戒解雇の場合には、即日解雇となることが一般的であることから、30日前に解雇予告をするという手続きがとられることはあまりなく、解雇予告手当を支払うという手続きとなることが一般的です。

ただし、懲戒解雇をする会社は、労働基準監督署(労基署)に、「労働者の責めに帰すべき事由」があったことを申請し、許可を得ることによって、解雇予告手当を支払わなくてもよいこととなります。これを「解雇予告の除外認定」といいます。

懲戒解雇となった労働者の方で、即日解雇であるにもかかわらず解雇予告手当をもらえていない方は、解雇予告除外認定という「懲戒解雇の手続」がとられているかどうかを確認してみてください。

【懲戒解雇の手続⑤】離職票を発行する

懲戒解雇であっても、通常の退職(自主退職・合意退職)や普通解雇と同様に、会社は労働者に対して、ハローワークに手続きをして離職票を交付する必要があります。

というのも、離職票は、労働者が会社を退職した後の生活の保障である失業保険(失業手当)を得るために重要な資料となるからです。このことは、たとえ懲戒解雇であって、3か月の待期期間が経過したあとでしか失業保険(失業手当)をもらうことができない場合であっても同じです。

したがって、懲戒解雇のあとの手続として、会社がハローワークの手続を進めず、スムーズに離職票をもらうことができない場合には、会社に強く請求する必要があります。

社会保険(健康保険、厚生年金)の資格喪失手続きをする必要があることもまた、懲戒解雇であっても当然に必要な手続きです。懲戒解雇によって会社が感情的になり、必要な手続きが進まない場合には、公的機関への相談がオススメです。

【懲戒解雇の手続⑥】税金についての手続を行う

給与を支払うときに当然必要となる税金の手続をしたりすることもまた、懲戒解雇であっても当然に必要な手続きとなります。

そのため、会社が労働者を懲戒解雇するにあたっては、源泉徴収票の交付の手続が必要となります。期限は「1か月以内」となっていますので、期限内に必ず手続きをしてもらうように求めましょう。

また、会社に住民税を代わりに納付してもらっている場合、この「住民税の特別徴収」という手続きをストップするための手続が、懲戒解雇の場合にも必要となります。

【懲戒解雇の手続⑦】最後の給与をもらう

働いた分の給与を支払ってもらえることは、たとえ問題行為を行って懲戒解雇となった労働者であっても当然の権利です。基本給だけでなく、手当や残業代についても同じく、請求することができます。

しかし、懲戒解雇となった場合には、その問題行為によって会社が負った損害と相殺するなどの主張によって、最後の給与が支払われないケースもありますが、労働者の同意なく、給料から損害賠償金、違約金などを相殺することはできません。

書面による同意など、真意による同意なく、「懲戒解雇であるから。」、「企業秩序を侵害され、損害を被ったから。」といった理由によって最後の給与を支払ってもらえない場合には、労働審判や訴訟、少額訴訟などの手続で、給与の請求をするのがよいでしょう。

なお、労働基準法によって、最後の給与は、退職後に労働者が請求すれば、その7日以内に支払わなければならないこととされています。

【懲戒解雇の手続⑧】退職金をもらう

懲戒解雇の場合には、退職金の支給手続きを行わないという会社も少なくありません。

しかしながら、懲戒解雇をされてしまったときには退職金をあきらめなければならないかというと、必ずしもそうではありません。つまり、「懲戒解雇であっても退職金はもらえるケースもある。」ということです。

具体的にいうと、退職金は、これまでの勤続の功労に対する報酬という意味で支払われるのが一般的であるため、懲戒解雇の理由となった問題行為が、その勤続の功労を台無しにしてしまう程度のものでない場合には、退職金の全部または一部をもらうことができるというわけです。

更には、中小企業退職金共済(中退共)などに掛け金を支払っていた場合には、労働者自身が手続きをすることによって退職金をもらえるケースもあります。

【懲戒解雇の手続⑨】解雇理由証明書をもらう

労働基準法(労基法)によって、会社から解雇された労働者は、会社に対して「解雇理由証明書」を求めることができるものとされています。

この「解雇理由証明書」は、会社が解雇をする理由を具体的に記載してものでなければならず、「就業規則の何条にあたる。」と記載するだけでは足りず、具体的な事実を書かなければならないとされています。

したがって、「解雇」の中でも特に重大な処分である懲戒解雇の場合にも、「解雇理由証明書」は、当然に必要な手続きとなります。解雇理由証明書の手続は、請求があったら遅滞なく発行すべきものですから、「懲戒解雇」といわれたらすぐに請求しておきましょう。

解雇理由証明書を求める手続きは、懲戒解雇をされた労働者が、その解雇理由を明らかにして、労働審判や訴訟において、労働者側の反論を適切に行うために、重要な手続きです。

ただし、再就職の際に、次の会社に提出するといった場合には、懲戒解雇となったという内容を記載してもらわないことも可能です。

3. 懲戒解雇の手続が争われた裁判例のケース

懲戒解雇の前に適切な手続きをとっていないことが問題となった裁判例のケースを解説して、適切な手続きがとられていない懲戒解雇の有効性について、冒頭の労働者の質問について解説していきましょう。

懲戒解雇の手続について争われた裁判例として、東京地裁判決平成27年1月23日があります。

この裁判例では、企業秩序違反を行った労働者に対して、会社が下す最も重い制裁(ペナルティ)である懲戒処分について、事実調査が十分に行われて処分が決定される必要があることから、「弁明の機会」という手続きの重要性について、次のように述べています。

 東京地裁判決 平成27年1月23日
  • 懲戒処分は、企業秩序違反行為に対して認められる制裁罰であって、その手続きは適正に行われることを要する
  • ことに懲戒解雇は、懲戒処分のうちもっとも過酷な処分であるから、その処分を行うにあたっては特段の支障がない限り、事前に弁明の機会を与えることが必要である
  • かかる支障もないのに、事前の弁明の機会を経ないまま懲戒解雇を行うことは社会的相当性を欠き、懲戒権の濫用となる

その結果、この裁判例では、「弁明の機会」という、懲戒解雇における重要な手続きがなかったことを理由として、「懲戒解雇は違法、無効である。」すなわち、「不当解雇」であると判断しました。

なお、この裁判例では、「懲戒解雇の手続」とともに、「懲戒解雇の理由」についても判断がされ、結果として裁判所は、この懲戒解雇は無効であるとの判断を下し、労働者が勝利しています。

4. まとめ

今回は、懲戒解雇の手続について、弁護士が解説しました。

懲戒解雇の場合には、会社が懲戒解雇を決断するだけの問題行為が労働者側にあるケースも少なくなく、ワンマン社長などが感情的に懲戒解雇をいいわたしてしまい、適切な手続が踏まれていないケースも少なくありません。

しかし、懲戒解雇は労働者に大きなダメージを与える、非常に厳しい処分であることから、懲戒解雇の手続は、労働審判や訴訟などで、裁判所においても非常に重要視され、適正手続のない懲戒解雇は「不当解雇」である可能性が高いといえます。

手続を踏まない、違法、不当な懲戒解雇の対象となってしまった労働者の方は、労働問題に強い弁護士に、お早めに法律相談ください。

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