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脅されて退職した労働者が、強迫による退職の意思表示を取消す方法

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会社から一方的に解雇を言い渡された場合には、解雇は日本において非常に困難であることから、原則として、解雇に不満が残るようであれば、不当解雇による解雇無効を主張して争うべきでしょう。

しかしながら、会社があなたに対して、解雇理由にあたりうる行為を丁寧に説明し、あなたも納得した上で、自発的に退職するというのであれば、これは適切な退職勧奨に対する自主退職ですから、何の問題もありません。あなたも解雇理由にあたりうる行為があったことを納得の上での解決なわけですから、不当だとして争うことないでしょう。

このように、会社の行為として最も労働問題をトラブルとさせない適切な対応は、労働者に対して丁寧な説明によって納得を得ることなのです。

しかし、ブラック企業の中にはこれを間違って解釈して、「解雇をする際には、退職届さえ書かせれば後から労働審判などで揉めることはない。」と考え、何がなんでも解雇に同意させる書面にサインをさせようと強要してくる会社があります。

労働者の明示的な意思に反して退職を強要することは違法なわけですから、このような退職強要、解雇への同意の強要にあった場合は、ただ拒否をするだけでよいわけです。労働者の適切な対応としては、自主的には退職しない旨、また、解雇には同意できない旨を伝えるだけで足ります。

しかし、一旦サインをしてしまうと、これが後の労働審判や訴訟などの法的手段においても不利にはたらく場合が少なくありません。一旦行ってしまった退職の意思表示を、会社側の強迫行為を理由として取消す方法について解説します。

強迫によって意に反して退職の意思表示を強要された場合には、労働問題に強い弁護士へご相談ください。

1. なぜブラック企業は退職を強要するのか

まず、ブラック企業ほど、強迫行為などの違法な行為を用いて労働者に対して退職を強要してくるわけですが、なぜブラック企業は労働者に対して退職を強要するのでしょうか。

これは、退職を強要した結果、結果として労働者が退職に同意してくれれば、それまでに強迫行為のような違法行為が行われたとしても、退職届、解雇承諾書などの書面が証拠として残る結果、労働審判や訴訟において労働者が争って勝訴するのが難しくなるためです。

したがって、ブラック企業の強迫行為に屈して、これに恐怖を感じて退職届、解雇承諾書にサインをしてしまえば、会社側の思うつぼです。

退職の際に強迫行為を受けた場合には、まず、次の2点を絶対に肝に銘じておいてください。

 重要 
  1. 意に反する書面に対するサインは絶対にしない。
  2. 強迫行為は録音をすることで証拠を残す。

この2点を徹底すれば、「あわよくば退職に同意してもらおう。」と強迫行為を続けていたブラック企業に泡を吹かせることができます。

というのも、1点目の「サインは絶対にしない。」ということによって、ブラック企業の目的は到達できなくなりますし、むしろ、2点目の「録音により証拠を残す。」ということによって、強迫行為という違法行為を行っていたことが、労働審判、訴訟などの法的手続きの場で明らかにされ、会社側に不利な解決となる可能性が高いためです。

2. 強迫に屈して退職の意思表示をしてしまった場合

では、次に、これらの対応を行わずに、万が一強迫に屈して退職の意思表示をしてしまった場合の対応について解説します。

ブラック企業からよく行われる強迫行為の例に即して、順に説明していきます。

これらのブラック企業による言動が、強迫行為であるとされる場合には、民法にしたがって、意思表示は無効となります。すなわち、違法な強迫行為に応じて退職の意思表示を行った場合には、事後的に、労働審判や訴訟などの紛争の場において、その退職の意思表示が無効であると主張することができるということです。

2.1. 解雇理由がないのに「退職しなければ解雇する。」と言われたケース

一番多いのが、「退職しなければ解雇する。」と言われるケースでしょう。

解雇されると、次の就職活動に退職理由を説明できなかったり、他の従業員や取引先などの第三者から問題社員とのレッテルを貼られたりといった不利益があるため、解雇は労働者にとって非常に不利益が大きく、「解雇されるくらいだったら自発的に退職しよう。」と考えて退職強要に屈してしまう労働者も少なくありません。

この点、解雇をするためには、解雇権濫用法理によって解雇が厳しく制限されていることから、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当である必要がありますから、解雇が可能な場合というのは非常に限られています。会社が、解雇が許されないにもかかわらず(解雇が認められない程度の理由しかないにもかかわらず)、退職しないならば解雇をすると脅すことは、違法な強迫行為となります。

例えば、裁判例でも、きちんとした解雇理由もないのに「退職しなければ解雇する。」と伝えて退職をさせた点について、強迫にあたるとして退職の意思表示を無効としたケースがあります。

ソニー早期割増退職金事件(東京地裁平成14年4月9日判決)

懲戒解雇に相当する事由が存在しないにもかかわらず、懲戒解雇があり得ることを告げることは、労働者を畏怖させるに足りる違法な害悪の告知であるから、このような害悪の告知の結果なされた退職の意思表示は、脅迫によるものとして取消しうるものと解される。

懲戒解雇の場合、労使関係における「極刑」といわれるほど厳しいものであり、強迫の程度は非常に大きいといえます。これよりも程度は低いものの、普通解雇をすると告げて退職を迫る場合にも、強迫となる可能性は高いといえます。

解雇となれば再就職は厳しく、また、定期的にもらえていた収入も途絶えることとなりますから、解雇を告知されることの強迫の程度は、労働者にとって非常に大きいものであることがよく理解できるでしょう。

2.2. 解雇理由がある場合に「退職しなければ解雇する。」と言われたケース

以上の通り、解雇理由がないにもかかわらず、「退職しないと解雇する」と脅して退職の意思表示を得る会社の行為は、違法な害悪の告知によって退職の意思表示を得る行為であるため、強迫行為として違法であり、これによって得られた退職の意思表示は無効となるわけです。

しかし、これは「解雇事由に該当する事実がない場合」に関する裁判例であり、解雇事由に実際に該当する事実がある場合に、退職をしない場合の解雇を告げた場合に関する判断では無い点に注意が必要です。

そもそも解雇を有効に行うことができる場合には話は別です。有効な解雇を行うことが可能な場合に「このままだと解雇となる。」と伝えることは何ら違法ではありません。

そのため、一応解雇理由にあたる事由があなたに存在すると考える場合には、次に、今すぐに解雇を行うことが相当であるかを検討してください。

解雇を行うことが相当でないにもかかわらず「退職しなければ解雇する。」と伝えて退職を迫ることは、やはり強迫として違法な退職強要にあたり、退職の意思表示が無効となります。たとえば、解雇理由には該当するものの軽微なもので、今すぐ解雇をすることは不相当と判断されるケースがこれにあたります。

他方で、解雇理由があり、解雇を行うことが相当である場合には、有効に解雇をすることができるわけですから、「退職しなければ解雇となる。」と伝えて退職を迫っても強迫にはならず、これに応じて行われた退職の意思表示は、事後的に争うことはできなくなります。したがって、この場合には、後に労働審判や訴訟で労働者としての地位を争いたいのであれば、何が何でも退職に同意してはなりません。たとえば、このままで有効に解雇されることが明らかなのだけれども、会社がこれまでの功績や再就職に配慮して温情を示している場合などがこのケースに該当します。

2.3. 解雇をちらつかせても、強迫行為にならないケース

解雇の不利益性が非常に大きいことは、解雇となると再就職をすることが困難とならざるを得ないこと、生活の糧となる給料が将来にわたって失われることを意味すること等からも理解していただけるでしょう。そのため、解雇をちらつかせて退職を迫る行為は、これによって労働者が不安になり、恐怖心から自発的な退職を選ぶ可能性が高いため、強迫行為となるわけです。

しかし、脅迫となるためには、退職を迫られた労働者が実際に恐怖を感じる必要がありますから、「退職しなければ解雇にする。」と伝えられたとしても、これに恐怖を全く感じずに、労働者自らの意思で自発的に退職を選択した場合には、強迫による退職として退職の意思表示が無効とはなりません。

2.4. 「退職しなければ、退職金を没収する。」と言われたケース

以上は、解雇をちらつかせて退職を迫られたケースですが、これに対して、退職金を人質にとられるケースがあります。つまり、自発的に退職しないのであれば退職金は支払わないと通告されるケースです。

退職金の没収については、退職金規程にその根拠が記載されていることが大前提ですが、根拠が記載されているだけでは足りず、永年の勤続の功を抹消してしまうほどの重大な不信行為があることが必要であるとされています。そのため、退職金没収の有効性は、たとえ懲戒解雇が有効と判断された場合であっても、これより厳しく判断される傾向にあるといわれています。

そのため、実際には、「永年の勤続の功を抹消する重大な不信行為」といえるほどの事情がないにもかかわらず、退職金を没収することを人質に退職を迫る行為は、やはり違法な強迫行為として、これに応じてなされた退職の意思表示は無効であると主張することが可能となります。

3. まとめ

以上の通り、ブラック企業の退職強要の際の発言は、すべて拒否するのが適切な対応であって、少なくとも、自分の意思に反するような書面へのサインなど、退職の意思表示を強要されることがあってはなりません。

しかし、万が一強迫に屈して退職の意思表示をしてしまった場合であったとしても、すぐにあきらめる必要はありません。

会社側の言動が、強迫行為にあたる場合には、この強迫行為に応じて行われた退職の意思表示は、労働審判や訴訟において、意思表示自体が無効であると主張することが可能であるためです。

ブラック企業から退職強要を受けた方は、労働問題に強い弁護士へご相談ください。

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