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交通事故、交通違反で解雇されたら?「飲酒運転=懲戒解雇」は妥当?

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車で交通事故を起こして懲戒解雇になったというニュースをよく耳にします。

特に、バスの運転手、タクシーの運転手、運送会社のトラックドライバーのように、自動車の運転を仕事にしているような労働者(従業員)の場合、交通事故が解雇の理由となることがよくあります。

これに対して、私生活で交通事故をおこしてしまったら、仕事をすぐにクビになるかというと、そうではありません。

会社が労働者に対して命令ができるのは、あくまでも業務時間のみであり、私生活上の時間、つまりプライベートな時間に起きたことは、会社とは無関係であるのが原則だからです。

また、交通違反の中にも、軽度の物損事故や、一時停止違反などの軽い交通ルールの違反から、被害者を死なせてしまうような重度の人損事故、飲酒運転などの悪質な違反まで、その種類はさまざまです。

会社での、交通事故、交通違反に対する処分の方法も、労働者(従業員)の行った行為に応じて、変わるはずです。

したがって「交通違反=解雇」「交通事故=解雇」とすぐに決まるわけではありません。

万が一、使用者(会社)から、交通事故、交通違反を理由に、懲戒解雇などの厳しい処分を下された場合には、その処分が適切、妥当なものか、考えてみてください。

解雇トラブルにお悩みの労働者の方は、労働問題に強い弁護士へ、お気軽に法律相談ください。

1. 勤務中の交通事故、交通違反か?

まず、交通事故、交通違反で解雇などの重い処分となった場合、「その事故が勤務中に起こったものかどうか?」というポイントを真っ先に検討してください。

勤務中の交通事故であるか、プライベートの交通事故であるかによって、懲戒解雇、懲戒処分を判断するルールが異なるからです。

1.1. 私生活は、懲戒解雇の対象とならないのが原則

冒頭で解説しましたとおり、使用者(会社)が労働者(従業員)に対して命令できるのは、業務時間中のみであるのが原則です。

したがって、私生活上の行為、プライベートの行為は、たとえ交通事故、交通違反であっても、懲戒解雇や懲戒処分の対象とはならないのが原則的なルールです。

交通事故、交通違反は、誰でも起こしてしまう可能性のあるもので、生活に常にとなりあっています。

そのため、交通事故、交通違反を私生活で起こしてしまったとしても、そのことだけで、懲戒解雇や懲戒処分になるわけではありません。

ただし、民事事件における損害賠償の対象となったり、行政罰(罰金)の対象となるほか、重大な交通事故の場合、刑事罰の対象となりますので注意が必要です。

1.2. 私生活上の行為でも懲戒解雇になるケース

私生活上の行為は、懲戒解雇、懲戒処分の対象とならないのが原則であるということをご理解ください。

しかしながら一方で、「プライベートだから何をしても良い。」というわけではありません。私生活上の行為であっても、懲戒解雇、懲戒処分の対象となる場合もあります。

プライベートの行為であったとしても、会社の業務に支障を与える場合、懲戒解雇、懲戒処分の対象となり得ます。

たとえば、会社の業務に与える支障が大きい例として、次の例をご覧ください。

 例 

バス運転手として勤務していた労働者(従業員)が、会社の業務外で、飲酒運転をして交通事故を起こしてしまいました。

その結果、会社名が新聞、テレビ、ラジオで報道され、さらにインターネット上でも情報が拡散してしまいました。

ちょうどそのバス会社では「交通事故安全キャンペーン」「飲酒運転撲滅週間」を実行していたことから、会社の社会的評価は大きく下落することとなりました。

この例を見てもおわかりいただけるとおり、運転を会社の仕事として行っている、いわゆるプロの運転手の場合、プライベートの行為であっても、より厳しい会社の処分が予想されます。

運転のプロであるほど、いざ私生活で交通事故、交通違反を起こしてしまったときに、会社に与えるダメージが、より大きいといえるからです。

2. 懲戒解雇は制限されている!

以上の検討のとおり、原則として、懲戒解雇の対象となるのは、勤務中の行為と、私生活上の行為のうちのごく例外的な部分であるということをご理解ください。

その上で、労働者(従業員)が起こしてしまった交通事故、交通違反が、懲戒解雇、懲戒処分の対象になる場合であっても、まだあきらめてはいけません。

というのも、懲戒解雇、懲戒処分には、労働法の法律、裁判例で、高いハードルが設定されているからです。

会社が、労働法の法律、裁判例に関する知識なく、いい加減な考えで懲戒解雇としてしまった場合、労働審判や裁判で、その無効を争うことが可能な場合もあります。

交通事故、交通違反を理由として、懲戒解雇となってしまった場合に、労働法で必要とされるハードルについて、弁護士が順番に解説していきます。

2.1. 懲戒解雇のルールが定められている?

懲戒解雇を行うためには、その理由と処分の内容が、就業規則に明確に記載されていなければなりません。

交通事故、交通違反を理由として懲戒解雇されてしまった場合、まずは就業規則を確認し、就業規則に書いてあることからして、「交通事故、交通違反の場合に懲戒解雇することができるのかどうか。」を検討してください。

たとえば、懲戒処分が、懲戒解雇、出勤停止、けん責など、懲戒処分の種類ごとに理由が定められている場合には、自分に下された処分の理由が、就業規則に書いてあるかどうかを確かめるようにしてください。

次のような場合、今回の交通事故、交通違反に対して、懲戒処分、懲戒解雇自体ができない可能性もあります。

 例 
  • 会社に就業規則がなく、雇用契約書にも懲戒解雇についての記載がない。
  • 会社に就業規則はあるが、労働者に周知されていない。
  • 会社に就業規則はあるが、懲戒解雇に関する記載が全くない。
  • 会社に就業規則があり、懲戒解雇に関する記載があるが、交通事故、交通違反を理由とできるような具体的な記載が全くない。

なお、懲戒解雇にする場合、その懲戒解雇の時点で、これらのルールを定めた就業規則があることが必要となります。

交通事故、交通違反を受けて、あわてて作成された就業規則は、懲戒解雇の根拠とすることはできません。

2.2. 定められた懲戒理由にあてはまる?

以上のとおり、懲戒解雇とするためには、懲戒解雇の理由とその内容とが、就業規則に定められていなければなりません。

その上でさらに、今回おこしてしまった交通事故、交通違反が、その懲戒解雇の理由と内容に、あてはまっていなければなりません。

形式的には懲戒解雇の理由にあてはまる場合であっても、会社がやめさせたいと考える労働者(従業員)を、交通事故を言い訳にして解雇してしまうというケースも少なくありません。

次の観点から、解雇理由が、本当に就業規則のルールにあてはまっているかどうか、再度検討してみてください。

 重要 
  • 相当期間前の交通事故を、何らかの理由に対する報復として、突然懲戒解雇の理由としていないかどうか。
  • 他の労働者(従業員)の同程度の交通事故、交通違反よりも厳しい懲戒処分となっていないかどうか。
  • 交通事故、交通違反以外に、解雇にしたい理由が他にあるのではないかどうか。

2.3. 懲戒処分は相当なものか?

懲戒解雇の理由として、交通事故、交通違反にあてはまる記載が、就業規則に書いてあったとしても、それだけでは懲戒解雇はできません。

懲戒解雇というのは、懲戒処分の中でも、非常に厳しい処分だからです。

懲戒解雇をするためには、その解雇理由に適した、相当な処分である必要があります。

したがって、交通事故、交通違反で懲戒解雇とする場合には、懲戒解雇に相当するような、重大な交通事故、悪質な交通違反である必要があるということです。

懲戒解雇が相当とされるほどの交通事故、交通違反であるかどうかは、次のような事情を参考にしてください。

  • 人損事故か、物損事故か。
  • 交通事故の被害者のケガの程度、死亡したかどうか。
  • 交通事故、交通違反による刑事罰の程度
  • 交通事故、交通違反の動機、悪質性
  • 飲酒運転、無免許運転、ひき逃げなどの悪質なケースか
  • 反省の程度
  • 交通事故の被害者と示談が成立しているかどうか。

2.4. 適切な手続にしたがった懲戒解雇か?

懲戒解雇という重い処分にする場合には、使用者(会社)は、事実関係を十分に調査した上で、労働者(従業員)の言い分を聞かなければなりません。

しかし、ブラック企業の中には、このような適切な手続きを踏まずに懲戒解雇にした結果、事実とことなる解雇理由で懲戒解雇としてしまうケースもあります。

特に、交通事故、交通違反のケースでは、「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」の違いなど、処分の重さに影響する、わかりづらい用語の違いが多くあります。

懲戒解雇は非常に重い処分であることから、就業規則で、次のような、特別な手続きが定められている会社もあります。

 例 
  • 懲戒委員会を開催し、合議によって懲戒処分が適切であるかどうかを話し合わなければならない。
  • 聴聞委員会を開催し、労働者(従業員)の言い分を十分にきかなければならない。
  • 労働組合と協議をしなければならない。

交通事故、交通違反で懲戒解雇となってしまった場合、適切な手続が行われていたかどうか、再度確認してください。

適切な手続が行われていなかった場合、それを大きな理由として、懲戒解雇を無効とした裁判例も少なくありません。

3. 飲酒運転は厳しい!

以前は、飲酒運転であろうと、個人の問題であれば、つまり私生活の時間での事故であれば、おとがめなしという会社もありました。

しかし、最近では飲酒運転に対する社会の目は非常に厳しく、厳罰化しています。

そのため、使用者(会社)での処分も、飲酒運転をおこなってしまった従業員(労働者)の場合には、懲戒解雇など、厳しいものが予想されます。

飲酒運転は、悪質な反社会的行為であるといえ、軽微な交通ルールの違反や物損事故などとは同列に考えることはできません。飲酒運転をして交通事故を起こしてしまえば、懲戒解雇となってもやむを得ません。

ただ、前章でも解説したように、懲戒解雇には、高いハードルが設定されています。犯してしまった飲酒運転という犯罪はなくなりませんが、少しでも懲戒解雇を回避するため、次のような有利な情状があるかどうか、検討をして下さい。

 例 
  • 周囲から強く勧められて、少しだけ飲んでしまった。
  • 取引先を接待する中で、強く勧められて飲んでしまった。
  • 十分に反省し、自ら会社に飲酒運転を申告している。
  • 本当は運転するつもりではなかったが、運転手となる友人が先に帰ってしまった。
  • 十分な睡眠、休憩をとったが、少しだけアルコールが残ってしまっていた。

ただし、有利な情状がいくらあっても、飲酒運転は犯罪であり、反社会的な行為であることに変わりはありません。

「懲戒解雇にまでするのは不当ではないか。」という主張をするだけであって、決して開き直ってよいわけではありません。

4. 公務員の場合、懲戒処分の基準がある

公務員は、公共のためにはたらく仕事であるとされています。

そのため、交通違反、交通事故を公務員が起こしてしまった場合には、民間企業の場合よりもさらに、懲戒処分、懲戒解雇が厳しくおこなわれることが予想されます。

公務員の場合には、就業規則ではなく、懲戒処分の基準が存在します。

例えば、人事院の発表している「懲戒処分の指針」には、交通法規の違反に関する懲戒処分の基準について、次のように定められています。

4 飲酒運転・交通事故・交通法規違反関係
(1) 飲酒運転
ア 酒酔い運転をした職員は、免職又は停職とする。この場合において人を死亡させ、又は人に傷害を負わせた職員は、免職とする。
イ 酒気帯び運転をした職員は、免職、停職又は減給とする。この場合において人を死亡させ、又は人に傷害を負わせた職員は、免職又は停職(事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした職員は、免職)とする。
ウ 飲酒運転をした職員に対し、車両若しくは酒類を提供し、若しくは飲酒をすすめた職員又は職員の飲酒を知りながら当該職員が運転する車両に同乗した職員は、飲酒運転をした職員に対する処分量定、当該飲酒運転への関与の程度等を考慮して、免職、停職、減給又は戒告とする。

(2) 飲酒運転以外での交通事故(人身事故を伴うもの)
ア 人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた職員は、免職、停職又は減給とする。この場合において措置義務違反をした職員は、免職又は停職とする。
イ 人に傷害を負わせた職員は、減給又は戒告とする。この場合において措置義務違反をした職員は、停職又は減給とする。
(3) 飲酒運転以外の交通法規違反
著しい速度超過等の悪質な交通法規違反をした職員は、停職、減給又は戒告とする。この場合において物の損壊に係る交通事故を起こして措置義務違反をした職員は、停職又は減給とする。

したがって、公務員が交通違反、交通事故をおこした場合、どのような処分となるかは、上記の基準を参考に「公務員としてふさわしいかどうか。」という観点から判断されることとなります。

5. 交通事故、交通違反による懲戒解雇を無効とするために!

交通事故、交通違反を理由として懲戒解雇された労働者(従業員)が、これをあらそって、懲戒解雇の無効を勝ち取るための方法を解説します。

まず、懲戒解雇とされたときに、これが無効であると考える場合には、労働基準法にしたがって、解雇理由を明らかにするよう、会社に求めてください。「解雇理由書」の要求をします。

その上で、解雇理由書に書かれた解雇理由に納得がいかない場合、労働審判や裁判などで争うこととなります。

労働審判や裁判で、交通事故、交通違反を理由とした懲戒解雇の無効を勝ち取るために、次の点を順に検討してください。

今まで、交通事故や交通違反で懲戒解雇になった労働者が過去にいましたか?
既に、その交通事故、交通違反について処分を受けていないですか?
就業規則は周知されていましたか?

6. まとめ

交通事故、交通違反は、社会的に重大なものです。

しかし、これだけを理由に、会社を懲戒解雇、懲戒処分とされてしまっては、労働者の保護として不適切といわざるをえません。

交通事故、交通違反のうち、どのような場合に懲戒解雇となってしまうのか、また、どのような場合には懲戒解雇が違法、無効となるのかについて、弁護士が解説しました。

交通事故、交通違反で懲戒解雇とされ、納得がいかない労働者の方は、労働問題に強い弁護士へ、お気軽に法律相談ください。

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