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業務上のミスで、会社から損害賠償請求された時の対応と、違法な退職拒否

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退職時によくある労働問題の法律相談に、「退職時、退職後に、会社から何らかの金銭請求を受けた。」、という労働者のご相談があります。

会社としては、優秀な人材を確保し、離職率を低下させて採用コストを下げることが、会社の事業運営にとって不可欠となるため、「脅し」を使ってでも労働者の退職を阻止しようとします。

会社に大きな損害を与えたのであれば、損害賠償請求をされることは当然ですが、業務上、ある程度のミスをしてしまうことは、人間であれば誰にでもあることで、1円でも損害が生じたらすべて賠償請求が許されるわけではありません。

会社に与えた損害を賠償することが、退職の条件とされるという請求は、労働基準法違反となり、許されるものではありません。

今回は、業務上のミスを理由として、会社から損害賠償、慰謝料を請求された場合、労働者がこの損害賠償を行わなければならないのか、適切な対応を弁護士が解説します。

1. 退職後に損害賠償請求された際、検討すべきポイント

会社から、「あなたの業務上のミスで会社が大きな損害を被った。損害の賠償を請求する。」と通告された場合、あまりのプレッシャーに冷静に考えられないかもしれません。

特に、損害賠償の金額が多額となれば、更に客観的な判断が困難となるでしょう。会社の事業規模が大きく、労働者(あなた)の役職が高いほど、被害金額は高額になりがちです。

まず初動対応において、ぜひとも検討してほしいことを解説します。冷静な対応が望ましいですが、困難な場合には、労働問題に強い弁護士へご相談ください。

1.1. 会社の目的は?

会社から従業員に対して、「損害賠償請求をする。」「慰謝料を支払え。」と警告された場合、まずは会社の狙い、目的を考えてください。

特に、退職時、退職後のタイミングに、「業務上のミスを理由に損害賠償請求をする。」と伝えられた場合、在職期間中は、特に問題ともされなかった些細なミスであることがほとんどです。

ブラック企業が損害賠償の警告をする背景には、「退職を阻止したい。」(退職拒否)など、金銭的な請求とは別の、会社の真の意図が隠れていることが多いといえます。

会社の要望次第では、損害賠償請求に応じることなく、円満に話し合いで解決することができるかもしれません。

退職交渉における会社側の牽制材料として、損害賠償、慰謝料請求を交渉カードにしてきている場合には、会社の目的、狙いを検討してください。

特に、会社の主張する損害の金額が、現実の損害とかけ離れているほどの高額である場合、使用者(会社)側も、その金額が回収できるとは思っていない傾向が強いと考えられます。

1.2. 故意、過失は存在する?

労使間のトラブルとはいえ、その基本にあるのは民法です。

使用者(会社)から労働者(あなた)に対して損害賠償を請求する場合には、民法における不法行為、債務不履行などの根拠によることとなります。

不法行為の場合、労働者側の主観的な要件として、故意、または、過失が必要です。債務不履行の場合であっても、債務の不履行が必要となります。

故意で会社に損害を与えた場合はさておき、労働者(あなた)が、使用者(会社)からの「業務上のミスを理由とした損害賠償請求」に反論するとすれば、「過失があるかどうか」が争点となります。

過失が一切ないケースであれば、そもそも会社の主張する損害賠償請求は、裁判などの法的手続では認められません。

例えば、次のケースでは、労働者側には、会社から損害賠償請求をされるほどの「過失」は存在しない、といってよいでしょう。

 例 
  • 業務の特性上、一定程度発生するミスであるというケース
  • 他の労働者も、同じミスをある程度起こす可能性があるというケース
  • 職務上、通常尽くすべき注意を尽くしても避けられないミスであったというケース

これらの場合、そもそも「業務上のミス」とはいえず、損害賠償を請求する根拠にはなりません。

1.3. 損害額が適切か?

使用者(会社)が労働者(あなた)に対して損害賠償を請求するためには、、民法上の損害賠償の要件を満たす必要があります。そして、そのためには、損害が発生していることが必要となります。

会社に発生した損害を、その限りで賠償するのが「損害賠償請求」であって、労働者からブラック企業の法律相談を聞いていると、次のような問題あるケースも散見されます。

 例 
  • 実際には会社に全く損害が発生していないケース
  • 会社か請求している損害額が、実際の損害に比べてあまりに過大であるケース

加えて、損害と過失の間には、相当因果関係が必要です。

たまたま偶然、特別な事情によって生じた損害は、相当因果関係の範囲内にある損害であるとはいえません。

勤務を続ける場合に人事上の責任をとらされるかどうか(降格、降給など)はともかくとしても、損害賠償請求をすることはできません。

2. 労使関係では、「全て労働者の責任」とはならない!

民法上の不法行為の要件を満たし、会社が労働者に対して損害賠償請求ができる場合ももちろんあります。この場合、使用者(会社)から労働者に対する損害賠償請求は、単なる脅しや「退職拒否」ではありません。

労働者に、損害賠償請求をすることが可能な程度の過失があり、その過失によって会社に損害が発生しているという場合です。

しかし、労働者に非がある場合であっても、労使関係の特殊性から、「全額労働者の責任」とはなりません。

労使関係では、「会社は労働者の労働によって利益を上げている。」という関係にあるので、たとえ労働者が損害を生じさせた場合であっても、「すべて労働者の責任である。」とは、当然にはならないのです。

「公平」の考え方がはたらきます。すなわち、労働者の労働によって収益をあげている会社が、労働者のミスについて一定程度は負担するのが公平である、というように考えるのです。

逆にいうと、労働者は、その労働によって生じた成果をすべて会社に捧げなければならないにもかかわらず、ミスをした場合にはすべて責任を負わなければならないとすると、労働者に不公平である、ということです。

労使間の「公平」の考え方から、具体的に会社から労働者へ、どの程度の損害賠償請求が可能かは、次のような事情を総合考慮して決定します。

  • 過失の程度
  • 業務上のミスの内容、回数、頻度
  • 会社によるミスの防止措置、対策の有無、実効性
  • 労働者の日常的な貢献の程度

したがって、「少し自分に落ち度があるな。」と思った場合であっても、会社の言うなりになる必要はありません。

3. 会社に禁止される行為

会社が、労働者に対して損害賠償を請求するにあたって、会社に禁止される行為について解説します。

ここで解説する禁止行為は、労働基準法で、明確に禁止であることが定められている行為です。

「退職拒否」などといったブラック企業の考え方から、労働基準法で禁止された違法行為を行うことは、悪質性の非常に高い行為であると言わざるを得ません。

労働基準法で禁止された行為によって脅されたとしても、会社の言うなりになって屈する必要は全くありません。

3.1. 損害賠償額の予定の禁止

「労使間の公平」による一定の制限があるとはいえ、業務上のミスを起こしてしまった場合には、会社から損害賠償請求を甘んじて受けなければならない場合もあります。

しかしながら、この業務上のミスによる損害賠償請求の問題が、退職時に起こった場合に、労働者による自由な退職それ自体を妨げることはできません。

労働者の「退職の自由」を、会社が不当に制限することのないよう、事前に損害賠償額を予定することは、労働基準法で禁止されています。

例えば、就業規則や雇用契約書に、次のような規定を置くことは、労働基準法違反で、違法となります。

 例 

労働者が、その業務の遂行にあたって、会社に損害を与えた場合には、その損害の多寡にかかわらず、金100万円を会社に対して支払わなければならない。

労働者の業務上のミスが明らかであったとしても、会社に生じた損害を証明出来てはじめて、その損害額を限度として賠償請求が許されるにすぎません。

3.2. 給料天引きの禁止

賃金全額払いの原則から、労働者の生活に重要な収入である賃金を確保するため、損害賠償を、労働者の同意なく賃金から天引きすることも禁止されています。

業務上のミスを責められると、つい「悪かったな。」という気持ちから給料からの天引きに文句がいえず放置してしまいがちです。

そして、後から会社に「給料からの天引きには労働者の黙示の同意があった、」などと主張されかねません。

給料からの天引きが進められる場合には、即座に異議を述べ、その旨を証拠化しておくようにしましょう。

4. 業務上のミスで損害賠償を請求された場合の、具体的な対応

労働者(あなた)が使用者(会社)から、業務上のミスを理由に損害賠償請求をされた場合の、具体的な対応について解説します。

4.1. 【内容証明】で損害賠償を拒否する

まず、今回の解説を参考にして、「会社が要求している損害賠償を支払う必要があるのか?」という点と、支払う必要がある場合には、その金額、割合について検討をしてください。

支払う必要がない金銭について損害賠償、慰謝料を請求されている場合や、労働者(あなた)側に非がある場合であっても、明らかに過大な請求をされている場合には、支払を拒絶する意思表示を明確にします。

支払拒絶の意思表示や、労働者(あなた)側の意見を会社に正しく伝えるため、また、客観的な証拠を残すために、損害賠償を拒絶する意思表示は、内容証明郵便の方法によって行います。

ある程度は支払う意思があり、また、会社も譲歩の余地があるという場合には、話し合い(任意交渉)によって解決することを検討してください。

4.2. 【裁判】で損害賠償を拒否する

内容証明郵便によって、労働者(あなた)側の拒絶の意思を明確にしたにもかかわらず、会社がなお業務上のミスを理由とした損害賠償を請求したいという場合、その後どのように進めるかは、会社側が決めることとなります。

多くの場合、使用者(会社)側から労働者(あなた)側に対して、損害賠償請求の訴訟(裁判)を提起することとなります。

業務上のミスを理由とした損害賠償を裁判で請求された場合、そのまま放置しておくのはお勧めできません。

たとえ業務上のミスが全く根拠のないものであったり、明らかに過大な請求をされていたりする場合であっても、裁判に欠席してしまうと、ブラック企業側の主張が全面的に認められるおそれがあるためです。

裁判で、労働者(あなた)側に有利な結論を勝ち取るために、内容証明を送付した時点から、証拠収集を怠らないようにしてください。

5. 損害賠償を脅しに、退職拒否をされた場合の、具体的な対応

使用者(会社)が、労働者(あなた)に対し、損害賠償請求をすることを脅しにつかって、退職拒否をしてきたい場合の、具体的な対応について解説します。

5.1. 【内容証明】で退職の断固たる決意を示す

「退職をするなら、在職中の業務上のミスについて、損害賠償を請求する。」という脅しは、違法行為です。労働者に認められている「退職の自由」を不当に制限するからです。

会社から脅しをかけられた場合でも、弱気になってはいけません。

一番大事なのは、強い気持ちで退職の意思を示し続けることです。

労働者(あなた)が退職の意思を使用者(会社)に対して示したことを、客観的に証明するため、退職の意思表示を示す際には、内容証明郵便の方法で行います。

会社が請求したいと思う金額が少額の場合や、そもそも交渉のカードとして脅しをかけていただけである場合には、弁護士名義で内容証明を出すことによって、これ以上の損害賠償請求は行われないケースも少なくありません。

5.2. 【裁判】で退職の意思を示す

内容証明郵便によって、労働者(あなた)側が、退職の意思表示を明確にしたにもかかくぁらず、会社がなお労働者(あなた)の退職を拒否したいという場合には、訴訟によって解決するしかありません。

このとき、どのような進め方となるかを決めるのは使用者(会社)側ですが、多くの場合、脅しにつかっていた損害賠償を、裁判で実際に請求するという動きになるでしょう。

裁判になった場合に、損害賠償をすべき業務上のミスが存在しないこと、むしろ会社による嫌がらせ目的の訴訟であることを証明できるよう、証拠収集を怠らないようにしてください。

6. まとめ

退職直前、退職後に、「退職拒否」や「腹いせ」など、さまざまな目的で、会社から労働者に対して損害賠償請求がされることがよくあります。

しかし、恐れることはありません。損害賠償をする根拠がない場合には、これに応じる必要はありません。

業務上のミスが実際に存在する場合など、労働者に非がある場合であってすら、会社の言うなりになって全額の賠償をしなければならない場合は少ないといえます。

冷静に対処することが難しければ、労働問題に強い弁護士へ、お気軽にご相談くださいませ。

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