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「能力が低い」と減給(減俸)されたけど、違法ではないですか?

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会社から、「給与を下げる。」と言われることを、「減給(減俸)」といいます。社員としては、やる気を損なわれることこの上ない処分です。

減給・減俸といった処分を受けたとき、むしろ、「会社側のマネジメント能力に問題があるのではないか?」、「自分はしっかりやっているのに、何を基準に能力が低いといわれるのか。」と疑問、不安を感じる労働者の方も少なくありません。

しかし、会社が「能力不足」と評価をした場合、「解雇」をするには人手不足である、という場合には、賃金を下げて、安い給料で働き続けさせようとするブラック企業が多くあります。

そこで今回は、能力が低いという会社の一方的な判断によって行われた減給(減俸)が、違法、不当な処分ではないかどうかと、未払賃金の請求について、労働問題に強い弁護士が解説します。

1. 会社は勝手に減給できない!

まず、会社に、一方的に減給(減俸)をいいわたされてしまったときは、原則として不当な処分だと考えたほうがよいでしょう。

会社(使用者)と社員(労働者)との間の労働条件は、雇用契約によって定められており、通常は、雇用契約書、労働条件通知書などによって、入社時などに説明を受けているはずです。

そして、雇用契約に定められた労働条件は、労使間の合意によって決められているものですから、労働者の同意なく、会社が一方的に変更することはできません。

これは、「能力不足」「能力が低い」などという理由があっても同様です。これらの、労働者の業務遂行能力についての評価は、あくまでも会社の一方的、かつ、抽象的な評価に過ぎません。

仕事の内容や成果をしっかりあげているのであれば、減給の理由にはならないと考えてよいでしょう。違法、不当と考えられる減給・減俸を言い渡されたときは、まずは合理的な理由があるか、確認をしてください。

2. 「能力が低い」…でも減給は難しい!

では、まったく理由がない減給・減俸ではなく、会社から言われた「能力が低い」という点に、若干の心当たりがある場合について、考えてみましょう。

結論からいうと、「能力が低い」という指摘について、心当たりがあるとしても、減給・減俸はなかなか難しい場合が多く、少なくとも、労働者の同意も根拠もなく、大幅な減給・減俸をされれば、理由があっても違法なケースもあります。

そこで次に、能力が低い…という指摘に、残念ながら心当たりのある労働者の方に向けた減給・減俸の規制について、弁護士が解説していきます。

2.1. 能力が低いと、懲戒処分で減給できる?

就業規則などに定められた懲戒処分を見ていただくと、「減給」という処分が書かれていることが多いかと思います。つまり、懲戒処分をすることが可能であれば、「減給」することができるというわけです。

しかし、「能力が低い」という理由をとらえて、懲戒処分をすることは、非常にハードルが高く、難しいと考えられています。

懲戒処分とは、企業秩序を乱したことに対する制裁(ペナルティ)となる処分ですが、「能力が低い」ことは、あくまでもその労働者個人の問題であって、会社の秩序を乱す問題行為と考えることはできないからです。

「能力が低い」という評価が、会社の一方的な評価であることはもちろんとして、たとえそうでなくても、懲戒処分による減給をされたら、その処分が違法、無効であると主張して、会社と争うべきであるといえます。

なお、懲戒処分として行われる減給は、次の3つの制限があります。この点でも、能力が低いなどの理由で、懲戒処分としての減給を行うことが困難であることが理解いただけるでしょう。

  • 就業規則に、懲戒処分としての減給の要件、内容が記載されている必要がある。
  • 懲戒処分としての減給1回の金額は、平均賃金の1日分の半額を超えることができない。
  • 複数回の懲戒処分としての減給を行った結果、減給できる金額は、月額賃金の10分の1を超えることができない。

2.2. 能力が低いと、人事処分で減給できる?

では、懲戒処分としての減給が難しいとして、能力が低いという理由から、人事処分としての減給・減俸を行うことができるかどうか、弁護士が解説します。

人事処分としての減給・減俸が可能であるかどうかは、会社の制度によって異なるため、減給・減俸を言い渡されてしまったときは、まずは勤務している会社の就業規則、賃金規程を確認し、減給の根拠があるかどうかを確認しましょう。

例えば、一定の能力ごとに等級(ランク)が定められており、その等級(ランク)の評価に値するかどうかによって、給与が上下するような制度が取られている場合には、能力が低いと、人事処分としての減給が許されるケースがあります。

ただし、この場合であっても、会社が労働者の能力を低いものと評価して一方的に減給することは、違法である可能性が高く、減給の前に、適切な注意指導、教育がなされていなければ不適切な処分といえるでしょう。

2.3. 降格とともに減給できる?

管理職として働いていた労働者に対して、管理職から外すことと同時に、減給を言い渡すといったケースではどうでしょうか。降格とともに減給をされてしまったとき、争うことはできないのでしょうか。

実際、管理職には、「管理職手当」などの役職手当が与えられていて、役職を降格されてしまうと、年収が大きく下がる、というケースもあります。

日本では、解雇は厳しく制限されているものの、降格によって社員のやる気を失わせることで、実質的には、会社が社員を辞めさせているのと同じことなのではないでしょうか。

管理職などの役職の降格についても、就業規則の記載を根拠にすべきです。したがって、管理職の役職を降格させられ、減給を言い渡されてしまったときは、管理職としてふさわしくないかどうか、就業規則を参考に検討してみてください。

なお、これまで「管理職」として扱われ、残業代が全く支払われてこなかった方は、「名ばかり管理職」の可能性もありますので、残業代請求を検討してみてください。

2.4. 配転とともに減給できる?

会社の中には、「能力が低い」と評価した社員に対して、仕事を与えず、もしくは、簡単な雑用ばかりをさせ、その分給与を下げる、という減給処分を行う会社があります。

例えば、アリさんマークの引越社では、営業社員がシュレッダー係へと配置転換され、その不当性が争われた訴訟が行われました。

会社の就業規則には、配置転換は会社が自由に行うことができる、と定められているケースが多いですが、配置転換にともなって給与が大幅に減額される、といったケースでは、配置転換自体が違法、不当と評価されることもあります。

したがって、配置転換によって、より重要性の低い業務に移されてしまったからといって、大幅に減給を受けてしまうようなケースでは、次に解説するとおり、違法、不当な減給として、会社と争うべきであるといえるでしょう。

3. 「能力が低い」という理由で減給されたときの対応

最後に、「能力が低い」という理由で、減給されてしまったとき、労働者側としてはどのように対応するのが適切なのかについて、弁護士が解説します。

仮に、「能力が低い」という会社からの指摘に、多少の心当たりがあるという労働者の方も、能力不足が、直接的、かつ、大幅に給与の減額につながってしまうようなケースは、不当な不利益変更のおそれも十分にあります。

会社から減給の処分をされてしまったとき、まずはすぐに受け入れたり同意してしまったりすることなく、違法、不当な処分ではないか、慎重に検討して下さい。

3.1. 減給の根拠と理由を確認する

まずは、減給の根拠が、懲戒処分にあるのか、それとも雇用契約上の根拠(就業規則)にあるのかを確認しましょう。

懲戒処分としての減給の場合には、既に解説しましたとおり、「1回につき平均賃金1日分の半額」という厳しい要件があり、大幅な減給をすることはできませんから、減給額がこれより大きければ、無効を主張しましょう。

これに対して、就業規則、賃金規程などに定められた等級(ランク)の降格や、役職から外されたことが理由の場合には、次に、会社が一方的におこなった「能力が低い」という点について、より具体的な理由の説明を求めていきましょう。

3.2. 「能力が低い」の説明を求める

「能力が低い」というのは、会社が社員に対して下した、一方的かつ恣意的な評価に過ぎません。「能力」といっても、会社で働くときに求められる能力は多くあり、人によってどの点が秀でているかは様々です。

そこで、より詳細に、かつ、客観的に「能力が低い」という指摘の内容を、会社に確認する必要があります。

「退職させるための減給」、「実質的には解雇と同様の減給」となっていないかを確認するために、今後も会社に残ることを前提として、どのような点を改善したらよいか、具体的な指導、教育を求めるようにしてください。

3.3. 過去の処分歴を確認する

客観的、かつ、具体的に、「能力が低い」という減給の理由を説明してもらうときには、過去に、同様の能力について、指導、教育を受けたり、軽い懲戒処分を受けたりしたことがあるかについても、確認しましょう。

労働者側として、能力が低いことを理由に減給をされてしまうとき、後に評価を覆してもらうためにも、メールや指導書など、客観的な証拠に残った注意、改善策が、会社から提示されていることが重要です。

また、「減給」を懲戒処分として行われてしまったという場合、「減給」の懲戒処分は比較的重い処分であることから、過去に譴責、戒告などの軽度の懲戒処分により、「能力が低い」という問題点について警告を受けていたかどうか、確認をしてください。

再三の注意指導を受け、教育を受けていたにもかかわらず、能力が低いまま改善されない、といったケースでなければ、「能力が低い」ことを理由とする懲戒処分としての「減給」は、無効の可能性が高いといえます。

3.4. 減給された給与を請求する

ここまでお読みいただければ、会社が労働者の給与を一方的に減らす、減給を行ったとしても、これをただ受け入れなければならないわけではなく、違法、不当な処分である可能性もあることをご理解いただけたでしょう。

減給が、違法、不当な処分である可能性があると考える労働者の方は、減給された分の給与を請求しましょう。

賃金請求権の時効は2年であることから、2年以内であれば、違法に減給された分の給与を請求することができます。

未払の給与を請求するには、まずは内容証明によって請求書を会社に送ることからはじめ、その後、未払金額によって、少額訴訟、労働審判、訴訟などを利用するとよいでしょう。

3.5. 減給の問題を弁護士に相談する

最後に、減給が違法なのではないか、減俸が不当なのではないか、と疑問をお持ちの労働者の方は、弁護士の法律相談をお受けください。

労働問題に強い弁護士は、しっかりと事情をお聞きした上で、減給の違法性を判断できることはもちろんのこと、その他の労働問題についても、あわせて解決することができます。

労働問題を解決するに際しては、弁護士であれば、弁護士名義の内容証明郵便を出すことで会社に対して労働者側の意見を的確に伝え、労働審判や訴訟などの法的手続を利用することができます。

4. まとめ

今回は、会社から「能力が低い」と一方的に伝えられた上に、減給・減俸されてしまった労働者の方に向けて、会社が行う減給・減俸が違法となるケースが多いことを、弁護士が解説しました。

減給・減俸について、あらかじめ労働者と使用者との間で定められたルール(就業規則・賃金規程など)にしたがい、具体的な改善点の指摘とともに行われたケースなどを除き、違法、不当な処分となる可能性も高いものと考えられます。

労働者の同意のない、一方的な減給によって、給与を減らされてしまった労働者の方は、労働問題に強い弁護士へ、お早めに法律相談ください。

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