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セクハラ冤罪の疑いをかけられたらすべき対策3つ!解決事例も紹介

セクハラだとは自分ではまったく思いもしなかった言動が、「セクハラだ」と指摘されることがあります。
本来セクハラしていないのにこんな指摘をされるのが、セクハラ冤罪の問題です。

相手に不快感を与えていると、セクハラ被害者の言い分どおり判断され、セクハラ認定される危険も。
一方で、恨みを買って、セクハラ冤罪をでっちあげられる例もあります。

セクハラだと認定されれば、慰謝料請求を含めた損害賠償請求をされるだけでなく、懲戒解雇されて会社をやめざるをえなくなる可能性があります。
セクハラ被害が深刻だと、冤罪なのに逮捕され、有罪判決を受ける例も決して少なくはありません。

セクハラ冤罪となるような虚偽の告発でも、「セクハラ被害を受けた」と訴える女性の言い分のほうが信じられてしまう可能性は、否定できません。
セクハラ冤罪による取り返しのつかない不利益を受けぬよう、正しい対策を理解しなければなりません。

この解説のポイント
  • セクハラの冤罪は、証拠が残りにくいセクハラで、被害者の言い分が信じられやすいため起こる
  • セクハラの冤罪を疑われたら、証拠を重視し、否認し続ける
  • セクハラのヒアリング、調査中、弁護士から警告することで、かたよった判断を防げる

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解説の執筆者

弁護士 浅野英之

弁護士(第一東京弁護士会所属、登録番号44844)。
東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。

企業側の労働問題を扱う石嵜・山中総合法律事務所、労働者側の法律問題を扱う事務所の労働部門リーダーを経て、弁護士法人浅野総合法律事務所を設立。

不当解雇、未払残業代、セクハラ、パワハラ、労災など、注目を集める労働問題について、「泣き寝入りを許さない」姿勢で、親身に法律相談をお聞きします。

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セクハラ冤罪とは

セクハラ冤罪とは、実際にはセクハラをしていないのに、被害者が「セクハラされた」と被害申告したことによって、あなたがセクハラをしただろうという疑いをかけられてしまうことです。

セクハラ問題は証拠に残りづらく、被害者だといっている女性からの告発が信じられてしまいがち。
これが、セクハラ冤罪の被害を加速させている温床となっています。
よくあるセクハラ冤罪の相談例は、次のようなもの。

  • 被害者の女性が不快に感じているのだから、セクハラにちがいない
  • 被害者の言い分のみを信じて、セクハラをしていたといわれている
  • 自分の知らないうちに調査が進み、セクハラ認定された
  • 証拠がないのに、セクハラ被害があったと信じ込まれている
  • まったく真実と異なるセクハラ被害をでっちあげられた
  • セクハラだとヒアリングを受けたが、どんな疑いがかかっているか教えてくれない

人事に呼び出され、「あなたからセクハラを受けたという被害申告があがっているが、本当か」といったヒアリングを受けたり、調査が開始されたりした段階ではじめて、セクハラ冤罪の被害にあっていたことがわかるでしょう。
しかし、このタイミングで気づいても、すでに、会社側では十分に準備が進んでしまっています。

ここから頑張って反論しても、あなたの言い分は聞いてもらえないことも多いもの。
セクハラ冤罪によって、異動や降格、懲戒処分、解雇といった不利益な処分を受けてしまわないよう、対策が必要となります。

「被害者の言い分は絶対」ではない!

セクハラをめぐる問題では、被害者が保護されがちです。
確かに、職場や上司のプレッシャーで、セクハラ被害を誰にも相談できずに泣き寝入りとなってしまうことは、絶対に避けなければなりません。

しかし、逆に、セクハラ被害者の言い分が絶対視されるべきでもありません。
「セクハラだ」と疑惑をかけられても、自分がセクハラしていないなら、断固として否定してください。
セクハラ冤罪ならば、逆に、セクハラ加害者に仕立て上げられた人は、いわれのない罪をかぶります。
被害者の涙ながらの告発だからといって、すべて受け入れるのは早計です。

むしろ、してもいないセクハラの冤罪ならば、そのまま社内に噂や間違った風評が流れてしまえば、名誉毀損の被害にあってしまうともいえます。

セクハラの場合、皆の目前で公然と行われることありません。
かくれてするのが通例のため、セクハラ冤罪だったとしても、闇雲に否定して争っては、むしろ疑いを深めるおそれもあります。
このとき、セクハラ冤罪の疑いを受けてしまった人が、特に重視すべきが「証拠」です。

「被害者の言い分が絶対ではない」とはいえ、セクハラで、証拠がすべて完璧にそろうケースはありえません。
そのため、「セクハラした」という証拠が完全でなくても、セクハラ被害者の証言で補って、「セクハラの事実があった」と認定されるケースがあります。

したがって、セクハラ被害を強く主張する人がいるときは、証言の信用性を検討します。

セクハラの疑いをかけられた側の反論が十分でなかったり、客観的証拠と明らかに矛盾していたり、不合理なもので信用できなかったりといった場合、「セクハラをしていたのだろう」と判断される危険があります。
信じてもらいやすい証言がどんなものか、事前にしっかり準備しなければなりません。

セクハラ冤罪の疑いをかけられたときの対策

では、セクハラの疑いをかけられ、セクハラ冤罪にまきこまれてしまったとき、どんな対処をして身の潔白を証明したらよいのかについて解説していきます。

セクハラしたと認めない

一番大切なポイントは、セクハラ冤罪ならば、「セクハラした」と自ら積極的に認めてしまわないこと。
セクハラしてないなら否認すべきなのは当然です。

セクハラ被害者の言い分が信じられていると、セクハラ冤罪を認めるよう誘導されるケースもあります。
なかには、次のような強いプレッシャーをかけ、冤罪を押しつけようとする悪質な例もあります。

  • セクハラしたことを認めなければ、懲戒解雇になると脅される
  • セクハラしたことを認めれば、会社がセクハラ被害者に示談するよう説得し、穏便に済ませるといわれる
  • セクハラしたことを認めれば、今回限り処分はしないといわれる
  • セクハラをすぐに認めれば、人事までで止め社長にはいわず、大事にならないといわれる

「ここで認めれば、大きな責任を負わなくても済むのではないか」という甘い考えから、本当はやっていないセクハラ冤罪なのに、「セクハラした」と自認してしまう方も少なくはありません。
しかし、実際にはセクハラしておらず、やましいことがないなら、誘惑にかられて自らセクハラを認めるのは絶対に避けてください。

セクハラ被害者側に証拠がまったくなくても、加害者が、被害者の言うとおりの被害を認めてしまえば、セクハラがあったことを前提にして処分されてもしかたありません。

ふたを開けてみたら、告発された被害内容がとても思いセクハラだったとき、懲戒解雇や刑事罰など、思ったより重い処分を受けてしまうおそれも。
そのタイミングになって「やはりセクハラはしていない」と変更しても、取り返しがつきません。

証拠のないセクハラ冤罪には、徹底して争う

法的なトラブルは「証拠が命」。
セクハラ冤罪トラブルが拡大し、裁判所での争いに発展したとき、証拠のない事実は認められません。
そして、最終的な解決が、裁判所でされる以上、その前の段階、つまり、被害者との話し合いや、会社での処分などでも、証拠を重視して判断すべきなのは当然。
被害者の申告だけを聞いて判断すべきではありません。

労働問題のなかでも特に、セクハラは証拠が残りにくいもの。
あなたがセクハラを起こしていない、いわゆるセクハラ冤罪ならば、証拠がなくて当然です。

セクハラ冤罪の疑いをかけられても、被害者や会社から証拠が示されないなら、「私がセクハラしたという証拠はない」と強く指摘し、徹底して争うようにしてください。

セクハラ被害者に直接連絡しない

「被害者に話せばわかる」とは思わないことです。
まったく事実と違うセクハラ冤罪ほど、「なにかの間違いだ」と被害者に直接連絡してしまいがちですが、やめておいたほうがよいでしょう。
被害者に連絡をしようと焦る姿は、セクハラ加害者そのもので、「冤罪だ」という反論は信用してもらいづらくなります。

会社から、セクハラの疑いをかけられている以上、なにかの間違いなどということはなく、セクハラの被害申告そのものは確実にされていると考えてください。
むしろ、セクハラといわれてもなお被害者に連絡するよう強く求めれば、再発防止の観点から、より厳しい処分をされてしまいます。

明らかな冤罪ほど、相手があなたに何らかの嫌悪感をいだき、「罠にかけてやろう」、「ハメてやろう」と考えている可能性があります。
こんなとき直接連絡しては、会話を録音され、さらに不利な証拠に使われます。

なお、残念ながらセクハラの事実が一部本当で、示談を求めるときにも、直接連絡するのではなく、示談交渉を弁護士にまかせるのがおすすめです。

弁護士に依頼し、潔白を主張してもらう

セクハラ冤罪にされ、セクハラの疑いを晴らすのが自分1人では難しいとき、弁護士に相談ください。
セクハラの疑いを晴らせぬまま放置しておけば、時間が経つほど、被害者の証言が重視されてしまいます。

セクハラ冤罪トラブルの特徴は、被害者の証言のとおりの処分となってしまうケースが多いことです。
このとき、被害者の伝える事実は真実とはかけ離れていて、求める処分も、相場より重度。
厳しい処分を選択されると、懲戒解雇など、退職を前提とした厳しい制裁が下されるケースも珍しくありません。

最悪の事態を見すえ、労働審判、訴訟などの法的手続で争う準備をするためにも、弁護士を依頼して潔白を主張してもらう必要があります。
セクハラ冤罪で懲戒解雇されたら、解雇の無効を主張して裁判所で争うことができます。

セクハラ加害者の適切な対応は、次の解説で詳しくまとめています。

セクハラ冤罪の解決事例

最後に、相談があったセクハラ冤罪のケースで、当事務所の弁護士による解決事例を紹介します。

解決事例1

ご相談の事案

ある日突然、人事に呼ばれて、「なんのことかわかるよね」、「嫌な思いをしている女性がいるよ」といわれ、反論があればこの場ですべて言うようにと伝えられた。
具体的に、誰の、どんなセクハラ被害か、疑いの内容はまったく知らされずヒアリングはその日だけで終了。

その後、「まったく反論をしなかったのでセクハラはすべて事実だろう」といわれ、セクハラ加害を理由にして懲戒解雇とするから、本日中に自主退職するかどうか選べといわれた。

弁護士による解決

弁護士に依頼後、すぐに「被害者の言い分だけを一方的に信じること」の違法性を指摘。
内容証明を送付し、再度ヒアリングを十分にし、反論を聞くように伝えた。

結果、セクハラをされたといっていた被害者が、来月に退職する女性社員だと判明。
セクハラの被害申告のあった前日に、相談者から厳しい注意指導を受け、その腹いせにやった可能性が高いこともわかり、しっかり事実確認した結果、懲戒解雇となることを回避できた。

解決事例2

ご相談の事案

職場の同僚から、「セクハラだといわれているから注意したほうがよい」と指摘を受ける。
その後、突然に評価が下げられ、仕事をとりあげられることに。

具体的なヒアリングなどはなにも行われていないが、社内の噂を聞くと、どうも自分がセクハラ加害者だといわれているようであり、あちこちで風評が流されている。
ある日、理由は特につげられていないが、「人間関係がうまくいっていないだろう」といわれ、異動を命じられたが、これまでのセクハラの噂と関係あるとしか思えない。

弁護士による解決

弁護士から会社へ、「異動の理由を書面で示すように」と要求。
会社から出てきた書面では、異動の理由としては、まったく思い当たる節のない問題点が羅列されていたため、セクハラ冤罪の件にこちらから言及した。

調査が進んでいたようなので、同僚から伝え聞いた噂などを参考に、反論を書面にして提出。
セクハラ冤罪の疑いが晴れて、異動は不適切だったと会社内の判断が得られ、元の職場に復帰することができた。

まとめ

弁護士法人浅野総合法律事務所
弁護士法人浅野総合法律事務所

セクハラの労働問題では、どうしてもセクハラ被害者の側に肩入れされてしまいがちです。
被害を受けたという話のほうが信じられやすいのが、セクハラ冤罪が減らない大きな理由。

会社の判断もまた、セクハラ被害者に寄りがちです。
そのため、セクハラをしていないのにセクハラの疑いをかけられる、セクハラ冤罪の被害は、男性であれば誰しもが受けるおそれがあります。

セクハラを許さないと社会的風潮は、年々厳しくなっています。
自分はセクハラのつもりでなくても、懲戒解雇など厳しい処分となるケースも珍しくはありません。

まったくやましいところがないにもかかわらず、「セクハラしただろう」などとセクハラ冤罪の疑いで処分されそうなとき、ぜひ一度弁護士にご相談ください。

この解説のポイント
  • セクハラの冤罪は、証拠が残りにくいセクハラで、被害者の言い分が信じられやすいため起こる
  • セクハラの冤罪を疑われたら、証拠を重視し、否認し続ける
  • セクハラのヒアリング、調査中、弁護士から警告することで、かたよった判断を防げる

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