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浅野 英之
弁護士
弁護士(第一東京弁護士会所属、登録番号44844)。東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。

企業側の労働問題を扱う石嵜・山中総合法律事務所、労働者側の法律問題を扱う事務所の労働部門リーダーを経て、弁護士法人浅野総合法律事務所を設立。

不当解雇、未払残業代、セクハラ、パワハラ、労災など、注目を集める労働問題について、「泣き寝入りを許さない」姿勢で、親身に法律相談をお聞きします。
★ 労働問題を弁護士に相談する流れは?

セクハラの時効は3年または5年!時効期間が過ぎたときの対応も解説

解説の執筆者

弁護士法人浅野総合法律事務所

代表弁護士

浅野英之

東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。第一東京弁護士会所属(登録番号44844)。

不当解雇、残業代、セクハラ、パワハラ、労災などの労働問題について、「泣き寝入りを許さない」姿勢で、親身に法律相談をお聞きします。

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セクハラ被害を受けた際、慰謝料の請求をするなら時効に注意してください。セクハラを受けてすぐに相談し、慰謝料を請求できればよいですが、現実的には難しいケースもあります。

相談者

セクハラで強いストレスを受け、すぐには考えられない

相談者

精神的苦痛が酷く、すぐに慰謝料を請求するのは無理だ

セクハラ問題は多く報道され、社会的関心が高いですが、いざ自分が被害者になってしまうと、すぐに慰謝料請求に踏み切る覚悟ができない方も少なくありません。

すぐに被害を公にして責任を問うのは耐えられない場合でも、「セクハラの責任追及を、いつまでならできるのか」を理解し、期間を過ぎてしまわないよう注意が必要です。面白おかしく取り上げられるなど、セクハラ被害を言い出すと二次被害につながる危険もあります。躊躇する気持ちはよく理解できますが、時効が過ぎると、責任追及そのものができなくなってしまいます。

今回は「セクハラの慰謝料請求はいつまでできるのか」、つまり、セクハラの時効について、労働問題に強い弁護士が解説します。

この解説のポイント
  • セクハラの時効は不法行為なら3年、安全配慮義務違反は5年または10年が基本
  • 直後には動けなくても、責任追及の可能性があるなら証拠収集は欠かせない
  • セクハラ行為から時間が経過していても、救済されるケースもある

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目次(クリックで移動)

セクハラの時効とは

セクハラの時効とは、慰謝料請求などの責任を追及できる期限のことです。つまり、いつまでセクハラの慰謝料や損害賠償を請求できるかを定めるのが、時効の考え方です。法律用語では、「その期間を過ぎたら権利が消滅する」という意味で「消滅時効」と呼ばれます。

セクハラの時効は3年・5年・10年

セクハラの責任を追及する方法には、主に次の3つがあります。

【セクハラ加害者に対する請求】

  1. セクハラ加害者に、不法行為(民法709条)の責任を追及する方法

【会社に対する請求】

  1. 会社に、不法行為の使用者責任(民法715条)を追及する方法
  2. 会社に、安全配慮義務違反の責任を追及する方法

いずれも、セクハラの責任追及の方法として、慰謝料請求をする具体的な根拠となります。ただし、セクハラの時効の観点からすると、請求方法によって、時効期間の考え方が異なります。それぞれの方法ごとに、セクハラの時効は、民法で次のように定められています。

消滅時効とは

【不法行為】

  • 請求相手:加害者
  • 時効
    • 損害及び加害者を知った時から3年(生命または身体の侵害の場合は5年)
    • 行為の時から20年

【不法行為の使用者責任】

  • 請求相手:会社
  • 時効
    • 損害及び加害者を知った時から3年(生命または身体の侵害の場合は5年)
    • 行為の時から20年

【安全配慮義務違反】

  • 請求相手:会社
  • 時効
    • 権利行使できることを知った時から5年
    • 権利行使できる時から10年(生命または身体の侵害の場合は20年)

セクハラのつらさや、その後の会社の対応の不誠実さから、退職せざるを得なくなってしまう被害者も少なくありません。

しかし、退職後であっても、セクハラの慰謝料請求は時効完成前なら行えます。在職中にセクハラを指摘して責任追及するのは、人間関係の悪化を恐れ、気まずさや後ろめたさを感じる方は、退職をした後で慰謝料請求することを検討してください。セクハラ被害の直後に請求しなければならないわけではありませんが、時効にはくれぐれも注意してください。

「セクハラの慰謝料の相場」の解説

2020年4月施行の改正民法による変更点

時効の条文は、2020年4月施行の改正民法で大幅に変更されたため、注意を要します。

まず、不法行為の時効について、改正前は、損害及び加害者を知った時から3年であり、この点は改正後も変わりません。ただし、改正後は、生命・身体を侵害する不法行為は時効期間を5年に延長するルールが追加されました。

次に、債権の消滅時効については、セクハラの場合、安全配慮義務違反の責任追及に適用されます。債権の消滅時効は、民法改正前は10年でしたが、民法改正後は、権利行使できることを知った時から5年、権利行使できる時から10年(生命・身体の侵害の場合は20年)に変更されました。

「セクハラ問題に強い弁護士に相談すべき理由」の解説

セクハラ加害者に対する慰謝料請求の時効

次に、セクハラ加害者に対する慰謝料請求の時効について解説します。

セクハラ被害に遭うと、うつ病、適応障害などの精神疾患を発症し、慰謝料請求などの責任追及に、すぐには着手できない方も少なくありません。

セクハラ直後だと、「自分が我慢すれば円満に解決できるのではないか」「セクハラだと伝えても相手にしてもらえないのではないか」とふさぎ込み、泣き寝入りしてしまう方もいます。人間関係がネックになるとき、会社への請求はしないとしても、加害者への請求をするのがよいでしょう。

不法行為の時効は3年または5年

セクハラ被害者が、加害者にする慰謝料請求の根拠は、「不法行為」(民法709条)です。

不法行為は、故意または過失によって、他人の権利または法律上保護される利益を侵害した人に対して、その損害の賠償を請求するという考え方です。加害者への慰謝料請求もまた、セクハラという故意の言動によって被害者の権利を侵害し、精神的苦痛を与えたことに対する請求であり、不法行為を根拠としています。

不法行為による損害賠償請求の時効は、3年が原則です(民法724条)。ただし、生命又は身体を害するときは5年とされるため、重度のセクハラでは時効期間が5年となります(民法724条の2)。

また、不法行為の時から20年間行使しないときにも時効によって消滅します。かつての民法では、この20年の期間は除斥期間とされ、更新や完成猶予の余地がない絶対的な期間とされていましたが、2020年4月施行の民法改正により、他の期間と同じく消滅時効として位置付けられ、後述する完成猶予や更新の規定が適用されます。

「会社を訴えるリスク」の解説

セクハラの時効の起算点

不法行為の時効は3年もしくは5年と解説しましたが、その起算点は「損害及び加害者を知った時」とされます。つまり、この起算点から、時効期間がスタートするわけです。

不法行為の時効の起算点については、次のような重要な裁判例があります。

  • 最高裁平成14年1月29日判決
    「損害を知った」といえるには、不法行為により損害を受けたことを認識していれば足り、具体的な損害額を知ったことは不要であると判断されました。
  • 最高裁昭和48年11月16日判決
    「加害者を知った」といえるには、住所氏名を知り、損害賠償請求が可能な状態になっていることが必要であると判断されました。

通常、セクハラの慰謝料請求のケースでは、セクハラを受けて被害者となった時点で、損害と加害者を知っていることが多いでしょうが、「加害者を知らなかったと主張する」ケース、「損害を認識していなかったと主張する」ケースもあります。

「セクハラの相談窓口」の解説

会社へのセクハラの慰謝料請求の時効

次に、会社に対して請求するセクハラ慰謝料の時効についても解説します。セクハラ被害について、次のケースでは会社の責任を追及できます。

  • 会社によるセクハラの予防策が不十分だった。
  • セクハラを申告したときの事後対応が不誠実だった。
  • 会社の不手際によってセクハラ被害が悪化した。

直後には責任追及を思いとどまっても、結局我慢できず、慰謝料請求を思い立つケースもあります。

安全配慮義務違反の時効は5年または10年

会社は、労働者を安全で健康に働かせる義務(安全配慮義務)があります。

その内容として、社内でセクハラが起こらないよう教育・指導して予防し、いざセクハラが起こってしまっても悪化したり再発したりしないよう努める義務があります。この義務に違反し、セクハラの予防、教育、再発防止を徹底していない企業は、慰謝料請求の対象となります。

安全配慮義務違反の責任追及には、一般的な債権の消滅時効が適用されます。具体的には、権利行使できることを知ったときから5年、もしくは、権利行使できるときから10年(生命または身体の侵害の場合は20年)が、時効期間とされています。

不法行為の使用者責任の時効は3年または5年

会社は、労働者が「事業の執行」について損害を与えたとき、使用者責任を負います。これを、不法行為の使用者責任といいます。

民法715条(使用者等の責任)

1. ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

2. 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。

3. 前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。

民法(e-Gov法令検索)

不法行為の使用者責任の時効は、加害者に対する不法行為責任の追及と同じく、損害及び加害者を知った時から3年(生命または身体の侵害がある場合は5年)、不法行為の時から20年とされます。

会社が十分注意していても被害が発生したとき、会社の責任は追及できません。

セクハラの場合、例えば「会社がまったく知らなかった」「被害者からの相談もなかった」といったケースです。この免責は例外的なものですが、ハラスメント被害に遭ったら、速やかに社長や上司、人事、相談窓口などに相談して、対応を求める必要があります。

「セクハラの二次被害」の解説

時間が経っていても、過去のセクハラを訴える方法

セクハラ行為から時間が経っていても、あきらめずに責任を追及する方法について解説します。

セクハラの被害に遭った直後は、思い出そうとするとフラッシュバックが起こるなど、精神的苦痛が大きいことも多いものです。慰謝料を請求するために、過去のセクハラを詳しく思い出す必要があるものの、すぐには難しいという気持ちになるのも無理はありません。

時効期間が経過したら慰謝料請求をすることはできないのが原則です。一方で、時効期間がまだ満了していない、あるいは相手方が時効を援用していない場合には、行為から年数が経っていても責任追及ができる可能性があります。

セクハラの時効をストップさせる(時効の更新・完成猶予)

セクハラの時効をストップさせることができる場合があります。

かつては時効の中断・停止と呼ばれていた考え方は、2020年4月1日施行の改正民法で、時効の更新・完成猶予という名称に変更されました。この考え方を使えば、時効の完成を延期できます。

時効の更新は、更新事由が発生したとき、一旦期間がリセットされて新たな時効が進行します。時効の完成猶予は、完成猶予の事由の発生から終了まで、時効の進行がストップします。

時効を更新したり、完成を猶予したりする事由には、主に次のものがあります。

  • 裁判上の請求(民法147条)
    訴えの提起、支払督促の申し立てなどがあったら時効の完成が猶予され、確定判決が出ると、そこから10年間の新たな時効が進行します。訴えの却下や取り下げで、確定判決が出なかったときは、その時から6ヶ月間、時効の完成が猶予されます。
  • 強制執行(民法148条)
    強制執行、担保権実行などがあったら、申立時に時効の完成が猶予され、手続き終了後に新たな時効が進行します。ただし、申立ての取下げ、または、法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合、時効の更新の効力は生じません(その場合、終了時から6ヶ月間の完成猶予のみ)。
  • 仮差押え、仮処分(民法149条)
    手続きが終了したときから6ヶ月経過するまで、時効の完成が猶予されます。
  • 催告(民法150条)
    催告があったときから6ヶ月経過するまで、時効の完成が猶予されます(ただし、再度の催告は効力を有しません)。
  • 協議を行う旨の合意(民法151条)
    権利について協議を行う旨を書面で合意したとき、時効の完成は、合意時から1年を経過した時、当事者の協議で定めた期間を経過した時(1年に満たないものに限り)、当事者の一方が相手方に協議の続行を拒絶する旨を通知した時から6ヶ月を経過した時のいずれか早い時まで猶予されます。また、再合意も可能ですが、時効の完成が猶予されなかったとすれば時効が完成すべき時から通じて5年を超えることはできません。
  • 承認(民法152条)
    権利の承認があったときから新たに時効が進行します。
  • 天災など(民法161条)
    時効期間の満了時に、天災その他避けることのできない事変によって、裁判上の請求・支払督促・強制執行などの手続きができないとき、その障害が消滅したときから3ヶ月を経過するまで、時効の完成が猶予されます。

「セクハラで訴える流れ」の解説

「加害者を知らなかった」と主張する

不法行為の時効は、「加害者を知った時」を起算点としています。

つまり、セクハラ加害者を知らなかったのであれば、時効は進行しません。例えば、メールや電話による嫌がらせを受けたが、加害者が誰かを知らなかったケースでは、「セクハラ加害者を知らなかった」と主張することで、時効を進行させないことができます。

被害者の権利行使に配慮して、慰謝料を請求できる程度に加害者のことを知っていなければ、時効は進行しないと考えられています。

判例(最高裁昭和48年11月16日判決)では、加害者が誰かは知っていたが、その住所や氏名を知らず、事実上、慰謝料請求が困難だったという事案で、「加害者を知らなかったため、時効は進行していない」と判断しました。

「損害を認識していなかった」と主張する

不法行為の時効は、損害を認識した時点を起算点とします。

つまり、「セクハラの損害を認識していなかった」のであれば、時効は進行しません。セクハラ行為の時点で損害を認識できるケースばかりではありません。セクハラ行為の結果、うつ病、適応障害などの精神疾患を発症してしまったとき、損害が遅れて生じることがあります。

時効期間を経過してしまってもなおセクハラの責任追及をしたいケースでは、損害が遅れて生じている事例も少なくありません。このとき、「セクハラによる損害を初めて認識したため、時効はまだ進行していない」と主張することができます。

「労働問題に強い弁護士の選び方」の解説

セクハラの刑事責任を追及する方法と、公訴時効

セクハラの消滅時効は、セクハラの民事責任がいつまで請求できるかという問題です。

これに対し、重度のセクハラでは、刑事責任を追及することも考えられます。意に反した性交渉の強要があったなどの深刻なセクハラ事例では、犯罪になるからです。セクハラが犯罪になるケースでは、警察・検察といった捜査機関に告訴し、刑事処罰を求めることができます。

セクハラの刑事責任には、不同意わいせつ罪、不同意性交等罪などの例があります。このとき、刑事責任の追及には民事の消滅時効は適用されず、公訴時効が適用されます。公訴時効は、犯罪行為時から進行し、時効期間が過ぎると、告訴して処罰を求めることができなくなります。

セクハラで該当する犯罪について、公訴時効は、最高刑に応じて次のように定められます。

スクロールできます
罪名公訴時効最高刑
不同意わいせつ罪(刑法176条)12年10年以下の拘禁刑
不同意わいせつ致傷罪(刑法181条)20年無期拘禁
不同意わいせつ致死罪(刑法181条)30年無期拘禁
不同意性交等罪(刑法177条)15年5年以上の有期拘禁刑
不同意性交等致傷罪(刑法181条)20年無期拘禁
不同意性交等致死罪(刑法181条)30年無期拘禁

なお、上記全ての罪について、犯罪行為を終えた時点で被害者が18歳未満の場合は、被害者が18歳に達する日までの期間に相当する期間が、公訴時効期間に加算されます(例えば、被害者が12歳であった場合、6年加算されます)。

  • 2025年6月1日より、懲役刑・禁錮刑は廃止され、拘禁刑に一本化されました。

「犯罪となるセクハラ行為」の解説

セクハラの時効を検討するときの注意点

最後に、セクハラの時効を検討するときに知っておきたい注意点を解説します。

セクハラの時効より前に証拠を集める

セクハラの被害直後では、すぐに責任追及は考えられないこともあります。

精神的負担が重くても、まずは被害拡大を防ぐため、休職したり退職したりといった対応が先になってしまうことも多いものです。時効が経過していなければ慰謝料請求自体はできますが、セクハラの証拠収集は、行為直後にしておくべきです。

セクハラの事実を否定されたり、行為態様を争われたりするケースでは、満足のいく慰謝料を勝ち取るには、労働審判や訴訟できちんと証拠を示すのが大切です。証拠がなければ、セクハラの事実を裁判で認定してもらうことはできません。

セクハラの時効までは余裕があっても、証拠収集はスピーディに進めてください。セクハラは、密室で2人きりのときにされるなど、証拠に残りづらいことも多いですが、セクハラ被害を立証するために役立つ証拠には、例えば次のものがあります。

  • セクハラ発言の録音
  • セクハラ行為の録画
  • 現場に居合わせた同僚の目撃証言
  • セクハラを記録したメモ、日記、スケジュール帳
  • セクハラ直後に受診した際のカルテや診断書

セクハラ直後に、耐えかねて退職するとき、在職中でなければ入手できない証拠を得られなくなってしまいます。後から会社に要求しても、不利な証拠を出してくれるとは限りません。セクハラ後の苦しい状態では、精神的負担の解消を重視するのは当然ですが、「時効までに請求すればよい」「証拠は落ち着いてから集まればよい」という考えは甘く、耐えきれなくなる前に、日頃から証拠を収集・確保する努力をしなければなりません。

「裁判で勝つ方法」「セクハラの証拠」の解説

退職後でも慰謝料請求できる

セクハラを訴える前に退職したとき、その後でも慰謝料請求することができます。

セクハラ被害者となった上に、会社の不適切な調査で二次被害を負ってしまったとき、退職前にセクハラの慰謝料を請求するのは困難なときもあります。

セクハラ被害で苦しむ中の退職だと、退職手続きもままならないケースも少なくありません。少しでも有利な退職ができるよう配慮してもらい、特に、社会保険、雇用保険、税金などをはじめとした手続きは滞りなく行いましょう。

「退職を会社都合にしてもらうには?」の解説

【まとめ】セクハラの時効

弁護士法人浅野総合法律事務所
弁護士法人浅野総合法律事務所

今回は、セクハラ被害に遭ったとき「慰謝料をいつまで請求可能か」、セクハラ慰謝料請求の時効について、その期間・起算点・対応を解説しました。

セクハラの時効期間は、加害者への請求であれば3年が原則です。ただし、会社に対する安全配慮義務違反に基づく請求は5年または10年、さらに生命・身体を害するセクハラの場合には延長されるなど、請求の根拠や被害の程度により異なります。また、時効期間の経過前だからといって放置してよいわけではなく、時間が経つにつれて証拠は失われてしまいます。

たとえ時効の完成はまだ先だったとしても、証拠が消滅してしまえば、セクハラの事実が認められず、十分な慰謝料を請求できないおそれがあります。

精神的苦痛が大きいほど、すぐに慰謝料を請求するのは難しいこともあるでしょうが、できる限り早く請求の意思を示しておくことが、時効問題を回避するための重要なポイントです。

この解説のポイント
  • セクハラの時効は不法行為なら3年、安全配慮義務違反は5年または10年が基本
  • 直後には動けなくても、責任追及の可能性があるなら証拠収集は欠かせない
  • セクハラ行為から時間が経過していても、救済されるケースもある

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