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残業命令は断われる??拒否できる残業と、できない残業の3ケース

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残業命令は、会社員としてはたらく上では避けて通ることのできないものですが、「プライベートを大切にしてワークライフバランスを守りたい。」「子供が生まれたばかりで、育児を助けたい。」など、人によっては残業を断りたいケースもあります。

仕事がどれだけ好きな人であっても、家庭の事情などで「どうしても今日は残業できない・・・。」という日もあるでしょう。

しかし、残業命令を下した社長や上司に、「残業したくない。」と伝えれば、仕事に対するやる気がないと評価され、今後の昇進、昇給に大きな悪影響となってしまうおそれもあります。

そもそも、会社から残業命令を下された場合、労働者は必ず従わなければならないのでしょうか。断れる残業と、断れない残業との違いはどこにあるのでしょうか。

今回は、会社から命令された残業について、労働者が断れる場合と断れない場合について、労働問題に強い弁護士が解説します。

1. 残業命令は違法?適法?

まず、会社が労働者に対しておこなった残業命令が、違法な残業命令であれば、雇用されている労働者であっても、断固として断ってもよいのは当然のことです。

そのため、残業命令を断りたいと考えたときには、まず、その残業命令が違法かどうか、を判断する必要があり、そのためには、残業命令を会社が適法に行うために必要なことを理解しておく必要があります。

そこで、まずは、残業命令の適法性について、弁護士が解説します。以下の要件を満たさない会社の残業命令は、違法な残業命令と考えてよいでしょう。

1.1. 残業命令は「違法」が原則

会社員として会社に雇用されていると、残業があるのは当然のことと思いがちですが、法律上は、「1日8時間、週40時間」という「法定労働時間」を超えて働かせるためには、一定の要件を備えておく必要があります。

そのため、残業命令はむしろ例外的であり、「違法」であるのが原則なのです。

1.2. 36協定(サブロク協定)が必要

会社が労働者を、「1日8時間、1週40時間」という法定労働時間を超えて残業(時間外労働)に従事させるためには、いわゆる36協定(サブロク協定)という労使協定を締結し、所轄の労働基準監督署(労基署)に届出をしなければなりません。

労働者保護の点から、36協定を締結せずに残業命令をすれば、「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」という刑事罰が科されることとされています。

36協定は残業時間の上限を定める重要な協定であることから、36協定が締結されずになされた残業命令は、断ったほうがよいでしょう。

この36協定(サブロク協定)は、さきほど解説したとおり、労働基準法(労基法)において禁止されている、法定労働時間を超えてはたらく残業を、適法なものとするために会社が必ず用意しておかなければなりません。

1.3. 残業命令の根拠が必要

36協定(サブロク協定)は、あくまでも、労働基準法(労基法)に禁止された時間外労働(残業)をさせても、労基法違反として処罰されない、という効力しかありません(専門用語で「免罰的効力」といいます。)。

これに対して、会社が労働者に対して、36協定(サブロク協定)によって許されることとなった残業を具体的に命令するためには、残業命令をするための根拠が必要となります。

残業命令を会社が行い、これに対して労働者が従う義務が生まれるための根拠は、就業規則、もしくは雇用契約書に書かれることによって、雇用契約の内容となります。

なお、会社が労働者を雇用するときには、労働条件を通知しなければならないわけですが、時間外労働の有無は、かならず明示さなければならないこととされています。

2. 正当な理由があれば、残業命令は断れる!

「会社からの命令は絶対!」と思いがちです。確かに、繁忙期の人手不足を、残業によって補っている典型的な日本企業においては、残業命令は、業務命令の中でも非常に重要なものといってよいでしょう。

しかし一方で、そのような強い残業命令であっても、労働者側に正当な理由があれば、命令を拒否し、残業をしないこともできます。

そこで次は、残業命令を断ってもよい、労働者側の正当な理由について、弁護士が解説します。

2.1. 体調不良で、残業命令を断れる?

会社は、雇用する労働者を、健康で安全な労働環境で働かせる義務があるものとされています。これを「安全配慮義務」、「職場環境配慮義務」と呼びます。

この安全配慮義務違反とならないよう、会社は労働者の健康状態を把握しておく必要がありますから、あきらかに残業ができないほどに体調不良の労働者に、残業命令を強要することは、安全配慮義務違反であるといってよいでしょう。

したがって、残業命令に応じると、健康を害してしまうような体調不良の状態である場合には、残業命令を断ることができると考えてよいでしょう。

2.2. 育児・介護で、残業命令を断れる?

育児・介護などの家庭内の事情もまた、残業命令を断る正当な理由となるケースがあります。

育児介護休業法という法律においては、3歳に満たない子を養育している育児期間中は、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、所定労働時間を超えて働くよう指示する残業命令を拒否することができるものとされています。

さらには、育児期間中や、要介護状態の家族を介護している労働者に対しては、短時間勤務、深夜業の制限など、会社は労働者の家庭内の事情に配慮しなければならないことが、育児介護休業法に定められています。

そのため、育児・介護を理由とする場合には、育児介護休業法による支援を十分に参考にして、残業命令を断ることのできるケースが拡大しています。

2.3. 嫌がらせ目的の残業命令は断れる?

ここまでは、労働者側の事情によって、残業命令を断りたい、というケースについての解説をしてきました。

これに対して、会社側の目的次第では、残業命令を断ることができるケースがあります。それがこの、嫌がらせ目的の残業命令です。このような残業命令は、パワハラ、セクハラなどのハラスメントにあたるといってよいでしょう。

会社が労働者に対して残業を命じることができるのは、あくまでも業務上必要であるからであって、社長や上司の個人的な感情で、嫌がらせのために行われた残業命令に従う必要はありません。

むしろ、嫌がらせ目的でされた不公平な残業命令は、ハラスメントとなり、残業命令を下した上司や社長、会社に対して、慰謝料請求を行うことができます。

残業命令が嫌がらせであって、断ってもよいかどうかは、次の事情などを参考に判断しましょう。

  • 同部署、同様の業務を行う他の社員にも、残業命令がされているかどうか。
  • 残業命令の時間、頻度。
  • 残業をして行う業務の有無。

3. 残業命令を断るときの注意

ここまでお読みいただければ、残業命令を断ることには勇気がいるものの、残業命令を断ってもよいケース、残業命令を断ったほうがよいケースが存在することを、十分ご理解いただけたのではないでしょうか。

あまりに違法なことの多いブラック企業で、サービス残業に仕方なく従事しているような労働者の方は、残業命令を拒否することも検討してみてください。違法な長時間労働によって、過労死、過労自殺、メンタルヘルスなど、最悪のケースにいたる前に、決断する勇気を持ちましょう。

そこで次に、残業命令を断ることのできるケースにあたる場合に、残業命令を断るにあたって、どのようなことに気を付けたらよいかについて、労働問題に強い弁護士が解説します。

3.1. 雇用契約書・就業規則をチェックする

残業命令を断るにあたっては、自分のはたらいている会社の雇用契約書、就業規則をチェックしておくことが重要となります。

事前に会社のルールをよくしっておけば、無理な残業命令を下されたり、サービス残業を強要されたりしそうになっても、会社に有効な反論をすることができ、会社の命令どおりに従う必要がないことがわかるからです。

また、仮に残業命令に応じて残業をしなければならないケースであったとしても、労働基準法(労基法)にしたがった正しい残業代の支払がされているかどうかもまた、就業規則と雇用契約書をチェックすることによって明らかになります。

残業命令を断れないケースであっても、働いた分の残業代は、必ずもらうようにしましょう。残業代請求の時効は2年ですから、未払の残業代が存在する労働者の方は、お早めに弁護士に法律相談ください。

3.2. 他の従業員に配慮する

残業命令を断ることができる場合であっても、業務に支障が出たり、他の従業員に迷惑をかけたりすることは、避けた方がよいでしょう。

残業命令を断る場合であっても、始業時刻から終業時刻までの間は、しっかりと働く必要があります。残業時間となる前に自分の仕事をしっかり終え、他の従業員に迷惑をかけないことは当然です。

残業命令を断っても、「空気が読めていない。」などと評価されないためにも、上司や同僚などとの、日ごろからのコミュニケーションが重要です。介護、育児など、残業命令を断らなければならない理由を知ってもらうことで、逆に周囲からの協力を得ることができます。

なお、違法な残業命令を、すべての従業員に押し付けてくるようなブラック企業の場合には、同僚や上司にも、残業命令を拒否したほうがよいと伝えてもよいかもしれません。

4. 残業命令を拒否すると解雇(クビ)?

最後に、残業命令を拒否した場合に、どうなるかについて、弁護士が解説します。特に、労働者の方の中には、会社の業務命令にしたがわないと解雇されてしまうのではないか、クビになるのではないかと恐れ、仕方なく違法な残業命令に従っている方も少なくないことでしょう。

ここまでの解説を参考にして、36協定(サブロク協定)が締結されており、就業規則などで残業命令の根拠もあり、労働者側に拒否できる正当な理由もないケースでは、残業命令に従わないことは、業務命令違反になるからです。

4.1. 残業命令を何度も拒否すると解雇?

一度だけ残業命令を拒否した程度では、いくら業務命令違反とはいえ、すぐに解雇されることはありません。もし解雇された場合には、「不当解雇」として、労働審判や訴訟で、争うことをオススメします。

というのも、日本においては、「解雇権濫用法理」というルールによって解雇は制限されていて、解雇してもしかたないほどの理由がなければ、解雇は「不当解雇」として違法、無効となる可能性が高いからです。

業務上の必要性があり、労働者側に拒否する正当な理由もないにもかかわらず、残業命令を何度も拒否し続け、注意や指導がされているにもかかわらず、改善する努力が一切みられない、という場合には、懲戒解雇などの判断となるケースもないわけではありません。

4.2. 「不当解雇」を争う

ここまでお読みいただければ、会社からされた残業命令に対して、拒否してもよいのか、それとも、従った方がよいのかは、十分判断いただけるのではないでしょうか。

労働者側に正当な理由があったり、そもそも36協定(サブロク協定)や就業規則の整備がなされておらず、残業命令が違法であったりするケースでは、残業命令を断った労働者を解雇することは「不当解雇」であるといえます。

ブラック企業に「不当解雇」されてしまった場合には、労働問題に強い弁護士にご相談ください。

「不当解雇」されてしまった場合には、労働審判や訴訟で、労働者の地位を有することの確認を求めて争うことができます。不当解雇を争った結果、会社に復職を認めてもらうという解決となるケースもあれば、解決金などの金銭をもらって退職することで解決するケースもあります。

5. 不当な残業命令の断り方

残業命令は、雇用をしている会社から、雇用されている労働者に対する業務命令であるため、正当な業務命令であれば、労働者であればこれに従う義務があるのが原則です。

しかし、残業命令に従う義務は、あくまでも、残業命令が正当である場合に限った話です。すなわち、不当な業務命令であれば、たとえ雇用され、給与をもらっているとしても、従う必要はありません。

5.1. 不当な残業命令とは?

たとえ会社からの命令であっても、その命令が違法であったり、不当であったりする場合には、従わなくてもよいのは当然です。

不当な残業命令と考えられるケース、すなわち、拒否してよい残業命令には、次のようなものがあります。いずれも、その業務命令自体が、違法かつ不当と考えられます。

  • 当初より残業代を支払わないことを当然のこととして行われた残業命令
  • 従前から残業代が一切支払われていない会社における残業命令
  • 残業する業務上の必要性が全くないにもかかわらず行われた残業命令
  • あえて1人の労働者をいじめる目的で差別的に行われた残業命令
  • 労働者に対して、甘受することのできない不利益を与える残業命令

5.2. 具体的な断り方は?

不当な残業命令であれば断ってもよいとはいえ、今回の解説をお読みいただいても、実際に行われた残業命令が「不当であるかどうか」の判断は、労働法についての詳しい知識がなければ困難な場合も少なくありません。

また、不当な残業命令であることが明らかであって、断ろうとした場合であっても、どのように断るかによっては、スムーズに話し合いが進まなくなってしまうおそれもあります。

「この残業命令は不当なのではないか?」、「従う必要のない残業命令なのではないか?」という疑問、お悩みをお持ちになった労働者の方は、次のように、残業命令の拒否を進めるとよいでしょう。

  1. 残業命令をおこなった社長、上司に対して、その残業の、業務上の必要性を確認する。
  2. 残業命令を断りたい理由を説明する。
  3. 残業命令に従って残業する以外の方法で、業務上の必要性を果たせないか検討、提案する。

6. 残業命令が断れる正当な理由とは?

ここまで解説してきたとおり、残業命令が違法、不当であれば、その残業命令は断ることができます。これは、「残業命令が違法、不当である。」という、会社側の理由による残業命令の拒否です。

これに対して、労働者側でも、正当な理由があれば、残業命令を断ることができます。つまり、雇用契約上生じる、残業命令に従う義務が、正当な理由によって、例外的になくなる、ということです。

残業命令を断る正当な理由には、次のようなものが考えられます。

  • 体調が著しく悪く、残業命令に応じると心身、健康を損なうおそれがある。
  • 残業命令に応じると育児に大きな支障が生じる。
  • 残業命令に応じると介護に大きな支障が生じる。

ただし、残業命令を断ることのできる正当な理由について、「私生活への支障」などの軽いものであったり、労働者の一方的な都合によるものであったりといったことは難しいでしょう。

「友人との約束があるから。」、「彼女とのデートがある。」といった個人的な事情で、残業命令を断ることは許されません。

5. まとめ

今回は、残業命令を断っても良いのかどうかをお迷いの労働者に向けて、残業命令を拒否してよいケース、拒否してはならないケースと、拒否した場合に解雇(クビ)とされてしまうのかどうかについて、弁護士が解説しました。

会社から解雇とされたくないがために、違法な長時間労働、無理やりな残業命令にしたがい続け、過労死、過労自殺、メンタルヘルスなど、最悪のケースに追い込まれてしまうことはとても不運なことです。

残業命令が違法なのではないか、残業を断ったことによる解雇が「不当解雇」なのではないか、と疑問をお持ちの労働者の方は、お早めに、労働問題に強い弁護士に、法律相談ください。

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