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未払残業代(割増賃金)の付加金、遅延損害金、遅延利息を請求する方法

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ブラック企業の残業代の未払いが、非常に悪質であった場合、「労働審判や裁判で勝った。」といっても、ただ未払い分の残業代を支払ってもらっただけでは納得がいかないことでしょう。

例えば、次のようなケースです。

 例 
  • 残業代が支払われずにかなりの期間が経過していた場合
  • 残業代が未払いであるとどれだけ強く請求しても全く支払ってもらえなかった場合
  • 長時間労働によるメンタルヘルス、パワハラが併存していた場合

「敗訴したら、未払い分の残業代だけを支払えばよい。」というのでは、「とりあえずは残業代を未払いにしておいて、もしバレて労働審判や訴訟を起こされたら支払えばいいや。」というブラック企業の甘い考えを許すことにもなりかねません。

残業代は、労働者が労働をしたことに対する正当な対価ですから、ブラック企業の甘い考えで未払いとしてよいものではなく、残業代の未払いに対しては、様々な制裁、ペナルティが用意されています。

「バレたら払えばいいや。」というブラック企業の考えは甘いです。未払い残業代の放置が悪質な場合は、残業代請求をする労働者に認められたペナルティを最大限利用して、会社に対して残業代の請求を行うべきです。

今回は、残業代未払いが悪質な場合に労働者が活用すべき、残業代未払のペナルティ(制裁)を、弁護士が解説します。労働者の残業代請求に対し、会社の対応が不誠実な場合には、労働問題に強い弁護士に依頼することが有益です。

1. 在職中の遅延損害金を請求すべき

労働者が、在職中の未払残業代を請求する場合には、遅延損害金を合わせて請求することが可能です。

遅延損害金を合わせて請求されれば、未払い残業代を支払わなかった期間が長ければ長いほど、支払わなければならない金額が多額になりますから、未払い残業代の放置が減ります。

1.1. 遅延損害金の意味

遅延損害金とは、民法に定められた「履行遅滞による損害金」のことを意味します。

つまり、契約関係にある当事者は、契約で約束された債務を履行しなければいけない義務を負い、この債務を履行しないことを「債務不履行」といいます。

「債務不履行」の1つである「履行遅滞」、すなわち、債務の履行が遅れた場合には、その責任として、「履行が遅滞したことによって債権者が負った損害」を賠償する義務が生じます。これが、遅延損害金です。

 参考 

残業代請求のケースに合わせて説明しますと、使用者(会社)は労働者(あなた)に対して、雇用契約に基づいて賃金、残業代を支払う義務があります(債務)。

賃金、残業代を支払う義務を怠り、賃金支払いの期限までに適切な残業代支払いをしない場合(債務不履行)には、残業代支払いが遅れた分だけ、遅延損害金を支払う必要があるということです。

遅延損害金は、次で説明する通り、元本に対する「年○%」という割合的な定め方がされています。

1.2. 残業代の遅延損害金(在職中)の割合

残業代は月ごとに算出され、それぞれの賃金支払日に支払う義務があります。そのため、賃金支払日が来るごとに、その月に支払われるべき残業代が履行遅滞となり、遅延損害金が発生します。

遅延損害金は、民事法定利率(5%)が基本です。民法に規定されている利率が基本となりますから、年5%ということになります。

これに対して、雇用している使用者(会社)が法人の場合には商法が適用されるため、商事法定利率(6%)が、民法の特例として適用されます。つまり、商法の規定に従い、年6%ということになります。

したがって、使用者が法人であるか個人事業主であるかによって、残業代請求の際に請求できる遅延損害金の割合は異なることとなります。

 参考 

残業代に付される遅延損害金は、それぞれ、各支払日ごとに、その支払日に支払われるべきであった残業代の額に対してかかることとなります。

すなわち、残業代をまとめて請求する場合であっても、遅延損害金の起算日はそれぞれの月の残業代ごとに異なります。支払日が以前のものであればあるほど、積み上げられた遅延損害金は多額となります。

遅延損害金の計算は、各支払日ごとに計算しなければならず、計算は複雑になりますから、残業代請求を検討されている方は、労働問題に強い弁護士へご相談ください。

2. 退職後の遅延利息を請求すべき

労働者が、退職後に、在職中の未払残業代を請求する場合には、遅延損害金に加えて遅延利息を請求することが可能です。

遅延利息を請求することもまた、遅延損害金と同様、残業代未払いを放置し続ける会社の行為を正すために必要なペナルティ(制裁)です。目的は同じですが、遅延損害金よりも更に重い責任を負わせるのが遅延利息です。

2.1. 遅延利息の意味

退職後の残業代請求に対しては、遅延損害金よりも更に高い割合のペナルティ(制裁)を課すことができます。

退職後の残業代請求の方が、労働者の保護に十分ではないといえるからです。退職するまで残業代を未払いのまま放置していたということは、それだけ会社の残業代未払いの態様が悪質であったともいえます。

退職後の残業代請求に対するペナルティ(制裁)を、「遅延利息」といいます。「遅延損害金」と似ていますが、更に重い責任ですので、混同しないようにしてください。

「遅延利息」も「遅延損害金」と同様、各月の残業代の支払日から個別に計算されますので、各月ごと請求できる遅延利息の金額が異なることとなります。

2.2. 残業代の遅延利息(退職後)の割合

「遅延利息」の詳細は、「賃金の支払の確保等に関する法律」(「賃金支払確保法」)に、次の通り定めがあります。

賃金支払確保法6条

事業主は、その事業を退職した労働者に係る賃金(退職手当を除く。以下この条において同じ。)の全部又は一部をその退職の日(退職の日後に支払期日が到来する賃金にあつては、当該支払期日。以下この条において同じ。)までに支払わなかつた場合には、当該労働者に対し、当該退職の日の翌日からその支払をする日までの期間について、その日数に応じ、当該退職の日の経過後まだ支払われていない賃金の額に年14.6パーセントを超えない範囲内で政令で定める率を乗じて得た金額を遅延利息として支払わなければならない。

退職した労働者が残業代請求を行う場合には、退職後は、退職日から支払日までの間、年14.6%という法定利率よりもかなり高い割合の利息の請求ができるということです。

「遅延損害金」が5%もしくは6%であることと比べると、「遅延利息」の14.6%がどれほど高いかが理解できます。

それだけ「退職に至るまで残業代の未払いを続けた。」という事実が悪質であり、労働者の保護が必要不可欠であるということです。

2.3. 遅延損害金、遅延利息はあわせて請求可能?

結論からいうと、遅延損害金、遅延利息はあわせて請求することが可能です。

ただし、どの時点からどのペナルティを課すことができるかについては諸説ありますので、遅延損害金、遅延利息を請求する場合の計算方法には、様々な考え方があります。

残業代請求をする際の計算方法に迷う場合には、労働問題に強い弁護士へご相談ください。

3. 付加金によるペナルティ(制裁)

あまりに悪質な残業代未払いに対しては、裁判所の命令に基づいて、付加金を受け取ることができます。

ブラック企業による残業代未払いがあまりに悪質である場合には、付加金請求もあわせて検討しましょう。

3.1. 付加金の意味

付加金とは、労働基準法の規定に従って、あまりに悪質な残業代未払いに対して、未払い額と同額を限度として裁判所が支払いを命じることによって受け取ることができる、ペナルティ(制裁)の意味合いの強い金銭です。

付加金を受けとるためには、労働者の請求、裁判所の命令の双方が必要となります。

労働基準法における付加金のルールを定めた条項が、次のとおりです。

労働基準法第114条

裁判所は、第20条、第26条若しくは第37条の規定に違反した使用者又は第39条第6項の規定による賃金を支払わなかった使用者に対して、労働者の請求により、これらの規定により使用者が支払わなければならない金額についての未払い金のほか、これと同一額の付加金の支払を命ずることができる。ただし、この請求は違反のあったときから2年以内にしなければならない。

残業代の未払いがあまりに悪質であると、(残業代と同額の付加金によって)「支払額が最高で2倍」になる、ということです。

また、条文から分かる通り、残業代以外にも、次の金銭請求には、付加金によるペナルティ(制裁)を加えることが可能です。

 例 
  • 労働基準法20条 = 解雇予告手当
  • 労働基準法26条 = 休業手当
  • 労働基準法37条 = 時間外、休日および深夜の割増賃金(残業代)
  • 労働基準法39条6項 = 年次有給休暇中の賃金

付加金は、「倍額払い」となる相当厳しい制裁ですから、付加金が課せられるおそれがある状況となれば、会社としても即座に未払い残業代を支払ってくれることでしょう。

付加金には、会社の誠実な対応を促進する効果が期待できます。

 注意! 

残業代未払いを続ける使用者(会社)に対して非常に強い効力を発揮する「付加金」ですが、付加金は、支払いを命ずる裁判所の「確定判決」があって初めて請求することができます。

話し合い(任意交渉)、労働審判、未確定の裁判で付加金を得ることはできません。

3.2. 付加金の金額

労働基準法(労基法)における付加金の規定は、「裁判所は付加金の支払いを命じることができる。」という定め方です。

つまり、裁判所は、付加金の支払いを命じてもよいし、命じなくてもよいのです。「付加金を命じるか(付加金を支払わせるほど悪質かどうか。)。」の判断は、裁判所の裁量に任されています。

残業代元本と同額ではなく、その一部の付加金を命じることも可能です。

 例 

残業代の未払いが悪質であり、1000万円の未払い残業代がある場合に、会社の態度が不誠実であることを考慮して、1000万円の付加金の支払を命じ、残業代の金額を2倍にすることが可能です。

これに対し、それほど悪質ではないものの、付加金のペナルティ(制裁)を課すべきであると裁判所が判断した場合には、満額ではなく300万円の付加金の支払を命じるということも可能です。

付加金を命令するかどうかを裁判所が判断するにあたっては、次の点が考慮のポイントとなります。

  • 会社の残業代未払い行為の悪質性
  • 未払い残業代の金額
  • 残業代が未払いであった期間

なお、付加金の請求は、残業代未払いのあったときから2年以内に行う必要があります。これは「除斥期間」といって、消滅時効と異なり中断することのない期間です。

4. ペナルティ(遅延損害金、遅延利息、付加金)を請求すべき理由

労働者(あなた)が使用者(会社)に対して残業代請求をする際に、ペナルティ(遅延損害金、遅延利息、付加金)を請求すべきである理由について、弁護士が解説します。

残業代は、労働者(あなた)が労働をした時間に対する正当な対価であって、請求をすることに後ろめたさを持つ必要はありません。

同様に、未払い残業代請求に対する会社の対応が不誠実であれば、ペナルティ(遅延損害金、遅延利息、付加金)を合わせて請求することもまた、躊躇する必要はありません。

4.1. 悪質な残業代未払いの継続を防ぐ

残業代のペナルティ(遅延損害金、遅延利息、付加金)を請求することによって、会社が支払わなければいけない残業代の金額は大きくなります。

すると、残業代を支払わなかったことによって労働審判、裁判などを提起され、敗訴してしまった場合の会社のダメージが大きくなります。そして、この金銭的ダメージは、時間を追うごとに増大していくことがあらかじめ予想できます。

会社が負けた際に支払うべき残業代の金額が増大していくことがわかれば、「残業代金額がそれほど多くないうちに支払っておいた方が良い。」という会社の経営判断を勝ち取ることができます。

したがって、残業代のペナルティ(遅延損害金、遅延利息、付加金)を請求することによって、ブラック企業による悪質な残業代未払いの継続、不誠実な放置を回避することができるのです。

4.2. 交渉を労働者側に有利に進める

残業代のペナルティ(遅延損害金、遅延利息、付加金)を請求することによって、労働者(あなた)が使用者(会社)に対して請求する残業代の金額が大きくなります。最初に内容証明によって請求する金額が多くなるということです。

残業代トラブルの解決の大多数は、話し合い(任意交渉)によって行われます。

残業代トラブルの話し合い(任意交渉)は、労働者側、使用者側が、それぞれ妥協点をさぐりながら、和解できる金額を提示し合うことによって進みます。

この交渉では、最大額は「労働者側の提案した残業代金額」、最少額は「会社側の提案した残業代金額」となり、その金額の間で着地点をさがして交渉します。

そのため、最初に労働者側から内容証明で請求する残業代金額を少しでも多くすることが、残業代の交渉を労働者(あなた)側に有利に進めることができる方法となります。

4.3. ペナルティ(遅延損害金、遅延利息、付加金)を請求すべきでないケース

遅延損害金、遅延利息、付加金と、残業代の元金以外に多くのペナルティ(制裁)を請求できる場合であっても、ペナルティ(制裁)の請求に強くこだわるべきではない場合もあります。

それは、早期の和解によってある程度合理的な解決が期待できる場合です。

「和解」とは、すなわち「話し合い」ですから、会社も労働者もお互いに少しずつの譲歩が必要です。

話し合い(任意交渉)を進める際、労働者側だけが、「遅延損害金、遅延利息、付加金のペナルティ(制裁)をすべて満額支払ってもらえない限り和解しない。」と強情に突っぱねれば、和解はまず不可能です。

会社が和解に応じず、不誠実な対応の場合には、和解をせずに労働審判、訴訟に進んだほうが多額の残業代が得られます。この場合は和解を成立させる必要は全くありません。

これに対し、会社が和解に応じ、誠実に妥協点を探ってきた場合には、ある程度合理的な金額であれば、和解を成立させた方が結果的に得なケースもあります。

和解を成立させるべきかどうかは、証拠の有無、残業代を減額できる法的根拠の有無などを総合的に判断し、労働審判、訴訟の結果を予測しながら決定しましょう。

残業代請求の和解の際に、方針にお悩みの場合は、労働問題に強い弁護士へご相談ください。

5. ペナルティの具体的な請求方法

最後に、今回の解説を読んで「残業代のペナルティを請求したい。」と考えた労働者の方へ、ペナルティ(遅延損害金、遅延利息、付加金)を請求する具体的な方法について、弁護士が解説します。

残業代の請求は、まずは内容証明からはじまる話し合い(任意交渉)でおこない、話し合いで解決しない場合には、労働審判、訴訟という法的手続へと進みます。

残業代のペナルティ(遅延損害金、遅延利息、付加金)もまた、残業代請求に並行して行います。

5.1. 遅延損害金の請求方法

残業代の遅延損害金を請求する場合、各月の残業代ごとに、その支払日から現在までの遅延損害金を計算し、請求をします。

残業代の遅延損害金を請求する際の記載例は、次のような形となります。

 例 

使用者(会社)は、労働者(あなた)に対して、残業代合計○○円及びこれに対する各支払日の翌日から支払済みまで年6%の割合による金員を支払え。

5.2. 遅延利息の請求方法

残業代の遅延利息を請求する場合、各月の残業代ごとに、退職日から現在までの遅延損害金を計算し、請求をします。残業代の遅延利息は、退職後にかかってくるものだからです。

退職後の未払いについて遅延利息を請求する場合には、在職中の未払いについては遅延損害金を請求することとなるでしょう。

残業代の遅延利息を請求する際の記載例は、次のような形となります。

 例 

使用者(会社)は、労働者(あなた)に対して、残業代合計○○円及びこれに対する退職日の翌日から支払済みまで年14.6%の割合による金員を支払え。

5.3. 付加金の請求方法

付加金を請求する場合には、裁判で、判決によって付加金支払を命令してもらわなければならず、かつ、その判決が確定する必要があります。

そのため、裁判では、次のような記載例を訴状に記載し、残業代の付加金を請求します。

 例 

被告は、原告に対して、金○○円及びこれに対する本判決確定の日の翌日からから支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。

既に解説したとおり、付加金は2年の除斥期間があり、2年以内に請求をしなければ、その後に請求することはできなくなります。そして、除斥期間の性質上、中断がありません。

そのため、労働審判では付加金を獲得することはできないものの、労働審判に異議申立をして訴訟に移行した場合には労働審判申立の時点で訴訟提起があったものとみなされることから、労働審判においても付加金を請求する意思を示しておくのが一般的です。

労働審判において付加金を請求する際の記載例は、次のような形となります。

 例 

相手方は、申立人に対して、金○○円及びこれに対する本審判確定の日の翌日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。

5.4. ペナルティ(遅延損害金、遅延利息、付加金)を請求するときの弁護士費用

未払い残業代のペナルティ(遅延損害金、遅延利息、付加金)の請求は、未払い残業代請求と同時に行います。

したがって、残業代請求を依頼する際の、弁護士費用が必要となります。ペナルティ(遅延損害金、遅延利息、付加金)の請求を追加することによって弁護士費用が増えることは通常ありません。

未払い残業代請求の弁護士費用を検討するにあたっては、次の要素が考慮されるのが一般的です。

  • 請求する残業代の総額
  • 残業代を請求する際に利用する手続(任意交渉、労働審判、訴訟)
  • 残業代の回収可能性の高低

残業代の回収可能性が高いものであれば、成功報酬制に近い報酬体系や、「着手金無料」などの弁護士サービスが利用できる場合があります。

6. まとめ

残業代請求をする際に、悪質な未払い残業代、会社の不誠実な対応に対して、ペナルティ(制裁)を課す方法について、弁護士が解説しました。

残業代請求と一緒に行うことのできるペナルティの請求には、遅延損害金、遅延利息、付加金の3つがあり、いずれも労働者(あなた)の側に交渉を有利に進めるため、大きな武器になります。

残業代の未払いが続き、請求をしても会社の対応が悪い場合には、労働問題に強い弁護士へご相談ください。

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