残業代を請求し、会社から和解金を提示されたとき、その妥当性に悩むことがあります。
労働者には未払い残業代を請求する権利がありますが、紛争が激化すると時間や労力がかかり、精神的な負担が増大します。交渉から労働審判、訴訟へと進んで紛争が長期化する場合、早期解決のためには「和解」が現実的な選択肢となります。
労働問題の中でも、会社側から和解金を提示されるケースは少なくないものの、労働者側にとって重要なのは、「会社の提示額が適正かどうか」を見極めることです。
和解金に一律の相場はないものの、未払い残業代の元金、遅延損害金、付加金の見込みなどを基準とし、見通しを立てることが可能です。和解金の相場についての考え方を理解すれば、メリット・デメリットを比較し、和解すべきか、さらに争うべきかを正確に判断できます。
今回は、残業代請求の和解金の相場について、金額の決め方、手取り額の考え方から、和解の進め方まで、労働問題に強い弁護士が解説します。
- 残業代請求の和解金は労使の合意で決まるため、一律の相場はない
- 和解金の決定にあたっては判決での認容額をはじめ複数の要素が考慮される
- 和解にはメリットとデメリットがあるが、最終解決なので慎重に判断すべき
\ 「今すぐ」相談予約はコチラ/

残業代請求の和解金とは

はじめに、残業代請求の和解金について、基本的な法律知識を解説します。
残業代請求の和解金とは、残業代に関するトラブルにおいて、労使の合意で解決するために支払われる金銭であり、「解決金」とも呼びます。未払い残業代を請求しても、早期解決を優先する場合、全額の回収に固執せずに妥協点を見出し、和解で紛争を終了させることも可能です。
残業代請求が和解で終わる主なケース
和解は、審判や判決などの強制的な解決と異なり、労使の合意により成立します。
そのため、必ずしも法律に基づいて計算された未払い残業代の額とは一致しません。労働問題は交渉・労働審判・訴訟といった順で進みますが、いずれの段階でも、和解での解決が可能です。
例えば、任意交渉中に労使の合意が成立するケース、労働審判で調停が成立するケース、訴訟中に裁判上の和解が成立するケースなどが典型例です。いずれも、争い続けるよりは短い期間で解決できる反面、労働者側にも一定の譲歩が求められます。
残業代請求の和解金の決まり方
前述の通り、残業代請求の和解金は、労使の合意によって決まります。
早期解決を目指す会社側から和解金が提示されたり、裁判所から和解案が示されたりするケースがありますが、労働者側では、提示額が妥当かどうかを判断しなければなりません。とはいえ、和解金が話し合いで決まるものであるため、一律の相場はありません。残業代請求と一口に言っても、争点や証拠の有無、回収の見通しなどはケースによって異なります。
ただし、「相場」や「正解」はないものの、法律や過去の事例に基づいて、ある程度の目安や見通しを立てることは可能です。次章の「残業代請求の和解金の相場と金額を決める要素」の解説を参考に、自身のケースで、提案された和解金が妥当かどうかを検討してください。
残業代請求の和解金の相場と金額に影響する要素

次に、残業代請求の和解金の相場と、金額に影響する要素について解説します。
会社や裁判所から提案される和解金は、基本的に、裁判で判決が下された場合に想定される認容額の見通しや、証拠の有無といった要素を総合的に考慮して判断されます。前述の通り、一律の相場はないものの、金額に影響する要素を知れば、戦略的に交渉することが可能です。
裁判で認められる未払い残業代の額
最も基本となるのが、裁判で認められる未払い残業代の額です。
交渉段階の和解では、労使双方が「裁判手続きに移行した場合、いくらの残業代が認められるか」という点についてリスクを加味して検討し、互いに譲歩し、合意に至った時点で決着します。そのため、判決における認容額の見通しが、交渉段階での和解金を決める重要な目安となります。裁判所の和解提案でも、裁判官が請求認容の可能性が高いと判断すれば和解金は高くなり(請求額の8割〜9割など)、棄却もあり得ると判断すれば低くなる(請求額の1割〜3割など)傾向があります。
なお、未払い残業代の額については、次の費目ごとの検討が必要です。

未払い残業代の元金
未払い残業代の元金は、労働基準法37条の定める計算方法に従います。
具体的には、基礎単価に割増率と残業時間を乗じて算出します。詳しくは「残業代の計算方法」の解説をご参照ください。
ただし、和解の交渉では、「労働時間に該当するか」「固定残業代制が有効か」「管理監督者性が認められるか」といった点について労使の認識が異なると、裁判になった場合の認容額の見通しに差が生じ、和解が成立しにくくなってしまいます。
遅延損害金
遅延損害金は、金銭支払いが遅れた場合に付される損害金であり、年3%の利率で計算されます(民法404条、退職後は賃金の支払の確保等に関する法律6条により年14.6%)。未払いの期間が長いほど遅延損害金が高くなるため、和解金も増額されやすくなります。
ただし、交渉段階で和解が成立する場合、早期解決を優先して、遅延損害金を含めないケースが少なくありません。一方、労働者側としては、勝訴する見込みが非常に高いと予想できるなら、遅延損害金についても譲歩は不要であると考えられます。
付加金
付加金は、悪質な未払いに対し、裁判所の命令によって未払い分と同額を限度に命じられることのある金銭です(労働基準法114条)。裁判所の命令が必要で、事実審の口頭弁論終結時までに未払い分を支払えば命じられないため、和解では考慮しないのが通常です。
証拠の有無
和解金の額を大きく左右するのが、証拠の充実度です。
タイムカードをはじめとした証拠が十分にある場合、残業代を立証することができ、「裁判で認められる未払い残業代の額」が認容される可能性が高まります。そのため、和解金も高額になりやすいです。したがって、証拠が十分なら、労働者側としては安易に譲歩する必要はありません。
一方で、客観的な証拠が乏しく、本人の記憶やメモを中心とした立証となる場合、会社が争えば認容額が下がるおそれがあるため、和解金も低めになる傾向があります。
「残業代請求で必要な証拠」の解説

会社側の反論の有効性
会社側に有効な反論があるかどうかも、和解金の額に影響します。
会社からよく出される反論として、固定残業代制に関するものがあります。固定残業代の制度が有効なら、その分の残業代は支払い済みと評価され、請求棄却となります。また、管理監督者であると認められれば、時間外と休日の割増賃金の請求は否定されます。
そして、反論が有効であるほど、会社としては譲歩の必要がなく、和解金の額が下がる傾向があります。ただし、これらの制度は、残業代を受け取れないという大きな不利益を労働者に与えるおそれがあるため、その要件については裁判で厳しく判断されます。
交渉と労働審判、訴訟の違い
和解のタイミングによって金額の水準が変わることがあります。
一般には、交渉段階の方が比較的低めの和解金で解決され、労働審判や訴訟といった法的手段に進むほど高額になる傾向があります。各手続きの違いを踏まえると、次のように解説できます。
- 交渉における和解
話し合いなら早期解決が可能な反面、証拠や勝敗の見通しが十分に明らかでないため、やや低めの金額でまとまる傾向があります。 - 労働審判での和解
裁判所の関与のもと、一定の証拠を踏まえた現実的な水準で合意しやすく、判決の見通しに近い金額での和解が期待できます。 - 訴訟での和解(裁判上の和解)
証拠が出揃い、裁判官の心証も示される中で成立するため、「裁判で認められる未払い残業代の額」に近づく傾向があります。
労働者側では、個別の事案に応じて、どの段階で和解するのが合理的かを検討する必要があります。請求額の通りに認容される可能性が高いなら、交渉や労働審判で妥協せずに訴訟まで進むべきである一方で、必ずしも勝てる保証はないため、証拠が十分でなかったり、会社の反論が認められる可能性があったりする場合、交渉での早期解決を目指す方が合理的なこともあります。
「残業代請求の勝率」の解説

早期解決と満額回収のバランス
和解には労使双方の譲歩が必要ですが、労働者側としては、「早期解決の代わりに、多少の減額に応じる」という方針と、「時間をかけて満額回収を目指す」という方針のバランスが重要です。一方で、金銭的な合理性だけでなく、解決までに時間をかけるほど、精神的負担が増大し、転職やキャリアなどの将来に影響しかねないといった事情も考慮しなければなりません。
会社側の資力や経営状況
判決で請求が認められれば、強制執行を行うことが可能です。しかし、会社の資力が十分でなかったり、財産の特定ができなかったりすれば、回収が困難なケースもあります。
特に、資金繰りの厳しい中小企業や、破産の可能性のある会社では、判決で満額認められる可能性があったとしても、減額して早期に回収する方が安全であることもあります。一方で、上場企業など、資金力がある会社であれば、支払能力を理由とした和解金の減額は不要です。
執行にかかる労力
和解金を決めるにあたり、執行にかかる労力も、考慮要素となります。労働審判や判決で残業代の支払いを命じられても、任意に応じない会社もあります。この場合、強制執行の手続きで財産を差し押さえて回収することとなりますが、これには一定の費用と労力がかかります。
「残業代請求の強制執行」の解説

税金・社会保険料などの源泉徴収
和解金は、全額がそのまま手取りになるとは限りません。
和解金に対する課税は、その実質により異なります。未払い残業代に相当する部分は、実質的には賃金を意味し、所得税や社会保険料の源泉徴収の対象になります。一方で、解決金として支払われる金銭が、精神的苦痛に対する慰謝料の性質を有する場合は非課税となります。労働者が意識すべきなのは、和解金の総額ではなく最終的な手取り額で判断することです。和解書の記載内容によっても課税関係が変わり得るため、くれぐれも注意してください。
弁護士への依頼の有無
弁護士に依頼するかどうかも、和解金の額に事実上影響することがあります。
弁護士に依頼することで交渉力や法律知識を武器にできます。また、「妥当な和解金が提案されなければ裁判も辞さない」という強い覚悟を示し、和解金を引き上げる効果も期待できます。残業代の和解交渉を任せるなら、労働問題に詳しい弁護士を選ぶのが適切です。
ただし、弁護士費用が発生するため、最終的な手取り額との比較が重要です。弁護士費用の説明と解決の見通しを踏まえ、「費用をかけて手取り額を増やせるか」を検討してください。
「労働問題に強い弁護士の選び方」の解説

残業代請求を和解金で解決するメリット・デメリット
残業代請求を和解で終えるべきか、争い続けるべきか、悩む場面があるでしょう。
このとき、労働者にとって和解にはメリット・デメリットの双方があることを理解して、どの段階で解決するのが合理的かを冷静に考える必要があります。
和解には、「早く確実に終わらせることができる」というメリットがある一方、「より多額の請求が認められる可能性を失う」というデメリットがあります。証拠の状況や提示額、時間的・精神的な負担を許容できるかといった点を踏まえ、最適な進め方を検討しなければなりません。
和解のメリット
和解には、早期解決をはじめとした多くのメリットがあります。
早期に紛争を解決できる
和解の最大のメリットは、解決までのスピードです。労働審判は3ヶ月〜4ヶ月程度、訴訟は半年から1年以上かかるのが通常ですが、交渉段階で和解すれば比較的短期間で解決できます。労働審判や訴訟の最中でも、和解をすればその時点で争いを終結させられます。
結果の予測可能性が高い
裁判では、証拠や主張の評価次第で、予想外の結論となる可能性をゼロにはできません。必ず勝てるという保証はなく、敗訴してしまうケースもあります。これに対し、和解であれば自分が納得できる金額・条件で合意するため、結果をコントロールしやすい安心感があり、将来のリスクを回避できるメリットがあります。
会社との関係悪化を避けやすい
在職中の請求や、同業界での転職を考える場合、紛争の長期化は関係悪化につながりかねません。和解なら、対立を最小限に抑え、円満解決を目指せるメリットがあります。
和解のデメリット
和解にはデメリットもあるので、焦ることなく慎重に進めてください。
満額回収できない可能性が高い
和解は、互いの譲歩を前提とするため、裁判で認められる額には届かないことが多いです。証拠が十分で、勝訴の見込みが高いなら、早期に妥協すべきではありません。
一度合意すると原則として争えない
和解が成立すると、その紛争は最終的に解決したものとして扱われます。清算条項付きの和解書が締結されれば、後から有利な証拠が見つかっても再度の請求は困難です。
不利な条件での和解を避ける必要がある
会社側が強く和解を迫る場合、労働者に不利な内容が含まれている可能性があります。和解に応じるときは、金額だけでなく、清算条項の範囲や守秘義務の内容など、条件全体を慎重に確認するようにしてください。焦って合意書にサインしたことで、取り返しのつかないリスクが生じることもあります。
「残業代請求に強い弁護士への無料相談」の解説

残業代請求の和解書の確認ポイント

残業代請求を和解金によって解決するとき、和解書(合意書)の作成は必須となります。
合意内容を書面化しないと後でトラブルになるおそれがありますが、署名するとやり直しはできないため、和解金に限らず不利な条項が紛れていないか、全体の内容を確認してください。
和解金の支払方法と期限を確認する
和解金が「いつ」「どのように」支払われるのか、次の点を必ず確認しましょう。
- 一括払いか分割払いか。
- 振込日が明確に定められているか。
- 振込手数料の負担者はどちらか。
- 支払いが遅れた場合の制裁があるか。
- 期限の利益の喪失条項があるか。
分割払いの場合、途中で支払いが止まるリスクがあります。会社の経営状況が悪化していて和解せざるを得ないケースで、和解金の支払いすら受けられないのは本末転倒です。和解を選択するケースこそ、金額だけにとらわれず、「確実に回収できる内容であること」を重視してください。
清算条項の範囲を確認する
会社側から、和解書に「本件に関して今後一切の請求をしない」といった清算条項を入れるよう要求されるのが通常です。このとき重要なのが、その清算条項の範囲です。
次のポイントに注意してよく確認しておいてください。
- 清算条項の対象となる範囲が広すぎないか。
- 残業代以外の請求まで含まれているか。
- 未払いの給料や退職金などが放棄されないか。
特に、在職中の場合、今後も給料や残業代などの債権が生じ続けることを前提とした記載にすべきです。よくあるテンプレートを使い回している会社では、意図せず「合意退職」を前提とした内容となっているケースも見られるので、文言は慎重に読むようにしてください。
守秘義務や競業避止義務を確認する
和解書は最終解決を意味するため、和解金以外の条項も盛り込まれるのが通常です。特にトラブルになりやすいのが、守秘義務や競業避止義務といった労働者に義務を課す条項です。
守秘義務条項は、和解金の金額や紛争内容を第三者に漏らさない義務を課すもので、会社側にとっては、他の社員から同様の残業代請求を起こされないためにも必須の条項となります。
一方で、退職後の競業避止義務については、特段の合意をしない限り義務を負わないと考えられるため、競業行為に該当するおそれがある場合には署名を拒否すべきです。また、時間的・場所的範囲、代替措置の有無などを総合的に考慮し、労働者への負担が過大である場合、合意書を交わしたとしても無効になることもあります。
「退職後の競業避止義務」の解説

残業代請求の和解は弁護士に依頼すべき

最後に、残業代請求を和解で解決する場合、弁護士に依頼すべきタイミングについて解説します。遅すぎると不利な合意をしてしまうリスクがあるので、注意してください。
当事務所は、残業代請求をめぐる交渉を和解で解決した実績を豊富に有しています。有利な解決を得るには、状況に応じて戦略的に考える必要があり、そのためには、法律や裁判例の知識とともに、これまでの経験に裏打ちされた交渉力が重要となります。
弁護士に依頼すべき典型例
和解は最終的な解決となるため、不利な条件で合意することを避けるため、弁護士への相談は必ず合意前に行ってください。弁護士に相談・依頼すべきケースは、例えば次の通りです。
- 会社から和解案を提示されたとき
「残業代請求の和解金の相場と金額に影響する要素」の通り、和解金の額の妥当性は、多くの要素を総合的に考慮して決定されます。一度合意するとやり直せないため、合意書に署名する前が、最も重要な相談のタイミングです。 - 請求額を正確に計算できないとき
前述の通り、残業代請求の和解金の相場は、「裁判で認められる未払い残業代の額」を基本として増額・減額されます。未払い残業代の計算を誤ると、交渉の土台となる金額を正確に把握できなくなってしまうので、弁護士に計算してもらうのが有益です。 - 会社から強く反論されたとき
固定残業代や管理監督者などの主張をされ、法的争点が本格化した場合、法律知識に基づく検討なしに進めると、大幅な減額につながるおそれがあります。会社が強く和解を迫るのは、労働者の無知を利用しようとしている可能性があり、注意が必要です。 - 労働審判や訴訟に進むか迷っているとき
交渉で和解するか、次の段階に進むべきかは、金額や証拠、会社の対応姿勢を総合的に見なければならず、実務経験が必要となるので、経験豊富な弁護士に相談すべきです。
費用対効果を判断するポイント
弁護士に依頼すべきかどうかを判断する上で重要なのが「費用対効果」です。
残業代請求を和解金で解決することを目指す場合、想定される和解金額と弁護士費用(着手金・成功報酬など)を比較して、「依頼することで最終的な手取り額が増えるかどうか」を検討する必要があります。増額の見込みが乏しいなら、依頼を慎重に検討すべき場合もあります。
弁護士に依頼する効果が大きいのは、会社が強硬に反論してきて、再反論のために法律知識を要する場面です。この場合であれば、適切な主張をすることで和解金を大幅に増やせる可能性があるため、弁護士費用を支払ってでも依頼する価値があると言えるでしょう。
ただし、弁護士選びでは、単純な費用の安さだけでなく、残業代請求の和解金を増額した解決実績や経験の有無などに重点を置いて検討することが大切です。
【まとめ】残業代請求の和解金の相場
今回は、残業代請求における和解金の相場について解説しました。
残業代トラブルは、必ずしも裁判まで争うのが最善とは限りません。精神的な負担の軽減や早期解決を重視するなら、和解という選択が有効な場面もあります。ただし、会社の提示する和解金が妥当であるとは限らないため、そのまま受け入れるかは慎重な見極めが必要です。
残業代請求の和解金に一律の相場はないものの、考慮される要素を理解すれば、状況に応じた目安を把握できます。これにより、争いを継続すべきか、和解に応じるべきかを判断できます。
一人では判断に迷う場合や、交渉を有利に進めたい場合、ぜひ弁護士にご相談ください。和解のメリット・デメリット、裁判との比較、弁護士費用も踏まえ、最終的な手取り額まで見通した上で、最適な解決策を提案することができます。
- 残業代請求の和解金は労使の合意で決まるため、一律の相場はない
- 和解金の決定にあたっては判決での認容額をはじめ複数の要素が考慮される
- 和解にはメリットとデメリットがあるが、最終解決なので慎重に判断すべき
\ 「今すぐ」相談予約はコチラ/




