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うつ病を理由に解雇されたら「不当解雇」?慰謝料はもらえる?

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違法な長時間労働で、仕事が嫌になり「うつ病」にり患する労働者が増えています。しかし、うつ病への正しい対応が理解されておらず、「うつ病なのに解雇されてしまった」という法律相談も急増しています。

うつ病は、精神疾患(メンタルヘルス)の一種ですが、特に、職場での問題を原因とするうつ病が、近年急増しています。

うつ病にり患してしまった労働者に対しては、会社(使用者)として適切な対応は、就業規則に基づいて休職し、復帰を目指してサポートすることです。しかし、適切な対応ができている会社(使用者)ばかりではありません。

うつ病になってしまった原因が、職場の労働環境、仕事の大変さや長時間労働にあることが証明できれば、労災申請も可能ですが、うつ病の原因をはっきり特定することは、医学的にも困難なケースもあります。

うつ病になってしまった労働者に対して不適切な対応をする会社(使用者)の例に、「うつ病になったことを理由に、解雇する」という会社があります。しかし、「不当解雇」であると言わざるを得ません。

そこで今回は、うつ病になってしまって、更にそのことを理由に会社から解雇されてしまった労働者の方に向けて、うつ病を理由とした「不当解雇」を争う方法などについて、労働問題に強い弁護士が解説します。

1. 職場でのうつ病は誰の責任?

職場で、うつ病になってしまったとき、むしろ労働者が会社から責められることがあります。責任感の強い労働者の方ほど、うつ病になってしまったことが自分のせいではないかと責める傾向にあります。

しかし、うつ病が、自殺などにもつながりかねない中で、会社の仕事が、うつ病の発症、深刻化の原因となっているケースが多くあります。

労働契約法では、次のとおり、会社の安全配慮義務を定めています。この条文によれば、会社の仕事によって労働者がうつ病になってしまわないよう配慮する責任は、会社(使用者)にあります。

 労働契約法第5条(労働者の安全への配慮) 

使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。

さらに、厚生労働省の通達(平成24年8月10日付基発0810第2号)では、この安全配慮義務が、労働契約に付随する当然の義務であって、「生命、身体等」の中には、心身の健康が含まれることが明らかにされています。

「心身の健康」に配慮する必要がある、ということは、うつ病にならないよう、配慮する義務があるということです。

同じく厚生労働省が出した「労働者の心の健康の保持増進のための指針」では、次のとおり、職場におけるストレスが労働者だけでは取り除くことができず、会社の努力が必要であることを記載しています。

 労働者の心の健康の保持増進のための指針 

職場に存在するストレス要因は、労働者自身の力だけでは取り除くことができないものもあることから、労働者の心の健康づくりを推進していくためには、事業者によるメンタルヘルスケアの積極的推進が重要であり、労働の場における組織的かつ計画的な対策の実施は、大きな役割を果たすものである。

今回解説する、「うつ病を理由とする解雇」が、うつ病に対して会社が行うべきと定められているこれらの措置に違反する、いちじるしく不適切な対応であることが、理解していただけるでしょう。

2. うつ病を理由とした解雇の例

うつ病などの精神疾患を理由として、解雇されたという法律相談が増えていますが、それぞれどのようなケースなのでしょうか。うつ病を理由とした解雇の例を、解説します。

いずれも、業務を理由としたうつ病であれば、これを理由とした解雇は、「不当解雇」であるといえ、「不当解雇」の争い方が一般的にあてはまります。

なお、正社員が解雇をされる場合に限らず、試用期間中の解雇、正社員として本採用することを拒否すること、契約社員を雇止めすることなども、「うつ病を理由とする」のであれば、「不当である」といえる可能性が高いでしょう。

2.1. 「やる気がない」として、うつ病を理由に解雇するケース

「うつ病は甘えだ。」という考え方の会社があります。「仕事が全て」という考え方をもつワンマン社長、パワハラ社長が経営する会社に多い考え方です。

うつ病は、り患する人が増加している精神疾患なわけですが、「うつ病」が一般的ではなかった昔の時代には、「頑張れないのは、やる気がないのではないか。」と思われることも多かったことでしょう。

うつ病にかかってしまい、仕事を休まざるを得ない労働者に対して、「やる気がない」と評価し、勤務態度が悪いことを理由として解雇に至るケースが、典型例の1つ目です。

2.2. 「能力がない」として、うつ病を理由に解雇するケース

「うつ病」という病気であるのに、その労働者の「能力」の問題にすりかえられ、解雇されてしまうケースがあります。

労働者に、雇用契約(労働契約)で前提としていた能力がないことは、「能力不足」として解雇理由となります。しかし、「うつ病」は、精神疾患であり、能力の問題ではありません。病気が治れば、能力に問題がないことがほとんどです。

うつ病にかかり、健康に働けないことが、「能力不足」であるとして、能力がないことを理由に解雇に至るケースが、典型例の2つ目です。

2.3. 「業務ができない」として、うつ病を理由に解雇するケース

うつ病にり患してしまっても、軽作業に異動してもらったり、ストレスの原因となっている職場環境を改善してもらったりすれば、十分に職務を遂行することができる場合もあります。

しかし、うつ病を理由に解雇する会社は、これらの配慮をすると、会社に経済的、時間的負担が大きいことを理由とします。

つまり、「うつ病に配慮していては、仕事ができない。」というわけです。これが、うつ病を理由に解雇に至るケースの、典型例の3つ目です。

3. うつ病を理由に解雇されてしまったら?

では、うつ病を理由に解雇されてしまったとき、どのように対応したらよいかについて、弁護士が解説していきます。

激務、違法な長時間労働があり、これによるストレスが過大な場合には、あなたの心身の健康を害されないためにも、スピーディかつスムーズな対応が求められます。

うつ病になってしまったら、すぐに適切な対応ができるように、また、うつ病になってしまったときすぐに気づけるように、「ストレスチェック」の結果なども参考に、自分の心身の健康には敏感になっておいてください。

3.1. 解雇が禁止されるケースでは、解雇の無効を争う

「うつ病を理由にして解雇する」という会社の対応が、不適切であることは理解していただけたことでしょうが、そもそも、「解雇を禁止されているケース」にあたる可能性があります。

労働基準法19条では、業務上の理由で疾病にり患した場合には、会社は、その療養期間中に労働者を解雇することはできないと定めているからです。これは、うつ病でも全く同じです。

うつ病が、業務上の理由である場合とは、例えば、月60時間を超える長時間労働が毎月続いていたり、上司のセクハラ・パワハラが原因であったりしてうつ病にり患したケースをいいます。

解雇が禁止されているケースにあたるにもかかわらず、うつ病を理由に解雇されてしまった場合、労働審判、訴訟などで「不当解雇」の無効を争うことができます。

この際、労使間で争点となるのは、「うつ病が、業務上の理由なのかどうか。」という点であり、残業時間が非常に長かったことの証拠などを収集しておくことが有効です。

3.2. 一人で抱え込まず、相談する

職場の問題が原因でうつ病になってしまう人は、真面目で、責任感の強い性格であることが多いです。

真面目な性格であるからこそ、「自分がしっかりしなければ」と自分を追い詰めてしまい、うつ病が更に悪化していくのです。

うつ病になってしまい、解雇されてしまうような事態となった場合、一人で抱え込まず、周囲の人に相談しましょう。自殺してしまうなど、生命の危機となることを、自分で未然に防止すべきです。

相談先としては、心療内科、精神科医に、心身の健康についての相談をするとともに、職場における解雇などの処遇の相談は、労働問題に強い弁護士にするとよいでしょう。

3.3. 休職を求める

心身の健康を崩してしまったときは、労働者側としては、原因特定よりも、まずは自分の生命、健康を守ることが重要です。

仕事に対する責任感も重要ではありますが、命を失ってしまっては元も子もありません。我慢せずに、「うつ病かもしれない。」と感じたら、すぐに心療内科、メンタルクリニック、精神科などにいくことをお勧めします。

診断書で、休職の必要性について記載してもらい、会社に提出して休職を求めてください。

うつ病の原因が業務にあるのであれば、その後に労災申請もできるわけですが、まず休職を求めるのは、労災申請ができるかどうかをすぐ判断することが困難なケースもあるからです。

うつ病を我慢し、無理をして仕事を続けることで、更にミスや無断欠勤が続き、会社から「能力不足」、「勤怠不良」などといって解雇されてしまうことを回避することができます。

3.4. 労災申請への協力を求める

うつ病を理由に、労災申請をし、労災認定を得ることができます。労災認定を得ると、労災保険によって、療養給付、休業補償給付、傷害補償給付などの保障を得ることができます。

また、療養期間中に、解雇をすることが禁止されます。

うつ病を理由とした労災の認定を得ることができるかどうかは、厚生労働省の出している基準(「心理的負荷による精神障害の認定基準」)を参考にして判断されます。

具体的には、違法な長時間労働と、パワハラ・セクハラ・過大な責任などその他のストレス要因があるかどうかを参考に、うつ病が業務に起因するものであるかどうかを判断することとなります。

労災認定は、労働者だけでも行うことができますが、会社が適切な協力(事業主証明など)をしてくれない場合には、労災申請についても弁護士に協力してもらうことができます。

3.5. 解雇の不当性を主張する

うつ病を理由とした欠勤が長期間となる場合や、うつ病が治らず業務を遂行することが不可能な場合には、休職期間が満了し、解雇、退職となってしまうことがあります。

しかし、うつ病を理由とした解雇が、その正当性を認められることは、なかなか難しいと考えてよいでしょう。

労働者保護のために、解雇は制限されています。「解雇権濫用法理」により、客観的で合理的な理由がなければ、解雇は無効となります。

うつ病が、既に業務を遂行できる程度には回復しているのであれば、違法な「不当解雇」であると主張して、労働審判や訴訟で、解雇の有効性を争うことができます。

3.6. 損害賠償(慰謝料)を請求する

最後に、業務を原因としたうつ病などのメンタルヘルス(精神疾患)があった場合には、会社に対して慰謝料を請求することが可能です。

これは、直接の加害者となる労働者(社長、上司など)がいる場合には直接の加害者の不法行為として、会社に対しては安全配慮義務違反として、追及することのできる責任です。

療養費、休業補償などは、労災保険でもカバーされていますが、慰謝料については労災保険ではカバーされておらず、労災による給付を得ていても、会社の責任を追及することができます。

会社に対して損害賠償請求(慰謝料請求)を行うことで、会社の責任を明らかにして、適切な対応、配慮を求めたり、不当な解雇の撤回を求めたりすることもできます。

4. うつ病の労働者に、会社が本来行うべき対応は?

最後に、うつ病を理由として解雇をすることが不適切であり、違法な不当解雇であることを理解していただいた上で、うつ病の労働者に対して、会社が本来行うべき対応を、弁護士がまとめました。

うつ病にかかってしまった方は、本来会社が行うべきであった配慮の例をご覧いただき、働いている会社に配慮を求めてみてください。

適切な配慮がない場合には、「安全配慮義務違反」であるといえ、これを理由として、会社に対して慰謝料請求をし、適切な配慮を求めることも検討すべきです。

4.1. 労働者との話し合いを行う

会社(使用者)としてどのような配慮が適切かは、その労働者の症状、疾患の内容、程度などによって異なります。

ある労働者にとっては必要な配慮であっても、別の労働者にとっては、逆にうつ病を悪化させかねない対応である、というケースも少なくありません。

そこで、会社が、うつ病の労働者に対する安全配慮義務を尽くすための措置を決定するためには、労働者との誠実な話し合い(協議)が必要となります。

うつ病にかかってしまったことを、診断書などで申告をしても、誠実な話し合いの機会すら設けてくれずに「解雇」されてしまったとすれば、安全配慮義務を尽くしていない、不十分な対応であるといってよいでしょう。

4.2. ストレス原因を遠ざける

うつ病にかかってしまった労働者の原因、すなわち、ストレス原因は、人によってさまざまですが、次のようなものが考えられます。

  • 違法な長時間労働
  • パワハラ・セクハラを繰り返す上司
  • 自分の能力に見合わない高度な仕事
  • 身体に対する危険を伴う仕事

会社(使用者)としては、何が労働者のストレス原因になっているかを突き止めた上で、可能な限り遠ざける必要があります。違法なものであれば、ただちにストップする必要があります。

ストレス原因をつきとめすらしない場合はもちろんのこと、ストレス原因が特定できても、違法なストレス原因をストップさせず、労働者のうつ病のせいにして「解雇」する会社の対応は、不適切といえます。

ストレス原因を遠ざける方法としては、違法な対応をストップすることのほか、労働者を異動させる、担当業務を変更する、負担の少ない業務に配置転換するといった方法があります。

4.3. 休職をうながす

労働者のうつ病が、会社の業務をすることが不可能な程度であれば、休職をうながすことが、会社(使用者)として適切な対応であるといえます。

過労死ライン(月80時間の残業)を超えるほどの違法な長時間労働がある場合などでなければ、職場の問題が原因でうつ病となったかどうかは、すぐに判断することは難しいケースも多いです。

そのため、労働者の心身の健康を、少しでも守るためにも、職場の問題が原因であることが明らかになっていないとしても、まずは休職とすべきです。決して、解雇をすべきではありません。

就業規則では、休職期間中は「無給」と定められていることが多いですが、うつ病の原因が職場の問題にあるときは、労働基準法26条により、少なくとも60%の賃金の支給を受けることができます。

4.4. 労災申請に協力する

業務によってうつ病になってしまったことが明らかであれば、労災申請をすることができます。労災申請は、労働者だけでもできますが、会社に協力してもらえることが一般的でしょう。

会社としても、労災保険によって、会社が本来支払うべきであった安全配慮義務違反を理由とする損害賠償のうち一部を、支払ってもらうことができるからです。

職場の問題が理由でうつ病になってしまったことが、診断書、その他の証拠によって明らかであるにもかかわらず、会社が労災申請に協力してくれない上、解雇されたとすれば、争わざるを得ません。

労災であれば、労働基準法19条によって、その療養期間中は、会社は労働者を解雇することができないからです。これは、うつ病であっても全く同じです。

5. まとめ

今回は、職場の問題が原因でうつ病になってしまったにもかかわらず、更に会社から解雇もされてしまったという「泣きっ面に蜂」な労働者に向けて、適切な対応を弁護士が解説しました。

違法な労働環境を原因とするうつ病を理由に、解雇をすることは、「不当解雇」であり、許されません。

不当解雇の無効を求めて争うとともに、会社の労働環境に関する問題点について、損害賠償請求(慰謝料請求)をすることができます。

うつ病にり患してしまい、解雇をはじめとした不利益な処分を受けてしまった労働者の方は、労働問題に強い弁護士に、お早めに法律相談ください。

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