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年俸制の残業代の請求方法は?「年俸制だから残業代なし」は嘘!

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「年俸制」によって社員の給与を決めるという会社が増えてきました。年齢、勤続年数や役職ではなく、「成果」を求める社会の流れにしたがったものです。

ブラック企業の中には、「年俸制であれば残業代は支払う必要がない。」という誤解をしている会社がありますが、これは間違いです。

確かに、「年俸制」の社員の中には、残業代を請求できない従業員もいます。しかし、「年俸制」であればどのような場合でも残業代を支払わなくてよいわけではありません。

つまり、「年俸制」とは、残業代を支払わなくてもよいための制度ではなく、「賃金を年単位で決定する。」という給与の支払方法のルールという意味合いしかありません。

年俸制であることだけを理由に残業代を支払わないブラック企業の手口は、違法とされる可能性が非常に高く、相当高額な残業代を請求できるケースもあります。

年俸制で残業代が発生していない方は、今回の解説を参考に、労働問題に強い弁護士へご相談ください。

 注意! 

「年俸制」というと、プロ野球選手の「年俸○億円!」というイメージが強いですが、一般の労働者の年俸制は、プロ野球選手の年俸制とは少し状況が異なります。

このイメージから、「年俸制=残業代なし。」という誤解が生まれたのではないでしょうか。

しかし、プロ野球選手は、そもそも「労働者性(=労働基準法における「労働者」であるかどうか)」という点から争いがあります。

労働基準法における「労働者」でなければ残業代は発生しませんから、プロ野球選手に残業代が支払われないのは、むしろ「労働者として考えられていないから。」であって「年俸制だから。」ではありません。

1. 年俸制でも残業代を請求できる

「年俸制でも残業代は請求できる。」という大原則を、まず心がけてください。

「年俸制であるかどうか。」と、「残業代が請求できるかどうか。」とは、必然的な関係性はありません。

言い換えると、「残業代を請求できる年俸制社員」と「残業代を請求できない年俸制社員」が存在するということです。

ブラック企業が年俸制を導入するときには、全社員が「残業代を請求できない年俸制社員」であるかのような説明をします。しかし、残業代は、労働基準法にしたがって裁判所が決めるものですから、使用者(会社)の説明を鵜呑みにする必要はありません。

1.1. 年俸制を理由に残業代を支払わないブラック企業の手口

ブラック企業の典型的な手口は、次のとおりです。この主張はいずれも、年俸制を理由に残業代を支払わないブラック企業の手口であり、不適切な言い分です。

 例 
  • 「年俸制の場合には、残業代を支払う必要はない。」
  • 「年俸制の基本給の中に、残業代が支払われている。」
  • 「年俸制の場合には、成果が上がらなければ残業代を払う必要がない。」

厳密に言えば、年俸制の中には、残業代を支払わなくてもよい場合もありますが、それは「年俸制であること。」だけを理由とするわけではありません。

年俸制というと、プロスポーツ選手の高額の年俸をイメージしやすいことから、なんとなく、「年俸制では残業代が請求できない。」というブラック企業の主張が説得的なように思えてしまいます。

しかし、現在では、成果主義の賃金体系を採用したいという需要から、年収数百万円の賃金であっても、年俸制を採用している企業も少なくありません。決して「何千万、何億」だけが年俸制ではないことは、年俸制を導入している会社の社員であれば当然理解いただけるでしょう。

月給制の賃金と同じくらいの労働者が、年俸制であっても多く存在することからも、「年俸制の場合は残業代を請求できない。」という公式がおかしいことはすぐ理解できます。

したがって、まずは「年俸制でも残業代は請求できる。」「年俸制であるかどうかと残業代が出るかどうかは関係ない。」ということを念頭においてください。

1.2. ブラック企業が年俸制を導入する理由

では、年俸制であっても残業代を支払わなければならないにも関わらず、なぜ年俸制が導入されるのでしょうか。

その背景には、「年俸制なら残業代を支払わなくてよい。」というブラック企業に典型的な誤解にあるといえるでしょう。

ただ、年俸制を採用する経営者の全てがブラック企業だというわけではありません。年俸制を採用する正当な理由に、次の点にメリットを感じるケースもあります。

 年俸制のメリット 
  • 1年ごとの成果に応じて柔軟に給与を変更することで、公平な処遇が可能となる。
  • 1年ごとの目標、成果を上司と話し合いながら適切に管理していくことができる。
  • 実力に応じた処遇をすることで従業員のやる気をアップさせることができる。

残業代の支払を適切に行えば、年俸制にも良い点が多くありますから、「年俸制=ブラック企業」ではありません。

1.3. 年俸制でも「残業」の定義は同じ

年俸制とは、年単位で給与を決めるための制度です。そのため、年単位の労働者の実績を評価し、成績に応じて翌年の年俸を決定します。

つまり、年俸制とは、会社が成果に応じて賃金を決めるため、いわゆる成果主義の導入のために用意された制度なのです。

年俸制を導入すると、「成果に対して賃金を支払っているのであって、時間に対して賃金を支払っているわけではない。」「成果が上がらなければ、年俸制である以上どれだけ働いても残業代を支払わない。」というブラック企業の論理が生まれます。

しかし、年俸制であっても、通常の労働者と変わらず労働時間に対して賃金が支払われています。

「労働時間が長くなれば賃金を追加で支払わなければならない。」という限りでは、年俸制であっても全く変わりありません。

年俸制とは、「賃金の決め方、支払方法」の問題であって、労働時間との関係性は全くありません。

したがって、年俸制であるという理由で残業代が全く支払われていない場合には、残業代請求について労働問題に強い弁護士へご相談ください。

2. 年俸制で(例外的に)残業代請求できないケース

ただ、年俸制と共に一定の理由、人事制度が合わさることによって、残業代を請求できない場合があります。

年俸制と一緒に設けられた人事制度によって、「成果に対して賃金を支払う。」という性質が強まり、「時間に対して賃金を支払う。」という性質が弱まった場合です。

ここで解説する制度を会社が採用している場合には、年俸制の社員が残業代を請求できないケースがあります。

 注意! 

注意して頂きたいのは、ここで説明する「残業代を請求できないケース」も、あくまでも、残業代を請求できないのは「年俸制だから。」という理由ではないということです。

一般的に、年俸制のような成果主義賃金の体系を採用している場合に、次の制度を併用することによって、結果的に残業代が請求できないケースがある、と言うに過ぎません。

また、いずれの人事制度も、「残業代を支払わなくてもよい。」と裁判でも認められる場合には、相当高いハードルがあります。会社の反論だけを鵜呑みにする必要はなく、判断は弁護士にお任せください。

2.1. 管理監督者のケース

管理監督者として、年俸制で相当程度高額な賃金を得ている場合には、労働基準法41条2号によって、残業代の請求ができない場合があります。

ただし、労働基準法上の「管理監督者」と評価されるためには、相当程度の賃金が保証されている必要がありますし、働き方に裁量が認められていることが要件となります。

少なくとも、上司の指示に逆らえずに長時間労働を毎日続けている労働者が、管理監督者として残業代を請求できない場合に該当することは難しいといえます。

2.2. 裁量労働時間制のケース

会社が「裁量労働時間制」という制度を採用していると、労働時間についてはみなし制が適用されます。

つまり、実際の労働時間にかかわらず、一定の時間働いたものとして賃金が支払われるということです。

したがって、1日8時間労働とみなされる場合には、実際に労働した時間が8時間を超えていたとしても残業代が請求できないこととなります。

ただし、裁量労働時間制を採用するためには、雇用契約書ないし就業規則でその旨定めなければなりませんし、裁量労働時間制であるからといってみなし時間を大幅に超える残業を強要できるわけではありません。

時間的拘束があまりに強制される場合には、裁量労働とは評価されず、裁量労働時間制が無効であると判断される場合すらあります。

2.3. そもそも労働者でないケース

最初にプロ野球選手の年俸制の例を挙げましたが、年俸制で働く人の中には、そもそも労働基準法の適用される労働者ではないというケースがあります。

残業代の請求は、労働基準法の定めに基づいて行いますが、労働基準法は「労働者」を保護するための法律であり、「労働者」でなければ労働基準法は適用されません。

したがって、労働基準法で保護される「労働者」にあたらなければ、その結果、残業代も請求できないこととなります。

例えば、請負で働く個人事業主のケースが考えられます。

ただし、個人事業主の場合には、仕事の選択はその人の自由に任されているはずですから、自分の納得できる対価が得られないのであれば、その仕事自体を断ればよいはずです。

したがって、会社の指示に逆らえずにサービス残業を繰り返す年俸制社員が、「実は個人事業主であり、労働者ではなかった。」、ということは、あまり考え難いとは思います。

3. 年俸制の残業代請求のポイント

年俸制の従業員が残業代を請求する場合に、「年俸制である。」という特殊事情から、特に注意すべきポイントを解説します。

計算方法については、通常の月給制の労働者と変わらないものの、年俸制であるがゆえに特徴的なポイントには、配慮が必要です。

3.1. 会社が労働時間を把握していないケースが多い

年俸制の従業員の場合、会社が、労働時間を把握していないケースが、月給制の従業員の場合に比べて非常に多いです。

会社が「年俸制の場合には残業代を支払う必要はない。」と誤った考えを持っていた場合には、労働時間の把握が適切にされていないおそれがあります。

例えば、タイムカードなどの典型的な労働時間把握の方法を会社が行っていない場合には、労働者側で、実労働時間を証明するための証拠を収集しなければなりません。

実際にはたらいた残業時間を証明するのが労働者(あなた)側の責任であることは、年俸制であっても月給制であっても同じですが、月給制の労働者の場合には、会社にタイムカード、日報など、労務管理の資料が整備されていることが多いためです。

3.2. 残業代が高額化する傾向にある

年俸制を採用している場合、賃金が相当程度高額であるケースが多くあります。年俸制は、「成果主義」の運用をするための制度としている会社が多いところ、成果をあげれば高額の賃金が得られることとなっているからです。

その上、残業代を請求するにあたり、月給制の従業員であればボーナスなどにある程度賃金が割り振られているわけですが、年俸制の場合には単純に12分割した結果、「年収は同じでも月収は年俸制の従業員の方が高額」という場合があります。

そこで、年俸制の場合、残業代の基礎単価が、月給制の従業員よりも高額となる可能性が高いといえます。

年俸制の従業員の残業代請求は、請求額が高額となりがちです。

年俸制の従業員で、請求する残業代が多額となる場合には、「残業代は発生しないと思っていた。」という会社との間で、話し合い(任意交渉)によって歩み寄ることが困難なケースも多いです。

4. 年俸制の残業代計算方法

年俸制とは「賃金を年単位で決定する。」というだけであって、労働時間の算出方法に違いはないわけですから、残業代の計算方法も、通常の月給制の労働者と同様です。

年俸制といえども「1年に1回だけ賃金を支払う。」という賃金支払いの方法は労働基準法違反となります(労働基準法24条違反)。

そのため、年俸制の従業員であっても毎月一定額を請求する権利があります。

一般的な年俸制の会社では、年俸を12分割して毎月支払うこととしています。そのため、残業代を毎月単位で計算すべきである点も、月給制の労働者と全く変わりありません。

5. 年俸制の社員が残業代を請求する方法

年俸制によっても残業代請求はできるのですが、次に、年俸制の残業代請求をする際の方法について解説します。

5.1. 【内容証明】で年俸制の残業代を請求する

年俸制の労働者(あなた)が、使用者(会社)に対して残業代を請求する場合、まずは、証拠収集をし、残業代の金額を具体的に計算することが必要です。

先ほど解説しましたが、改めて、残業代を計算する際、年俸制社員が気を付けておくべきポイントをまとめます。

  • 「残業代は発生しない。」と思われている年俸制社員の場合、会社が、実際の残業時間を把握するための証拠を収集していないケースがある。
  • 「残業代は発生しない。」と思っていたため、会社が話し合い(任意交渉)で譲歩してこない。
  • 年俸が高額であったり、賞与が年俸の中に含まれていたりすることで、残業代が高額となり、話し合い(任意交渉)が難航する。

したがって、会社が「年俸制の社員は残業代を支払わなくてもよい。」という勘違いをしていた場合、話し合い(任意交渉)で残業代トラブルを解決するのが困難です。

労働法の正しい知識を、誤解をしている会社にわかりやすく伝えるためには、労働法にくわしい弁護士の手助けが必要となります。

5.2. 【労働審判】で年俸制の残業代を請求する

話し合い(任意交渉)で年俸制従業員の残業代問題が解決しない場合、次は、労働審判による解決を目指します。

ただ、労働審判もまた、話し合いの延長という側面が強く残る制度です。

そのため、「年俸制なので残業代は払わなくてよい。」と会社が考えている限り、労働審判での決着も困難です。

労働審判の場合、当事者間の話し合いではなく、労働審判委員が、労働法のただしい理解を手助けしてくれます。労働審判委員の中心は裁判官ですので、労働法のくわしい知識があります。

裁判官から労働審判において、労働法のただしい考えを教えてもらい「年俸制でも残業代が必要な場合がある。」と会社が気付くことによって、残業代トラブルが労働審判で解決できます。

5.3. 【裁判】で年俸制の残業代を請求する

労働審判でも解決しない場合には、最後は訴訟による解決を目指します。

年俸制従業員が訴訟で残業代請求を行うべきケースとは、労働審判においても会社が労働法のただしい知識に納得しなかった場合など、限定的なケースです。

会社の対応が不誠実な場合には、訴訟による解決を目指しましょう。

6. まとめ

以上の通り、「年俸制であるから残業代は請求できない。」という誤解を抱いて残業代請求を諦めていた方は、未払い残業代を請求できる可能性が高いといえます。

「年俸制」は、残業代を支払わなくてよい根拠には全くならず、単に賃金の決定方法を定めている用語に過ぎません。

年俸制で勤務している方で、残業代請求を検討されている方は、労働問題に強い弁護士へご相談ください。

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