不当解雇・残業代など労働問題に強い弁護士に”イマスグ”相談!!

労働問題弁護士ガイド

退職

試用期間中に退職するとき、労働者が注意すべき4つのポイント

投稿日:

試用期間とは、会社が、履歴書、採用面接など、採用段階では判断することのできない労働者の能力、適正を判断するために、正社員として本採用する前に設ける、いわば「お試し期間」のことをいいます。

試用期間中といえども、会社が労働者を、一方的に簡単に解雇することができるわけではなく、会社が労働者を解雇したり、本採用を拒否したりすれば、「不当解雇」となる場合もあります。

一方で、試用期間中、労働者側から、退職を考えることもあるでしょう。「入社時に思い描いていた理想の会社とは違った。」「ブラック企業であることを見抜けなかった。」などの退職理由が考えられます。

試用期間中であれ、本採用された後であれ、退職することは労働者の権利、自由であるわけですが、試用期間中に退職すると、「早すぎる」「我慢が足りない」と批判を受けることもあり、注意すべきポイントを理解しておきましょう。

そこで今回は、試用期間中の新入社員が、やむを得ず試用期間途中、もしくは試用期間終了時に退職するときに注意しておくべきポイントを、労働問題に強い弁護士が解説します。

1. 試用期間中の退職も可能!

試用期間とは、法的には、「解約権留保付労働契約」といわれています。すなわち、冒頭で解説しましたとおり、採用段階で判明していなかった問題点が明らかとなった場合には、本採用拒否しない権利を留保した労働契約、というわけです。

正社員として本採用することを前提とはしているものの、労使いずれの側からも、解約することが可能ではあります。

会社のほうが、労働者よりも強い立場にあり、労働者は保護されなければならないことから、会社からの一方的な試用期間中の解雇(本採用拒否)は、合理的な理由があり、社会通念上相当でなければ「不当解雇」となります。

これに対して、労働者が退職することは、仕事を自由に選ぶことが労働者の権利であることから、正社員として本採用された後と同様、試用期間中であっても労働者の意思で退職することができます。

【退職理由①】求人詐欺

求人詐欺が、社会的に問題視され、話題となっています。求人詐欺とは、採用時に示された労働条件、労働環境が、実態と全く異なり、入社してから「詐欺だ!」と言いたくなってしまうケースのことをいいます。

多くの求人詐欺事例は、試用期間中に明らかとなることがほとんどではないでしょうか。

例えば、採用時に示された給与より低い金額の給与しかもらえなかった、採用時に示された給与に、実は残業代が含まれていた、採用時に説明されたより明らかに長い、違法な長時間労働が蔓延していた、といった例があります。

求人詐欺の被害にあってしまったとき、その責任を会社に追及することは弁護士に依頼すべきことですが、まずは求人詐欺を理由に、試用期間中であっても退職を検討するのは当然のことです。

【退職理由②】ブラック企業

入社してみたら明らかにブラック企業であった、というのもまた、試用期間中に労働者が退職を考えてしまう理由の1つです。

ブラック企業として有名な会社であれば、評判、噂をインターネット上の情報で収集することもできるでしょうが、中小企業やベンチャー企業の場合、入社してみなければブラック企業であるかどうか判断できない場合もあります。

残業代が一切支払われない、セクハラ、パワハラが横行している、休日・休暇がとれないといった、労基法などの労働法を無視するブラック企業であった場合、試用期間中といえども、退職を検討した方がよいでしょう。

あわせて、未払残業代請求や、ハラスメントの慰謝料請求を弁護士に依頼することもあります。

【退職理由③】上司のパワハラ

入社直後から、上司からのパワハラ、セクハラなどのハラスメントの対象となってしまうケースもあります。

ハラスメントが当たり前になってしまっている会社では、試用期間中であっても退職を検討することになるでしょう。特に、試用期間中の新人に対して、新人教育に名を借りたパワハラが横行していることもあります。

特に、新入社員への教育、指導に「根性論」を採用し、徹底的に新入社員をいじめぬくことが教育であると考えている上司も、残念ながらいますので、退職をするかどうか、検討する必要があることでしょう。

【退職理由④】やりたい仕事ができない

いざ働き始めたら、採用時に説明を受けていた仕事を任せてもらえない、やりたい業務を担当できない、イメージが違った、という理由で、試用期間中に退職を検討する労働者の方も少なくありません。

新卒入社の労働者の場合には、これらの理由で、試用期間中に退職を検討することは、時期尚早かもしれません。

しかし一方で、中途採用の場合であれば、採用時に担当する業務を特定されることが多いかと思いますので、特定された業務を担当させてもらえないことは、試用期間中に退職を検討した方がよい理由の1つとなります。

2. 試用期間中にすぐ退職できるわけではない

試用期間中の退職も、本採用をされた後の退職と同様に考えることができます。

そのため、退職をすること自体は、労働者の自由であって、権利であることから、会社がこれを妨げることはできません。辞めたいと思っている労働者を、退職せずに会社に残すことは、試用期間中といえども不可能です。

しかし他方で、労働者は、思い立ったらすぐ、即日退職することができるわけでもありません。この点については、民法に次のような定めがあり、最短でも2週間の期間を経なければ、自由に退職することはできません。

 民法627条

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

これに加えて、賃金を月給制でもらっている場合には、賃金計算期間の前半に退職を申し出ればその月の末、後半に退職を申し出れば翌月の末に、退職をすることができることは、試用期間中も同様です。

ただし、円満に退職をしたい場合には、就業規則を確認し、勤務している会社の退職についてのルールを確認した上で、上司の指示にしたがって退職するのがよいでしょう。

したがって、試用期間中に退職を検討し始めた方は、遅くとも、退職をしたい日時の2週間前までには、退職の意思表示をしたほうがよいでしょう。

3. 試用期間中の退職の意思表示の方法

ここまでお読みいただきましたとおり、退職を希望する日時の2週間前までに、退職の意思表示をすることとなります。

試用期間中の退職であっても、試用期間満了時の退職であっても、試用期間満了によって別の労働契約に変わるわけではない以上、退職届の提出が必要となります。

退職届を提出することによって、会社に対して、試用期間中に退職する意思を、客観的に表明することができるからです。

試用期間中の労働者の方の中には、入ったばかりの会社で、会社の適切な部署がわからなかったり、会社の上司に退職を言い出しづらいかったりといった方も少なくないのではないでしょうか。

試用期間中に退職をしたいと考えた場合には、まずは、人事総務を担当する部署、もしくは、直属の上司に対して、退職届を提出して、退職の意思表示をするとよいでしょう。

3.1. 退職の意思の伝え方

退職の意思表示をするといっても、まだ入社して間もない試用期間中ですと、その伝え方には注意が必要となります。

特に、円満に退職することを考えているのであれば、会社との無用な争いの火種となりかねない伝え方は避けるべきです。

まずは直属の上司に対して口頭で、退職希望日をあきらかにした上で、「入社前とは会社のイメージが違っていた。」、「会社が、自分には合わないと思った。」など、会社の責任であるととらえられない伝え方をする必要があります。

退職の意思を伝えるときは、できる限り、個別面談の時間をもらい、他の従業員には伝わらないよう、個室で行うのがよいでしょう。他の社員に伝わり、試用期間中という早期の退職の連鎖を生むことは、会社にとって大きな損害、悪影響となるからです。

3.2. 必ず書面で退職届を出す

試用期間中の退職の意思表示は、できる限り円満に退職できるよう、上記のとおりまずは口頭で伝えるとしても、必ず退職届を出しておくべきです。

試用期間中の退職の場合、退職理由は「一身上の都合」とするのがよいでしょう。いわゆる、「自己都合退職」となります。

試用期間は、冒頭で解説しましたとおり「解約権留保付雇用契約」といって、立派な労働契約の1つです。試用期間が終了し、さらに「本採用」という別の契約に移行するわけではありません。

そのため、会社が試用期間中の解雇(本採用拒否)をせず、労働者も退職の意思表示をしない場合には、試用期間が終了すれば自動的に本採用に移行することとなります。

本採用されて、同じ会社で働き続けることが難しい、会社を辞めたい、と考えているのであれば、早急に退職届を書面で提出し、証拠化しておかなければなりません。

3.3. 退職に必要な手続を行う

退職届によって試用期間中の退職の意思を明らかにしたら、最後に、退職に必要な手続きを、会社の指示にしたがって進めてください。

試用期間中であるとはいえ、既に会社に雇用されていることになりますので、健康保険、年金、雇用保険などの点において、退職の際に必要な手続き、記載しなければならない書面があるからです。

詳しくは、退職の意思表示をした後に、会社の人事部、総務部などに確認をするのがよいでしょう。

4. 試用期間で退職するリスク・デメリットを回避するには?

試用期間中、もしくは、試用期間満了で退職をする場合、労働者から自発的に退職をする場合であっても、一定のリスク、デメリットがあるのは仕方ありません。このことは、たとえ解雇(本採用拒否)されないケースでも同様です。

そのため、できる限り採用段階で、ミスマッチの生じないよう、また、ブラック企業でないかどうかを調査するようにしなければなりません。

そこで次に、試用期間で労働者側から退職をしてしまうことのリスク、デメリットと、できる限りデメリットを小さく抑え、リスクを回避するために労働者がとれる対策を、弁護士が解説します。

【試用期間で退職するデメリット①】賃金・残業代が払われない?

試用期間中に退職を考えてしまうと、「入社まもなくであって、全然働いていないので賃金がもらえないのではないか。」とか、「入社早々で能力もなく、残業していた分の残業代はもらえないのでは?」という不安もあるのではないでしょうか。

しかし、賃金や残業代は、労働した時間(実労働時間)に応じて支払われるものであって、試用期間中であろうがこれは変わりません。休日出勤した分、深夜労働した分の残業代も同じです。

試用期間中であって、会社にまだ貢献できていない、と感じることもあることでしょうが、賃金や残業代が支払われない場合には、退職後であっても必ず請求するようにしましょう。

【試用期間で退職するデメリット②】解雇(本採用拒否)される?

試用期間中や試用期間満了後の解雇は、「本採用拒否」といって、解雇と同様に、合理的な理由がなかったり、社会通念上相当でなかったりすれば、違法な「不当解雇」として無効となります。

しかし、試用期間中に退職を言い出すことを検討している労働者の中には、「退職を言い出すと、報復で解雇、本採用拒否されてしまうのではないか。」という心配をしている方もいます。

本採用拒否(解雇)する理由は、会社側が証明しなければならず、「試用期間中に退職を言い出す労働者は解雇だ!」というのは、理由が不当であり、許されません。

「会社のイメージが違った。」、「社風が合わない。」という労働者側で試用期間中の退職を言い出した理由も、あくまでも労働者側の事情であって、会社が解雇理由として正当に本採用拒否できる理由には到底足りません。

なお、万が一試用期間中に解雇されてしまうとき、入社から13日以内に解雇されてしまうと、解雇予告手当をもらうことができず、30日の予告期間もなく即日解雇されてしまいますので、注意が必要です。

【試用期間で退職するデメリット③】転職・再就職に悪影響?

試用期間中に退職するということは、一般的にいって試用期間は3か月から、長くても半年程度でしょうから、入社から1年もたたないうちに退職するということを意味しています。

長く勤務した人が偉いわけではないですが、あまりに勤務年数が短すぎる人は、転職、再就職のときに、「問題のある労働者なのではないか。」、「前職で労働トラブルがあったのではないか。」と邪推される原因ともなりかねません。

次の転職、再就職にあたって、試用期間で退職してしまったことが悪影響とならないためには、次の採用面接で、試用期間中に退職してしまった理由をしっかりと説得的に説明する必要があります。

やむを得ないミスマッチであったことを説得的に説明できたとしても、更なるミスマッチではないか、という不安を払しょくするためにも、転職先、再就職先について入念に下調べをしたことも、あわせてアピールしましょう。

5. まとめ

今回は、入社して間もなく、試用期間中に会社を退職することを検討している労働者の方に向けて、試用期間中に退職する方法と、リスク・デメリットを回避する方法について、弁護士が解説しました。

試用期間中に退職することも、労働者の自由ですが、できれば適切な手続きと方法にしたがって、円満に退職することを目指した方がよいでしょう。

転職、再就職を失敗しないためにも、慎重に検討してください。

ブラック企業に入社してしまった、入社した会社のイメージが違った、といった理由で、試用期間中に退職を検討している労働者の方は、労働問題に強い弁護士へ、お気軽に法律相談ください。

労働問題に強い弁護士へ相談!

労働問題に強い弁護士へ相談!


ご相談者名(必須) ※フルネームでお願い致します。

メールアドレス(必須)

電話番号

ご住所 ※東京都の事務所での相談が中心となります。

ご相談の内容

労働問題は、弁護士にご相談ください!
不当解雇、残業代、パワハラ、セクハラなど、会社で起こる労働問題にお悩みではありませんか?労働者に有利な解決のためには、労働法、裁判例の知識、解決実績が豊富な弁護士にお任せください!

労働問題に強い弁護士が、あなたの労働問題の解決を、徹底サポートいたします。

-退職
-, , , , , , ,

Copyright© 労働問題弁護士ガイド , 2018 AllRights Reserved.