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退職届を提出するタイミングと、書き方の注意点を弁護士が解説!

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転職だけではなく、介護や病気、仕事のストレスなど、様々な理由で会社を退職したい、とお考えの方がいますが、仕事を辞めることだけでもかなり勇気がいりますが、とりわけ皆さんの頭を悩ませるのが「退職届」でしょう。

そもそも何を書けばいいのか、誰に提出すればいいのか、「退職届」を提出すればすぐに仕事を辞められるのか、という基本的なことでも、意外と知られていないようです。

「退職届」のサンプルはネットで簡単に手に入る時代ではありますが、実は「退職届」を書く際に、法律的に注意しなければならないことがあります。

今回は、「退職届」の基礎知識と、「退職届」を提出するときの注意点について、労働問題に強い弁護士が解説します。

1. 「退職届」とは?

「退職届」とは、労働者が、退職の意思を会社に表明するための書面のことをいいます。

その題名がどのようなものであるかにかかわらず、退職の意思が示されていれば「退職届」であるといえますが、題名は「退職届」とされた、ごく簡単な書面であることが一般的です。

1.1. 労働者には退職する権利がある

「退職届」の提出は、労働者が一方的に会社との雇用契約を解消する(退職する)、という「宣言」です。

民法627条1項によれば、労働者には会社の同意がなくても会社との雇用契約を解消することができる権利があります。すなわち、労働者には、会社を退職する権利があります。

民法627条1項

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

この期間ルールに従って労働者が会社に「退職届」を提出すれば、労働者は自由に会社を辞めることができます。

1.3. 人事権者に到達する必要がある

「労働者は退職する権利がある。」と解説しました。ただし、民法のルールでは、意思表示が相手方に届かないと効力が生じません。

雇用契約が現実に解消されるためには、人事権を持った社長や人事部長に、退職の意思を記した「退職届」が「到達」する必要があります。

2.「退職届」と「退職願」の違い

普段、皆さんが「退職」をイメージするときには、「退職届」のほかに、「退職願」という言葉が浮かんでくると思います。

ドラマやマンガではこの2つが混同されやすく、同じものだと思っている労働者の方も多いでしょう。

しかし、両者は全くの別モノなので、注意が必要です。以下では、「退職届」と「退職願」の違いについて、弁護士が解説していきます。

2.1.「退職願」は退職の「申入れ」

「退職届」を提出し、退職を「宣言」することを「自主退職」と呼びます。一方、「退職願」を提出して退職する場合を「合意退職」と呼びます。

「合意退職」の場合、労働者が「会社を辞めたい。」という「申入れ」をしたのに対して、会社が承諾することで両者の合意が成立し、その時点ではじめて雇用契約が解消されます。

「退職願」は「会社を辞めたい」という「合意退職」の「申入れ」をするための書面であり、「自主退職」の「宣言」をするための「退職届」とは異なります。

2.2. 会社の承諾が必要

「退職願」の提出は「合意退職」の「申入れ」に過ぎず、実際に雇用契約を解消する(退職する)ためには、「退職届」と違って、会社の承諾が必要になります。

「退職届」のつもりでうっかり「退職願」を提出してしまうと、会社の承諾がない限り退職できないので注意が必要です。

2.3. 撤回するときのルールが違う!

ここまで解説してきました「退職届」と「退職願」の違いは、撤回の可否にも影響します。

「退職願」の提出は退職の「申入れ」にすぎないので、会社側の人事権者である社長や人事部長が受け取っても、彼らが承諾をしない間は雇用契約が解消されません。

その間、労働者はいつでも「退職願」を撤回できます。

一方、「退職届」を提出すると、書面が人事権者に届いた時点で雇用契約解消の効果が発生し、詐欺や脅迫によって退職意思を表明したというような例外的な場合を除いて労働者が「退職届」を撤回することはできません。

3.「退職届」を出す前に知っておくべきこと

「退職願」とは異なる「退職届」の基礎知識を理解していただいた上で、「退職届」の提出を決断した労働者の方に向けて、提出前に知っておいて頂きたいことを弁護士が解説します。

先ほど解説しましたとおり、「退職届」は、提出して会社に到達すると、退職の効果が生じますから、提出前にあらかじめ、労働法について理解しておくとよいでしょう。

3.1. 「退職届」提出タイミング

さきほど引用した民法627条1項によれば、「退職届」の提出から実際に雇用契約が解消されるまでには2週間かかります。

また、一般的なサラリーマンがそうであるように、月給制で賃金をもらっている労働者の場合には次のような期間制限も加わります。

期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。

つまり、月の前半に「退職届」を出せばその月の末日に退職できますが、月の後半に「退職届」を出す場合には翌月末まで待たないと退職できないのです。

さらに、会社によっては、これより長い期間制限を就業規則で設けている場合もあります。

3.2. 期間満了までは出勤する必要がある

上記に解説しました制限期間が満了するまでは、雇用契約は解消されません。したがって、退職届を提出したとしても、この期間が満了するまでの間は会社に出勤しなければなりません。

退職届から退職までに期間制限が設けられているのは、業務の引継ぎや人員補充の時間を会社に与えることで、事業活動に支障が生じないようにするためです。

会社を退職したければ、上記の期間ルールを考慮に入れて、希望の退職日よりも早い段階で「退職届」を提出する必要があります。

3.3. 「バックレ」は厳禁

最近、退職を希望する労働者が民法の期間ルールを守らず、「退職届」を提出してから全く出勤しなくなってしまう「バックレ」が問題になっています。

「バックレ」をしてしまうと、業務の引き継ぎを円滑に行うことができず、会社の事業活動に支障をきたしてしまう可能性があります。

再就職先の採用担当者が前の会社に人事評価を照会した結果、悪質な「バックレ」の事実が露呈して内定を逃した、というケースも少なくありません。

また、「バックレ」をしても、制限期間が満了するまでは雇用契約が継続しているため、無断欠勤扱いになってしまいます。無断欠勤が続けば懲戒解雇扱いになり、再就職が困難になるかも知れません。

3.4. 撤回は原則不可

繰り返しになりますが、一度「退職届」を提出してしまうと、撤回するのはほぼ不可能です。

「会社を辞めたい。」という意思が揺るぎないものかどうかを十分に確認してから「退職届」を提出しましょう。

特に、会社からの退職勧奨にしたがって自主退職するようなケースでは、後から「退職強要された。」と争うことは、「退職届」を提出してしまうと、非常に難しくなります。

3.5. 失業保険の給付制限に注意

「退職届」の提出による自主退職は、退職勧奨に応じてした退職でない限り、「自己都合退職」として扱われます。

「自己都合退職」の場合、整理解雇などの「会社都合退職」と比べて失業保険の受給までに時間がかかる上、受給日数も減ります。

「退職届」を提出するまでの間に、金銭的な準備をしておくことが望ましいといえます。

4. 「退職届」の書き方

実際に退職届を出すことを決断した労働者の方は、インターネットの普及した現代であれば、ネット上で退職届の雛形、書式を探し、その通りに書く人が多いことでしょう。

そこで、退職届を作成するにあたって、退職届の内容、書き方で、最低限注意しておいていただきたいポイントを、弁護士が解説します。

4.1. 「退職願」と書かないこと

「退職届」を書く際は、くれぐれも「退職願」と書かないように注意しましょう。

再三申し上げますが、「退職届」と「退職願」は全くの別モノです。退職権を行使するためには「退職届」でなければなりません。

「退職届」か「退職願」かは、文章のタイトルだけでなく、総合的に判断されるものではありますが、少なくとも題名から「退職願」と書いてしまうことは、退職を決断した労働者の立場であればオススメできません。

4.2. 「退職届」の記載事項

「退職届」を書く際には、以下の記載事項がきちんと書かれているかをチェックしましょう。

  • 書面の題名(「退職届」と書きましょう)
  • 退職の意思表示
  • 退職日(希望の退職日を書きましょう)
  • 宛名
  • 記載日、提出日
  • 署名、押印
  • 部署、役職、氏名

このうち、特に重要なのは、「退職の意思表示」と「署名・押印」です。労働者の「退職の意思表示」が記載されていなければ、契約解消の効果が発生しません。

また、労働者本人の署名・押印がないと、後に裁判で退職の効力が争われた場合に有効な証拠として扱ってもらえない可能性があるので注意してください。

4.3. 退職理由は「一身上の都合」

労働者には、自由に退職できる権利があり、本来退職の理由を記載する必要はありません。

しかし、社会一般のマナーとして、退職理由を「退職届」に記載することになっています。

ただし、怪我や病気、介護などの退職理由はいずれも「自己都合退職」以上の意味を持ちません。そのため、一言「一身上の都合」と記載しておけば問題ありません。

4.4. 宛名の注意点

宛名は、退職する会社の名称と会社代表者の氏名を両方記載するのが一般的なマナーです。

また、会社の名称には通常「(株)」「(有)」などの略記が使えないので注意してください。

5. 「退職届」を受理してもらえなかったら?

ここまで、「退職届」の基礎知識と注意点、「退職届」の書き方について一通り解説しました。

しかし、あとは退職届を提出するだけか、というと、そういうわけでもありません。近年は、就活戦争が激化しており、使える人材を手放したくないがために「退職届」を受理してくれないブラック企業が増えています。

会社が「退職届」を受理しないと労働者は会社を退職できないのでしょうか。そこで最後に、会社が「退職届」を受理してくれない場合の対処法を、弁護士が解説します。

5.1. 届きさえすれば退職できる

冒頭から申し上げている通り、労働者には自由に退職する権利があります。

「退職届」の提出は退職の「宣言」であり、「申入れ」ではないので、「退職届」が社長や人事部長などの人事権者のもとに届きさえすれば、雇用契約は解消されます。

したがって、労働者は、たとえ「退職届」を突き返されても退職することができます。

5.2. 「退職届」の不受理が問題になる場面

「退職届」の不受理が問題になるのは「退職届」を提出したあとです。「退職届」を受理しなかった会社側の認識としては、労働者はまだ退職していないと考えるからです。

そのため、再就職の事実を知った会社が、嫌がらせのために「無断欠勤」や「二重就労」を理由として退職した労働者を懲戒解雇処分にし、退職金の支払いを拒むケースがあります。

さらに悪質なケースになると、労働者が「退職届」を提出し、雇用契約が解消されたあとも雇用保険料を勝手に支払い続け、あとになって保険料分の金銭を退職した労働者に請求してくるブラック企業もいるようです。

こうしたブラック企業に対抗するためには、労働審判や裁判で退職の有効性を争うしかありません。

労働審判や裁判になると、会社は十中八九、「退職届の提出など受けていない。」と主張してきます。この段階で、はじめて「退職届」の不受理が問題になります。

5.3. 「退職届」の到達を証明できるかがポイント

雇用契約が解消された(退職が有効である)というためには、会社の人事権者に対して労働者側が退職の意思表示をしたこと、すなわち「退職届」が人事権者のもとに届いたことを証明しなければなりません。

しかし、会社側が「退職届」を受理しなかった場合、「退職届」は労働者に返されるか、破棄されてしまうため、人事権者の手もとには残っていないことがほとんどです。

裁判所が労働者側の証言だけで「退職届」が人事権者のもとに届いたかどうかを判断することは難しく、労働者にとってはかなり不利です。

5.4. 「内容証明郵便」の活用

退職届が、会社の人事権者に到着し、これをもって退職の効果が生じたことを労働者が有利に立証する方法が、「内容証明郵便」と「配達証明」を活用する方法です。

「内容証明郵便」とは、「いつ、誰が、誰に、どのような内容の文書を送ったのか」を郵便局が証明してくれる郵便方法です。「内容証明郵便」を利用すれば、その内容通りの「退職届」が会社に送られたことが証明できます。

また、「配達証明」を郵便局に依頼しておけば、「退職届」が会社側に配達されたことが証明できます。これによって、会社側が「そんなもの受け取っていない」と言い逃れするのを防ぐことができます。

多少費用がかかりますが、確実に退職したいなら、「内容証明郵便」と「配達証明」を利用することをオススメします。

6. まとめ

今回は、「退職届」に関する基本知識と、「退職届」を提出する際の注意点について、弁護士が解説しました。

「退職届」のサンプル自体はネットで簡単に入手できますが、記載事項や法律のルールについてはよくご存知でなかった方も多いと思います。

「退職届」を受理してくれないようなブラック企業と縁を切るには、特に注意しなければならないこともご理解いただけたでしょうか。

今回の解説をお読みになり、退職をめぐる会社とのトラブルにお悩みの労働者の方は、労働問題に強い弁護士へ、お気軽に法律相談ください。

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