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退職金

取締役の退職金について、社長・役員は退任したら退職金がもらえる?

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従業員が退職すると、退職金が発生する会社が多くあります。

しかしながら、従業員の退職金といえども、法的に必ず発生するわけではなく、雇用契約、退職金規程などで労使が「退職金を支払う。」と約束していた場合に限って、はじめて労働者から会社に対する退職金請求権が発生するのです。

これに対して、取締役の退職金についてはどうでしょうか。

社長、役員など、取締役が退職したときには、退職金請求権が発生するのでしょうか。

今回は、取締役が退職した場合に、会社に対してどのような請求ができるかについて、労働問題に詳しい弁護士が解説します。

1. 役員退職金は当然発生するわけではない

役員が退職する場合に退職金が支払われる会社では、一般に「退職慰労金」という金銭が、会社から退職する役員に対して支払われるのが通常です。

しかしながら、退職慰労金は、当然にその請求権が会社に対して生じるわけではありません。労働基準法などの労働法において、「役員に退職金を支払わなければいけない。」と義務付けられているわけではないのです。

したがって、役員が退職金(退職慰労金)を請求できるためには、取締役委任契約や、退職慰労金支給規程といった書類によって、会社と役員との間で「退職慰労金を支払う。」という約束がされることが必要となります。

これに加えて、役員の退職金の場合には、「役員報酬を定款または株主総会決議によって決めなければならない。」と会社法で定められていることから、会社規程のみでは具体的な退職慰労金請求権は発生しません。

役員が実際に退職金を請求できるためには、定款で退職金の金額が定められているか、株主総会の決議を取得する必要があります。

2. 役員が退職金を請求するための要件

取締役(役員)が退職金(退職慰労金)を得るためには、定款で退職金の金額が定められているか、または、株主総会の決議で退職金の金額を定める必要があります。

会社法では、役員報酬は定款か株主総会決議で定めなければならないとされているところ、裁判例で、役員の退職金もまた、在職中の役務の対価であるとされる場合には報酬に含まれると判断されているためです。

会社法361条

1.取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益(以下この章において「報酬等」という。)についての次に掲げる事項は、定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。
 一 報酬等のうち額が確定しているものについては、その額
 二 報酬等のうち額が確定していないものについては、その具体的な算定方法
 三 報酬等のうち金銭でないものについては、その具体的な内容
2.前項第二号又は第三号に掲げる事項を定め、又はこれを改定する議案を株主総会に提出した取締役は、当該株主総会において、当該事項を相当とする理由を説明しなければならない。

取締役(役員)の退職金を、取締役(役員)自身が自由に決めることができないのは、取締役が勝手に自分の報酬を決めてしまうと、「お手盛り」となり会社に損失が生じる危険があることからの定めです。

つまり、取締役(役員)自身が、自分の退職金(退職慰労金)を不当に高額にして、会社に損害を与える可能性があるということです。

したがって、たとえ社長(代表取締役)であったとしても、自分が退職するときの退職金を勝手に決めることはできず、株主総会の決議を取得する必要があります。

通常、退職金の金額について、定款の変更の手間があることから、定款で定めるのではなく、株主総会決議で定めることとしている会社が多いです。

株主総会によって取締役の報酬を決議する場合には、後日税務上の取り扱いが問題となる場合がありますので、適切な議事録を作成し、保管しておくように注意しましょう。

3. 役員が退職金を得られない場合とは?

役員の退職金規程が適切に定められていなかったり、役員の退職金(退職慰労金)自体が整備されていなかったり、株主総会の決議が得られなかったりといった場合には、取締役(役員)は、退職金(退職慰労金)を得ることができません。

しかし、法律のルールによって役員の退職金が得られない場合であっても、役員が退職金を得られないことが不公平、不当であると考えられるケースもあります。

例えば、次のケースです。

ご相談ケース①

従業員として長年勤務し、貢献してきた会社で、部長職まで上り詰めていました。

私は部長として定年を迎えるつもりだったのですが、ある日、「役員のポストが空いていて、人数をそろえたいので、役員となってくれないか?」と社長から打診を受けました。

役員となると、労働者として労働法の保護を受けられなくなったり、任期が終わるとすぐに解任されたりするおそれがあったため、役員となる提案をお断りしましたが、会社が「どうしても君でないと。」と言うので、長年お世話になってることもあり、引き受けることとしました。

ただし、役員に就任する際の約束で、業務内容は労働者のときのままで、待遇も変わらない、退職金は役員になるときには清算せず、役員を解任されたときに清算するとの約束をしました。

しかしながら、役員を解任されたときになって、退職金の請求をすると、役員退職金規程が整備されておらず、役員の退職金は支払わないこととなっているから、私には退職金を支払えないといわれました。

役員になっても、従業員のときと待遇は変わらないといわれたからしぶしぶ役員に就任したのに、退職金を請求できなくなるというのでは納得がいきません。

ご相談ケース②

いわゆる「雇われ社長」として取締役に就任し、何度か任期を更新し、社長として業務を行っておりました。

株主(オーナー)とは、必ずしも円満とはいえない状態でしたが、私の経営によって会社の成績が上がっていたため、特に取締役を退任させられることもなく社長としての業務を継続していました。

しかし、不況のあおりを受け、当社の純利益も減少傾向となり、ついに私もその責任をとって解任されることとなりました。

私の経営に特に失敗があったわけではないため、当社の退職慰労金規程に従った退職金が得られるものと当然考えておりましたが、株主総会においては、経営悪化の原因は私の方針決定のミスにあるとされ、退職金は否決されてしまいました。

取締役(役員)として会社に貢献し、退職金(退職慰労金)が得られると期待していたのに、会社に裏切られてしまったという相談ケースは少なくありません。

法律のルールにしたがって退職金(退職慰労金)を請求することができない場合の救済について、次に解説していきます。

4. 役員退職金が得られない場合の救済

以上の相談ケースのように、役員退職金が得られないのは、退職する取締役(役員)に酷ではないかと考えられる場合があります。

このような場合の救済方法として、次の手で会社に対して請求をすることを検討しましょう。

4.1. 「退職金の支払約束がある。」と認定できないか?

株主総会によって退職金の決議を得なければ、役員が退職金の請求権を得ることはでないことは、既に解説したとおりです。

そのため、株主がオーナー1人であるようなワンマン企業の場合、そのオーナー株主との間で仲たがいをしてしまうと、株主総会の決議が得られず、退職金(退職慰労金)の請求権が発生しないという事態になりかねません。

株主が一人であって、その承諾を事前に得ていたというのであれば、退職金を得られるような救済がなされる可能性があります。

例えば、長年、他の役員に同様の退職慰労金を支払っており、株主もまた、あなたに対する同様の退職慰労金支払を認めていたにもかかわらず、株主との仲たがいによって退職金の株主総会決議が得られなかったという場合、退職慰労金を請求できないことは不当であると考えられます。

4.2. 「役員兼従業員である。」と認定できないか?

役員としての肩書を有してはいたものの、労働者としての実態も有しているという場合には、労働者としての退職金を取得することができないかを検討すべきでしょう。

役員の退職金は、株主総会の決議が必要という要件がありますが、従業員の退職金は、退職金規程にその金額、計算方法などが定められていれば、株主総会の決議などを経ずに、当然に退職金請求権が発生します。

純粋な役員であるのか、それとも労働者としての地位も併せ持つ従業員兼役員なのかは、形式的な名称ではなく、その実質を見て判断すべきです。

例えば、次の要素を総合考慮して、労働者としての地位を有すると判断されるか検討しましょう。

  • 使用者(会社)の指揮命令下にあるかどうか
  • 役員(取締役)に就任した経緯
  • 役員(取締役)に就任した前後で従事する業務が異なるか
  • 出退勤の自由を有するか
  • 他の従業員と比べて報酬が高額か
  • 社会保険・労働保険に加入し続けているか

5. まとめ

以上より、役員であるとしても、労働法の保護を受けられる場合があります。

役員であるかどうか、という形式的な判断ではなく、労働の実態を検討して判断すべきであるといえます。

役員とされているにもかかわらず実態は労働者であって、退職に伴ってその労働者としての権利を侵害されたと考えられる場合には、労働問題に強い弁護士へ相談しましょう。

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