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浅野 英之
弁護士
弁護士(第一東京弁護士会所属、登録番号44844)。
東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。

企業側の労働問題を扱う石嵜・山中総合法律事務所、労働者側の法律問題を扱う事務所の労働部門リーダーを経て、弁護士法人浅野総合法律事務所を設立。

不当解雇、未払残業代、セクハラ、パワハラ、労災など、注目を集める労働問題について、「泣き寝入りを許さない」姿勢で、親身に法律相談をお聞きします。

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年間休日の平均は何日?年間休日が少ないと違法?対処法も解説します

1年間に、休日は何日あるのでしょうか。
祝日の都合などで、休みが少ないと感じるとき、つい気になってしまいます。

暦通りに働く労働者で、土日休みであれば、ある程度、休日に日数は予想できます。
この場合には、年間休日は、平均して120日前後となるのが通例です。
しかし、年間休日は、さまざまな理由で、日数が多くなったり少なくなったりします。

労働者としては、年間休日が多いほうが嬉しいでしょう。
しかし、給料が、月額固定だと、会社にとっては年間休日が多すぎると困ります。
一方、働く日数に応じて給料が決まるとき、年間休日を少なくしたい労働者もいるでしょう。
年間休日が多すぎると、休日出勤せざるをえなくなってしまうこともあります。

年間休日の平均が何日かは、残業代請求にも影響します。
年間休日が多いほど、残業代の基礎単価は高くなり、残業代が増額できます。
今回は、年間休日の平均と、少ないときの対応を、労働問題に強い弁護士が解説します。

この解説のポイント
  • 年間休日の平均は120日が目安、105日以下だと、残業代なしには働かせられない
  • 年間休日が、最低ラインを下回ると、休日労働が発生していることになる
  • 年間休日が少なすぎるとき、残業代請求とともに、有給休暇、代休などで体を休める

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解説の執筆者

弁護士 浅野英之

弁護士(第一東京弁護士会所属、登録番号44844)。
東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。

企業側の労働問題を扱う石嵜・山中総合法律事務所、労働者側の法律問題を扱う事務所の労働部門リーダーを経て、弁護士法人浅野総合法律事務所を設立。

不当解雇、未払残業代、セクハラ、パワハラ、労災など、注目を集める労働問題について、「泣き寝入りを許さない」姿勢で、親身に法律相談をお聞きします。

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年間休日とは

年間休日とは、労働者が、1年間に休んで良い日数のことをいいます。
年間休日は、会社が、労働契約において定めるもの。
雇用契約書や、就業規則など、労働契約の内容を見れば、年間休日を数えられます。

よくある例は「週休2日制」。
つまり、土日を休みとする休日の定め方です。

「カレンダー通り」「暦通り」などといい、土日に加え祝日も休みの会社が多いです。
(なお、業種によっては平日休みやシフト制のこともあります)

しかし、法律に違反してはなりませんから、その定めが労働基準法に反していれば、違法です。

「休日」以外に、労働義務のない日に「休暇」がありますが、区別すべきです。
なので、年間休日というとき、あくまで「休日」のみで、「休暇」は含みません。
有給休暇、リフレッシュ休暇特別休暇など、種類をとわず、休暇は年間休日ではありません。

休日と休暇の違いは、次に解説します。

年間休日の平均は何日?

年間休日が多いのか、少ないのかを知るため、おおよその平均を知りましょう。
周囲の会社のことも知れば、不当な処遇にすぐ気付けるからです。

年間休日の平均がどの程度かと、その休日日数だとどんな働き方になるのか、解説します。
年間休日の日数ごとに、その内訳も知っておいてください。

120日が、年間休日の平均

ごく一般的なサラリーマンとして勤務する労働者の場合、年間休日は120日程度です。
平均して、おおよそ120日程度が目安といってよいでしょう。

カレンダー通りの週休2日制で、夏季・冬季休暇を足すとおよそ120日程度のイメージだからです。
年間休日が120日あれば、十分なワークライフバランスを維持し、健康的に働けます。

年間休日120日ならば、1ヶ月の休日の平均が10日。
4週の土日が8日あり、祝日が2日あるくらいの働き方をイメージできるでしょう。

年間休日が120日だと、土日はすべて休みの完全週休2日制、祝祭日もすべて休みです。
祝祭日が休日となるので、お盆休み、年末年始も休日になります。

120日以上の年間休日があればホワイト

カレンダー通りに、年間120日以上の休日がとれれば、ホワイト企業といえるでしょう。

就労条件総合調査(厚生労働省)によれば、「電気・ガス・熱供給・水道業」「情報通信業」「金融業、保険業」「学問研究、専門・技術サービス業」などの業種で、年間休日の平均が120日以上とされています。
入社するにあたり、年間休日の多さは、就職先選びの大事な要素の1つ。

ただ、募集要項に記載された情報だけを信頼しないよう気をつけましょう。

労働法の知識のない会社は、有給休暇も含めて「年間休日」と表示しているおそれもあります。

117日の年間休日のイメージ

「月に9~10日の休日が取れる」、これが年間休日117日の1ヶ月の内訳。
つまり、週に2日ほどは、休日がとれる計算となります。
週末の1日は外に出かけるなどアクティブに過ごし、もう1日はしっかり体を休められます。

祝日があれば旅行も行けるでしょう。
有給休暇を使えば、長期の連休を作ることもできます。

117日という年間休日は、平均的で、多くの企業が採用する日数でもあります。
労働者にも余裕を与えられる、ある程度以上の規模感のある会社が多いでしょう。
福利厚生も、それなりに充実していると期待できます。

105日が、年間休日の下限

年間休日には、下限、つまり、最低限度があります。
年間休日の下限は、105日です。
105日の休日は、「1日8時間、1週40時間」の法定労働時間どおり、1年働き続けた日数です。
(つまり、休日は1週に2日であり、祝日などは考慮していません)

105日ぎりぎりの年間休日だと、「働きすぎ」と感じる可能性があります。
年間休日が105日だと、完全週休2日制ではなく、土日のどちらかは出勤が必要となります。
ゴールデンウィーク(GW)やお盆、年末年始もすべて休みではなく、カレンダー通りとなります。

105日未満の年間休日しかないと休日労働あり

年間休日が105日未満だと、法定労働時間を超えて残業したか、休日労働をしています。

時間外労働もしくは休日労働について、残業代をもらえるはずです。
したがって、105日未満の年間休日しかなく、残業代が払われていなければ違法の疑いあり。

長時間労働で体を壊し、精神を病む前に、残業代請求するとともに早く休みましょう。

休日をめぐるトラブルは弁護士に相談できます。

労働問題に強い弁護士の選び方は、次に解説します。

年間休日の最低ラインを下回ると労働基準法違反?

ここまで、年間休日のだいたいの目安を解説しました。
これに対し、「休日」が労働者の権利のため、年間休日の日数には最低ラインがあります。
前章のとおり、年間休日の最低ラインは、105日です。

これを下回ると、労働基準法違反の可能性があります。
少なくとも、生じている休日労働に対しては、休日手当の支払いを要します。
働かせすぎ、長時間労働についても、労働者にとって大きな負担となってしまいます。

年間休日と、法定休日

労働基準法には、年間休日に関する定めはありません。
しかし、法定休日について定めている点から、年間休日の目安をある程度逆算できます。

労働基準法は、労働者保護の最低条件を定める役割をもち、これを下回れば違法。
休日もまた、労働者の健康をまもる重要なもので、労働基準法に定めがあります。
これによれば、会社は、「1週1日もしくは4週4日」以上の休日を与えなければなりません。
これを「法定休日」と呼びます。

労働基準法35条

1. 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも1回の休日を与えなければならない。

2. 前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない。

労働基準法(e-Gov法令検索)

36協定を締結すれば、休日に労働させることも可能です。
なので、必ずしも、この法定休日の条文だけで、年間休日の最低ラインは決まりません。

ただ、少なくとも法定休日の労働には、休日手当を要し、残業代がもらえます。

年間休日と、所定休日

前章では、法律上必ず与える義務のある「法定休日」から、年間休日を逆算しました。
しかし、休日には、法律を超えて、会社が与えるものもあります。
会社が、任意に与えている休日を「所定休日」と呼びます。

所定休日の労働には、休日手当は不要ですが、「1週40時間」を超えれば残業代を要します。
所定休日も、ある程度は適切に与えなければ、休みが不十分になるおそれあり。
これを考えると、最低ライン105日以上であっても、120日を超えるくらいが適正といえます。

年間休日が少なすぎるのは違法

法定休日は、「1週1日もしくは4週4日」と解説しました。
なので、月に4日程度の休みを与え、休日労働の残業代を払えば、違法とは言い切れません。
とはいえ、このような働き方では、しんどいといってよいでしょう。

年間休日が少なすぎるのは、残業代の問題はおいても、ブラック企業で間違いありません。
月4日の休日ならば、年間休日は48日となります。
「年間休日48日(月4日)」「年間休日60日(月5日)」も可能ではありますが、不適切でしょう。

休む暇もなく働かされ、うつ病などで倒れてしまえば、会社は安全配慮義務に違反しています。
労働者として、ここまで働かされたら、責任追及として、慰謝料を請求すべきです。

労災の慰謝料の相場と、請求方法は、次に解説します。

年間休日が足りていても違法な場合

年間休日が、最低ラインを超えていても、違法なケースもあります。
休日のみならず、労働環境を総合し、ワークライフバランスを適正に保たねばなりません。

休日が十分だったとしても、違法性の疑いのある、次の例を参考にしてください。

  • 年間休日の日数は適正だが、平日1日あたりの残業が長すぎる
  • 年間休日が多い一方、ノルマがきつく、業務時間内に終わらない
  • 年間休日は十分だが、休日労働しないと評価が下がる

このようなケースでは、年間休日が多いことがかえって、負担を増します。

業務量が多かったり、ノルマが厳しかったりすると、違法なハラスメントを招きやすくなります。
追い詰められる前に、弁護士に相談するなど、対策を打つべきです。

ノルマを理由とする解雇は、次に解説します。

年間休日が少ないときの対処法

明らかに年間休日が少ない会社は、ブラック企業です。
法定休日の定めが労働基準法にある以上、休日が少ないのは違法だからです。

年間休日の少なすぎる会社で働く労働者は、ただちに対処が必要です。
年間休日が、法律の定めより少ないことは、健康で働き続ける支障になります。
労働時間が長時間となり、休みが正しくとれず、余暇がなくなってしまいます。

休日手当(残業代)を請求する

年間休日が少ないのは、つまり、労働基準法が義務付ける法定休日をとれていないということ。
年間休日の平均120日を下回り、さらに下限である105日未満なら、残業代が生じます。

年間休日が少ないのに休日手当をもらえないなら、労働基準法違反となります。
まずは、年間休日数をチェックし、不足する残業代を請求しましょう。

残業代の計算においても、年間休日の数え方が重要なポイント
残業代の計算式は次のとおりで、年間休日の日数によって増減額するからです。

  • 残業代 = 単価/月平均所定労働時間 × 割増率 × 残業時間
  • 月平均所定労働時間 =(365日 - 年間休日)× 8時間 / 12ヶ月

休日労働した場合の残業代(休日手当)は、通常の給料の1.35倍の割増率。
したがって、平日の給料よりも多くの残業代をもらうことができます。
休日の労働は証拠に残りづらいため、労働者側での残業の証拠集めを徹底してください。

休日手当の請求方法は、次に解説します。

振替休日・代休を取得する

年間休日が少なすぎると、「お金」の問題は当然ですが「健康」の問題も生じます。
休みがなさすぎると、心身が疲弊し、健康が害されてしまうからです。

このとき、少なすぎる休日を補うため、代休や振替休日を取得することが考えられます。
前章で解説したとおり、休日が少なければ残業代が未払いでしょう。
残業代を払う代わりに、休みをとらせるよう、会社に強く迫ることができます。

振替休日と代休の違いは、次に解説します。

有給休暇を取得する

有給休暇は、年間休日の数え方には、本来含まれていません。
必ず休むべき日ではなく、労働者の求めに応じて、労働義務がなくなる日だからです。
有給休暇は、法律上の義務であり、労働者には休む権利があります。

年間休日が少なく、休みがとれなくてつらいとき、有給休暇で少しでも休みましょう。
劣悪な労働環境は、法律上の権利で改善してもらうしかありません。
年間休日の少ない会社は、忙しいと予想されますが、それでもなお、有給休暇はとれます。

有給休暇を取得する方法は、次に解説しています。

まとめ

弁護士法人浅野総合法律事務所
弁護士法人浅野総合法律事務所

今回は、年間休日について解説しました。
働いている方は、特に、年間の休日が少ないとき、気になるでしょう。
ただ、法律を守る会社ならば、年間休日には下限があり、これより少なくはできません。

年間休日の平均や下限を知り、損しないように対処しましょう。
年間休日が少なすぎるなら、違法の可能性もあります。
知らずに休日労働している可能性があるので、残業代請求を怠らぬように対応ください。

年間休日は、平均すれば120日あるのが理想で、105日以下だと違法のおそれあり。
ただ、残業代の問題は、休日の日数だけ見ていても解決しません。
長時間の労働が辛いとき、ぜひ弁護士に相談ください。

この解説のポイント
  • 年間休日の平均は120日が目安、105日以下だと、残業代なしには働かせられない
  • 年間休日が、最低ラインを下回ると、休日労働が発生していることになる
  • 年間休日が少なすぎるとき、残業代請求とともに、有給休暇、代休などで体を休める

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