あなたの勤める会社に、「リフレッシュ休暇」はありますか?
聞いたことがないなら、就業規則を確認するか、社長に聞いてみるとよいでしょう。
リフレッシュ休暇が存在している会社でも、労働者には知られていないこともあります。
労働者が、リフレッシュ休暇をよく理解しないと、十分に活用できません。
日本では、有給休暇の消化率がとても低いです。
まして、労働法に定めのないリフレッシュ休暇だと、活用はさらに難しいです。
最近では、労働者の定着率などを考え、リフレッシュ休暇を導入する企業は増えています。
今回は、リフレッシュ休暇の活用のためのポイントを、労働問題に強い弁護士が解説します。
- リフレッシュ休暇は、法律上の義務ではなく、会社が自由に定められる制度
- リフレッシュ休暇を何日与えるか、有給か、無給かも、会社が決められる
- リフレッシュ休暇は「恩恵」なので、後ろめたい気持ちにならず活用すべき
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★ 有給休暇の労働問題まとめ
【有給休暇のとり方】
【退職時】
【有給休暇の違法な扱い】
【休暇の基礎知識】
リフレッシュ休暇とは
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リフレッシュ休暇とは、労働法には定められていない「休暇」のこと。
社員のリフレッシュ、つまり、気分転換を目的として与える休みのことを指します。
なかでも、リフレッシュ休暇は、一定以上長く働いた労働者に与えられることが多いです。
厚生労働省は「職業生涯の節目に勤労者の心身の疲労回復等を目的として付与される休暇」と定義します。
「休暇」というのは、労働義務のある日に取得することで労働義務をなくす制度。
そもそも労働する義務のない「休日」とは区別されます。
リフレッシュ休暇もまた、休暇の一種です。
勤続年数を重ね、貢献した人に「慰労」「ご褒美」として与える労働義務の免除なのです。
まずは、リフレッシュ休暇の基本について解説します。
法律上の義務ではない
リフレッシュ休暇は、法律上の義務ではありません。
有給休暇など、法律上の義務となっている休暇とは、性質が異なります。
また、労働基準法は「1週1日または4週4日」の法定休日を与える義務を定めています。
(法定休日に労働させると、休日手当を請求できます)
法律上の義務でないとすれば、リフレッシュ休暇は、会社が「恩恵」として与えるもの。
まだ完全に浸透しているとは言いづらいですが、大企業で導入されはじめています。
就業規則に定めるほか、「リフレッシュ休暇規程」など特別の定めが準備されるケースもあります。
就業規則と雇用契約書が違うときの対応は、次に解説します。
リフレッシュ休暇は何日休める?
リフレッシュ休暇の日数は、法律上決められてはいません。
したがって、会社が、その日数を自由に定めることができます。
ただし、リフレッシュ休暇が「慰労」を趣旨としている点に配慮を要します。
ある程度、まとまった日数の休暇でなければ、せっかくのリフレッシュ休暇が慰労になりません。
リフレッシュ休暇のよくある例は、例えば次のケースです。
- 勤続3年ごとに、年間5日間のリフレッシュ休暇を取得できる制度
- 勤続5年、10年の節目ごとに、5日、10日と比例的に増えるリフレッシュ休暇を取得できる制度
リフレッシュ休暇は有給?無給?
リフレッシュ休暇は、有給休暇とは異なるものです。
有給休暇は、一定の要件のもと、「有給」扱いで休めることが労働基準法に保障されます。
これに対し、リフレッシュ休暇は、法律上有給と定められているわけではありません。
したがって、リフレッシュ休暇中の給料の扱いは、会社が自由に定められます。
有給のリフレッシュ休暇も、無給のリフレッシュ休暇も、いずれも違法ではありません。
とはいえ、リフレッシュ休暇の趣旨からして、長期に勤続する労働者への恩恵として十分なものとするため「有給」扱いとするのが一般的です。
休日と休暇の違いは、次に解説しています。
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リフレッシュ休暇のメリット
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日本では、労働基準法で義務とされる有給休暇すら、消化率が低いもの。
たとえ会社が恩恵としてリフレッシュ休暇を与えても、活用が難しい側面もあります。
リフレッシュ休暇を取得することに、後ろめたさを感じる必要はありません。
遠慮せず、リフレッシュ休暇を活用できるよう、そのメリットについて解説します。
長く働き続ける英気を養う
リフレッシュ休暇の最大の目的は、長期間勤める労働者への「恩恵」。
転職をする人は、前職を早く辞めて、仕事をしない期間を作ることができます。
しかし、転職せずに働き続けると、余暇を作れず、働き詰めで辛くなってしまうことも。
常に働いていると、生産性が落ちたり集中力を失ったりします。
あまりに仕事が長く続くと、辛くなってやる気を失うおそれもあります。
リフレッシュ休暇を取得し、英気を養えば、休暇明けに、さらに集中して業務に取り組めます。
今後も貢献を続けるために、リフレッシュ休暇が活用できるのです。
ブラック企業にならない
働き方改革以来、違法な長時間労働の是正が叫ばれ続けています。
月80時間残業の「過労死ライン」を超えるほどの労働があれば、ブラック企業でしょう。
さらには、残業代の未払いなども横行し、社会問題化しました。
労働基準法の違反を放置すれば、「ブラック企業」のレッテルを貼られ、企業イメージが低下します。
これを避けるため、労働者への配慮としてリフレッシュ休暇を与える会社が増えています。
業務改善につながる
リフレッシュ休暇は、長年勤務した社員の権利として就業規則に定められています。
なので、他の社員に気兼ねしたり、後ろめたい気持ちになる必要はありません。
長年勤める人は、責任感の強い方が多いでしょう。
仕事をし続けるのが当たり前になり、正当な権利すら「使いづらい」と感じる方もいます。
しかし、リフレッシュ休暇を活用することは、業務改善にもつながります。
1人の労働者に、依存し続ける職場に、発展はありません。
ベテラン社員がリフレッシュ休暇をとると、穴埋めのため業務効率を上げるなど、成長につながります。
休暇についての疑問は、弁護士に相談できます。
労働問題に強い弁護士の選び方は、次に解説します。
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リフレッシュ休暇を取得するときの注意点
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リフレッシュ休暇がとれる会社で、あなたが要件を満たすなら、ぜひ活用しましょう。
リフレッシュ休暇を取得するとき、労働者が注意しておきたい点を解説します。
リフレッシュ休暇の取得要件を確認する
リフレッシュ休暇を取得するとき、まず、取得要件を満たすか、確認しましょう。
就業規則や雇用契約書に定められたルールをよく読んでおいてください。
リフレッシュ休暇は、法律上の義務ではなく、会社が定めるもの。
そのため、一定の要件を満たさなければ、会社がリフレッシュ休暇を拒否することも可能です。
会社からリフレッシュ休暇を拒否されうるケースに、次の例があります。
- リフレッシュ休暇の趣旨(長期間勤続した社員の慰労)に合わない取得目的であるケース
- 会社と労働トラブルを起こし、退職までの間にリフレッシュ休暇を取得するケース
- 有給休暇と合せてリフレッシュ休暇を取得し、業務に支障が生じるほど長期間休むケー
有給休暇とは異なる
リフレッシュ休暇は、あくまでも、会社が「恩恵的」に労働者に対して与えるもの。
法律上、その取得が義務付けられている「有給休暇」とは異なります。
リフレッシュ休暇における法律上の保護が、有給休暇よりも薄くても構わない、ということです。
保護が薄くなる点は、例えば次のケースです。
- リフレッシュ休暇は、休暇取得の目的を事前に申請させられる
- リフレッシュ休暇の趣旨と異なる場合は、拒否できる
- リフレッシュ休暇の要件、与える日数は、会社が自由に決められる
- リフレッシュ休暇の権利を、会社がその要件を定めれば消滅させられる
その他のリフレッシュ休暇の制限
以上のとおり、リフレッシュ休暇の制度設計をどうするか、会社が自由に決められます。
逆にいえば、リフレッシュ休暇を取る権利を制限するのも自由です。
この点を理解せず、リフレッシュ休暇を強く求めすぎるのは誤りです。
労働者の権利意識が過剰だと、ことリフレッシュ休暇については、不利な結果となるおそれがあります。
ここまで解説した以外にも、リフレッシュ休暇に次の制限を加える例があります。
- リフレッシュ休暇の上限日数の制限
- リフレッシュ休暇と有給休暇を合わせて取得した場合の日数の制限
- リフレッシュ休暇制度の趣旨と異なる休暇取得を会社が拒否できる権利
- 繁忙期の場合に、リフレッシュ休暇取得の日にちを延期することができる権利
- その権利が発生した年度にしかリフレッシュ休暇を使用できないという制限
- 休暇後の継続勤務が予定されている労働者しかリフレッシュ休暇を使用できないという制限
休暇についての疑問も、弁護士の無料相談で解消できます。
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リフレッシュ休暇をスムーズに取得する方法
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気兼ねなく、遠慮なくリフレッシュ休暇を活用すべきことを理解いただけたでしょう。
とはいえ、リフレッシュ休暇の要件にあてはまるほど貢献のある社員ほど、遠慮するもの。
やはり心理的な抵抗があるという方も少なくありません。
最後に、リフレッシュ休暇を気兼ねなく取得するための方法や、その際の心構えを解説します。
引継ぎを行う
リフレッシュ休暇を取得するにあたっては、しっかり引き継ぎをしましょう。
休暇をとることは許されますが、それにより迷惑をかけるのは本意でないでしょう。
リフレッシュ休暇中の自分の業務に、対応してもらえる社員を選定して、引き継ぎをします。
リフレッシュ休暇前の引き継ぎを十分にすれば、会社に迷惑はかかりません。
休暇中に連絡を受け、嫌な思いをすることも回避できます。
休みの日に仕事の電話が来た時の対応は、次に解説します。
代替要員を育成する
リフレッシュ休暇を取得するほどの勤務年数の方は、おそらく上位者でしょう。
部下の教育や育成なども、自分の業務と同じくらい重要な役割です。
リフレッシュ休暇を取得した程度で、業務に支障が生じないよう、日頃からの準備が大切です。
そのために、あらかじめ自分の代替要員となる部下を育成し、しっかり指導、教育せねばなりません。
目的にあった取得を心がける
リフレッシュ休暇が用意された趣旨を理解し、目的にあった取得を心がけましょう。
「長く勤務した社員は、それだけ恩恵が与えられる」という意味。
後ろめたい気持ちになる必要はありませんが、目的外利用も避けたほうがよいでしょう。
例えば、転職や、病気欠勤などにリフレッシュ休暇を充当してしまうと、本来の趣旨と反してしまいます。
会社、上司の圧力に屈しない
リフレッシュ休暇の趣旨をきちんと活かせば、会社にとってもメリットある制度。
しかし、リフレッシュ休暇がある会社でも、その制度を疎ましく思う上司もいます。
リフレッシュ休暇をとる部下に対し、上司が消極的な態度をとることがあります。
最悪は、パワハラや職場いじめの対象となるなど、悪質なケースもあります。
しかし、リフレッシュ休暇の要件を満たすなら、上司や社長の圧力に屈してはなりません。
堂々とリフレッシュ休暇をとることで、他の社員の模範となることができます。
社長や上司からのパワハラに屈してはいけません。
もしパワハラがあるとき、まずは録音して証拠集めしましょう。
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まとめ
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今回は、リフレッシュ休暇について、その内容や活用のポイントを解説しました。
リフレッシュ休暇は、会社が任意に設ける休暇のなかでも、大企業中心に導入が進んでいます。
一定以上の勤続年数を超えると、長いこと働き続けるのはストレスになることも。
貢献が長期間となる方は、活躍し続けるには、適度な休息も必要です。
このとき、活用されるのが、リフレッシュ休暇なのです。
勤務している会社にリフレッシュ休暇があるか、就業規則を確認しましょう。
休みが足りず、辛いとき、労働法に違反する部分がないか、弁護士に相談ください。
- リフレッシュ休暇は、法律上の義務ではなく、会社が自由に定められる制度
- リフレッシュ休暇を何日与えるか、有給か、無給かも、会社が決められる
- リフレッシュ休暇は「恩恵」なので、後ろめたい気持ちにならず活用すべき
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