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リフレッシュ休暇を活用するために理解すべきポイント【労働者側】

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運営元:弁護士法人浅野総合法律事務所

あなたの勤めている会社には「リフレッシュ休暇」はありますでしょうか。聞いたことがなければ、一度就業規則を確認するか、上司や社長に聞いてみるとよいでしょう。

リフレッシュ休暇が存在している会社でも、労働者側の理解不足から、十分に活用できていないケースも少なくないからです。

日本では「有給休暇」の消化率が、世界的にも非常に低いといわれている中で、労働法には定めのない「リフレッシュ休暇」ですが、最近、導入する会社も増えています。

今回は、「働き方改革」などによって導入例が増えている「リフレッシュ休暇」を活用するため、労働者が理解しておくべきポイントを、労働問題に強い弁護士が解説します。

「有給休暇」の法律知識まとめ

リフレッシュ休暇とは?

リフレッシュ休暇とは、労働法には定められていない「休暇」ですが、社員の気分転換、リフレッシュを目的として、一定以上長くはたらいた労働者に対して、会社が与える「休暇」のことをいいます。

「休暇」は、そもそも労働する義務のない「休日」と異なり、労働義務のある平日などであっても「休暇」を取得することによって労働義務がなくなる点がポイントです。

つまり、ある程度の勤続年数を重ね、会社に貢献した労働者に対して、会社が「慰労」のため、すなわち「ご褒美」として与える休暇が、「リフレッシュ休暇」というわけです。

厚生労働省の定めによれば、リフレッシュ休暇は、「職業生涯の節目に勤労者の心身の疲労回復等を目的として付与される休暇」と定義されています。

法律上の義務ではない

「リフレッシュ休暇」は、法律上の義務ではありません。

これに対して、「休日」は、労働法において、「1週間に1日、もしくは、4週間に4日」以上の休日を設けなければならないことが、会社の義務として定められており、この「休日」に労働させると、休日手当が必要となります。

会社が、労働者に対する「恩恵」として与える「リフレッシュ休暇」ですが、まだまだ完全に浸透しているとは言いづらい状況です。導入企業の大半は、社員数の多い大企業です。

参考

厚生労働省が発表している「就労条件総合調査」(平成25年)によれば、「リフレッシュ休暇」を導入している会社は、全体の約11%です。

また、「リフレッシュ休暇」を導入している企業のうちの約40%が、社員数1000人以上の大企業です。

リフレッシュ休暇があるかをどう確認する?

リフレッシュ休暇が、働いている会社に設定されているかどうかがわからない労働者の方は、まずは会社の規程を確認するようにしてください。

就業規則に書いてあるか、もしくは、会社によっては「リフレッシュ休暇規程」という規定が準備されているケースもあります。

就業規則は、労働者に周知されていなければその効果を持ちませんので、労働者に見られるところに就業規則がない場合には、上司や社長、人事部などに確認するとよいでしょう。

リフレッシュ休暇は何日休める?

リフレッシュ休暇の日数は、法律上決められているわけではありません。したがって、何日でも何か月でもよいわけですが、リフレッシュ休暇の「慰労」という趣旨から、ある程度まとまった日数の休暇とすることが一般的です。

リフレッシュ休暇のよくある例としては、例えば次のようなものです。

  • 勤続3年ごとに、年間5日のリフレッシュ休暇を取得することができるという制度
  • 勤続3年、5年、10年の節目で、5日、10日、15日と比例的に増えるリフレッシュ休暇を取得できるという制度

リフレッシュ休暇は有給?無給?

リフレッシュ休暇は、「有給休暇(年休)」とは異なり、労働法上に定められた休暇ではありません。そのため、法律で、有給であることが保証されているわけではありません。

したがって、労基法にしたがえば、有給のリフレッシュ休暇も、無給のリフレッシュ休暇も、いずれも違法ではありません。

とはいえ、リフレッシュ休暇の趣旨からすれば、長期勤続した労働者に対する恩恵として与えているものですから「有給」とされるのが一般的です。

リフレッシュ休暇のメリット

リフレッシュ休暇は、労働基準法(労基法)において義務とされている有給休暇ですら消化率の低い日本では、たとえ会社が恩恵的に与えていたとしても、活用が難しい面もあります。

そこで、リフレッシュ休暇を取得することが、労働者側(社員側)にとって、どのようなメリットになるかについて、弁護士が解説します。

長期間働く英気を養う

リフレッシュ休暇の最大の目的は、長期間勤め続けた労働者に対する休息、という点にあります。

常に働き続けることは多くの仕事ができるように見えて、逆に生産性が低下したり、集中力を失ったり、やる気を失ってしまうおそれがあります。

そこで、リフレッシュ休暇を取得することによって英気を養い、休暇明けから、更に集中して業務を行い、更に会社に貢献することができるようになるのです。

ブラック企業にならない

現在、政府が積極的に推進している「働き方改革」でも、「違法な長時間労働」がホットトピックとなっているとおり、労働時間が「過労死ライン(月80時間残業)」を越えたり、残業代の未払いがあったりすることは、社会問題化しています。

このような労働法の基本的な理解が不足していると、「ブラック企業」とのレッテルを貼られ、企業イメージが低下することになります。

リフレッシュ休暇を取得して英気を養うことは、勤めている会社が「ブラック企業」との風評を受けることを回避できることにつながります。

業務改善につながる

リフレッシュ休暇を取得することは、長年勤務し続けた社員の権利として就業規則に定められているわけですから、他の社員に気兼ねしたり、後ろめたい気持ちになることはありません。

長年勤め続けていると、仕事をすることが当たり前になってしまい、権利として認められたリフレッシュ休暇ですら使いづらいかもしれません。

しかし、リフレッシュ休暇をとることによって、その穴埋めをしなければならない社員は、業務効率を上げたり、他の業務を担当したりしなければならないことから、結果的に業務改善につながることにもなります。

リフレッシュ休暇を取得するときの注意

リフレッシュ休暇が取得できるかを確認したところ、幸いに就業規則に「リフレッシュ休暇」についての規定があり、あなたがその要件を満たしていた場合には、ぜひ休暇を活用してみましょう。

そこで、リフレッシュ休暇を実際に取得するときに、労働者が注意しておいてほしいことについて、弁護士が解説します。

リフレッシュ休暇の取得要件を確認する

リフレッシュ休暇を取得するとき、その取得要件を満たしているかどうかは、就業規則や雇用契約書に定められた、リフレッシュ休暇についてのルールをよく読むようにしましょう。

特に、リフレッシュ休暇は、法律上、会社が与えなければならない義務があるわけではないため、一定の要件を満たさなければ、会社がリフレッシュ休暇を拒否することも自由です。

会社が、リフレッシュ休暇の取得を拒否するようなケースとして、次のような例があります。いずれも、就業規則や雇用契約書に、要件が定められていないかどうか、念のため確認しておきましょう。

  • リフレッシュ休暇の趣旨(長期間勤続した社員の慰労)に合わない取得目的であるケース
  • 会社と労働トラブルを起こし、退職までの間にリフレッシュ休暇を取得するケース
  • 有給休暇と合せてリフレッシュ休暇を取得し、業務に支障が生じるほど長期間休むケース

有給休暇とは異なる

リフレッシュ休暇は、あくまでも、会社が「恩恵的」に労働者に対して与えるものであることから、法律上、その取得が義務付けられている「有給休暇」とは異なります。

簡単にいうと、法律上の保護が、有給休暇(年休)よりも薄くても構わない、ということです。

有給休暇よりも、リフレッシュ休暇の保護が薄くなってしまうのは、例えば次のようなケースです。

  • リフレッシュ休暇の場合には、休暇取得の目的を事前に申請させ、リフレッシュ休暇の趣旨と異なる場合には拒否することができる。
  • リフレッシュ休暇の場合には、その要件と、与える日数は、会社が自由に決めることができる。
  • リフレッシュ休暇の権利を、会社がその要件を定めることで消滅させることができる。
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その他のリフレッシュ休暇の制限

以上のとおり、リフレッシュ休暇の制度設計をどのようにするかは、会社が自由に決めることができます。

そして、この点を理解せずに、リフレッシュ休暇を強く請求する場合には、労働トラブルとなってしまい、労働者に不利な結果となるおそれもあるため、注意が必要です。

ここまで解説したもの以外に、リフレッシュ休暇を採用している企業が、リフレッシュ休暇に加えている制度上の制限には、例えば次のようなものがあります。

  • リフレッシュ休暇の上限日数の制限
  • リフレッシュ休暇と有給休暇を合わせて取得した場合の日数の制限
  • リフレッシュ休暇制度の趣旨と異なる休暇取得を会社が拒否できる権利
  • 繁忙期の場合に、リフレッシュ休暇取得の日にちを延期することができる権利
  • その権利が発生した年度にしかリフレッシュ休暇を使用できないという制限
  • 休暇後の継続勤務が予定されている労働者しかリフレッシュ休暇を使用できないという制限

気兼ねなくリフレッシュ休暇を取得するための注意点

ここまでお読みいただければ、就業規則や雇用契約書などを確認して「リフレッシュ休暇」の制度がある場合には、気兼ねなく、遠慮なくリフレッシュ休暇を活用すべきであることをご理解いただけたことでしょう。

とはいえ、リフレッシュ休暇の要件にあてはまるほど会社に貢献してきた労働者の方にとっては、リフレッシュ休暇の取得には、やはり心理的な抵抗があるかもしれません。

そこで最後に、リフレッシュ休暇を気兼ねなく取得するための準備、心構えについて、弁護士が解説します。

引継ぎを行う

リフレッシュ休暇を取得するにあたっては、休暇中に自分の業務について対応してもらう社員に対して、しっかりと引継ぎをしておくようにしてください。

休暇前の引継ぎが不十分であったことによって会社に迷惑をかけたり、休暇中に連絡を受けて嫌な思いをしたりすることを回避するため、重要な準備です。

代替要員を育成する

リフレッシュ休暇を取得するほどの勤務年数となっている社員にとっては、部下の教育、育成もまた、自分の仕事を遂行することと同様に重要な業務であると考えましょう。

そのため、リフレッシュ休暇を取得した程度では業務に支障が生じないよう、あらかじめ、自分の代替要員となる部下をしっかり教育、指導しておかなければなりません。

目的にあった取得を心がける

リフレッシュ休暇を会社が用意している場合には、それは、「これだけの長い年数勤務してくれた労働者には、恩恵を与えても構わない」ということを意味しています。

後ろめたいリフレッシュ休暇の取得は、すなわち、目的が、その休暇取得の趣旨にあっていないのかもしれません。会社が考える上記の趣旨に合うようなリフレッシュ休暇取得を心がけましょう。

会社、上司の圧力に屈しない

以上のことをしっかり理解したリフレッシュ休暇であれば、むしろ取得をすることは、会社にとってもメリットがあることです。

しかし、会社としてはリフレッシュ休暇を準備していたとしても、直属の上司や社長が、リフレッシュ休暇取得に対して消極的な態度を示すような会社もあるかもしれません。

制度として用意されているリフレッシュ休暇の要件を満たす場合には、上司や社長の圧力に屈せず、堂々とリフレッシュ休暇を活用しましょう。

「労働問題」は、弁護士にお任せください!

今回は、会社が任意に設ける「休暇」の中でも、最近大企業を中心に導入が進んでいる「リフレッシュ休暇」について、その内容や活用のポイントを弁護士が解説しました。

一定程度以上の勤続年数となると、常に働き続け、会社に貢献し続けることは、労働者にとって大きなストレスともなりかねず、適度な「休息」が必要不可欠です。

働いている会社に「リフレッシュ休暇」の制度があるかどうか、雇用契約書や就業規則を確認し、休暇を活用してみてください。

「有給休暇」の法律知識まとめ

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弁護士法人浅野総合法律事務所(東京都中央区銀座)は、代表弁護士浅野英之(日本弁護士連合会・第一東京弁護士会所属)をはじめ弁護士5名が在籍する弁護士法人。 不当解雇、未払残業代、セクハラ、パワハラ、労災など、近年ニュースでも多く報道される労働問題について、「泣き寝入りを許さない」姿勢で、親身に法律相談をお聞きします。 「労働問題弁護士ガイド」は、弁護士法人浅野総合法律事務所が運営し、弁護士が全解説を作成する公式ホームページです。

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