休日・休暇

特別休暇って、年休(有給休暇)とどう違うの?

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運営元:弁護士法人浅野総合法律事務所

「休日・休暇」といっても、労働者(従業員)が利用できる制度には、さまざまな名称のものがあります。「休日・休暇」の名称ごとに、労働者(従業員)に認められている権利をきちんと理解しておかなければなりません。

労働法の法律知識、裁判例の知識に照らして、休日についての労働者(従業員)に認められた権利を理解しておかなければ、「実は認められた休暇の権利なのに、ブラック企業の言うなりになって、休暇をとれなかった!」ということとなる危険があります。

また、その逆で、実際は法律上、権利が認められていない休暇なのに、強く会社に対して請求をしすぎたことによって、解雇されてしまうというケースもありえます。

「特別休暇」という休暇が、有給休暇(年休、有休)とは別にとることができる会社があります。

この「特別休暇」は、法律を探しても、その定義が出てきませんが、どのような休暇なのでしょうか。労働者には特別休暇をとる権利があるのでしょうか。

「休日・休暇」の中でも「特別休暇」の法律知識について、弁護士が解説します。「休暇の権利をさまたげられているのでは?」とお悩みの労働者の方は、労働問題に強い弁護士へ、お気軽に法律相談ください。

「有給休暇」の法律知識まとめ

特別休暇とは?

まず、「特別休暇」とは、どのような制度なのかについて、弁護士が解説します。

特別休暇は、法律上の制度ではない

「特別休暇」という制度が設けられている会社がよくあります。

しかし、この「特別休暇」は、有休、つまり有給休暇(年休)とはちがって、労働法において定められている制度ではありません。

あくまでも、会社が、自身の考えで設けている制度にすぎません。

つまり、労働者(従業員)と会社との間の約束、つまり、「契約」(労働契約・雇用契約)によって決められた制度が、「特別休暇」なのです。

特別休暇は、福利厚生の一環

では、法律上会社に強制されているルールでないとしたら、特別休暇の性質はどのようなものでしょうか。

特別休暇は、会社が、労働者(従業員)に対して与えている「福利厚生」の一環であるとお考えください。

「福利厚生」とは、労働法で専門用語としては、決められた賃金以外に会社が労働者に対してあたえる、金銭ではない報酬をいいます。

広い意味では、労働者(従業員)が受けることのできる恩恵、サービスをいいます。

うちの会社には特別休暇があるの?

特別休暇は、法律上、会社になくてはならない制度ではなく、強制ではありません。

逆にいうと、労働者(従業員)の側からも、当然に特別休暇を取得することを要求できるわけでもありません。

そこで、「うちの会社では特別休暇がとれるの?」という当然の疑問がわいてきます。

特別休暇は、すでに解説したとおり、会社と労働者(従業員)との間の約束、つまり「契約」(労働契約・雇用契約)によって決められたものですので、特別休暇があるかどうかを知るためには、契約内容を知る必要があります。

そのため、雇用契約、労働契約の内容がわかる、次の資料を見て、特別休暇をとることができるかどうかを調べてみてください。

  • 雇用契約書(労働契約書)
  • 就業規則
  • 労使協定

特別休暇の場合、会社の従業員(社員)の大半に対して、統一的に付与されるのが一般的であるため、就業規則にさだめられていることが一般的です。

注意ポイント

逆にいうと、就業規則などでさだめられていない場合には、特別休暇をとることはできません。

これはたとえ、今回の解説で説明するような、重大な病気の場合、親族の葬式の場合といったケースであっても同様です。

したがって、このようなやむを得ない事情がある場合、特別休暇がない会社では、会社の許可をとって休むか、欠勤扱いとしてもらうこととなります。

どのようなとき特別休暇をとれるの?

ここまでお読み頂ければご理解いただけましたとおり、「特別休暇」は、法律上の制度ではなく、会社が、労働者(従業員)との契約の内容として約束するものです。

したがって、労働契約(雇用契約)の契約内容に、「特別休暇がある」と定められていれば、特別休暇を求めることができます。まずは就業規則をチェックしましょう。

特別休暇が、自分の勤務している会社にある場合、「どのようなとき特別休暇をとれるの?」という点にも注意しておいてください。

どのような場合に特別休暇がとれるのかについても、基本的には、契約内容にしたがうのが原則です。したがって、就業規則などに定められたルールにしたがうこととなります。

よくある特別休暇の例は、次のようなものです。ただし、会社が自由に設定するものであるため、名称は、会社によってさまざまです。

例えば・・・

  • リフレッシュ休暇
    :決められた一定期間以上に勤務をつづけた社員に対して、リフレッシュのために与えられる休暇
  • バースデー休暇
    :誕生日を1日休みにするため、社員(従業員)に対して、誕生日に与えられる休暇
  • 看護休暇
    :育児、介護をする労働者に対して、育児介護休業法にさだめられた育休、介護休暇以上の日数に与えられる休暇
  • 慶弔休暇
    :自分自身、一定の家族、親族などが、結婚、死亡などの出来事になった場合に、結婚式、葬式などのために与えられる休暇
  • 病気休暇
    :重大な病気など、やむを得ない事情が生じた場合に与えられる休暇
  • 教育訓練休暇
    :会社の業務以外に、知見を広め、幅広い人材を育成するために与えられる休暇
  • ボランティア休暇
    :ボランティアを行い、社会貢献するために与えられる休暇
  • 公民権行使のための休暇
    :選挙への投票、裁判員裁判への参加など、国民の権利義務に関するイベントのために与えられる休暇

特別休暇は、給料(賃金)がもらえる?

「特別休暇をとりたい!」と考えた労働者(従業員)が、もっとも気になるのが、「休んでも給与は払われるのか?」という点ではないでしょうか。

いいかえると、「特別休暇は有給なのか?無給なのか?」という法律相談です。

この問題もまた、ここまでお読み頂いた方であれば、ご理解いただけるのではないかと思いますが、「会社次第で変わる。」ということになります。

つまり、労働者(従業員)と会社との間の約束(契約)で、「特別休暇は有給とする」と定められていれば、特別休暇を取得しても、給与を支払ってもらうことができます。

有給の特別休暇の場合、特別休暇を取得したとしても、毎月もらえる給料の金額はかわりません。

「バースデー休暇」「リフレッシュ休暇」「慶弔休暇」など、いずれも、会社が労働者(従業員)に配慮して、サービスとして与える性質であることから、給料は支払われるとされている場合が多いのではないでしょうか。

参考

特別休暇を有給とするケースに対して、特別休暇を無給とする制度があります。

この場合、特別休暇は、休暇を取得することはできるものの、「欠勤」扱いとなり、給与から休んだ日数分の欠勤控除がされることとなります。

ノーワークノーペイの原則から、本来であれば無給であることが原則であるとお考えください。このことは、たとえ年俸制であっても同様です。

年俸制であることと、特別休暇が有給であることはイコールではありません。年俸制は、あくまでも給料が年単位で決定されていることを示すだけであって、年俸制であっても特別休暇が無給であることもあります。

特別休暇と有給休暇の違い

最後に、特別休暇と有給休暇の違いについて、まとめて解説します。

有給休暇と特別休暇とは、まったく異なる制度ですが、「会社から労働者に対しての恩恵的な休暇である」という点では共通しているため、区別が必要です。

基本的に、特別休暇の方が、とれる場合の限られており、有給休暇の方がとれる場合が広いです。そして、特別休暇の方が、会社からの恩恵が、より大きい制度となっていることが多いです。

そのため、特別休暇も有給休暇も両方とれるという場合があり、その場合には、特別休暇を優先して取得するのがよい場合が多いといえます。

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法律に定められているか

  • 特別休暇
    :労働法などの法律に定められた制度ではありません。労働者と会社との間の契約によって定められた制度です。
  • 有給休暇
    :労働基準法で定められた法律上の制度です。

特別休暇は、法律でさだめられた休暇ではないことから、別名「法定外休暇」などとも呼ばれます。

これに対して、有給休暇は、一定の期間の間継続してはたらいた労働者に対しては、必ず与えなければならないことが、法律で定められています。

具体的には、「6か月」の間、「8割」勤務した正社員の労働者に対しては、「10日」の有給休暇が与えられます。勤続年数が長くなるごとに、与えられる有給休暇は増加するよう決められています。

また、有給休暇が法律によって取得することができるのは、正社員の労働者だけではありません。

勤務する日数に応じて、比例的にすくなくはなりますが、バイト、アルバイト、契約社員であっても、有給休暇を、法律上、取得することができます。

休んでも給料が払われるか

  • 特別休暇
    :特別休暇を取得して休んだ場合に、給与(賃金)が払われるかどうかは、会社が定めるルールによります。会社が有給とさだめれば給与が払われますが、無給と定めれば給与は支払われません。
  • 有給休暇
    :有給休暇は、労働基準法により、「有給」であるとされています。したがって、有給休暇を取得した日数分の給料が支払われます。

特別休暇をとったときに、無給とすると会社がさだめている場合には注意が必要です。

この場合には、有給休暇がのこっていれば、有給休暇から先に消化したほうがよいでしょう。

また、賞与などの評価の際や、出勤率を算出する際に、特別休暇を「出勤」と扱うのかどうかについても、会社に自由に決められることとなります。

したがって、有給休暇よりも特別休暇の方が不利な制度設計となっている会社に勤める労働者は、それぞれのタイミングで、有給休暇・特別休暇の違いを理解し、どちらを優先して取得するか、個別に検討が必要となります。

ココがポイント

特別休暇が有給であるかどうかについて、会社が自由に決定できるわけですが、いつでも自由に変更できるわけではありません。

「特別休暇は有給である」と就業規則にさだめていた場合に、無給に変更するためには、「就業規則の不利益変更」のルールにしたがう例外的な変更でないかぎり、労働者全員の同意が必要となります。

いつでも自由に休暇取得できるか

  • 特別休暇
    :特別休暇は、ある一定の要件を満たす日に取得できると、会社のルールで定められていることが一般的です。したがって、いつでも取得できるわけではありません。
  • 有給休暇
    :有給休暇は、労働者が指定する日にあたえるのが原則です。ただし、例外的に、会社は時季変更権を行使することができます。

特別休暇をどのような時期にとることができるかは、会社がルール決めをすることができます。

したがって、一定の要件を満たす場合や、一定の日にしか特別休暇が取れない場合があります。

また、就業規則に、会社の多忙を理由に特別休暇を拒否できると記載されていれば、それにしたがわなければなりません。

これに対して、有給休暇は、労働者の権利であり、労働者が指定した日に、自由に取得することができるのが原則です。

ただし、業務に与える支障が大きい場合には、「時季変更権」といって、有給休暇の時季を変更することは会社の権利となっています。ただし、時季を変えるだけであって、完全に拒絶をすることはできません。

休暇取得に会社の承認が必要か

  • 特別休暇
    :特別休暇は、会社のルールで、「会社の承認が必要である。」と定めることができます。
  • 有給休暇
    :有給休暇は、労働基準法にさだめられた労働者の権利ですから、会社の承認を要件として取得を拒むことはできません。

有給休暇の場合には、会社が承認をしなければ与えないとすることは、労働基準法違反となる違法な行為です。

さきほど解説した「時季変更権」によっても、有給休暇の取得自体を拒絶されるわけではありません。

これに対して、特別休暇を取得したいと考える場合、特別休暇の取得には会社の承認が必要とされている場合があるため、就業規則など、会社のルールを確認しておくことが必要です。

いつまで休暇取得できるか(時効)

  • 特別休暇
    :特別休暇は、労働基準法115条が適用されないため、いつまで取得できるかは、会社が自由に決めることができます。
  • 有給休暇
    :有給休暇は、労働委準法115条が適用され、時効が2年とされます。したがって、2年以上の有給休暇を繰越することはできません。

特別休暇は、会社が、労働者(従業員)との間でさだめたルールによって決めることができます。

したがって、繰越期間を長くし、いつまででも取得することができるようにするケースがあります。たとえば、リフレッシュ休暇のように、長年はたらいた人への恩恵として与える場合、期間の制限をしなくてもよい場合があります。

逆に、「その年度ですべて消滅する」と定めることも可能です。あるタイミングでかならず取得して欲しい特別休暇のケースで、このようなルールがあることがありますので、特別休暇を取り損ねないように、注意が必要です。

有効期限を自由にさだめることができるのが、特別休暇の注意しなければならないポイントです。

利用目的が決められているか

  • 特別休暇
    :特別休暇は、一定の利用目的がある場合に限って会社が認めている場合が多いです。
  • 有給休暇
    :有給休暇は、労働者が休む権利ですから、利用目的は決められておらず、会社に伝える必要もありません。

有給休暇は、労働法でみとめられた、従業員の「やすむ権利」です。

そのため、利用目的を限定してはならず、会社が、「有給休暇は~のような場合にしかとってはいけない」とさだめたとしても、その命令は無効となります。

「利用目的をおしえなければ有給休暇を取得させない」と命令することも違法、無効です。

「労働問題」は、弁護士にお任せください!

「特別休暇がある」と、同僚や会社から聞いた労働者(従業員)の方は、特別休暇をどのように利用したらよいのかをしっかりと理解してください。

「有給休暇と同じだ」と考えていると、足元をすくわれる可能性もあります。せっかくの特別休暇があるのに、とりにがしてしまうことはもったいないです。

今回解説しました、特別休暇と有給休暇の違いをしっかり理解し、会社にある特別休暇の制度を有効活用しましょう。

会社の制度、休日・休暇にお悩みの労働者の方は、労働問題に強い弁護士まで、お気軽に法律相談ください。

「有給休暇」の法律知識まとめ

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弁護士法人浅野総合法律事務所(東京都中央区銀座)は、代表弁護士浅野英之(日本弁護士連合会・第一東京弁護士会所属)をはじめ弁護士5名が在籍する弁護士法人。 不当解雇、未払残業代、セクハラ、パワハラ、労災など、近年ニュースでも多く報道される労働問題について、「泣き寝入りを許さない」姿勢で、親身に法律相談をお聞きします。 「労働問題弁護士ガイド」は、弁護士法人浅野総合法律事務所が運営し、弁護士が全解説を作成する公式ホームページです。

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