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違法インターンに注意!無給でコキ使われたら賃金請求できる!

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運営元:弁護士法人浅野総合法律事務所

違法・悪質なインターンで、無給でコキ使われてしまった方は、賃金請求・残業代請求をし、適正な対価を得ることができます。

「インターン」は、企業が大学生に対して、社会人経験、職業体験をさせるため、実際に業務の一部を体験してもらう活動です。

「インターン」には、「サマーインターン」のような季節限定の短期インターンから、通年の長期インターンまでさまざまです。しかし「長期インターン」という名称でありながら、実態は「アルバイト」同様の内容で、労働法違反となっているブラックなインターンもあります。

会社側にとって「インターン実施により、優れた人材を青田買いする」というメリットがある一方、最低賃金以下の低賃金(場合によっては無給)で長時間労働させ、人件費を節約するという悪質な目論見もあります。

今回は、大学生を無給(もしくはそれに近い低賃金)で長時間労働させる「違法インターン」を経験してしまったときの法的対策を、労働問題に強い弁護士が解説します。

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「インターン」にも労働基準法が適用される

まず、無給インターンの正しい目的は、「社会人経験」「職業体験」にあります。決して、「無給で会社の業務を行わせ、会社に貢献させる」ことにあるのではありません。だからこそ、「無給」で行うことができるのです。

「無給では会社に利益がないのでは?」という疑問もあるかもしれませんが、会社としては、無給インターンを行うメリットとして、「優秀な人材を学生のうちから確保する」という大きなメリットがあります。

無給インターンを「労働力」「戦力」としてみる会社は「ブラック企業」といって差し支えありません。

無給インターンが、無給で、かつ、「労働力」として役立つのであれば、会社になってこの上ないことですが、このような悪質な目論みで無給インターンを行う会社は、労働法違反となります。その理由は、「インターンでも労働法が適用される」からです。

労働法が適用されることにより、インターンにも、次のルールが適用されます。

インターンにも適用される労働法

1. 労働基準法

  • 会社の指揮命令下に置かれた時間について、賃金を支払わなければならない。
  • 労働時間が「1日8時間、1週40時間」を超える場合、残業代(割増賃金)を支払わなければならない。

2. 最低賃金法

  • 労働時間に対して支払う対価は、決められた最低賃金以上でなければならない。

したがって、名称が「インターン」でも、会社の指揮命令下に置かれて業務を行うとき「無給インターン」とすることは違法です。また「有給インターン」でも、もらえる給与が最低賃金以下であれば、やはり違法です。

このような違法なインターンは、「インターン」とは名ばかりで、実態は「アルバイト」と全く変わりません。

違法なインターンの例

無償のインターンは、あくまでも労働させる目的ではなく「職業体験」が目的であり、「労働力」としてカウントすれば労働法違反となることを解説しました。

しかし、ブラック企業の多くは、学生を「安い労働力」と見て最低賃金以下ではたらかせたり、無償のインターンをさせ、酷使します。更には、違法インターンの悪質さは「給与(賃金)」の問題だけにとどまらず、長時間労働、長時間拘束も社会的に問題視されています。

ここでは「違法インターンに入ってしまっているかもしれないが、違法かどうか自信がない」という学生の方に向け、違法インターンのよくあるケースを弁護士がまとめました。

ベンチャー精神を強いる違法インターン

「起業」「ベンチャー」がブームとなり、「学生のうちに起業し、将来は上場して億万長者」と夢見る学生も少なくないのではないでしょうか。

ベンチャー起業して成功することが素晴らしいのは否定しませんが、あこがれが強くなりすぎる学生の中には、無給の違法インターンの「カモ」になってしまう人もいます。

ベンチャー精神を理由に、「無給で貢献するのは当然」「成果を出してからでないと給与の話はしてはいけない」という会社があります。責任感の強い学生ほど、ベンチャー精神の強要に共感してしまうことがあります。

しかし、「最低限の補償すら与えられていない」という点と、「無給の貢献により会社が不当に得をしている」という点において、ベンチャー精神の押し付けは、違法インターンを正当化する理由にはなりません。

無給の労働力とされる違法インターン

「労働」とは、会社に雇用され、その指揮命令下に置かれることです。会社の指揮命令下に置かれる時間は、「労働時間」と評価され、労働基準法(労基法)によって賃金をもらうことのできる時間とされています。

この点で、無給インターンを適法に運用するためには、「労働」させるのではなく、単に「見学」「体験」させるにとどめておく必要があります。会社の指揮命令下に置かれているのに無給であれば、違法インターンの可能性が高いです。

インターンで労働をさせられる場合に、無償、無給であれば違法インターンであるといってよく、賃金を請求できます。そして、請求できる給与の金額は「最低賃金法」に定められた最低賃金以上の金額となります。

長時間労働を強要する違法インターン

「インターンが『労働』にあたるか」という問題で、重要な判断基準となるのが「労働時間」の問題です。

政府が主導する「働き方改革」でも「違法な長時間労働の是正」が問題視されているように、度を越した長時間労働は違法です。違法な長時間労働の結果、病気になってしまったり、亡くなったりしてしまえば、会社に責任があることは明らかです。

長時間労働が許されないことは無給インターンであればなおさらです。

学生のやる気に付け込み、「社会人なら、長時間労働は当たり前」という雰囲気を作り、学生を酷使するブラック企業に従う必要はありません。

無理なノルマを課す違法インターン

インターン生を「労働力」として見てはいけないことは、「時間」「お金(給与)」の問題だけに限りません。

「貢献」という意味でも、インターン生に対して多くのことを求めることは、すなわち、学生インターンを「労働力」とみる違法インターンに繋がる考え方です。

厳しいノルマを課し、事実上、無償・無給の長時間労働を強制するようなインターンは、「違法インターン」です。無給インターンであれば、「労働力としての貢献」を求めることは不適切ですから、「ノルマ」を課すことも不適切です。

適法なインターンの例

違法インターンの例を列挙しました。しかし「労働をさせながら無給のインターンは違法」というのであって、全てのインターンが違法というわけではありません。

逆に言うと、「労働をさせないインターン」や「有給のインターン」は、適法なインターンとなる余地が十分にあります。

適法な「短期インターン」

短期間のインターンシップも実際に多く行われており、無償、無給のインターンも数多く存在しています。

しかし、労働をさせないインターンである限りは、無給インターンでも違法とはいえません。例えば、次のような短期間限定で行われる無給、無償のインターンは、適法なインターンです。

適法な短期インターンの例

  • サマーインターン
  • ウィンターインターン
  • 1Dayインターン
  • 1Weekインターン
  • プロジェクト限定のインターン
  • 企業ワークショップ

会社側から見ても、1Dayインターン、1Weekインターンの学生を「労働力」として見ることは難しいです。業務を行わせ、会社に貢献させることは目的でなく、むしろ、会社を知ってもらい、将来応募してもらうことに主眼がある場合がほとんどです。

中には「インターン」という名称でありながら、就職説明会程度の内容のものもあります。

したがって、インターン期間が短ければ短いほど、インターンをする学生に対する報酬、賃金は、無給、無償であることが多いといえます。

短期インターンで行われる活動は、「労働」というよりむしろインターンの本来の目的である「体験」「経験」がメインであり、将来その会社に勤務したいかどうかを決めるための機会として用意されていることがほとんどです。そのような適法な短期インターンで行われる活動は、例えば次のようなものです。

適法な短期インターンで行われる活動

  • 社員が業務を行う姿を、見学するだけの短期インターン
  • 通常業務とは全く異なる「課題」を与えられる短期インターン
  • 模擬ケースに即した業務の体験を行う短期インターン
  • 会社の売上に全く関係しない活動だけを行う短期インターン
  • 会社の業務説明会や社内見学をメインにした短期インターン
  • セミナールームなど社員とは別の場所で課題を行う短期インターン

適法な「有給インターン」

短期・無給のインターンは合法となる可能性が高いと解説しましたが、一方で、長期インターンであっても適法なインターンはあります。「長期インターンだから」という理由ですべてのインターンが違法となるわけでもありません。

長期インターンの中に、一部、会社が「タダ働き」をもくろむ悪質な意図のある「違法インターン」があるというだけで、適法な長期インターンも当然存在します。

適法な長期インターンは、「体験」「経験」を目的にするというより、むしろ、アルバイトに近い感覚の業務です。

有給の長期インターンでは、給料をもらうことができることから、「会社の本来の業務を、会社の指揮命令下で、業務命令にしたがって遂行する」という内容でも違法とはなりません。また、給与が払われるため、労働時間を指定されれば、これに従う必要があります。

なお、有給のインターンの場合でも、「違法な長時間労働」「最低賃金以下の低賃金」は違法となります。

違法インターン(無給インターン)をすべきでない理由

「インターン」と聞くと、学生のうちから社会人としての経験、職業体験が得られる「非常に有意義なもの」というイメージがあります。しかしそれは、適法なインターンの場合にはじめて成り立つことです。

先ほど紹介した適法なインターン、すなわち、適法な「短期インターン」や適法な「有給インターン」であれば、ぜひ参加して経験を積むべきです。しかし、長期インターン、かつ、無給・無償であり、低賃金のアルバイトとしてコキ使われる違法インターンに加担すべきではありません。

しかし、会社の経営者は、インターン生より年長で、社会経験も豊富です。

ベンチャー精神などを振りかざし、「インターンの有用性」を解かれると、勘違いしてしまう学生も多いかもしれません。そこで、違法インターンに参加すべきでない理由について、弁護士が解説します。

ブラック企業の可能性大

今回の解説をお読み頂ければわかるとおり、長期、かつ無償・無給のインターンは、「違法インターン」の可能性が高いです。

「違法インターン」を「労働力」として活用し、利益を得ている会社は、社員のことを「コマ」としてしか見ていない可能性があります。インターン生を「安い労働力」「タダ働き」として酷使、疲弊させる意図があります。

そのような「違法インターン」を悪用するブラック企業が、インターン生以外の社員に対しても手厚い保護をするとは考え難いです。

インターン問題以外にも、多くの労働法違反を抱えている可能性が高く、インターンから始まり正社員として入社した場合、残業代未払い、長時間労働、パワハラ、セクハラなど多くの労働問題に悩まされる可能性が高いです。

責任感を持って仕事できない

インターンに参加する学生にとっての大きなメリットは、社会人としての職業体験を得ることにあります。

しかし、社会人として働く場合には、適切な金額の給料をもらい、責任感ある仕事をしなければならないわけですが、このことは「無償」で「タダ働き」させられているのでは身に付きません。

「インターン」という名称のもとに無償、無給でこき使われる経験は、社会人として得ておくべき職業体験とは大きく異なり、結局インターンシップの本来の目的である「体験」「経験」につながりません。

無給では継続しない

学生の立場では、社会人よりも時間が自由であることが多いでしょうが、しかし時間は有限です。

業務を行っているのに給与が得られないというのでは、どれほど貴重な経験ができたとしても、インターンを長く続けることは困難なのではないでしょうか。

長期のインターンシップで、会社の本来の業務を命じられる場合には、すなわち「アルバイト」と類似する状況にあるわけですが、無給、無償であれば、むしろアルバイトをしていた方がよいと考える学生も多いことでしょう。

違法インターンに参加してしまったときの対処法

最後に、万が一あなたが経験したインターンシップが、給与未払い、残業代未払い、長時間労働などの横行する「違法インターン」であった場合、どのように対応したらよいのかについて、弁護士が解説します。違法なインターンは「搾取」でしかありません。正当な権利を勝ち取ることがお勧めです。

違法インターンを放置している会社は、その他の労働問題も多く抱えるブラック企業である可能性が高いといえ、「体験」「経験」を得る必要もありません。

「この先社会人になったとき、インターンシップでのことが影響してしまうのでは?」と不安を感じてしまうかもしれませんが、ブラック企業による違法インターンシップに従う必要はありません。

「労働者」にあたるかを判断する

「違法インターンにあたるかどうか」の判断基準は、次の2つです。

ココがポイント

  • 「労働者」に該当するかどうか
    :労働基準法(労基法)に定められる「労働者」にあたるにもかかわらず無給・無償なのが、違法インターンです。「労働者」にあたるかどうかは、会社(使用者)の指揮命令下にあるかどうかで判断してください。
  • 労働法を遵守しているかどうか
    :「労働者」にあたる場合、労働法が適用されます。そのため、労働法を遵守していない場合には、違法インターンです。「無給」もしくは「最低賃金以下の低賃金」しか払ってもらっていなければ、労働法違反です。

以上の要件からすると、「労働者」にあたらないような、例えば見学や説明会しかないようなインターンの場合、そもそも「違法インターン」とはいえません。

「労働者」と判断されるかどうかは、労働法の専門用語では「労働者性」ともいわれる、難しい法的評価が必要な問題です。

おおまかにいえば、「会社本来の業務を行っているかどうか。」「会社の指揮命令下に置かれているか。」という2要素で判断されます。

インターン中の給与を請求する

「労働者」に該当するにもかかわらず給与が支払われない、ブラック企業による違法なインターンシップであった場合には、「賃金を請求する」という解決方法があります。

最低賃金は、時給をもとに決まっていますから、もし少ないながら給与が支払われている場合には、もらった金額を、働いている時間数で割って、最低賃金を下回っていないかを計算してみてください。「給与はもらっているが、上限がある」という場合も、最低賃金法違反の可能性があります。

無給の場合には、給与の約束がありませんが、契約で決まっていなくても最低賃金の給与は補償されています。

支払われていない賃金(給料)がある場合には、内容証明郵便や労働審判、少額訴訟などの方法によって請求することができます。

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残業代を請求する

更に、給料に加えて、残業代を支払ってもらうことも可能です。

特に、有償かつ長期のインターンシップは、アルバイトと同様であって、給料を支払っていることから必ずしも「違法インターン」ではないものの、残業時間の労働をすれば、残業代請求が可能です。

そこで、残業代の正しい計算方法に基づいて残業代を算出し、この金額が支払われていない場合には、インターンであっても残業代請求をしましょう。

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以上の方法によって、会社に対して違法インターンであることを指摘しても、インターンシップの違法性が継続するような場合、ブラック企業であると考えて間違いないでしょう。

ブラック企業のインターンを経験したとしても、その後その会社に採用、入社することは、労働者にとって幸せとは言い難いことは明らかです。

これ以上違法インターンで疲弊、酷使したり、学生の本来の責務である学業に悪影響が生じたりしないよう、一刻も早く違法インターンから足を洗い、有意義なインターンやアルバイトを探すべきです。

インターンといえども、辞めることは自由ですから、違法、不当な引き留めにだまされず、断固たる決意でインターンを退職しましょう。

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今回は、学生を食い物にし、タダ働きによって疲弊させる「違法インターン」の実態を、弁護士が解説しました。万が一「違法インターン」に入ってしまったときは、今回の解説を参考に対応してください。

適法なインターンは、たとえ無償、無給でも学生生活では得難い経験を得ることができ非常に有意義です。しかし、「違法インターン」に酷使されては、そのようなインターンの目的を達成することはできません。

賃金未払い、残業代未払い、長時間労働、パワハラなどに遭遇し、「違法インターンなのでは?」と疑問に思った方は、労働問題に強い弁護士へ、お気軽に法律相談ください。

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弁護士法人浅野総合法律事務所(東京都中央区銀座)は、代表弁護士浅野英之(日本弁護士連合会・第一東京弁護士会所属)をはじめ弁護士5名が在籍する弁護士法人。 不当解雇、未払残業代、セクハラ、パワハラ、労災など、近年ニュースでも多く報道される労働問題について、「泣き寝入りを許さない」姿勢で、親身に法律相談をお聞きします。 「労働問題弁護士ガイド」は、弁護士法人浅野総合法律事務所が運営し、弁護士が全解説を作成する公式ホームページです。

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