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採用・内定

採用内定の一方的な取り消しは違法!内定取消の対処法と、必要な証拠

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就職活動をし、やっと内定を出してもらって就職活動を終えたにもかかわらず、その内定が後日取り消されたとなると、労働者は非常に大きな損害を被ります。

特に新卒の場合には、内定を出してもらえたことによって、他社の内定をお断りしたり、就職活動を終了したりするのが一般的です。就職活動を終えた後に内定を取り消されてしまうと、もはや就職活動のタイミングを逃してしまいます。

就活生としても、第一希望の会社から内定をもらえれば、その後は採用面接、就職説明会などには参加しないのが普通でしょうし、就職活動を終えるよう会社から要望されることすらあります。

内定取消の後は、今後は新卒資格を失い、新たに中途採用への応募をすることになるでしょうが、就職活動での不利は免れません。

内定、内々定は、入社して就労してはいないものの、一定の時期以降は、「既に雇用関係が成立している。」と評価することができ、会社側からの一方的な内定取消は、違法の可能性が高いといえます。

内定取消に対する対処法と、内定取消に関する労働問題を労働審判、訴訟などで争う場合に、必要となる証拠について、弁護士が解説します。

1. 内定、内々定とは?

まず、内定取消の問題について解説する前に、「内定」、「内々定」について説明します。

「内定取消がどのような場合に違法となるのか?」という質問に回答するためには、まず「内定」、「内々定」という言葉について、労働法、裁判例の専門的な定義をしっておかなければなりません。

1.1. 内定=「始期付解約権留保付き労働契約」

まず、「内定取消、内々定取消を、会社が一方的に通知することができるか。」という問題の前提として、内定、内々定の法的性質を考えていきましょう。

一般的には、内定、内々定は、「大学を卒業したら、その会社で働くことができる。」という内容を、会社と労働者が、労働者の在学中に約束することを指します。

しかしながら、労働法的には、内定は、単なる「将来の入社の約束」にとどまるものではありません。この点が、内定取消から労働者を保護するのに非常に重要な部分です。

労働法の判例においては、次の通り、内定は「既に雇用契約を締結した状態である。」とされています。

より専門的にいうと、「始期付解約権留保付労働契約」といいます。

 重要 
  • 「始期付」
    :卒業してはじめて労働することを意味します。
  • 「解約権留保付」
    :内定時以降に明らかになった事実によっては会社側からの解約が許されることを意味します。
  • 「労働契約」
    :「将来の約束」ではなく、既に労働契約が成立していることを意味します。

「内定」の法的性質についての重要な判例においても、次のように判示されています。

大日本印刷事(最高裁昭和54年7月20日判決)
  1. 「企業の求人募集に対する大学卒業予定者の応募は労働契約の申込であり、これに対する企業の採用内定通知は右申込に対する承諾であつて、誓約書の提出とあいまつて、これにより、大学卒業予定者と企業との間に、就労の始期を大学卒業の直後とし、それまでの間誓約書記載の採用内定取消事由に基づく解約権を留保した労働契約が成立したものと認めるのが相当である。」
  2. 「企業の留保解約権に基づく大学卒業予定者の採用内定の取消事由は、採用内定当時知ることができず、また、知ることが期待できないような事実であつて、これを理由として採用内定を取り消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ、社会通念上相当として是認することができるものに限られる。」

労働契約が既に成立しているということは、「労働者としての保護を受けることができる。」ということです。

「将来の約束をしただけ。」というのであれば、その求職者の抱いていた淡い期待が保護されるかどうか、という程度でしょうが、「労働者としての保護」には、労働基準法、労働契約法をはじめとした多くの労働法で、手厚い保護が定められているのです。

1.2. 留保解約権の行使(=内定取消)は制限される

以上の通り、内定は、既に労働契約を締結している状態であって、内定者は、「不当な内定取消」から保護されています。

とはいえ、内定は「解約権留保付き労働契約」と言われるように、一定の条件のもとでは、会社が留保していた解約権を行使することによって、内定を取り消すことができます。

ただし、留保された解約権を行使するためには、次の2つの要件が必要となります。

  • 内定時には明らかとなっていなかった事実を理由とすること
  • 解雇権濫用法理に準じて、客観的に合理的な理由があり、社会通念上の相当性があること

内定時に既に明らかになっていた事情を理由として入社を拒否する場合には、内定自体を与えなければよかったのです。

内定を与えたことによって逆に、他社への就職の機会を奪うといった、労働者に対する大きな不利益を与えることとなり、このような内定取消は許されません。

また、理由もなく、会社の側から一方的に「やはり、内定を取り消したい。」という通知も違法無効となります。

逆に、会社からの内定取消が認められる理由としては、例えば次のようなものです。

 例 
  • 就職に欠くことのできない資格を取得することができなかった。
  • 大学を卒業することができなかった。
  • 採用面接における虚偽の申告、経歴詐称が発覚した。
  • 解雇事由に相当する重大な非違行為を行った(犯罪による逮捕など)。

労働者(あなた)の内定取消をされた理由が、以上で説明したような「仕方ない。」という理由でない限り、内定取消をした会社に対して、「内定の有効性」を争っていくことを検討してください。

2. 「内定」成立と認められるには?

「内定」に対する法律、裁判例における保護は、非常に強いということを理解いただけたでしょうか。

「内定」が成立したと認められれば、雇用契約が締結されたこととなり、これ以降、解雇権濫用法理が適用されることとなる結果、一定の要件を備えた例外的な場合以外には、内定取消は制限されるわけです。

したがって、「内定」の保護を受けるかどうか、すなわち、「内定」があったと評価できる状態とはどのような段階であるか、が重要となってきます。

2.1. 「内定通知書」の存在は必須ではない

多くの企業における内定の実務において、内定を出す際には、「内定通知書」を労働者に対して交付することが一般的です。

ただし、労働法上の保護を受ける「内定」とは、必ずしも内定通知書が存在する場合だけに限りません。

口頭で「内定を出します。」と労働者に対して通知した場合を含め、採用面接やその前後の事情を総合的に考慮し、内定といえる状況にあるかどうかを判断します。

したがって、客観的な証拠が存在しなければ、後日、労働審判や訴訟で「内定」の有無が問題となったときに、労働者に不利な結論となりかねません。

法的に保護される「内定」の段階にあることについては、労働者側で立証する必要があるためです。

2.2. 内定成立を証明する証拠を収集する

会社が、いざ労働審判、訴訟などで内定取消について争われた際に、「そもそも内定を出した事実はない。」と反論してくる場合があります。

特に、「内定通知書」などの客観的な証拠が存在しない場合、会社は、「内定はまだ成立していなかった。」と主張してくるケースが非常に多いです。

このようなケースでも、実際には、採用面接段階で、優秀な労働者を入社させるために、労働者(あなた)を期待させるような発言、行為、行動が行われていることも少なくありません。

会社の理不尽な反論を許さないため、労働者の側で、内定を証明するため、次のような証拠を収集しておく必要があります。

 例 
  • 内定通知書
  • 「内定」「入社を約束する。」旨の会社の発言の録音・録画
  • 当時の労働者自身の日記
  • 会社から送付された、入社を前提とした手続書類

裁判では、証拠がない場合には、立証責任のある側に不利に判断される可能性が高くなります。

「内定を受けたこと。」「内定の取消を受けたこと。」については、内定取消の責任を追及する労働者側に立証責任がありますから、事前準備が不可欠です。

3. 内定取消を受けた直後の適切な対応

内定が成立しているにもかかわらず、会社の一方的な都合で内定を取り消すことはできません。内定を取り消すためには、よほどの理由が必要であるということです。

とはいえ、内定取消に固執する会社と戦っていくためには、労働者側でも適切な対応を行う必要があります。

内定取消を争う場合には、労働審判や裁判など、法的手続によることになりますが、まずは内定取消を受けた直後の対応が重要です。お悩みの際は、労働問題に強い弁護士へご相談ください。

3.1. 内定取消を受けたことと、その理由を明らかにする

労働者(あなた)が使用者(会社)に対し、内定取消に関する会社の責任を追及するためには、そもそも「労働者が内定取消を受けたこと」を証明しなければなりません。

会社が、いざ労働審判、訴訟などで内定取消を争われた際に、次のような反論を許さないための証拠収集をしなければなりません。

 例 
  • 「内定取消をした事実はない。」
  • 「労働者の側から内定を辞退してきた。」
  • 「退職に同意していた。」

「内定が成立していなかった。」という反論が認められず、内定成立は明らかであるケースでは、会社は、このような反論を「次善の策」として準備してきます。

まず第一に、内定取消を受けた場合には、「内定取消通知書」などの書面による通知を求めましょう。

内定取消を行う会社側の理由を、書面で明確に示してもらうとよいでしょう。

内定取消を争う場合には、「その理由では内定取消は違法である。」と主張することとなります。そのため、不当解雇のトラブルと同様、内定取消の直後に、会社側の言い分(取消理由)を確認しておく必要があります。

3.2. 内容証明で内定取消の撤回を要求する

内定取消の事実を証明する証拠を収集し、その取消理由が明らかになったら、早急に、内定取消を撤回するよう会社に書面で請求します。

この際には、内容証明郵便で送付し、送付日時と送付内容を証拠化しておくようにします。

内定取消理由が明らかになっていない場合には、理由の開示もあわせて、内容証明で求めるようにしてください。

「内定」は雇用契約の成立を意味しており、内定取消は「解雇」と同じですから、その理由の開示は、解雇理由と同様、労働基準法の次の条文を活用することができます。

労働基準法22条

第22条(退職時等の証明)  

  1. 労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。
  2. 労働者が、第20条第1項の解雇の予告がされた日から退職の日までの間において、当該解雇の理由について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。ただし、解雇の予告がされた日以後に労働者が当該解雇以外の事由により退職した場合においては、使用者は、当該退職の日以後、これを交付することを要しない。
  3. 前2項の証明書には、労働者の請求しない事項を記入してはならない。
  4. 使用者は、あらかじめ第三者と謀り、労働者の就業を妨げることを目的として、労働者の国籍、信条、社会的身分若しくは労働組合運動に関する通信をし、又は第1項及び第2項の証明書に秘密の記号を記入してはならない。

できる限り早く撤回請求を行わなければ、会社の側から「労働者も、内定取消に同意していた。」という反論を許しかねません。

そのため、内定取消の撤回請求は、内定取消の意思表示を受け取ったら即座に行うように心がけましょう。

3.3. 内定取消を前提とした行為を行わない

内定取消を会社から一方的に通知されたからといって、これを前提とした行為を労働者側が行うのでは、やはり「内定取消を受け入れていた。」と評価される危険があります。

具体的には、内定があったことを前提として行動すべきです。

この点、弁護士が会社に送付する内定取消の撤回請求では、今後の入社に向けた手続について、会社の指示を仰ぐ旨の記載を必ず行います。

これにより、「何らの指示もなかった結果、入社への手続を行っていなかった。」と労働者が事後的に主張できるのであって、会社側から、「内定があったと主張しているくせに、入社に向けた手続を全く行っていない。」「これは内定取消を受け入れたに等しい。」という反論を防ぐことに繋がります。

3.4. 労働審判で地位確認請求をする

内容証明をはじめとした、話し合い(任意交渉)によっても、内定取消が撤回されず、円満解決が見込めない場合には、労働審判を申し立てることとなります。

労働審判における申立て内容は、「内定があったことを前提に、入社して社員の地位にあることを確認する。」という内容となります。

いわゆる、「地位確認請求」という請求になります。

また、労働者であることを確認する請求ですので、合わせて、労働者として入社すれば支払われることが内定で約束されていた賃金についても、合わせて支払請求をすることとなります。

4. まとめ

内定が成立しているにもかかわらず、何ら理由なく一方的に内定取消することは違法です。

しかし、「内定取消は無効」という労働者に有利な解決を勝ち取るためには、「内定が成立しているか?」「内定が無効となる証拠があるか?」といった、多くの法律知識を知らなければいけません。

労働審判、裁判で内定取消の無効を主張し、地位確認を請求する場合には、労働問題に強い弁護士の協力が必須です。内定を受けた時点から、適切な証拠収集が必要となってきます。

入社できないことが明らかになってから弁護士へ相談に来た結果、「そもそも内定が成立しているかどうかが微妙です。」というアドバイスを受け、労働審判まで進むことができないケースもあります。

内定取消によるトラブルが予想される場合には、早期の段階で弁護士にご相談ください。

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