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卒業できなかったら内定取消?!内定取消は無効?損害賠償請求できる?

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苦労をした就職活動の末に、内定を取得し、あとは卒業旅行やアルバイト三昧・・・と甘くみていた結果、単位をとれずに留年、卒業失敗となってしまう学生が、毎年でてきます。

せっかく内定を取得したのに、卒業できない場合には、その内定は取り消されてしまうのでしょうか。会社が学生の内定を一方的に取り消した場合、その内定取消は無効ではないのでしょうか。

もし、企業による「内定取消」が違法な場合には、学生はその会社に入社することができますし、損害賠償や慰謝料を請求できることになります。

「内定」に過ぎず、まだ入社していないとしても、日本の労働法は、労働者である学生を一定程度保護しているからです。

今回は、「卒業できなかったら内定取消でも仕方ないのですか?」という、内定を得た学生の素朴な疑問に、労働問題に強い弁護士が解説します。

1. 「内定」「内定取消」とは?

まず、卒業ができなかった場合の内定取消の有効性について知る前に、「内定」「内定取消」という用語が、労働法で法律的にどのように考えるべきものであるのかについて、理解しておきましょう。

特に、新卒採用の場合には、内定は一定の時期以降にしか出すことができないものとされていますが、中途採用の場合、会社と学生との意思が合致すれば内定と評価される可能性が高いです。

「いつ内定があったのか。」、また、「内定があったのか、なかったのか。」も、労働トラブルの大きな火種となるからです。

1.1. 始期付解約権留保労働契約

みなさまがよく使う「内定」という用語は、法律用語では、「始期付解約権留保労働契約」であると考えられています。これは、口頭での内定の合意であっても、内定書を交付する場合であっても同じです。

このことは、最高裁の判例で認められた解釈です。

「始期付解約権留保労働契約」とは、具体的には、次の3つのことを意味しています。

① 始期付き

内定が「始期付き」であるということの意味は、内定を取得したときにすぐに働き始めなければならないわけではなく、実際に働き始めるのは、卒業し、入社した後であるということです。

つまり、「始期」より前には、内定を取得していても、労働契約としての効果は生じないということです。

② 解約権留保付き

内定が「解約権留保付き」であるということの意味は、内定を取得したとしても、一定の解約理由にあてはまる場合には、会社側が内定を取り消すことができるということです。

つまり、学生は、内定を取得したとしても、一定の理由があれば、内定をはく奪されてしまうかもしれないということです。逆にいえば、内定取消が認められるような理由がなければ、会社は一方的に内定を取り消すことはできません。

③ 労働契約

内定が「労働契約」であるということの意味は、内定を取得した段階で、既に会社と学生との間には労働契約が成立しているということです。

つまり、「内定」は、将来労働契約がされるという意味の予約ではなく、もはやすでに労働契約そのものであると考えられています。

1.2. 内定は取り消すことができる

内定は、法律上、「労働契約」がすでに成立しているものとして取り扱われます。

日本では、「解雇権濫用法理」というルールがあり、会社が一方的に労働契約を解約することは、とても狭く制限されていますから、「内定」もまた、いつでも、どのような理由でも取り消すことができるわけではありません。

しかし、内定は、「解約権留保付き」であるため、一定の理由があれば、会社もまた、内定を取り消すことができるのです。

「内定取消」は、労働法では、労働契約の解約であり、「解雇」と同様です。したがって、労働契約法にしたがって、「客観的に合理的な理由」と「社会通念上相当である」と認められない限り、その内定取消は無効となります。

特に、新卒採用の学生の場合には、「新卒」という価値を失うこととなるわけですから、よほどの理由がない限り、「内定取消」は無効であり、入社と損害賠償を求めて争うことができるわけです。

2. 卒業できなかったら内定取消?

ここまでお読みいただければ、「内定」が、採用内定者、特に新卒の学生にとって、労働法によるとても強い保護を受けることのできるものであることが、ご理解いただけたのではないでしょうか。

したがって、よほどの理由のない限り、会社から一方的に内定の取消をされることは認められず、違法となる可能性が高いといえます。

会社が行う内定取消の理由の中には、「経歴詐称」、「学歴詐称」、「犯罪行為」、「経営悪化など企業側の理由」など、さまざまな理由がありますが、「卒業失敗」や「留年」の場合に、はたして内定は守られるのでしょうか、労働問題に強い弁護士が解説していきます。

2.1. 「新卒」対象の求人かどうか

新卒採用の場合には、「内定」を受けることの前提として、「大卒」、「高卒」など、一定の学歴をもっていることが前提となっていることが多いのではないでしょうか。

「大卒」を対象とした求人であるにもかかわらず、大学を卒業することができなければ、内定取消の理由となってもしかたありません。

これに対して、「内定」の前提として、新卒であることを前提としていないような場合には、卒業ができなかったとしても、内定取消とはならないケースもあります。このことは、中途採用者の内定のことを考えていただければ明らかでしょう。

2.2. 十分な説明を受けたかどうか

内定を取り消すだけの十分な理由があったとしても、会社は労働者に対して、内定取消の理由を、きちんと説明する必要があります。

内定を受けた採用内定者としても、会社にきちんと内定取消の理由について説明を求めた上で、なんとか卒業まで内定を待ってもらう方法がないかどうか、お願いする機会ともなります。

2.3. 内定取消を回避できないか

最後に、新卒採用の場合に、採用・内定の大前提となっている学歴を卒業することができなかった場合、法的には内定取消となることは仕方がないとしても、社長や人事の方との話し合いで、内定取消を回避できないかどうか、努力をしてみてください。

例えば、単位を取得するのに必要な分の通学だけを、有給休暇などを活用して行い、入社して働くといった方法も、会社によっては柔軟に対応してくれるケースもないわけではありません。

3. 留年を理由に内定取消を受けてしまったら?

内定が保護されているとはいえ、一定の場合には、会社からの内定取消を受け入れざるを得ないといえます。

とはいえ、せっかく苦労して勝ち取った内定ですから、できる限り守りたいと思う採用内定者がほとんどなのではないでしょうか。

そこで、違法、無効な内定取消を受けてしまったケースに備えて、内定取消を受けてしまった新卒内定者が、どのように対応すればよいのかを、弁護士が解説していきます。

3.1. 卒業を待ってもらえないか

卒業できず留年してしまったことを理由として内定取消を受けてしまったとしても、争う前に、今一度とどまって考えていただきたいことがあります。それが、「卒業まで入社を待ってはもらえないのか?」ということです。

卒業単位が不足して留年してしまったとしても、あなたにどうしても入社してほしいと考える会社であれば、卒業できるまで、内定を出したまま待ってくれる会社も少なくないからです。

このような場合、内定取消を前提として、弁護士に依頼して会社と争う態度を明らかにすれば、その会社に内定を待ってもらうことは、もはや困難であることは言うまでもありません。

したがって、まずは違法な内定取消を法的に争う前に、なんとか卒業をして入社できないかどうか、会社の人事の方や社長と、交渉、話し合いを行うのがよいでしょう。

3.2. 労働審判で内定取消を争う?

卒業できるまで待ってほしいと交渉しても、単位を何度数えなおしても、どうしても卒業できず、入社も絶望的といった場合、内定取消が違法であれば、労働審判で争うという手があります。

この場合には、内定取消が違法であったとしても、入社前に一度争った会社に、その後入社して働き続けるのは難しいでしょうから、一定の和解金をもらって和解し、他の会社を探すことが多いでしょう。

また、違法な内定取消を争ったケースでは、これに加えて、損害賠償、慰謝料などを請求し、認められているケースもあります。

とはいえ、単位が不足し、卒業ができないケースでは、内定取消の原因は採用内定者側にあるため、労働審判で内定取消の違法性を認めてもらうことは困難です。

4. 内定取消を争うための準備

最後に、違法な内定取消を受けてしまったときに備えて、内定取消を争うための準備について、弁護士が解説します。

いざ、内定を取り消されてしまった後になって、「内定を受けたときに準備をしておけば・・・」と嘆いても、もはや準備が遅いと言わざるを得ません。

4.1. 「内定」の証拠を残す

「内定を取得した」という事実は、労働審判や訴訟などで内定取消の違法性を争うケースでは、労働者の側で証明しなければなりません。

つまり、会社が、「内定を与えたことはない。」と反論してきたときは、労働者側が、「内定」の証拠を示さなければならないというわけです。

「内定」の証拠は、「内定通知書」などの書面があればよいですが、書面によって内定を示される前に取り消されてしまった場合や、口頭の「内定」の約束しか得ていなかった場合であっても、あきらめる必要はありません。

「内定」を労働者の側で証明できるようにしておくためにも、会社の人事担当者などとの間のメール、LINE、電話の録音など、「内定」と評価できる証拠を残す努力をしてください。

また、会社とのやり取りの中では、面接で口頭にて「内定」を得た場合には、「本日は内定をいただき、ありがとうございました。」などと記載して、内定の証拠となるように準備しましょう。

4.2. 自分から内定辞退しない

会社が一方的に違法な内定取消をしてきた場合であっても、採用内定者の方が内定取消を認めてしまったら、それ以上争うことはなかなか難しくなってしまいます。

内定取消を受け、「こんな会社では働きたくない。」と考えたとしても、どうせ退職するにしても、損害賠償請求、慰謝料請求などができるケースも少なくありません。

今後、弁護士などに依頼をして争う可能性が少しでもあるのであれば、会社の一方的な内定取消を認めたり、自分から内定辞退したりといった行動は、ひとまず控えておいたほうがよいでしょう。

4.3. 労働問題に強い弁護士に相談する

内定取消の理由を会社から説明を受けても、どうしても納得ができない場合には、まずは労働問題に強い弁護士までご相談ください。

その内定取消が違法なものであるかどうか、ケースに応じたアドバイスを差し上げるとともに、違法となる可能性の高い内定取消については、労働審判や訴訟などで争うためのサポートをすることができます。

5. まとめ

今回は、卒業ができず、留年してしまったという採用内定者の方に向けて、内定取消は違法となるのかどうか、争う場合の準備などについて、弁護士が解説しました。

内定取消を受けてしまい、「違法なのではないか?」と疑問、不安をお持ちの労働者の方は、労働問題に強い弁護士に、お気軽に法律相談ください。

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