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浅野 英之
弁護士
弁護士(第一東京弁護士会所属、登録番号44844)。東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。

企業側の労働問題を扱う石嵜・山中総合法律事務所、労働者側の法律問題を扱う事務所の労働部門リーダーを経て、弁護士法人浅野総合法律事務所を設立。

不当解雇、未払残業代、セクハラ、パワハラ、労災など、注目を集める労働問題について、「泣き寝入りを許さない」姿勢で、親身に法律相談をお聞きします。

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不当解雇の慰謝料とは?認められる要件と金額の相場、裁判例の傾向を解説

不当解雇の慰謝料は、解雇による精神的苦痛に対する補償のことです。

解雇が無効とされるケースの中でも、特に悪質である場合、慰謝料を請求することができます。例えば、報復や嫌がらせ目的の解雇などが典型例です。ただし、不当解雇として違法・無効であっても、必ずしも慰謝料が認められるわけではありません。

少なくとも、解雇期間中の賃金(バックペイ)だけでは補填できないほど大きな精神的苦痛を証明する必要があります。裁判例でも、慰謝料が認められるケースとそうでないケースがあります。その相場は10万円〜50万円程度の低額であることが多いですが、深刻な場合は100万円を超える例もあります。増額するには、不当解雇の違法性が強いことを示す証拠の準備が欠かせません。

今回は、不当解雇の慰謝料が認められる要件と金額の相場について、裁判例の傾向も踏まえ、労働問題に強い弁護士が解説します。

この解説のポイント
  • 不当解雇の慰謝料は、解雇による精神的な苦痛を補償するための金銭
  • 実務的には、慰謝料は、解雇が相当悪質なケースに限って認められる
  • 不当解雇の慰謝料の相場は10万円〜100万円が目安で、事情により増減する

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解説の執筆者

弁護士 浅野英之

弁護士(第一東京弁護士会所属、登録番号44844)。東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。

企業側の労働問題を扱う石嵜・山中総合法律事務所、労働者側の法律問題を扱う事務所の労働部門リーダーを経て、弁護士法人浅野総合法律事務所を設立。

不当解雇、未払残業代、セクハラ、パワハラ、労災など、注目を集める労働問題について、「泣き寝入りを許さない」姿勢で、親身に法律相談をお聞きします。

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不当解雇の慰謝料とは

不当解雇とは、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当といえない解雇を指します。

労働契約法16条において、解雇が有効と認められるには「客観的に合理的な理由」と「社会通念上の相当性」が求められ、これらを満たさない場合、不当解雇として違法・無効とされます。

例えば、明確な理由なく突然解雇されたり、社長とのトラブルや不正の告発を理由に解雇されたりするケースは、不当解雇の典型例です。そして、不当解雇における慰謝料は、こうした違法な解雇によって労働者が受けた精神的苦痛に対する損害賠償を意味します。

不当解雇でも慰謝料の請求は難しい

不当解雇として違法・無効となっても、慰謝料請求はできないのが原則です。

解雇による経済的損失は、労働者としての地位の確認と未払賃金(バックペイ)で補填されると考えられています。そのため、慰謝料は、使用者(会社)に積極的な加害目的があったり、解雇の態様が著しく不当であったりといった場合に、例外的にしか認められません。

したがって、解雇が無効とされれば、労働契約は継続しているものと扱われ、解雇期間中の賃金を請求することができます。これによって経済的損失を回復できるため、さらに慰謝料まで認められるのは、違法性が強い例外的なケースに限られます。

なお、慰謝料請求が認められるケースは、「不当解雇の慰謝料が認められるケースの具体例」で後述します。

解雇の意味と法的ルール」の解説

慰謝料とバックペイの違い

不当解雇における金銭請求のうち、慰謝料とバックペイを区別しなければなりません。

バックペイとは、解雇が無効である場合に、賃金請求権に基づいて、本来受け取れたはずの給与の支払いを求めることを意味し、不当解雇をめぐるトラブルにおける主要な請求となります。これに対し、慰謝料は、不法行為に基づく損害賠償であり、精神的苦痛に対する補償を意味します。不法行為に基づく財産以外の損害の賠償を定める民法710条が根拠となります。

したがって、バックペイは失われた収入の回復、慰謝料は精神的苦痛の補償であり、役割が全く異なります。

不当解雇の慰謝料請求が認められる要件

不当解雇の慰謝料請求は、不法行為を法的な根拠とします。そのため、慰謝料請求が認められるには、不法行為の要件を満たす必要があります。

具体的には、①故意又は過失により、②権利又は法律上保護される利益を侵害し、③損害が発生しており、かつ、④不法行為と損害の間に因果関係があることが必要です。これらの要件は、慰謝料請求を行う労働者側が主張し、証拠によって立証しなければなりません。

ただし、前述の通り、未払賃金(バックペイ)の支払いによっても回復できないほどの精神的苦痛が認められる場合に限り、例外的に慰謝料が認められることに注意してください。

不当解雇に強い弁護士への相談方法」の解説

不当解雇の慰謝料が認められるケースの具体例

不当解雇の慰謝料は、悪質なケースで例外的に認められることを解説しました。

では、どのような場合に慰謝料が認められるのでしょうか。実際に不当解雇をされた場合に慰謝料請求すべきかどうかを判断するため、以下の具体例を参考にしてください。なお、「不当解雇かどうか微妙である」「労働者にも一定の非がある」といったケースでは、慰謝料は認められません。

著しく不当・悪質な解雇

解雇が著しく不当な態様であり、悪質性が高い場合、慰謝料が認められます。会社の動機・態様の両面から検討することができ、例えば、次のケースが該当します。

  • 解雇事由に該当しないことを認識しながら解雇を強行した。
  • 虚偽の理由をでっち上げて解雇した。
  • 調査を行わず、労働者の弁明を一切聴取せずに懲戒解雇した。
  • 内部告発への報復として解雇した。
  • 労働組合活動を嫌悪して解雇した。

こうした解雇は、単なる判断の誤りではなく、会社の対応が明らかに不合理で、社会通念上到底許されないレベルに達していると考えることができます。

嫌がらせや名誉毀損に該当する解雇

解雇による精神的苦痛が甚大である場合、慰謝料を請求できることがあります。例えば、次のケースでは、嫌がらせや名誉毀損による精神的苦痛が認められます。

  • 拒否しているのに執拗な退職強要を繰り返した。
  • 解雇通知のために欠勤中の労働者の自宅を訪問した。
  • 解雇した旨の通知を社内に掲示した。
  • 解雇した事実やその理由を取引先に書面で通知した。
  • 産休・育休などの法律上の権利行使を理由に解雇した。

解雇のタイミングで並行してセクハラ・パワハラなどのハラスメントが行われていた場合、その慰謝料を合わせて請求することも可能です。

不当な動機に基づく解雇

不当解雇の違法性は、会社の動機や目的からも判断することができます。例えば、次のような不当な動機に基づく解雇の違法性は強く、慰謝料請求が認められます。

  • 職場いじめによって無理やり退職させようとした。
  • 妊娠していることを認識しながら強硬に解雇した。
  • 労働局への相談を嫌悪して解雇した。

こうした会社側の動機や目的を精査するために、速やかに解雇理由証明書を取得して理由を把握することが大切です。

解雇されたらやること」の解説

不当解雇の慰謝料の相場と裁判例の傾向

次に、不当解雇の慰謝料の相場について、裁判例を踏まえて解説します。

不当解雇の慰謝料の相場

不当解雇の慰謝料の相場は、10万円〜100万円が目安とされます。

前述の通り、慰謝料が請求できるのは不当解雇の中でも悪質なケースに限られており、かつ、解雇期間中の未払賃金(バックペイ)で回復できない精神的苦痛を例外的に補償するものであるため、さほど高額にならないケースが多い傾向にあります。

慰謝料額を増減する要素

上記の相場はあくまで一般論であり、個別の事情に応じて慰謝料額は増減します。具体的な請求金額を決定するにあたり、以下の考慮要素を参考にしてください。

  • 解雇の違法性・悪質性
    解雇理由の不存在や虚偽、嫌がらせ目的などがある場合は高額化しやすくなります。
  • 解雇に至る経緯・態様
    解雇予告義務違反、説明不足、弁明機会がないといった手続的に不公正があると、評価が厳しくなる傾向にあります。
  • 人格的利益の侵害の程度
    解雇に伴い、名誉毀損やハラスメント、人格否定発言などがあった場合、精神的苦痛が大きいとして増額要素となり得ます。
  • 労働者の属性や影響の大きさ
    勤続年数が長い、高年齢であるなど、再就職が困難であると考えられる場合、その影響の大きさから、慰謝料が増額されることがあります。また、違法な解雇によってうつ病や適応障害などの健康被害が生じていることも考慮されます。
  • 不当解雇の事後対応
    不当解雇の可能性がある場合に、解雇後であっても説明を尽くしたか、謝罪をしたかなど、事後の真摯な対応の有無も評価に影響します。

不当解雇の慰謝料は、まずは交渉によって、労使の話し合いで決まるため、相場と考慮要素を知ることが、適正な補償を受けるために重要となります。

慰謝料が認められた裁判例の傾向

実際の裁判例で、どのような事案でいくらの慰謝料が認められたのかを紹介します。

長野地裁平成24年12月21日判決(アールエフ事件)

社長に対する批判的な発言をきっかけに配転され、その後に解雇された事案です。

裁判所は、社長の意に沿わない者の排除を目的とした不当解雇であり、精神的圧迫の執拗さ、陰湿さ、悪質さからして、会社ぐるみの退職強要としても類を見ないもので、労働者の精神的苦痛は筆舌に尽くしがたいとし、慰謝料100万円を認めました。

東京地裁平成23年9月21日判決(ジェイ・ウォルター・トンプソン・ジャパン事件)

労働者の勝訴判決が確定後も2年間出勤を許さず、再び解雇した事案です。裁判所は、一連の行為が不法行為を構成するとし、労働者が専業主婦の妻と幼い双子の児童を抱えている点も考慮して著しい精神的苦痛を被ったと判断し、慰謝料30万円を認めました。

東京地裁平成18年11月29日判決(東京自転車健康保険組合事件)

退職金規程の改定や健康相談室の廃止といった会社の施策に反対し、外部機関に相談したことを理由に解雇が強硬された事案です。労働者の妊娠を知りながら解雇の撤回を拒否したといった悪質さを加味し、慰謝料100万円の支払いを命じました。

大阪地裁平成18年10月26日判決

新店舗の開店計画を秘密にしたまま、旧店舗の閉店を理由に解雇した事案です。

裁判所は、長年就労してきた労働者に対して虚偽の事実を告げて辞めさせた点で、解雇権の濫用の程度が悪質であると評価し、後日、新店舗の開店を知った労働者の驚きと憤懣は容易に想像できるとし、30万円ないし50万円の慰謝料の支払いを命じました。

千葉地裁平成5年9月24日判決(ノース・ウェスト航空(橋本)事件)

航空機整備士が、乗客用のシャンパンを誤って一回すすり、その後に整備作業を続けたことなどを理由に解雇された事案です。

裁判所は、必要な調査を尽くさないばかりか、行為態様が軽微であるのに退職を働きかけ、自宅待機命令を継続し、解雇に及んだ点は、労働者の権利を違法に侵害するとし、慰謝料100万円の支払いを命じました。

不当解雇の慰謝料が高額になるケース

状況によっては、100万円を超える高額な慰謝料を認めたケースもあります。

以下では、慰謝料が高額になる事案に共通する要素と、その具体例について解説します。なお、解雇による精神的苦痛や企業の対応は、証拠により証明することが大切です。

解雇による精神的苦痛が非常に大きい

解雇による精神的苦痛が大きいほど、認められる慰謝料額は増額されます。

大阪地裁堺支部平成15年6月18日判決(大阪いずみ市民生協(内部告発)事件)では、内部告発への報復として自宅待機を命じ、その後に懲戒解雇した事案で、自宅待機が2年以上続いたこと、懲戒解雇により収入を絶たれたことなどを指摘し、「精神的な苦痛は非常に大きかった」として、140万円ないし150万円の慰謝料を認めました。

企業側の対応が非常に悪質である

企業側の対応が悪質であることを理由に、高額の慰謝料を認めたケースもあります。

大阪地裁平成18年9月15日判決(アイホーム事件)は、行政への提出書類の改ざんを命じられた上に、従業員が不正を主導したとして、その責任として解雇された事案です。裁判所は、会社の違法行為の隠蔽に巻き込んだばかりか、解雇により全責任を押し付けようとする姑息なものであり、責任は軽くないと判断しました。

慰謝料額の算定にあたっては、従業員も業務命令の違法を知りながら関与した点を考慮してもなお、200万円の慰謝料の支払いを命じました。

パワハラの相談窓口」の解説

不当解雇の慰謝料請求の方法と手順

次に、不当解雇の慰謝料を請求する流れについて解説します。

不当解雇の慰謝料請求は、いきなり裁判に進むのではなく、交渉から段階的に進めることが多いです。ただし、慰謝料を請求する事案は、会社も相当悪質で、不誠実な対応をしてくることが予想されるため、訴訟への移行を視野に入れて戦う必要があります。

STEP

内容証明で請求の意思を通知する

まず、慰謝料を請求する意思を内容証明で通知します。

内容証明は、送付日時や書面の内容を、日本郵便が証拠に残してくれる郵便方法です。弁護士名義で送れば、法的手続きも辞さないという強い姿勢を示せます。

STEP

会社と直接交渉を行う

会社が交渉に応じる場合、話し合いでの解決を試みましょう。

ただし、「不当解雇でも慰謝料請求は難しい」のが原則なので、会社が積極的に非を認め、十分な慰謝料を支払ってくれることは稀だと考えるべきです。交渉での早期解決を目指すなら、慰謝料については労働者側が譲歩せざるを得ないことも多いです。

STEP

労働審判を申し立てる

交渉が決裂した場合には、裁判手続きに移行します。

労働審判は、原則3回以内の期日で調停の成立を目指す非公開の手続きで、3〜4ヶ月程度の短期間での解決が見込めます。迅速かつ柔軟な解決を実現し、労働者を保護するための手続きなので、「必ず復職したい」といった希望がない限り、まずは労働審判を申し立てるのがおすすめです。

STEP

解決しない場合は訴訟に移行する

一方で、労働審判で解決しない場合には、訴訟に移行します。

訴訟は、公開の法廷で、主張と証拠を入念に審理して判決を下す手続きであり、解決には半年〜1年半以上の期間がかかります。不当解雇の慰謝料を請求する場合、解雇の悪質性は非常に高いと考えられるため、訴訟を提起すべきケースも少なくありません。

裁判で勝つ方法」の解説

不当解雇の慰謝料請求は弁護士に相談すべき

不当解雇の慰謝料請求は、弁護士に依頼するのがおすすめです。

解雇を争ったり、慰謝料を請求したりすることは、労働者一人でも可能ですが、法律知識や交渉力の不足を補い、話し合いを有利に進めるには、弁護士のサポートが有益です。

解雇に関する法律相談は、早期の段階で行うべきです。解雇直後や、解雇前の退職勧奨の段階で弁護士に相談しておけば、不当な扱いを受けたことを証拠に残し、交渉や裁判手続きで活用できるからです。また、不当解雇に関する相談は、労働問題に精通した弁護士を選ぶべきです。

不当解雇の慰謝料請求のように金銭を請求する事案では、弁護士費用は(旧)日弁連報酬基準を参考に、経済的利益に一定の割合をかけた着手金・報酬金(成功報酬)を設定するのが一般的です。復職を希望する場合は、実現したら固定額の報酬が生じるケースもあります。

前述の通り、不当解雇の慰謝料はさほど高額にならないことも多く、費用倒れを避けるには、初回の無料相談を活用して、弁護士から見通しの説明を受けることが大切です。

労働問題に強い弁護士の選び方」の解説

不当解雇で請求できる慰謝料以外の金銭

次に、不当解雇で請求できる慰謝料以外の金銭についても解説します。

解雇期間中の未払賃金(バックペイ)

不当解雇として違法・無効とされると、労働契約が継続していたものとして扱われ、解雇されていた期間に本来支払われるべき賃金を請求できます。この未払賃金を「バックペイ」と呼び、不当解雇が認められた場合の経済的損失の回復を意味します。

バックペイを受け取るには、就労の意思と能力が前提となるため、解雇通知を受けたら速やかに撤回を求め、就労意思を示してください。なお、他の会社から収入を得ていた場合は、6割の範囲で減給されるとするのが裁判実務です。

解雇予告手当

会社は、労働者を解雇する場合、少なくとも30日前に予告するか、不足する日数分の平均賃金に相当する解雇予告手当を支払う必要があります(労働基準法20条)。この予告または手当の支払いは、解雇の有効性とは別の問題であるため、たとえ解雇が有効でも請求可能です。

解雇予告手当の請求方法」の解説

未払いの残業代や退職金

解雇に至るまでの間に、未払いの残業代や退職金がある場合、あわせて請求しましょう。

未払いの残業代や退職金も、解雇の有効性にかかわらず請求できます。また、支払いが遅れた場合には遅延損害金、悪質な未払い残業代のケースでは付加金の請求も可能です。なお、懲戒解雇をされると、退職金が不支給または減額となることがありますが、勤続の功労を無に帰すほどの非がない限り、一部の支給は認められる傾向にあります。

残業代請求に強い弁護士とは?」「退職金がもらえないケース」の解説

解決金(和解金)

不当解雇を争った結果、解決金(和解金)による解決が選択されることがあります。

解決金は、法的な請求権はないものの、解雇された会社への復帰が現実的に考えにくい労働者にとって、現実的な落としどころとなります。この場合、交渉や労働審判、訴訟の中で、一定の金銭を受け取って退職することを条件に紛争が終結します。解決金の額は、バックペイを踏まえながら、ケースごとの労働者の復職希望の程度、将来の勝算などを考慮して総合的に決められます。

不当解雇の解決金」の解説

不当解雇の慰謝料に関するよくある質問

最後に、不当解雇の慰謝料に関するよくある質問に回答します。

不当解雇の慰謝料に税金はかかる?

不当解雇の慰謝料は、原則として非課税所得とされ、税金はかかりません。

慰謝料は、精神的損害の賠償であり、利益(所得)ではなく損害の回復を目的とするからです。ただし、形式は「慰謝料」でも、実際の損害を大きく上回る金額を受け取った場合などは、超過部分が「一時所得」として課税対象となる可能性があります。

不当解雇の慰謝料に時効はある?

不当解雇の慰謝料は、不法行為を根拠としており、消滅時効が適用されます。

具体的には、不法行為に基づく場合の時効は、損害及び加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害の場合は5年)、不法行為の時から20年となります。解雇そのものが不法行為とされる場合、通常は解雇された時点から時効期間が起算します。

なお、時効の完成を阻止するための手段を講じる必要があるところ、主に用いられる「裁判外の請求」では、内容証明などで行う請求が「催告」の効力を有し、6ヶ月間、時効の完成が猶予されます。

不当解雇の訴えに時効はある?」の解説

【まとめ】不当解雇の慰謝料

弁護士法人浅野総合法律事務所
弁護士法人浅野総合法律事務所

今回は、不当解雇の慰謝料について詳しく解説しました。

不当解雇により大きな精神的苦痛を被った場合、慰謝料の請求が可能です。ただし、「解雇が無効である」というだけで当然に認められるものではなく、違法性が大きく悪質であり、精神的な損害が甚大であることが重視されます。実務的には、解雇の有効性に関するトラブルは、未払賃金(バックペイ)の請求が中心であり、慰謝料はあくまで例外的な位置づけと考えるべきです。

とはいえ、解雇の経緯が悪質であったり、強度のハラスメントを伴ったりするケースでは、有利に解決するためにも慰謝料を請求すべきです。金額についても、個別の事情に応じて判断されるため、証拠をもとに会社の悪質性を主張しましょう。

不当解雇をめぐるトラブルは、初動対応と証拠の確保が非常に重要です。正当な権利を実現するためにも、早い段階で弁護士に相談し、見通しを把握してください。

この解説のポイント
  • 不当解雇の慰謝料は、解雇による精神的な苦痛を補償するための金銭
  • 実務的には、慰謝料は、解雇が相当悪質なケースに限って認められる
  • 不当解雇の慰謝料の相場は10万円〜100万円が目安で、事情により増減する

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