労働問題は、決して一部の人だけに起こる特別なトラブルではありません。
労働問題とは「働くことに関する問題」のことですから、労働者として会社で働く限り、どのような人にでも起こり得る身近な問題です。実際に、残業代が支払われない、突然解雇を告げられる、職場でセクハラやパワハラを受けるといったケースが、多くの企業で発生しています。
一方で、日常的に起こるトラブルでありながら、生活に直結する甚大な被害が生じることがあり、「違法かどうかが分からない」「どう対応すべきか知りたい」と悩む人も多くいます。適切な行動を取らないまま労働問題を放置すると、不利益が拡大してしまうため、具体的な事例ごとに、適した解決策を理解しておく必要があります。
今回は、労働問題とはどのようなものか、その意味や具体的な事例、解決策までを、労働問題に強い弁護士が解説します。
- 労働問題は、労働者の人生に関わる深刻な問題であり、速やかに解決すべき
- 迅速かつ有利に解決するには、交渉・労働審判・訴訟の順で対応する
- 労働問題を弁護士に相談すれば、解決策や対処法のアドバイスを得られる
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労働問題とは

はじめに、労働問題とはどのようなものか、基本的な知識を解説します。
労働問題の意味
労働問題とは、労働者と使用者との間で生じるトラブル全般を指します。
具体的には、残業代の未払い、不当解雇、セクハラやパワハラなどのハラスメントなど、働くことの条件や権利に関わる紛争が該当します。
労働問題は、単なる職場内のトラブルというだけでなく、法律で一定のルールが定められ、労働者の権利が保障されている点で「法律トラブル」の一種です。特に、労働基準法は、働く際に最低限守られるべき基準として、労働時間や賃金、休憩・休日といった重要な権利を定めており、違反する場合、民事的な責任だけでなく刑事罰による制裁も設けられています。
なお、「労働問題」と似た言葉に「労務問題」があり、ほぼ同じ意味で使われますが、「労働問題」は労働者側視点、「労務問題」は企業側視点で使われる傾向があります。
「労働基準法違反」の解説

なぜ労働問題が発生するのか
労働問題が発生してしまうのには、いくつかの原因があります。
労働問題が発生する背景や原因、理由を把握しておけば、トラブルの本質を把握し、問題が悪化する前に防ぐことができます。
労使間の力関係の不均衡
労働問題の最も大きな原因が、労働者と使用者の力関係の差です。
労働関係では、労働者は労務を提供し、企業は賃金を支払う義務があります。この関係では、雇用して給与を支払う企業が強い立場にあり、労働者は不利益な扱いを受けても声を上げにくい状況に置かれます。地位や評価への影響を恐れて指摘しないと、違法な労働環境が見過ごされ、長時間労働やサービス残業といった労働問題の温床となってしまいます。
法律知識の不足
労使の力関係の不均衡を是正するのが、労働関係法令による保護です。
労働基準法、労働組合法、労働関係調整法を「労働三法」と呼びますが、近年は働き方が多様化し、様々な法律が新設されたり改正されたりしています。
労働法に関する理解が、労働者、使用者のいずれにも不足していることが、労働問題をさらに加速させる原因となります。会社が法律を理解しなければ、違法な扱いを防げませんし、労働者も違法性に気付かなければ、不利益を受け続けてしまいます。

労働問題は、知識の有無によって結果が大きく左右される分野であり、日常的な問題だからこそ基本的なルールを理解しておく必要があります。
企業文化や職場の慣習
企業文化や職場の慣習も、労働問題の発生に大きく影響します。
例えば、「長時間労働が当たり前」「社長の言うことは絶対」といった風土のある職場では、違法な働き方が常態化し、文句を言うことが難しくなってしまいます。法令遵守(コンプライアンス)の意識の低い会社では、違反に気付いても是正が行われません。
「労働問題に強い弁護士の選び方」の解説

代表的な労働問題の種類【一覧】

次に、実際に労働問題にどのような種類があるのかを解説します。以下では、職場でよく起こる代表的な労働問題を、一覧で紹介します。
残業代未払い(サービス残業)の問題
残業代未払いは、法定労働時間を超えて働いても割増賃金が支払われない労働問題です。
「サービス残業」と呼ぶこともあり、タイムカードの改ざん、固定残業代や管理監督者性の悪用といった方法で、実労働時間に応じた残業代を支払わないケースは、典型的な労働基準法違反です。未払い残業代には時効(3年)があるため、早急な対応が求められます。
不当解雇のよくある労働問題の例
不当解雇とは、「客観的に合理的な理由」「社会通念上の相当性」を欠く解雇です。
労働契約法16条の定める解雇権濫用法理により、解雇は厳しく制限され、不当解雇は違法・無効となります。例えば、単なる能力不足や小さなミス、上司との感情的な対立などを理由とする解雇は、無効となる可能性が非常に高いです。
明確に「解雇」と言わなくても、執拗な退職勧奨を受けて辞めざるを得ない状況に追い込まれた場合、違法な退職強要となります。
雇止め・契約更新拒否の問題
有期雇用契約で、契約期間の満了をもって更新を拒否することを「雇止め」と呼びます。
期間満了による契約終了は原則として有効ですが、長年更新を繰り返したり、更新を期待する合理的な理由があったりする場合は「雇止め法理」が適用されます。解雇権濫用法理が類推適用される結果、「客観的に合理的な理由」「社会通念上の相当性」がなければ雇止めが無効となります。
また、同じ勤務先で通算5年を超えて更新した場合、労働者が申し出ることで無期雇用契約に転換できるルールもあります。
退職に関するトラブル(辞められない・引き止め)
退職は労働者の自由ですが、会社を辞めるタイミングはしばしば労働問題が起こります。
期間の定めがない社員は、退職の意思表示から2週間経過後、会社の承諾がなくとも雇用契約が終了します(民法627条1項)。しかし、人手不足などの理由で退職届の受理を拒否されたり、執拗な引き止めを受けたりすると、「辞められない」トラブルが起こります。「急に辞めるなら損害賠償を請求する」といった不当な脅しをかけるケースも見られます。
ハラスメント(セクハラ・パワハラなど)の問題
ハラスメントは、働く人の尊厳を傷つけ、職場環境を悪化させる重大な労働問題です。
代表例には、優越的な地位を利用した嫌がらせであるパワハラ(パワーハラスメント)、性的な言動によるセクハラ(セクシュアルハラスメント)があります。これらは単なる人間関係のトラブルではなく、企業の安全配慮義務違反や不法行為責任を問える違法行為です。ハラスメント問題の解決では、証拠が極めて重要で、行為の内容や頻度を記録したメモや録音データなどが役立ちます。
長時間労働と過労の問題
長時間労働は、心身の健康を損なうだけでなく、命にも関わる重大な労働問題です。
厚生労働省の定める過労死ラインは、発症前1ヶ月に100時間、または、2〜6ヶ月平均で月80時間を超える時間外労働とされ、これを超えると、脳・心臓疾患と業務の関連性が強いと判断されます。過重労働が常態化すると、うつ病や適応障害などの精神疾患や、過労死・過労自殺を招く危険もあり、企業には労働者の健康と安全を守る安全配慮義務が課されます。
給与未払いなどの賃金トラブル
給与未払いや賃金トラブルは、労働の対価が適正に支払われない深刻な労働問題です。
採用時に約束した額が支払われない場合のほか、残業代や退職金、賞与などの未払い、最低賃金を下回る違法な給与設定の問題などが含まれます。労働者は、労働契約で約束した未払い分を請求する権利を有しますが、時効(3年)が存在するため、迅速な対応を要します。
有給休暇に関する問題
有給休暇は、労働基準法上の権利であり、心身の疲労回復のために重要な制度です。
労働者が請求した日に取得させるのが原則ですが、実務では取得を拒否されたり、取得理由により差別的な扱いを受けたりする労働問題が見られます。会社が取得時期をずらす「時季変更権」も、「事業の正常な運営を妨げる」という要件を満たす必要があり、有給休暇の取得を理由とした不利益な取り扱いや、年5日を確実に取得させる義務の違反も、違法となります。
配置転換・異動のトラブル
配置転換や異動には企業の広い裁量が認められますが、決して無制限ではありません。
配置転換や異動による労働者の不利益が過大だと、労働問題に発展します。就業規則などに根拠があり、業務上の必要性が認められても、不当な動機や目的がある場合や、労働者に通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせる場合は、権利濫用として無効となります。
特に、育児や介護、家族の病気といった家庭の事情があるケースで、配置転換や異動が不当なものでないかが争いとなります。
労働条件の不利益変更の問題
労働条件の不利益変更とは、会社が従業員の同意なく契約内容を変更することです。
労働契約法では、労働者の同意なく会社が一方的に条件を悪化させることは禁止されており、例外的に就業規則の変更による場合でも、その変更に合理性が必要とされます。例えば、業務上の必要性が大きく、代替措置が講じられているなどの事情が考慮されます。
労災・安全配慮義務違反の問題
企業には、労働者が安全で健康に働けるよう配慮する義務(安全配慮義務)が課せられます。
職場での事故や過重労働による体調悪化、メンタル不調といった労働問題が発生したとき、会社には義務違反があるとみなされ、慰謝料や損害賠償の責任を問われます。また、業務上の災害による傷病・障害・死亡は労災として認定され、労災保険給付の対象となります。
社会保険・労働保険の未加入の問題
公的な保険制度への加入は、一定の条件を満たす場合に課された法律上の義務です。
パートやアルバイトでも対象となることがあり、正社員の4分の3以上の労働時間がある場合などは社会保険への加入が必要です。違反して未加入状態を続けている労働問題もよく見られますが、労働者にとっては生活保障が不十分になってしまう不利益があります。
内定取り消し・採用トラブル
入社後だけでなく、採用選考や内定時のトラブルも、重大な労働問題です。
「内定」により、法的には「始期付解約権留保付労働契約」が締結されるため、内定取り消しには解雇と同じく「客観的に合理的な理由」「社会通念上の相当性」が求められます。業績悪化を理由として取り消す場合、整理解雇に準じた要件を満たさなければ違法です。試用期間中の解雇や本採用拒否も、通常の解雇よりは裁量が広いものの、無制限に許されるわけではありません。
懲戒処分をめぐるトラブル
懲戒処分は、企業の秩序を乱す行為に対して下される制裁を意味します。
処分の種類は、戒告や譴責、減給、出勤停止、降格、諭旨解雇、そして最も重い懲戒解雇まで多岐にわたりますが、いずれの処分も、法的に有効と認められるには、問題となった行為の重さと処分の内容が釣り合っている必要があります。また、重度の懲戒処分ほど適正な手続きが求められ、弁明の機会を付与するなどのプロセスが必要となります。
労働組合や団体交渉のトラブル
労働組合と会社の間で生じる団体交渉も、労働問題の一つです。
個々の労働者と会社の紛争である「個別的労働紛争」に対し、労働組合と会社の紛争を「集団的労働紛争」と呼びます。個別紛争が、労働者個人の権利実現を目的とするのに対し、集団紛争では、労働協約の締結などによる集団的な解決が目指されます。会社には、団体交渉に応じる義務があるため、正当な理由なく拒否することは不当労働行為として違法となります。
なお、個別紛争も、労働組合が介入することで集団紛争へと発展する場合があります。
従業員による不正や業務上横領の問題
労働者が会社の資金を着服したり、不正受給したりする業務上横領も、重大な労働問題です。不正が発覚した場合、会社は速やかに事実関係を調査し、懲戒処分や懲戒解雇、損害賠償、悪質な場合は刑事告訴などの対応を検討することとなります。一方で、調査が不十分なまま処分を下すと、不当解雇・不当処分となる可能性があります。
同一労働同一賃金など待遇格差の問題
正社員と非正規社員の不合理な格差も、労働問題の火種となることがあります。
同一労働同一賃金の原則に基づき、業務内容や責任の程度が同じであれば、賃金をはじめとした労働条件において差別的な取扱いをすることは禁止されます。企業には、労働者の働きに見合った適正な評価と、客観的で公平な賃金制度への見直しが求められています。
労働問題の解決方法とは

労働問題を有利に解決するには、状況に合った適切な方法を選ぶ必要があります。
感情的に対立するだけでは、状況の改善に応じてもらえなかったり、かえって会社から報復や不当な扱いを受けたりするおそれがあります。まずは事実関係を整理し、自身の状況を正しく理解して、会社と争う準備を整えることから始めましょう。
以下では、労働問題の主な解決方法について解説します。
労働問題の証拠を収集する
労働問題を解決に導くためには、客観的な証拠の確保が最優先事項となります。
後述するどの解決策を選択するにせよ、自身の主張を裏付ける証拠が十分でないと、会社側から事実を否定されたり、裁判所に正確な認定をしてもらえなかったりするおそれがあります。その結果、交渉が停滞したり、裁判手続きでも有利な解決を得られなかったりするリスクが高まります。
労働問題で確保しておくべき主な証拠には、労働実態を示すタイムカードや給与明細、業務メール・チャットの履歴、パソコンのログなどが挙げられます。ハラスメントが疑われるケースでは、被害の内容や日時を詳細に記した日記や録音データが有効となります。
「残業代請求で必要な証拠」の解説

会社との交渉で解決を図る
会社との直接交渉は、労働問題を解決するための最も迅速な手段です。
まずは、自身の主張とそれを裏付ける証拠を整理し、会社側へ話し合いを申し入れます。この際、感情的にならず、冷静に事実を伝えることが重要であり、「言った・言わない」のトラブルを防ぐためにも、内容証明などの記録に残る形で進めるのが原則となります。
請求内容を説得的に示し、裁判手続きに移行した場合の見通しを示せば、会社の誠実な対応を引き出しやすくなります。個人での交渉が難しい場合や、会社が不誠実な対応に終始する場合は、弁護士に依頼して窓口となってもらうのが有効です。
労働基準監督署を活用する
労働基準監督署は、労働基準法などの法令遵守を監督する行政機関です。
労働者から申告があると、会社に対して調査や是正勧告を行う権限を有しています。残業代の未払いや長時間労働など、刑事罰の定められた重大な労働問題がある場合、労働基準監督署への相談が非常に有効です。一方で、解雇の有効性やハラスメントの有無といった、法的な評価や事実関係に争いのある民事的なトラブルでは、十分な関与が期待できないことが注意点です。
匿名相談も可能ですが、確実に是正を求めるなら、証拠を揃えて実名で行うのが効果的です。
「労働基準監督署への通報」「労働基準監督署が動かないときの対処法」の解説


労働組合に相談する
労働組合は、労働者が主体となって労働条件の維持や改善を目的に組織された団体です。
社内に組合がない場合でも、個人で加入できる外部の合同労組(ユニオン)を活用できます。労働組合には、団結権・団体交渉権・団体行動権(争議権)が保障されており、会社は正当な理由なく団体交渉を拒否することができません。
解雇の撤回や未払い賃金の支払い、職場環境の改善といった、労働者個人では主張しにくい内容も、集団の力を背景に解決を目指せるメリットがあります。
「労働組合がない会社での相談先」の解説

労働局のあっせん制度を利用する
裁判や労働審判に至らない解決手段として、あっせん制度を利用する方法があります。
各都道府県の労働局で利用できる個別労働紛争解決制度として、労働局長による助言指導のほか、紛争調整委員会によるあっせん手続きが用意されています。あっせんは、公平な第三者である専門家が労使の間に入り、双方の言い分を聞きながら歩み寄りを促し、解決を図る手続きです。
裁判に比べて手続きが迅速に進み、無料で利用できるため、当事者同士の話し合いで折り合いがつかない場合に選ばれることがあります。労働局の総合労働相談コーナーでは、無料で労働問題に関する疑問を解消することも可能です。
労働審判や訴訟を活用する
交渉では解決しない場合、労働審判や訴訟などの裁判手続きが最終手段となります。
労働審判は、原則3回以内の期日で迅速な解決を目指す手続きであり、裁判官と専門知識を持つ労働審判員が立ち会い、調停による和解や、審判による解決が目指されます。訴訟に比べて時間やコストを抑えることができるため、早期に決着をつけたい労働問題で有効です。
一方で、事実関係が複雑で争点が多岐にわたる場合や、審判の結果に異議が出た場合は、通常の訴訟へ移行します。訴訟は判決までに時間を要しますが、証拠調べの結果に基づいて法的な判断を下してもらうことができます。
弁護士に相談する
労働問題を有利に解決するには、弁護士のアドバイスを受けることが有益です。
弁護士は、法律知識に基づき、現状が違法かどうかを判断した上で、個別の状況に応じた最適な解決方針を示すことができます。代理人として会社と直接交渉を行うことは弁護士にしかできず、弁護士以外が行うと違法な非弁行為となります。労働者本人が交渉するよりも、会社が真摯に対応してくれ、有利な解決につながる効果が期待できます。
また、労働審判や訴訟といった法的手続きが必要な場合も、書面作成や証拠整理をサポートし、代理人として裁判を遂行することが可能です。
「労働問題を弁護士に無料相談する方法」の解説

労働問題を放置するリスク

労働問題に対処せず放置することは、労使ともに大きなリスクがあります。
労働者にとっては、労働問題を放置すれば、心身への被害などの不利益が拡大します。過酷な長時間労働やハラスメントに耐え続けると、うつ病や適応障害などの精神疾患、脳・心臓疾患や過労死、過労自殺といった重大な危険を招くおそれがあります。
また、本来受け取れるはずだった対価を失うなど、経済的な損失も無視できません。
賃金をはじめとした金銭請求には時効があるため、時間が経過するほど、過去の未払い分の回収は困難になってしまいます。また、たとえ時効期間を経過していなくても、証拠が散逸していき、十分な権利の実現が不可能になるおそれもあります。
さらに、企業側にとっても放置のリスクは甚大です。労働問題を放置すれば、労働基準監督署による是正勧告を受けたり、労働審判や訴訟で慰謝料や損害賠償を請求されたり、企業の社会的信用が失墜したりするおそれがあります。
したがって、労使双方が、問題を先送りにせず、早期に適切な是正を図ることが、双方の利益を守るための重要なポイントとなります。
労働問題を未然に防ぐための対策

最後に、労働問題を未然に防ぐための対策を解説します。
労働問題は、労働法による権利を主張し、労働審判や訴訟などの裁判手続きを利用することで解決できますが、起こらないに越したことはありません。会社と戦って権利を実現するのにも手間や労力がかかるため、事前の対策を理解しておきましょう。
正しい法律知識に基づいて行動する
労働問題の解決は、法律によって行うべきです。法律は、社会のルールであり、裁判所の解決の指針になります。法律を理解すれば、正当な権利を奪われたり、不当な義務を課されたりすることを防止できます。会社の一方的な言い分は、法律に照らすと誤っていることもあるので、正しい知識を得ることで、言うなりになって不当な扱いを受けるのを防ぐことができます。
就業規則を確認する
就業規則は、全社的に適用されるルールを定めた会社の規程です。
労働基準法89条は、常時10人以上の労働者を使用する事業場で、就業規則の作成と届出を義務付けており、労働者に周知しておく必要があります。自分の職場でどのようなルールが適用されるかを把握しておくことが、労働問題を防ぎ、自分の身を守るための第一歩となります。
トラブルが発生してから慌てないよう、日頃から内容を確認し、写しを手元に控えておくと安心です。なお、就業規則よりも法律が優先するため、法令違反の規定は無効となります。
雇用契約書を確認する
雇用契約書は、労働条件について労使間で合意した証拠となる書類です。
会社は、労働者に対し、入社時に重要な労働条件を書面で明示する義務があるところ、その義務を果たす「労働条件通知書」が、雇用契約書と兼用となっていることがよくあります。不当な扱いが疑われるとき、雇用契約書を確認することで、採用時や入社時に約束した条件と相違していないか、労働基準法に違反する不当な条項がないかどうかを精査できます。
「就業規則と雇用契約書が異なる場合」の解説

弁護士には早い段階で相談する
弁護士への相談は、できる限り早い段階で行っておきましょう。問題が深刻化してからでは、手遅れになったり解決までに多大な時間を要したりするケースが少なくありません。
権利の侵害が明らかになったり、会社との対立が決定的となったりする前に、「労働問題が起こっているかもしれない」という疑問を持った段階で相談するのが適切です。相談のタイミングに「早すぎる」ということはなく、無料相談を活用すれば費用もかかりません。
日頃の行動を記録して証拠化する
労働問題の解決方法のうち、最終手段が裁判ですが、裁判所では証拠が重視されます。
そのため、労働問題について有利な解決を得るためには、証拠を確保しておくことが必須となります。証拠のない事実は、たとえ正しくても、裁判所に認めてもらえないおそれがあります。
そして、証拠となる資料は、労働問題が起こっている「最中」に集めるのが最善です。勤務時間や会社の指示、ハラスメントなどの証拠は、日々の業務に関するものであって、後からまとめて収集するのは困難なものもあります。特に、退職後だと、社内に保存されている情報にアクセスするハードルは高くなってしまいます。
「労働者が裁判で勝つ方法」の解説

人生の選択肢の幅を広げる
労働問題への対策を講じることは、現在の職場環境を改善するだけでなく、自分のキャリアや人生における選択肢を増やすことにもつながります。勤務先に依存しすぎず、不当な扱いに対して毅然と対応できる準備を整えておくことで、心に余裕が生まれ、自分らしい生き方を追求できます。
万が一、現在の職場での問題が解決困難でも、有利な条件で退職したり、未払い賃金を請求して被害を回復したりすることで、職場に縛られずにキャリアを築くことができます。
【まとめ】労働問題の事例と解決策

今回は、労働問題の基本について、具体例や解決策を交えて解説しました。
労働問題は、残業代未払い、不当解雇、ハラスメントなど、労働者として会社で働く場合、誰しもが直面しうる身近なトラブルです。しかし、いざ被害に遭ったとき、「労働問題として違法かどうか」を判断できないと、適切な対応が取れずに放置してしまうことも少なくありません。
労働者の権利は労働関係法令で守られており、正しい知識をもとに行動すれば、労働問題を解決することができます。迅速かつ有利に解決したいなら、労働問題の性質を理解し、証拠を確保した上で、適切な解決策を選ぶことが重要です。
早期対応がポイントとなるので、一人で抱え込まず、弁護士などの専門家に相談することで、より適切な解決を目指しましょう。
- 労働問題は、労働者の人生に関わる深刻な問題であり、速やかに解決すべき
- 迅速かつ有利に解決するには、交渉・労働審判・訴訟の順で対応する
- 労働問題を弁護士に相談すれば、解決策や対処法のアドバイスを得られる
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