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社内行事は残業代が支払われる?参加を強要されたら労働時間になる!

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新年となり、会社でも多くの社内行事、イベントが開催されることが多いのではないでしょうか。

労働者にとって、会社や、その経営者の意思にしたがわされ、行きたくもない社内行事、イベントに、内心いやいや参加を強要されていることも多いはずです。

もちろん、今後の労働環境、社内での出世、労働条件などを考えると、「行きたくない!」「参加したくない!」と本音を言うことはなかなか難しく、結局従うことになります。

例えば、次のような社内行事、イベントへの参加を強制されることがあります。

 例 
  • 季節ごとの飲み会(新年会、忘年会、歓送迎会)
  • 季節ごとの行事(初詣、花見)
  • 社員の懇親、親睦を目的としたイベント(ゴルフコンペ、社員旅行、親睦会、懇親会)
  • 社員総会

会社や社長の側からすると、「むしろ社員に対するサービス、福利厚生の一環として『やってあげている。』」と思っている場合もあることから、「社内行事への参加強要」の労働問題の解決は困難をきわめます。

しかし、社内行事やイベントであっても、残業代を請求できる場合があります。

今回は、会社から参加を強要された社内行事、イベントに参加した時間について、残業代を請求できる理由と、具体的方法を、弁護士が解説します。

1. 社内行事への「参加強制」は違法?

まず、そもそも「社内行事への参加を強制することは可能なの?」という、労働者の率直な疑問にお答えしていきます。

労働者(あなた)は、使用者(会社)と雇用契約を締結しています。この雇用契約では、会社が労働者に対して、一定の命令をする権利が与えられています。

この中で、雇用契約であれば、その性質上当然みとめられている権利に「業務命令権」という権利があります。

「業務命令権」は、その名のとおり、「業務」を「命令」する権利です。いいかえると、「労働者がどのように働いたらよいか。」を、会社が自由に命令できる権利です。

社内行事への「参加強制」も、この「業務命令権」の一環としてであれば、会社が社員に対して行うことが可能です。

 注意! 

以上のように、会社は労働者に対して、社内行事への参加を、「業務として」であれば、強制することが可能です。

これに対して、業務ではない社内行事への参加強制は許されず、違法となります。

例えば、プライベートの飲み会や上司のお世話など、業務でないのに参加を強制することは違法であり、「パワハラ」「モラハラ」などと評価されて損害賠償の対象となります。

そこで、「社内行事への参加強制は違法?」という質問にお答えするためには、業務時間内、業務時間外に分けて考える必要があります。

1.1. 業務時間内の社内行事のケース

まず、業務時間内の社内行事に対して、参加を強制されたケースです。

雇用契約の性質から会社にみとめられている「業務命令権」は、決められた業務時間の間に、会社が社員に対して業務を命令する権利です。

したがって、業務時間内の社内行事であれば、参加を強制された場合にはしたがわなければなりません。また、賃金も通常どおり支払われます。

なお、業務時間内に社内行事が行われ、その時間分の賃金が控除されていた、という場合には、違法となりますので、賃金請求をするべきです。

近年では、社内でのケータリングパーティ形式で懇親会を行う場合など、残業代をできるだけ発生させないために、業務時間内に社内行事を行うケースも少なくありません。

1.2. 業務時間外の社内行事のケース

次に、業務時間外の社内行事に対して、参加を強制されたケースです。

業務時間外の社内行事に対する参加強制を、適法に行うためには、「業務として」行う必要があります。そして、業務時間外の業務とは、すなわち、「残業」のことを意味します。

したがって、「残業」が許されない場合であれば、業務時間外の社内行事に対する参加強制は、違法となります。

残業は、次の要件を満たす場合にしか、命令することはできません。

 適法な「残業」の要件 
  • 会社が、労働者代表との間で、36協定(労使協定)を締結している。
  • 雇用契約書か就業規則に、残業命令の根拠が定められている。
  • 労働基準法にしたがった残業代が支払われている。

以上の適法な「残業」の要件を満たさず、業務時間外に社内行事、イベントへの強制参加をさせられた場合、違法であるといえます。

2. 社内行事に残業代は払われる?

次に、「社内行事に残業代は払われる?」という、労働者の疑問に回答していきます。

社内行事への参加の強制が、ある程度は会社の命令にしたがわなければならないとしても、全く残業代が支払われないのであれば話は別です。

残業代が支払われるべき残業時間であるにもかかわらず残業代が支払われない、いわゆる「サービス残業」は、労働基準法違反であり、違法です。

2.1. 社内行事は「労働時間」にあたる

残業代が支払われるべき残業時間は、労働法、裁判例によって「労働時間」と認められる時間でなければなりません。

つまり、労働時間が長時間となり、労働基準法でさだめられた「1日8時間、1週40時間」という枠を超えた場合に、残業代を請求することができるからです。

労働法、裁判例でさだめられた「労働時間」とは、会社の指揮監督下に置かれている時間をいいます。

「労働時間」の定義は、例えば、裁判例で次のようにいわれています。

最高裁平成12年3月9日判決

労働基準法32条の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるものではない。

参加したくないにもかかわらず、社内行事やイベントに参加を強制されたのであれば、これはすなわち、会社の指揮監督下に置かれているといえます。

逆に言えば、会社の指揮監督下に置かれていないのであれば、それは「自由参加」を意味しますから、参加したくない社内行事、イベントであれば、すぐに帰宅すればよいのです。

したがって、参加強制をされた社内行事は、「労働時間」です。

2.2. 「参加強制」には、直接、間接の2つがある

参加強制をされた社内行事が「労働時間」であり、残業代を請求できる可能性があるとすると、次に、どのような場合に労働者が「参加を強制された!」といえるかが問題となります。

参加強制には、直接的な参加強制と、間接的な参加強制があり、いずれも、会社の指揮監督下に置かれているといえますから、「労働時間」に当たると考えて良いでしょう。

「直接的な参加強制」とは、たとえば、次のような場合です。

 「直接的な参加強制」の例 
  • 会社からの命令で、絶対に参加するよう言われている。

「間接的な参加強制」とは、たとえば、次のような場合です。

 「間接的な参加強制」の例 
  • 「自由参加」とされているが、不参加だと給料を減額されたり、賃金を控除されたりする。
  • 「自由参加」とされているが、参加しないと怒られる、注意されるなどパワハラの標的になる。
  • 「自由参加」とされているが、参加しないと無視されるなど職場いじめがある。
  • 「自由参加」とされているが、不参加だと「協調性がない」といわれ、協調性不足という人事評価をされる。
  • 社内行事、イベントの幹事、実行委員会などに指名され、欠席できない。

ちなみに、参加を強制された社内行事やイベントの当日だけでなく、幹事や実行委員会に指名されることによって、社内行事の当日より前に、居残り残業をして準備することが必要な場合、その時間もまた、「労働時間」にあたるといえます。

2.3. 社内行事は残業代請求できる

前章で解説しました「労働時間」が、「1日8時間、1週40時間」という「法定労働時間」(労働基準法に定められた労働時間)の枠を超えた場合に、残業代を請求することができます。

したがって、参加強制をされた社内行事、イベントは「労働時間」ですから、これが長時間となれば、残業代を請求できます。

 例 

ある日、会社で8時間の業務を行い、その後、強制参加の新年会に参加を強制されて2時間の飲み会にお付き合いした場合、2時間分の残業が発生し、残業代請求ができます。

これに対し、参加を強制されていない社内行事、イベントは、労働者(あなた)が自発的に参加したとしても、「労働時間」にはならず、残業とはなりませんから、残業代は請求できません。

ちなみに、参加を強制されている社内行事、イベントであっても、業務として行った「労働時間」が「1日8時間、1週40時間」を越えない場合には、残業とはならず、残業代の請求はできません。

 例 

会社の社内イベントとして忘年会を社長が企画していたため、忘年会の日の業務は定時より2時間早く終わり、その後に2時間、強制参加の忘年会を行ったという場合をお考えください。

この場合には、強制参加の忘年会を合わせても、労働時間が「1日8時間」を越えていないことから、強制参加の忘年会は「労働時間」ではあるものの、残業代は請求できません。

3. 社内行事で残業代が払われない場合の対応は?

ここまでの解説で、社内行事、イベントに参加を強制された場合には、残業代を請求できる可能性が高い、ということをご理解いただければ幸いです。

では、社内行事、イベントに参加を強制され、長時間労働となったにもかかわらず、残業代が一切支払われない場合、どのような対応をすべきなのでしょうか。

適切な残業代を支払わないようなブラック企業に対しては、残業直後の対応が重要となります。ダラダラとサービス残業を続けるのはお勧めできません。

さきほど解説したとおり、労働者が自発的に参加した場合には、社内行事やイベントであっても、残業代の請求はできません。

参加を強制された社内行事やイベントに、残業代が支払われなかった場合、即座に異議を述べなければ、「労働者が自発的に参加していたので、残業代を支払っていません。」という会社側の反論を許すことにもなりかねません。

4. 社内行事の残業代を請求する方法

実際に、社内行事やイベントに参加した際の、会社に対する具体的な残業代請求の方法を、弁護士が解説します。

4.1. 「参加強制であること」の証拠を収集する

社内行事につかった労働時間の残業代を請求するためには、まずは「労働時間」にあたるというために、次の2点のいずれかを証明する必要があります。

 重要 
  • 業務時間内の行事であったこと
  • もしくは、

  • 業務時間外の行事であり、参加が強制であったこと

この証明は、特に後者(参加が強制であったこと)の証明は、難しいケースもあります。残業代請求を行う前に、事前に準備しておかなければなりません。

わかりやすいケースとして、次のような証拠を収集すれば、参加が強制であったことを証明しやすいです。

 例 
  • 社長や上司から、社内行事への参加を強制する命令をされたメール、LINE
  • 社内行事へ不参加となったことを理由に行われたパワハラ、人事処分、評価などを示す証拠

4.2.【内容証明】で社内行事の残業代を請求する

今回の解説を参考にして、残業代の発生する社内行事への参加強制があった場合、残業代請求を行います。

残業代請求は、まずは内容証明を送ることで、会社と話し合い(任意交渉)をはじめるところからスタートします。

話し合い(任意交渉)で解決できれば、会社に残ったままで残業代を支払ってもらい、今後の業務には残業代が支払われることが期待できます。

社長の思いとして、「やってあげている。」という思いが強かった場合には、労働者(あなた)の率直な意見を伝えることが解決につながる場合があります。

4.3. 【労働審判】で社内行事の残業代を請求する

話し合い(任意交渉)で解決できない場合、社内行事への参加強制の残業代を請求するためには、労働審判を行います。

ただ、労働審判を行う場合には、退職を前提として考えている場合がほとんどです。

そのため、社内行事への不満が大きく、会社に残っている必要がないと考える場合には、労働審判で残業代を請求しましょう。

4.4. 【裁判】で社内行事の残業代を請求する

話し合い(任意交渉)でも労働審判でも残業代トラブルの解決にいたらない場合には、最後は裁判による解決を検討します。

裁判の場合も労働審判と同様、退職を前提とした和解がすすめられることがあります。

社内行事を参加強制され、心身共に疲弊した状態であれば、もはやブラック企業に残り続けるメリットも少ないのではないでしょうか。残業代を請求して退職することをご検討ください。

5. 残業代が支払われても許されない社内行事

では、「残業代を支払えばどんな社内行事でも強要できるのか?」というと、そうではありません。

残業代の話をすると、「お金を払っているのだからいいだろう。」というブラック企業もあるでしょうが、会社からの参加命令にしたがわなくてもよいケースもあります。

 注意! 

ただ、「参加強制にしたがうべき場合」であるにもかかわらず、社内行事、イベントへの参加を拒否した場合には、「業務命令違反」となります。

会社の適切な業務命令であるのに逆らった、という場合には、注意指導の対象となり、人事評価に影響してもやむを得ません。また、懲戒処分や解雇といったリスクもあります。そのため、会社から参加強制をされた社内行事、イベントにしたがうかどうかは、慎重に判断してください。

会社から参加強制を命令された社内行事、イベントのうち、したがわなくてもよいケースとなる可能性があるのは、例えば、次のようなケースです。

 例 
  • 社内行事、イベントが多すぎることで、心身の健康を崩してしまうほどの長時間の業務となる場合
  • 命令された社内行事、イベントへの参加が危険で、生命を失いかねないとき
  • 命令された社内行事、イベントへの参加が、個人の宗教、政治などの信念にかかわるとき

6. どうしても社内行事に参加したくない場合は?

最後に、「どうしても社内行事に参加したくない場合」の、苦肉の策を、弁護士が解説します。

ただ、注意していただきたいのは、ここまでお読みいただければお分かりのとおり、会社が適切な対応をし、適切な賃金を支払った上で社内行事、イベントへの参加を強制する場合、これは適切な「業務命令」であり、したがわなければ労働者に不利な取扱い(懲戒処分、解雇など)とされても仕方ありません。

ここで解説したいのは、主に「間接的に参加強制をされているが、実際には残業代は支払われない。」というケースへの適切な対応方法です。

つまり、「間接的な参加強制」に対する、トゲの立たない異議の伝え方です。

間接的に社内行事、イベントへの参加を強制されながら、残業代は支払われないわけですが、断るにも勇気がいります。できる限り穏便な伝え方で、社内行事、イベントへの参加をお断りする方法を学びましょう。

 例 
  • 健康上の理由を口実とする方法
    :「お酒が飲めない。」「タバコを吸う場所にいけない。」など
  • 家族に関する理由を口実とする方法
    :「家族の介護が必要である。」「妻との門限がある。」「育児をしなければならない。」など

7. まとめ

社内行事、イベントへの参加を強制された場合、雰囲気や流れに流されて、または、社内で居心地がわるくなることをおそれて、残業代が支払われなくてもしたがってしまう方も多いです。

しかし、業務時間外に行われたり、参加を強制されたりすれば、社内行事やイベントがいかに会社の親睦、懇親に役立つものであっても、残業代を支払われるべきものです。

むしろ、残業代が支払われなければそれは「自由参加」のプライベートの飲み会と同じですから、拒否することも可能です。この拒否に対して、使用者(会社)が労働者(あなた)に不利益な処遇をすることは許されません。

残業代請求にお悩みの方は、労働問題に強い弁護士へご相談ください。

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