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労災

死亡災害(労災)の遺族が、会社と示談金を交渉する6つのポイント

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労働者が通勤中や、会社での仕事中に事故に遭い、不幸にも死んでしまったときには、その遺族の方は、労災保険法に基づいて、「遺族補償金」を受け取ることができます。会社に対して災害補償金を請求することも可能です。

しかし、これらの補償金は、労働者の賃金をもとに計算され、金額に限りがあるため、十分な救済とはいえません。

その不足を補う方法として、加害者や会社と示談金の交渉をすることができますが、示談金を受け取れることや、その金額について詳しく知らないために、泣き寝入りをしてしまっている遺族の方も少なくないようです。

今回は、死亡事故、死亡災害時の示談金の交渉について、労働問題に強い弁護士が解説します。

1. 死亡災害とは?

今回解説する「死亡災害」とは、労働災害(労災)の一種です。労働災害(労災)とは、通勤中や仕事中に起こったケガや病気、死亡事故のことをいいます。

労働災害(労災)には、大きく分けて次の3つのタイプがあります。

 労災の3種類 
  • 通勤災害(通災)
    :通勤中に起きたケガや病気、死亡のこと。
  • 業務災害(業災)
    :仕事中に起きたケガや病気、死亡のこと。
  • 第三者災害
    :会社と無関係の第三者の不法行為によって起きたケガや病気、死亡のこと。

特に今回の解説では、業務災害によって労働者が死亡してしまった、という「死亡災害」の場合の労働者の救済と、示談金の交渉について、弁護士が解説します。

2. 労働災害(労災)で死んでしまったら?

まずはじめに、労働災害(労災)によって、不幸にも労働者が死亡してしまったとき、遺族の方がどのような救済を受けられるかについて、基本的な知識を知っておきましょう。

2.1. 遺族補償を受給できる

労働災害によって、労働者が死亡した場合、その労働者の収入で生活していた遺族は、労災保険法に基づいて、生活費や葬祭料等の遺族補償を受け取ることができます。

2.2. 災害補償金を請求できる

業務災害(業災)によって労働者が死亡した場合には、その遺族は、労災保険法上の遺族補償に加えて、労働基準法に基づき、会社に災害補償金を請求することが可能です。

2.3. 因果関係が必要

以上の遺族補償、災害補償金を受けるとためには、いずれの補償を受ける場合にも、各種災害と死亡との間に因果関係があることを証明しなければなりません。

業務災害と死亡が、全く無関係なものであれば、その死亡に対する補償を受け取ることはできないからです。

 例 

例えば、業務災害(業災)による死亡を理由として補償金を受け取るためには、使用者の指揮命令下で業務に従事している時に、業務に関連して死亡事故が発生したことを証明する必要があります。

3. 労災補償の不足と、示談金の交渉

では、以上のとおり労災保険法による労災補償があるにもかかわらず、お亡くなりになってしまった労働者の遺族の方が、会社との間で示談交渉をすべき理由はどのようなものでしょうか。

労災補償には、次に解説するとおり不十分な点があることから、労働者の遺族の方は、加害者や会社に対して、労災でカバーされない慰謝料などを請求し、示談金の交渉をする必要があるのです。

そこで、労災補償の不足する部分と、示談交渉の必要性について、弁護士が解説します。

3.1. 金額が少ない

2つの労災補償の最大の欠点は、支給される金額が少ないことです。養われていた遺族の方にとって、一家の大黒柱を失うことは、精神的な喪失は当然ですが、経済的な意味でも大きな損失となります。

補償金は、死亡した労働者の賃金をもとに計算され、年金の形で受給できますが、上限があるため、逸失利益(労働者が死亡しなければ将来得られたはずの収入利益)を完全に補償してもらうことはできません。

しかも、死亡した労働者の収入によって生活していた遺族が複数いる場合、補償金が倍になるわけではなく、頭割りで支給されるため、最終的に一人の遺族が受け取れる金額はさほど多くありません。

生活の糧を突然失われてしまった遺族の方にとって、生活再建のためにも、示談金の交渉が必要となります。

3.2. 慰謝料が含まれない

死亡災害によって生じる損害には、上記の逸失利益の他に、労働者が死亡したことで本人やその遺族が受けた精神的苦痛に対する慰謝料が一切含まれません。

この点でも、労災補償による遺族の救済は不十分なものと言わざるを得ません。

そこで、慰謝料という精神的な損害は、会社などに対して請求し、示談金の交渉を行うわけです。

3.3. 労災認定が必要

更に、労災補償金を受け取るためには、各地域の労働基準監督署から審査を受けて、労働災害(労災)によって死亡したという認定(労災認定)を受けなければならず、手間が掛かります。

これに対して、会社や加害者となった労働者の方との間の示談金交渉は、「労災認定が得られたかどうか。」が無関係ではないものの、労災認定が得られる前であっても、示談金の交渉をはじめることも可能です。

4. 死亡災害で示談金の交渉をするメリット

ここまで解説しましたように、死亡災害を理由に受け取ることができる補償金額は限られており、十分な救済を受けることはできません。

不足分を補う方法としては、会社か、労働者を死なせた第三者に対して、損害賠償を請求することができます。しかし、裁判手続には多額の費用と膨大な時間が掛かります。

この裁判手続のデメリットを解消できる救済方法が、示談交渉、すなわち、示談金をもらうことによって労働問題を解決する方法です。

以下では、示談交渉をする利点について、弁護士が解説していきます。

4.1. 死亡災害の示談とは?

示談とは、損害賠償の相手方と直接交渉することで、解決金(示談金)の合意を取り付け、裁判を起こさずに紛争を解決する方法のことです。

仕事上で死亡災害が起こってしまったとき、人ひとりの生命が失われているわけで、遺族の方の感情からしても、そう簡単には示談金による解決は難しいケースも多くありますが、まずは会社に対しての損害賠償請求、慰謝料請求を行うべきです。

早期に示談金が得られるというメリットを考慮しながら、死亡災害について示談するかどうかは、慎重に検討した方がよいでしょう。

4.2. 労災補償の不足を補える

示談金の金額の交渉は、本来裁判で請求される損害額をベースにして行われるため、労災補償金ではカバーし切れない逸失利益や精神的損害に対する慰謝料分を回収することもできます。

ただし、面倒な裁判手続を避けるために、遺族と相手方が歩み寄って和解する、という示談交渉の性質上、示談金額は裁判で請求できる損害額より若干少なくなるのが通常です。

4.3. 慰謝料も請求できる

労災補償との大きな違いとして、示談金には慰謝料も含みます。

したがって、裁判と異なり損害額を全額回収できないとしても、最終的に受け取れる金額は、労災補償金に比べてかなり高額になる可能性があります。

4.4. 労災認定が不要

示談交渉のもう1つの利点は、労災認定を受ける必要がないということです。ただし、全く無関係ではないため、労災認定と同様の証拠収集は欠かせません。

会社の業務や第三者の不法行為によって労働者が死亡したと言えさえすればよく、労災認定されていない死亡事故に関しても、示談交渉できる場合があります。

しかも、裁判手続のように、因果関係を完璧に証明する必要もありません。会社や第三者のせいで労働者が死亡したことが確からしい、と相手方が納得すれば、示談金の合意を取り付けることができます。

4.5. 早期解決が可能

示談交渉の3つ目の利点は、早期に紛争解決が可能なことです。

民事裁判を起こして損害賠償を請求する場合には、書面のやり取りや裁判所の都合により、実際に損害金を受け取るまでに数年単位の膨大な時間が掛かってしまいます。

特に、労災の死亡災害を理由とした損害賠償請求の訴訟は、相場が高額化しやすく、また、感情的な対立も激しくなりがちであるため、訴訟が長期化しがちです。

一方、示談交渉がうまくいけば、数ヶ月程度で合意が成立することもあり、時間を掛けずに遺族が救済を受けられる可能性があります。

5. 高額な示談金を目指すための示談交渉のポイント

では、示談金による解決を目指して示談交渉をするメリットを理解していただいたところで、遺族の方が示談交渉を進めるポイントを弁護士が解説します。

死亡災害における示談金の相場は、労働問題、特に長時間労働や未払残業代が社会問題になっていることから、相場が高額化する方向となっています。

特に、長時間労働を理由として、過労死、過労自殺などになってしまったようなケースでは、大手広告会社「電通」の死亡災害が記憶に新しいのではないでしょうか。

労働訴訟などではなく、まずは示談交渉での解決を目指すことを決意したとしても、示談金の相場は相当高額になりますから、死亡災害の示談交渉は、労働問題に強い弁護士にお任せください。

5.1. 示談交渉の相手

示談交渉の相手方は、労働者の死亡について損害賠償責任を負う者が対象になります。

業務災害(業災)のケースでは、会社が損害賠償責任を負うため、示談交渉の相手方は、死亡した労働者が勤めていた会社になります。

この会社の責任は、「安全配慮義務違反」といって、雇用している労働者を安全に働かせなければならないのに、死亡災害の被害者にしてしまったことを理由とする責任です。

一方、第三者損害のケースでは、不法行為を行った第三者が示談交渉の相手方になります。例えば、パワハラやセクハラが原因で自殺してしまった、といった死亡災害のケースが考えられます。

また、この第三者損害のケースでも、会社が監督し、予防すべき立場にあったといえる場合には、さきほどと同様、会社に対して「安全配慮義務違反」の責任を追及することができ、会社と示談交渉をすることができます。

5.2. 誰が示談金をもらえる?

示談金を目指して示談交渉をするとき、請求する賠償金は、大きく分けて以下の2つです。

  • 死亡した労働者本人の相手方に対する損害賠償請求権
    :本人の逸失利益や、その後の人生を奪われたことに対する慰謝料が含まれます。
  • 死亡した労働者の近親者固有の損害賠償請求権
    :労働者が死亡したことによって近親者が受けた精神的苦痛に対する慰謝料や逸失利益が含まれます。

5.2.1. 死亡した労働者本人の損害賠償請求権

①の死亡した労働者本人の損害賠償請求権は相続されるため、労働者の相続人となる配偶者や子、父母、孫、兄弟姉妹が示談金を受け取れる可能性があります。

ただし、内縁関係にある者(死亡した労働者と事実上婚姻関係にあった者)は相続権を持たず、①の損害賠償請求をすることはできないとされています。

また、「示談」とは話し合いによる解決であるため、会社がその損害を認めて示談に応じ、示談金を支払ってくれる場合には、示談金を得ることができます。

5.2.2. 近親者固有の損害賠償請求権

②の近親者の損害賠償請求権については、民法711条に、その請求ができる人の範囲が定められています。

民法711条

他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。

これによれば、死亡した労働者の配偶者と子、父母は、②の損害賠償請求権に基づく示談金を受け取ることができます。

また、民法711条に規定されている「配偶者」には事実婚も含むと考えられています。

そのため、相続によって取得する①の損害賠償請求権とは異なり、②の損害賠償請求権に基づく示談金は、死亡した労働者と内縁関係にあった者でも受け取ることができます。

5.3. 労災補償金は控除される

示談金額は、以上の2つの損害賠償請求権(本人から相続されたもの、近親者のもの)に基づいて計算されますが、労災補償金として受け取った分は、示談交渉の際に控除されることが多いようです。

補償金の分を控除せずに、不足した損害金を回収したい場合には、裁判を起こして判決を得るしかありません。

この点は、裁判ではなく示談交渉を選択する以上、ある程度の譲歩をしなければならない場合があります。

5.4. 示談書を作成する

示談金の金額がまとまり、示談交渉が終了したら、示談が成立した証拠として、「示談書」「合意書」などの書面を作成しておきましょう。

労災、特に死亡災害の示談交渉の場合、労働者や遺族が受け取る金額は相当高額となることが予想されますので、しっかり書面にしておかなければなりません。

また、高額であるがゆえに会社が一括では払いきれず、分割支払いの交渉をしてくる場合もあります。この場合、途中で支払がストップした場合に、すぐに訴訟などで請求することも、示談書などの書面がなければ困難となってしまいます。

もし会社が、途中で支払をストップするおそれが高い場合には、公正証書にしておけば、裁判をしなくても強制執行をすることができます。

6. 示談交渉を有利に進めるためには?

最後に、「示談」は、あくまでも「話し合い」であり「交渉」です。

そのため、労働法についての知識、労働裁判例についての知識、経験を多く持っていることはもちろん重要ではありますが、交渉のノウハウ、テクニックも、高額な示談金を得ることに成功するためには重要なポイントとなります。

「弁護士」は法律の専門家ですが、裁判前に示談で解決することも多いことから、交渉の専門家でもあります。

そこで、示談交渉のノウハウ、テクニックは、一般化することはできないものの、基本的な考え方について、弁護士が解説します。

6.1. 低い金額を提示される

会社と示談交渉をするとき、多額の賠償金を支払うのが痛手になることから、何かと理由を付けて、明らかに低い示談金額を提示されることがあります。

しかし、本来、裁判であれば多くの損害賠償、慰謝料を受け取ることができるわけですから、必要以上に譲歩する必要はありません。

「会社から提示された示談金額がどう考えても少なすぎて納得できない」というときは、そのことを会社にはっきりと伝えましょう。

6.2. 強気で交渉してOK

繰り返しになりますが、業務損害(業災)で労働者が死亡した場合、会社には損害を賠償する責任があります。

示談が成立せず、裁判沙汰になれば、会社の信用に影響が及び、損をするのはむしろ会社の方です。業務損害(業災)で死亡した労働者の遺族は、会社に対して金銭を請求する正当な権利があります。

したがって、強気で示談交渉をしても問題はありません。金額に納得できなければ裁判もあり得る、ということを会社に伝え、きちんと示談金を支払ってもらえるように交渉していくべきです。

6.3. 弁護士に相談すべき理由

そうは言っても、交渉するときの会社の力は絶大です。交渉のテーブルに大勢の役員やスゴ腕の弁護士を引き連れてくるような会社に、遺族の方々だけで立ち向かうのは困難です。

会社に言いくるめられることなく、示談交渉を有利に進めるためには、労働問題に強い弁護士に依頼して、「代理人」として代わりに交渉してもらうことをオススメします。

7. まとめ

今回は、業務中の死亡事故、死亡災害のときの示談金の交渉について、弁護士が解説しました。

稼ぎ頭の家族が労災で突然亡くなってしまい、途方に暮れてしまうご遺族の方は少なくないと思います。しかし、労災補償の申請手続や、示談交渉をきちんとこなせば、少なくとも生活面、経済面での心配事は、大幅に軽減することができます。

労災認定や労災補償の申請手続に不安をお感じの方や、会社との示談交渉がうまくいかず、お困りの方は、労働問題に強い弁護士に、お早めに法律相談ください。

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