※ 個人情報・プライバシーに配慮して実際の相談内容ではありません。法律相談の一例としてご覧ください。
Q. 雇止めは違法ですか?
突然、業務縮小と、担当業務を外注化することを理由に、雇止め(更新拒絶)されてしまった労働者の方からの法律相談ケースを、ご紹介します。
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- はじめてご連絡をさせていただきます。ご相談よろしくお願いします。
現在、契約社員にて、2017年5月より働き始め、1年間の期間を決めて勤務をしておりますが、昨日突然、1年間の期間が終わったら来年の5月から契約更新が出来ない旨の連絡を社長から受けました。
現在の業務は、総務人事的なポジションですが、顧問弁護士、顧問社労士などがいないため、給与計算、入退社手続、保険加入の手続、その他、会社内の人事について必要な手続全般が、全て私の仕事になります。長時間労働も続いています。
今回、会社が私を更新しない理由は、総務人事などの管理部署を外注し、弁護士、社労士、税理士などを雇い、社内での内製していたスタッフを減らすためとのことで、私がまさにそのポジションを一手に引き受けていたため、更新をされない対象に真っ先に挙げられたようです。
以前は、同じ会社で正社員として働いていましたが、5年間同じ会社で同様の業務をこなした後、突然契約社員に格下げされてしまったのも、今思えばこの更新拒絶のためだったと考えられます。
私の会社への要求は、一番は更新拒絶を受けずに今後も同じ業務をし続けることですが、何せ業務内容が多く人手が足りないため、長時間労働が続くひどい環境です。
退職するなら、現在までの残業代未払い分の請求(ごまかして計算されていた端数労働時間も含む。)や、契約社員に格下げされたときの減給された賃金の請求も考えたいと思います。
以上の私の会社への要求が実現可能かどうか、ご相談させてください。
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A. 雇止め問題を得意とする弁護士の回答
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ご相談ありがとうございます。
入社からまだ1年を経過していない時点での雇止めということですので、「更新の期待」が存在するかどうか、という点を、まず第一に検討する必要があります。
更新の期待が存在する場合には、「雇止め」は、実質的には「解雇」と同様であり、解雇権濫用法理による制限によって、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当でなければ、その雇止め(更新拒絶)は無効となります。
これに対して、更新の期待が存在しなければ、その雇止め(更新拒絶)は、期間満了の結果ですから、有効となり、争う余地はありません。
入社から1年しかたっておらず、更新もまだ一度もされていないという事情はあるものの、これまで正社員として5年間働き続けてきたということですから、その他の会社からの言動なども総合的に考えて、「更新の期待あり」と判断できる場合もあります。
この点は、もう少し、ご事情を伺う必要があります。
次に、「更新の期待」が存在するとすれば、担当する業務が外注化されることによる雇止めが、「客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当である。」といえるかどうかを判断する必要があります。
会社に、人事総務、経理などの管理本部を縮小したいという要望があるとしても、これまで、正社員時代も含めて、長年会社に貢献してきたのであれば、他の部署での業務を任せることも可能であり、「不当な雇止め」として争える可能性があります。
なお、この雇止めの有効性についての相談とは別に、未払の残業代があるのであれば、2年間の時効期間が経過する前に、お早めに請求することをお勧めします。
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