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退職 雇用保険

離職票を発行してもらう手続の全手順と、かかる期間を弁護士が解説

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会社に務めている間に雇用保険料を支払っていれば、急に会社を退職しなければならなくなった時に、ハローワークで手続することで、求職中の間に失業保険の給付を受けることができます。

失業保険の給付をハローワークに申請するときは、提出書類を準備する必要がありますが、その中でも特に重要なのが「離職票」と呼ばれるものです。

離職票は会社に協力してもらって発行するわけですが、退職の際にきちんと手続をしておかないと、失業保険の給付が遅れ、損をしかねません。

今回は、失業保険をもらうのに必要な、「離職票」の発行手続や、発行にかかる期間などについて、労働問題に強い弁護士が解説します。

1. 失業保険とは?

失業保険とは、雇用保険料を支払っていた労働者が、勤務先の会社を退職して再就職のための求職活動をしている間に、生活費の補助として受け取ることができる給付のことです。

求職活動に集中するためにも、仕事をしない間の無収入期間に、生活費を保証するための糧として、失業手当は重要です

正式名称は「求職者給付の基本手当」といいます(雇用保険法10条2項)。

1.1. 失業保険の受給資格は?

雇用保険法によれば、失業保険の給付を受けるためには、次の2つの条件を満たしている必要があります。

  1. 退職日前の2年間の雇用保険加入期間が通算して12ヶ月を超えていること
    :失業保険の給付を受けるためには雇用保険料を一定額支払っていることが必要です。
    そのため、雇用保険加入期間が条件に設定されています。
    怪我や病気などの事情によっては、通算する加入期間を最長4年まで遡ることができます。
  2. 働く意思と能力があること
    :失業保険は求職中の労働者の生活を補助する目的で給付されるものです。そのため、給付を受ける労働者には就職したいという積極的な意思が求められます。
    要するに、求職活動をしているのに仕事が見つからない人だけが受け取れるのです。
    また、いつでも就職できるという健康状態や家庭環境が備わっている必要があります。

したがって、入社した会社をすぐに辞めてしまったり、転職を繰り返していたりといった労働者の方や、退職後、もう働くつもりがないという労働者の方、例えば定年退職をしてもう働かない方などは、失業保険をもらうことができません。

1.2. 失業保険の申請に「離職票」は必須!

失業保険の給付を受けるためには、雇用保険被保険者証やマイナンバー、身分証明書、顔写真や預金通帳などの必要書類を揃えて、各地域にあるハローワークで申請手続をする必要があります。

その中でも特に重要な提出書類が、今回解説する「離職票」です。

したがって、冒頭でも説明していますとおり、離職票を入手できないと、求職期間中に重要な収入源となる失業保険(失業給付)を、得られなくなってしまうおそれがあります。

2. 離職票とは?

ここまでお読みいただければ、失業保険の給付に必要となる「離職票」が、とても重要な書類であることは、十分ご理解いただけたのではないでしょうか。

離職票とは、雇用保険被保険者である労働者が勤務先の会社を退職したこと(失業したこと)や、退職理由、在職中の賃金(給料)の額などを証明する書類のことです。

正式名称は「雇用保険被保険者離職票」といいます。離職票には、次の2種類(「離職票Ⅰ」と「離職票Ⅱ」)があります。

2.1. 離職票Ⅰ

離職票Ⅰは「雇用保険被保険者喪失確認通知書」ともいいます。

会社に雇用されている労働者は雇用保険への加入が義務づけられていますが、会社を退職すると、雇用保険被保険者の資格を失います。失業保険の給付を受けるため、会社を退職して、雇用保険被保険者の資格を失ったこと、つまり「失業したこと」を証明する必要があります。

離職票Ⅰは、この失業の事実を証明するために必要になります。離職票Ⅰには、労働者の氏名やマイナンバー、退職する会社の名称、失業保険給付の払渡しを受ける金融機関などの基本情報が記載されています。

2.2. 離職票Ⅱ

離職票Ⅱには、労働者の氏名や勤務先の会社の名称、住所、退職前の賃金(給料)の支払状況(明細)、退職の理由などが記載されています。

ハローワークは、この資料を見て、労働者に失業保険の給付を行うかどうか、給付の額や給付日数をどうするかを決めます。

そのため、失業保険の給付を申請する労働者は、離職票Ⅰと合わせて、上記各事項が記載された離職票Ⅱを必ずハローワークに提出しなければなりません。

3. 離職票を発行してもらう全手順

では、失業保険にとても重要となる「離職票」を発行するために、退職した労働者が行わなければならない手続について、その全手順を弁護士が解説します。

離職票は、労働者の申請だけで発行されるものではなく、会社の協力が必要となりますが、会社が離職票の発行に協力してくれない場合には、ハローワークか労働問題に強い弁護士へ、お早目に法律相談ください。

3.1. 会社に離職票の発行を求める

労働者にとって非常に重要な「離職票Ⅰ・Ⅱ」ですが、会社から発行してもらう必要があります。

そのためには、まず、会社を退職する際に、「離職票を発行して欲しい」ということを会社に伝える必要があります。

すでに転職先の決まった労働者の方や、定年退職して今後働くつもりのない方など、離職票が不要な退職者もいるため、まずは会社に対して、「離職票がほしい。」という意思表示をしなければなりません。

3.2. 離職票Ⅱを受け取る

労働者から退職の意思表示を受けた会社は、労働者に対して記載事項が未記入の「離職票Ⅱ」を発行することになっています。

退職日当日までに手渡しで、あるいは、退職後に郵送で「離職票Ⅱ」受け取ります。

特に、労働トラブルの結果、かならずしも円満退社ではない場合には、「離職票」に関するやりとりは、郵送で行った方がよいケースも少なくありません。

3.3. 離職票Ⅱを会社に提出する

「離職票Ⅱ」を会社から受け取った労働者は、氏名等の記載事項を記入し、署名捺印した上で、これを一旦会社に返します。

「離職票Ⅱ」を会社に提出する方法は、職場に直接提出する方法と、郵送のいずれでも構いません。

「離職票」のやりとりを、会社との間で直接行うことが、退職理由や人間関係の問題から難しいという労働者の方は、弁護士が代理人となって行うことも可能です。

3.4. 会社がハローワークで手続する

労働者から離職票Ⅱの提出を受けた会社は、これをハローワークに持っていき、失業手続行います。

次章で、離職票を受け取るのにどの程度の期間がかかるのか、という解説で詳しく説明しますが、離職票を受け取るのが遅れる原因は、このハローワークでの手続を、会社がなかなか行ってくれないという原因にあることが多いです。

3.5. 会社に離職票Ⅰ・Ⅱが発行される

手続が完了すると、ハローワークから処理手続済の離職票Ⅱが会社に返戻(へんれい)され、新たに離職票Ⅰが発行されます。

3.6. 会社から離職票Ⅰ・Ⅱを受け取る

ハローワークから離職票Ⅰ・Ⅱを受け取った会社は、これらを労働者に渡さなければなりません。

通常は会社から労働者に郵送されますが、会社によっては、労働者に職場まで受け取りに来させる所もあるようです。労働問題が激化しており、直接受け取ることができない場合、弁護士が代理して事務所に送付してもらう、という方法をとることもあります。

以上で、離職票の発行手続は完了です。あとは、離職票Ⅰ・Ⅱを上記に解説した必要書類とともにハローワークに持参し、失業保険の給付申請手続をするだけです。

4. 離職票の発行まで、期間はどのくらいかかる?

前章で解説した、離職票をもらうまでの流れを見て頂ければわかるとおり、離職票が労働者の手元に届くまでには、会社やハローワークを経由する必要があり、ある程度の期間がかかってしまいます。

はたして、会社に依頼をしてから労働者の手元に離職票が届くまで、どの程度の期間がかかるのでしょうか。離職票はいつ届くのか、と不安、心配な労働者の方も多いことでしょう。

4.1. 離職票発行にかかる期間

会社は、雇用保険法において、退職の翌日から10日以内に、雇用保険の資格喪失手続をハローワークで行わなければならないことが定められています。

したがって、会社は離職票についての手続を、退職から10日以内に終わらせることが法律上義務付けられています。

そのため、この義務を会社が誠実に履行した場合には、ハローワークがどの程度で離職票を発行してくれるかにもよりますが、通常10日~2週間程度の間には、離職票が労働者の手元に届くこととなります。

4.2. 離職票が届かないとどうなる?

離職票の発行を求めてから、実際に発行がされるまでの間には、さきほど解説したとおり、通常10日~2週間程度は少なくともかかってしまいます。

会社を退職しても、離職票がないと失業保険の給付を受けることはできません。

早期に失業保険の給付を受けられないと、その間の生活費は自分の貯金でまかなわなければならなくなってしまうので、離職票の発行手続は計画的に行う必要があります。

4.3. 離職票Ⅰ・Ⅱは両方必要

繰り返しになりますが、離職票Ⅰ・Ⅱは、それぞれ失業の事実を証明するため、給付の有無や金額、日数などを決めるために必ずハローワークに提出しなければなりません。

そのため、どちらか一方だけでは足りず、離職票Ⅰ・Ⅱを両方ともきちんと会社から受け取る必要があります。

5. 離職票がもらえないときの対処法

離職票の発行を求めてから、1ヶ月近く経っても、会社から離職票が発行されないという場合には、離職票の発行手続きを行っていないブラック企業のおそれがあります。

そのため、会社に問い合わせをして、離職票の発行を促す必要があります。

離職票の発行を何度も催促しても離職票が発行されない場合や、そもそも手続に応じてくれない場合は、ハローワークか、労働問題に強い弁護士に相談しましょう。

会社には労働者の請求に応じて離職票を発行する法律上の義務があるため、離職票を発行しないことは明らかな違法行為です。離職票を発行するよう催促しても応じないブラック企業にお困りの方は、弁護士に相談して会社と交渉してもらうのがオススメです。

5. まとめ

今回は、失業保険の給付申請に必要となる、「離職票」の発行手続の流れについて、弁護士が解説しました。

会社を退職するときの手続には面倒なことが沢山あります。なかには、離職票の発行手続のように、会社側の協力が不可欠なものも多数あり、ブラック企業に勤務していると不利益が大きくなります。

会社を退職するときの状況によっては、会社と労働者が激しく対立し、労働者を困らせるために手続に協力しない、というブラックな対応をする会社に悩まされることも少なくありません。

退職手続をお一人ですることが困難な方や、会社の非協力的な態度にお悩みの労働者の方は、労働問題に強い弁護士に、お気軽に法律相談ください。

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