退職 雇用保険

失業保険について、会社を辞めるとき行う手続きの流れ【弁護士解説】

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運営元:弁護士法人浅野総合法律事務所

会社を辞めるときには、雇用保険についての必要な手続き、特に離職票に関する手続きを行う必要があります。

会社に勤務しているときは、雇用保険の手続きは会社が代わりに行ってくれますが、会社を退職するとなると、労働者自身で雇用保険の手続を進めなければなりません。特に再就職まで期間が空く場合には、その期間中の生活を守るため、失業保険の受給申請をおこなう必要があります。

失業保険は、「失業給付」「失業手当」と呼ぶこともあり、会社を退職してから次の就職をするまで、家計を助ける重要な給付となります。

失業保険を確実に受給するためには、必要な手続きを遅滞なく進める必要があります。退職時に行っておくべき雇用保険に関する手続について、弁護士が解説します。

「雇用保険・失業保険」の法律知識まとめ

失業保険の受給のため「退職前」におこなう手続き

失業保険を受給するための準備は、退職を決断したときから始めます。「退職した後で考える」というのでは、失業保険をすぐに支払ってもらえなくなってしまうからです。

退職後の生活を支障なく送るためにも、退職する前から必要な準備を怠らないようにしてください。

特に、円満に退職できる場合はともかくとして、退職があまり円満でない場合には、退職後にまで会社と頻繁に連絡をとることが難しいケースもあります。そのため、退職前の準備がとても重要です。

離職票の準備

退職後に失業保険(失業給付・失業手当)を受給するためには、退職後、会社から速やかに離職票を受け取らなければなりません。

そのため、退職前にあらかじめ、退職後に会社から受け取る離職票の受け取り方法を確認しておきましょう。

会社が労働者に対して離職票をどのように渡すかについては、法律上のルールはありませんから、郵送による方法、手渡しによる方法など、会社によって受け取り方法はさまざまです。

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離職票の発行までの全ての手続と、かかる期間【弁護士解説】

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雇用保険被保険者証の準備

退職後の失業保険(失業給付・失業手当)を受け取るためには、雇用保険被保険者証が必要となります。雇用保険被保険者証は、会社によっては、会社が労働者から預かっている場合もあります。

会社が預かっている場合でも、労働者が自分で持っている場合でも、雇用保険被保険者証を紛失していないか、退職前にあらかじめ確認しておきましょう。

雇用保険被保険者証を紛失してしまった場合には、ハローワークから再交付を受けておく必要があります。退職後速やかに失業給付を受け取れるよう、事前に雇用保険被保険者証の再交付を受けておきましょう。

失業保険の受給のため「離職日の直後」におこなう手続き

退職する日のことを、主に失業保険に関する言葉で「離職日」といいます。

離職日から10日以内に、会社から離職票を受け取りましょう。離職票には「離職票1」と「離職票2」という2種類があります。

会社は、労働者に対して離職票を交付する義務がありますから、会社が離職票を全く交付してくれなず、請求しても無視されたり放置されたりしている場合には、ハローワークにその旨を伝え、指導をしてもらうようにします。

離職日から10日以内に、会社がおこなうことが義務付けられている手続きは、次のとおりです。

  1. 雇用保険被保険者資格喪失届、雇用保険被保険者離職証明書をハローワークに提出
  2. 離職票1、離職票2をハロー枠が会社へ交付
  3. 会社から本人へ、離職票1、離職票2を交付

会社との間で、退職にともなって労働トラブルが発生してしまうことがあります。例えば、退職理由に関する労使間の認識が大きく異なる場合がその典型例です。

そのため、会社から離職票を受け取った際には、離職日、離職日以前の賃金の支払状況、離職理由など、離職票の記載を十分チェックするようにしてください。労働者側で認識していた事実と異なる場合には、会社に質問をし、訂正を求めてください。

特に、会社の記載した離職理由に争いがある場合には、離職理由が「自己都合」「会社都合」のいずれと判断されるかによって、もらえる失業保険の日数、給付制限期間(3か月間)の有無が変わります。

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退職理由を「自己都合退職」から「会社都合退職」に変更する方法

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受給資格決定のためにおこなう手続き

離職票を会社から受け取ることができたら、できるだけ早めに、自分の住所地を管轄するハローワークへ行き、求職の申し込みを行ってください。

失業保険(失業手当・失業給付)を受け取るためには、求職活動をしている必要があります。そのため、求職の申し込みをハローワークに対しておこなうことは、求職の意思と求職の能力があることを明確にするために必要な手続きだからです。

求職の申し込みの際に必要なものは、一般的に次の通りです。

求職の申し込み時に持参するもの
  • 離職票1、離職票2
  • 個人番号確認書類
  • 印鑑
  • 本人確認書類(運転免許証等)
  • 写真2枚
  • 本人名義の普通預金通帳

求職の申込みを行うことにより、ハローワークから、失業保険の受給資格者であることの決定を受けることができます。

受給資格者であることの決定を受けた日を、「受給資格決定日」といいます。受給資格決定日を含めて失業状態が7日間を経過すると、待機期間が満了したことになります。

雇用保険説明会への参加

7日間の待機期間が満了したら、失業保険をもらうために次にすべきことは、雇用保険説明会に参加することです。

ハローワークから、雇用保険説明会の出席日を指示されるので、指定された日にハローワークへ行き、雇用保険説明会を受けるようにしてください。

雇用保険説明会に必要なものは、一般的に次の通りです。

雇用保険説明会に持参するもの
  • 受給資格者のしおり
  • 筆記用具
  • 印鑑
  • 求職申込の際に指示されたもの

雇用保険説明会に参加さいた際に、ハローワークから雇用保険受給資格者証、失業認定申告書などを受け取ります。

初回の失業認定を受けるためにおこなう手続き

雇用保険説明会を受けた後に、初回の失業認定を受けます。

初回の失業認定を受けると、7日間の待期期間満了の日の翌日から、認定日の前日までの日数分の失業給付の基本手当が、指定の口座へ振り込まれます。

ただし、自己都合退職の場合には、さらに3か月間の給付制限期間があるため、給付制限期間中の基本手当の振込を受けることはできません。

初回の失業認定を受ける際に持参するものは、一般的に次の通りです。

初回の失業認定の際に持参するもの
  • 雇用保険受給資格者証
  • 失業認定申告書
  • 受給資格者のしおり
  • 印鑑

2回目以降の失業保険をもらうためにおこなう手続き

初回の失業給付のための失業認定を受けた後は、これ以降、4週間ごとに失業認定を受けることになります。

失業認定を受けるごとに、失業認定を受けた日数分の失業保険(失業手当・失業給付)を受け取ることができます。

ただし、初回と同様、給付制限期間中の人(自己都合退職の場合など)には、3か月の給付制限期間が終了した後にしか、失業給付を受けることができません。

失業給付の終了

離職日の翌日から起算して1年後が、受給期間の満了日とされるのが原則です。

この受給期間満了日を過ぎると、失業給付の所定給付日数が残っていたとしても、原則として失業給付は支給されなくなります。また、当然ながら、転職活動に成功して再就職した場合にも、失業給付は終了します。

再就職が決まった場合には、速やかにハローワークに連絡し、基本手当の給付受領を終了します。

再就職が決まった場合であっても、再就職手当、常用就職支度手当など、基本手当以外の失業給付を受けられる場合がありますので、必要な手続を行いましょう。

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失業保険の不正受給は「3倍返し」!不正受給にならない方法と注意点

失業給付の受給継続が、不正受給に該当しないか、心配な事情がある場合には、労働問題に強い弁護士へ相談しましょう。悪質な不正受給に対しては、3倍返しの制裁がなされますし、受給した額の返還が必要なことはもちろん、今後の失業給付の受給にも支障が生じます。

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再就職後も失業保険をもらう方法!就業促進手当と失業保険の再受給

雇用保険では、早期に再就職が決定した場合にも一定の給付があります。加えて、再就職直後に離職した場合に、失業手当の受給を再開することが可能なケースがあります。自身の雇用保険について有利な受給をしたい場合、労働問題に強い弁護士のアドバイスをお求めください。

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失業保険を受給できない人のための手続き

出産、育児、介護などのためにしばらく働くことのできない人は、就労の意思や能力がないこととなるので失業保険がもらえません。また、健康保険の傷病手当を受給している人の場合には、同時に給付を受けることができないため失業保険がもらえません。

ただし、失業保険を受給できないこれらの人も、ハローワークで必要な手続きを行うことによって、失業保険の受給期間を延長することが可能です。

失業保険の受給期間を延長する手続きをおこなうことで、「就労の意思と能力が回復した」「傷病手当が受給できなくなった」など、失業保険をもらうことのできない理由が消滅したときに、できるだけ多くの失業保険を受け取ることができます。

また、ケガ、病気などのやむを得ない事情によってハローワークに行くことができない場合には、ハローワークに連絡をして指示を受けるようにします。

ケガや病気の場合はもちろん、就職面接など、やむを得ない理由がある場合には、認定日の変更が可能です。

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失業保険を受給するための「失業状態」とは?

失業手当は、再就職までの生活のため必須の収入ですが、「就職をしたいのに就職ができない」という人のための生活費を補うために給付であって、そもそも就職をする気がない人や、労働できない人には失業手当は給付されません。「失業状態」にあることが、失業手当を受給するための必須の要件となります。

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「労働問題」は、弁護士にお任せください!

今回は、会社を退職する際に必ずおこなっておくべき、失業保険を受給するために必要な手続きを弁護士が解説しました。

解雇をされたり、そうでなくても会社を退職せざるをえなくなったりしたとき、失業保険は、労働者の生活を守るためにとても重要な意味をもちます。確実に受給するためにも、手続きを間違いなく進めるようにしてください。

失業保険の受給に不安・疑問のある方や、退職にともなう労働トラブルが起こってしまった方は、労働問題に強い弁護士に、お早めに法律相談ください。

「雇用保険・失業保険」の法律知識まとめ

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弁護士法人浅野総合法律事務所(東京都中央区銀座)は、代表弁護士浅野英之(日本弁護士連合会・第一東京弁護士会所属)をはじめ弁護士5名が在籍する弁護士法人。 不当解雇、未払残業代、セクハラ、パワハラ、労災など、近年ニュースでも多く報道される労働問題について、「泣き寝入りを許さない」姿勢で、親身に法律相談をお聞きします。 「労働問題弁護士ガイド」は、弁護士法人浅野総合法律事務所が運営し、弁護士が全解説を作成する公式ホームページです。

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