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浅野 英之
弁護士
弁護士(第一東京弁護士会所属、登録番号44844)。東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。

企業側の労働問題を扱う石嵜・山中総合法律事務所、労働者側の法律問題を扱う事務所の労働部門リーダーを経て、弁護士法人浅野総合法律事務所を設立。

不当解雇、未払残業代、セクハラ、パワハラ、労災など、注目を集める労働問題について、「泣き寝入りを許さない」姿勢で、親身に法律相談をお聞きします。

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不当解雇の弁護士費用はいくら?相場の目安と安く抑える方法

不当解雇を争う際、不安なのが「費用はいくらかかるか」という点でしょう。

不当解雇を争う上で、弁護士に依頼することは非常に心強い選択肢ですが、最大のハードルとなるのは弁護士費用であることも事実です。

不当解雇は、単なる金銭トラブルではありません。職を奪われた精神的苦痛、名誉・尊厳の侵害は、どれほど金銭を受け取っても取り戻せません。しかし現実には、解雇されて収入が途絶えることで、生活の立て直しという問題に直面します。そのような状況で弁護士費用が予想外にかかり、結果として「争っただけ損をした」という事態は避けたいところです。

だからこそ、不当解雇を弁護士に依頼した際の費用の相場を知り、必要以上の負担をかけずに解決を目指すことが重要となります。

今回は、不当解雇の弁護士費用について、相場の目安を中心に解説します。

この解説のポイント
  • 不当解雇の弁護士費用は、相談料・着手金・報酬金などで構成される
  • 交渉・労働審判・訴訟の段階を進むごとに、費用が増加していく
  • 依頼時は見積書を確認し、追加費用や費用倒れのリスクに注意する

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解説の執筆者

弁護士 浅野英之

弁護士(第一東京弁護士会所属、登録番号44844)。東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。

企業側の労働問題を扱う石嵜・山中総合法律事務所、労働者側の法律問題を扱う事務所の労働部門リーダーを経て、弁護士法人浅野総合法律事務所を設立。

不当解雇、未払残業代、セクハラ、パワハラ、労災など、注目を集める労働問題について、「泣き寝入りを許さない」姿勢で、親身に法律相談をお聞きします。

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不当解雇の弁護士費用の内訳とは

はじめに、不当解雇をめぐる弁護士費用の内訳について解説します。

不当解雇の弁護士費用を把握するにあたり、知っておきたいのが「弁護士費用がどのような項目で構成されるか」という点です。不当解雇をはじめ、弁護士への依頼にかかる費用は一括で請求されるものではなく、複数の費目の合計となるからです。

弁護士費用の種類

内訳を知っておけば、見積もりの説明を受けた際にも正しく理解することができ、費用についての漠然とした不安を軽減することができます。

相談料:30分5,000円〜1時間1万円

相談料とは、不当解雇について最初に弁護士へ法律相談をする際に発生する費用です。

法律相談は、解雇が不当か、どのような解決方法が考えられるか、弁護士に依頼すべき事案かといった点を判断する、最も重要なステップです。相談料の相場は「30分5,000円」「1時間1万円」程度が目安となりますが、不当解雇のケースでは無料相談を実施している法律事務所も多いです。

不当解雇は、初動対応が結果を左右するケースも多く、解雇直後はもちろんのこと、まだ退職勧奨を受けている段階や、厳しい注意指導が続いている段階でも、弁護士への相談が効果的です。

着手金:不当解雇の場合、30万円程度

着手金は、弁護士に正式に依頼するタイミングで発生する費用です。

結果の成否にかかわらず、事件に「着手」してもらうための対価という位置づけであり、いわば「ファイトマネー」と表現されることもあります。

不当解雇のケースでは、着手金は固定額で設定されることが多いのが特徴で、その相場は、おおよそ30万円前後が目安となります。不当解雇の争いは、撤回や復職を目指すケースも多く、必ずしも経済的な利益が生じるとは限りません。そのため、成果に連動させにくい面があることから、着手金を固定額とする法律事務所が多くなっています。

一方で、解決金や慰謝料などの金銭請求を主とする事案では、労働者に過度な負担とならないよう、得られる経済的利益に応じて、着手金を割合で決めるケースもあります。この場合、以下の(旧)日弁連報酬基準が参考になります。

スクロールできます
請求額着手金報酬金
300万円未満経済的利益×8%経済的利益×16%
300万円以上3,000万円未満経済的利益×5%+9万円経済的利益×10%+18万円
3,000万円以上3億円未満経済的利益×3%+69万円経済的利益×6%+138万円
3億円以上経済的利益×2%+369万円経済的利益×4%+738万円

報酬金:固定額30万円程度か、経済的利益の16〜30%

報酬金は、不当解雇トラブルが一定の成果をもって解決した場合に発生する費用です。

例えば、解雇が撤回された、解決金が支払われた、退職勧奨が止まったといった、あらかじめ委任契約で定義した「成功」に該当する結果が得られると、報酬金が発生します。成功の程度に応じて発生するのが基本なので、解決に至らなかったり失敗したりすれば、報酬金は生じません。

そのため、依頼時には、「どのような結果を目指し、成功とするのか」を明確に説明してもらい、委任契約書に定めておくことが重要です。

報酬金の目安は、得られた結果によって次のようになります。

  • 解決金・慰謝料などの経済的利益が得られた場合
    → 16%〜30%程度
  • 解雇撤回による復職が実現した場合
    → 復職後の賃金月額の1ヶ月〜3ヶ月分程度
  • 退職勧奨が中止され、雇用が維持された場合
    → 在職中の賃金月額の1ヶ月分程度

なお、解雇された労働者を保護するために、着手時に支払う費用を安く抑え、成功時に多くの費用を回収する、いわゆる「成功報酬制」の料金形態を取る法律事務所では、着手金が安い分、報酬金が高めに設定される傾向にあります。

実費・日当

実費とは、不当解雇事件を進める過程で実際に支出を要する費用です。

例えば、労働審判や訴訟などの裁判手続きを利用するには、手数料(印紙代)が必要となります。また、交渉を進めるには郵便切手代や交通費などがかかることがあります。これらの実費は、原則として依頼者である労働者の負担となります。

また、弁護士が事務所を離れて活動したり、遠方の裁判所へ出向いたりする場合、その移動時間や距離に応じた日当が発生することがあります。

労働問題の弁護士費用」の解説

不当解雇の弁護士費用の相場

次に、ケース別に、費用の相場感を整理します。

不当解雇を弁護士に依頼した場合の費用は、どのような手続きで解決するかでも異なります。交渉で終わるのか、労働審判や訴訟を利用するのかによって弁護士の業務量が変わるので、弁護士費用も段階的に増えていきます。

交渉を依頼する場合の費用相場

会社との交渉を弁護士に依頼するケースは、不当解雇の争いの中でも比較的費用を抑えやすいです。「できるだけ費用と時間をかけたくない」「裁判までは考えていない」という人は、交渉で解決できるよう一定の譲歩や妥協をすることが考えられます。

交渉を依頼する場合の費用の相場は、以下のものを目安としてください。

  • 着手金:15万円〜30万円程度
  • 報酬金:解決金などの16%〜30%程度
  • 実費:数千円〜数万円程度

期間についても、1ヶ月〜3ヶ月程度で解決する例が多いです。会社側も早期解決を望む場合や、不当解雇であることが明らかな場合、交渉でまとまる可能性があります。一方で、労働者側が復職に固執すると、交渉での解決は困難です。

労働審判を依頼する場合の費用相場

交渉で解決しない解雇トラブルで、よく利用されるのが労働審判です。

労働審判は、労働者保護のために、原則として3回以内の期日で解決する迅速な手続きであり、不当解雇を争うケースで、金銭解決を目指すのに適しています。

労働審判を依頼する場合の費用の相場は、以下のものを目安としてください。

  • 着手金:30万円程度(※ 交渉からの継続依頼の場合、半額程度を追加着手金とする)
  • 報酬金:解決金などの16%〜30%程度
  • 実費(印紙・郵券代):1万円〜2万円程度

労働審判での解決にかかる期間は、3ヶ月程度が目安となり、訴訟に比べると短期間で結論を出してもらえるのが特徴です。

訴訟を依頼する場合の費用相場

労働審判の結果に、労使のいずれかが異議を出した場合、訴訟に移行します。

訴訟による解決は長期間となりやすく、弁護士の業務量も嵩むため、弁護士費用も高額になりやすいケースです。費用の相場は、以下のものを目安にしてください。

  • 着手金:30万円〜50万円程度(※ 労働審判からの継続依頼の場合、半額程度を追加着手金とする)
  • 報酬金:得られた経済的利益の16%〜30%程度
  • 実費(印紙・郵券代):1万円〜2万円程度
  • 日当:出廷回数に応じて加算される

訴訟による解決は、1年〜2年以上の期間がかかることも珍しくありません。その分、金銭的にはもちろん、精神的にも負担が大きく、リスクも大きい手続きです。訴訟に移行するかどうかの判断では、費用倒れのリスクも含めて、慎重に判断しなければなりません。

得られる経済的利益(解決金・慰謝料・バックペイなど)の目安

弁護士費用を検討する際、得られる経済的利益の目安も知っておく必要があります。

というのも、前章までの通り、不当解雇の弁護士費用は、どこまで争うかによって段階的に増えていくので、得られる経済的利益や自身の状況に応じて、どこまでこだわり抜くかを現実的に判断しなければならないからです。

一般的な目安として、次の傾向があります。

  • 解決金の見通し
    月額賃金の3か月分から1年分程度で、労使の責任や解雇無効の見通しによって判断される傾向にあります。
  • 慰謝料の目安
    話し合いで解決する場合、解決金に含めて調整されることが多く、別途の慰謝料が認められることは少ないです。また、労働審判や訴訟においても、解雇トラブルで慰謝料が認められるのは、相当悪質なケースに限られます。
  • バックペイ(未払賃金)
    解雇日から復職や解決に至るまでの賃金相当額として算出されます。

ただし、金額については必ずしも一律に決まるものではなく、解雇理由の悪質さや争った期間などによっても変動します。そのため、弁護士費用が見込まれる回収額を上回ることのないよう注意しなければなりません。

不当解雇の解決金」「不当解雇の慰謝料」の解説

不当解雇の弁護士費用は、事前説明を受けてから依頼する

不当解雇を弁護士に依頼する際は、費用について十分な説明を受けることが大切です。

弁護士費用に一定の相場はあるものの、実際にかかる費用は個別のケースによって異なるので、「なぜその費用が妥当なのか」を理解し、納得した上で契約すべきだからです。以下では、説明を受けるべき費用の妥当性やリスク、見積書の内容などについて解説します。

見積書を必ずチェックする

弁護士費用に疑問があるなら、見積書を求めるなど、書面で説明を受けましょう。

口頭の説明のみで依頼すると、予想外の費用が発生してトラブルになるおそれがあります。特に、不当解雇のケースでは、交渉だけでは解決せずに労働審判や訴訟に発展することも多く、その費用にどの段階の手続きまでが含まれているかを明確にしておかなければなりません。

また、終了時の報酬金を定める場合には、「何をもって成功とするのか」「どのように計算されるのか」も確認し、自分の希望と合致しているかをチェックしましょう。

なお、費用を正確に定めるには、一定の時間をかけて法律相談を行い、ヒアリングをする必要があります。電話やメールで簡単に伝えられた費用は、実際に依頼する場合とは異なるおそれもあるので慎重に確認するようにしてください。

追加費用の有無を事前に確認する

不当解雇のトラブルは、当初の想定通りに進まないこともあります。

会社側も、解雇の正当な理由を主張し、争ってくることが予想されるからです。手続きが段階的に交渉から労働審判へ、更に訴訟へと進んだとき、追加の着手金や報酬金がどれほど発生するかは、事前に確認しておく必要があります。

特に、裁判所への出廷が必要になった場合の日当、書類作成が増えた場合の追加費用などが高く設定されていると、争いが長期化した際に想定外の負担となるおそれがあります。

見込まれる回収額と比較して判断する

不当解雇の弁護士費用は、単に相場と比べるのではなく、得られる結果とのバランスで判断すべきです。重要なことは「なぜ、それだけの弁護士費用がかかるか」を合理的に説明できることです。

解雇トラブルの解決実績が豊富で、解決金などの見込額をある程度予想できる弁護士なら、将来の見通しと共に、弁護士費用について納得感のある説明ができるはずです。その結果、得られる経済的利益よりも弁護士費用の方が上回って費用倒れになるという最悪の結果は防げます。

一方で、解雇が撤回されて復職でき、将来も働いて給料を得ることができたケースなどは、金銭的な利益だけでは測れないメリットがあります。このような解決を目指す場合には、その結論が自分にとってどれだけの価値があるかで、弁護士費用の妥当性を判断する必要があります。

以上のことから、一般的な相場と異なる費用を提示された場合ほど、弁護士に質問して疑問を解消してから依頼することを心がけてください。

労働問題に強い弁護士の選び方」の解説

不当解雇の弁護士費用をできるだけ安く抑える方法

次に、不当解雇の弁護士費用を抑えつつ、納得のいく解決を目指す方法を解説します。

不当解雇を争う上で、法律の専門家である弁護士のサポートは不可欠です。既に収入が途絶えている状況では、弁護士費用が理由で依頼を躊躇する人もいますが、不当解雇の弁護士費用は、工夫次第で負担を軽減できることもあります。

無料相談を活用する

まず検討したいのが、弁護士の無料相談を活用する方法です。

無料相談だけで疑問が解消し、今後の対応方針が明確になれば、それ以上の弁護士費用はかかりません。また、複数の弁護士に無料相談を行い、解決方針や見積もりを比較すれば、自分に合った弁護士を選ぶこともできます。結果として、納得のいく解決につながりやすくなります。

なお、無料相談には、時間や回数の制限があるのが通常です。また、「費用が最安である」という理由だけで弁護士を選ぶと、不利な解決となって後悔するケースもあります。解決方針について、納得できる説明をしてくれるかどうかも重視して決めましょう。

労働問題を弁護士に無料相談する方法」の解説

着手金無料・成功報酬制の弁護士を選ぶ

弁護士費用を抑える方法として、着手金無料・成功報酬制の弁護士を選ぶ方法があります。

着手金は、結果にかかわらず発生する費用なので、これが不要であれば初動の負担を大幅に減らせます。特に、解雇直後で資金に余裕のない人にとっては大きなメリットです。

一方で、着手金無料は弁護士側にとってリスクなので、その分、報酬金を高めに設定されたり、一定の最低報酬が設けられたりすることがあります。そのため、初期費用の安さに釣られて依頼し、結果的に高額の請求となってしまう例もあります。

重要なのは、「着手金が安いこと」だけではなく、「解決した場合に、最終的に総額でいくらかかるのか」を見通して判断することです。

弁護士保険の利用を検討する

近年は、弁護士費用を補償する保険(弁護士保険)を利用できるケースもあります。

加入している保険が、労働問題を補償対象に含んでいれば、相談料や着手金の一部などを保険でまかない、自己負担を大幅に抑えることができます。ただし、保険の内容や補償範囲は、保険会社や契約によって異なるので、利用できるかどうかを確認する必要があります。

法テラスを利用する

収入や資力が乏しい方は、法テラスを利用する方法もあります。

法テラス(日本司法支援センター)は、一定の資力要件を満たすことで無料の法律相談を受けられるほか、弁護士費用の立替をしてもらい、分割で返済することが可能です。ただし、法テラスを利用する場合、弁護士を自由に選べない点に注意が必要です。不当解雇トラブルを専門的に扱う弁護士が必ず担当するとは限らず、対応の質に差が出るおそれがあります。

集団で協力して訴える

整理解雇や大量リストラなど、複数の労働者が不当解雇に悩むケースでは、集団で協力して争うことで弁護士費用の負担を抑える手もあります。

複数人で同じ争点を争うなら、弁護士の業務量が効率化されるので、その分だけ着手金の割引を提案してもらえるケースがあります。いわゆるブラック企業で働いている場合、同僚も同じ不満で悩んでいないか、一度確認してみる価値はあります。

事前に証拠を集めておく

不当解雇の証拠を事前に集めておくことも、弁護士費用の節約につながることがあります。

特に、解雇理由が記載された書面(解雇通知書、解雇理由証明書)などが手元にあれば、弁護士が「不当解雇であるかどうか」を判断しやすくなります。そして、見込まれる勝算が高ければ、その分だけ着手金を安く設定してもらえる可能性があります。

更に、証拠が十分にあれば、不要な手続きを省略することができ、会社が拒絶する場合には速やかに労働審判や訴訟に進むなど、解決までの期間も短縮できます。

不当解雇の証拠を集める方法

不当解雇の証拠」の解説

もっと安い解決策を利用する

極論すれば、不当解雇のトラブルを最も安く解決するには、全て自身で対応することです。弁護士に依頼しなければ、当然ながら弁護士費用は全くかかりません。また、労働基準監督署などの公的機関に相談するという方法もあります。

解雇の相談窓口

ただし、労働基準監督署は民事的な紛争には介入しないため、解雇の有効性が争いになるケースでは対応してもらえない可能性があります。安く解決できる手段を選んだことで、納得のいく解決にならずに後悔するおそれがあるので注意が必要です。

労働基準監督署への相談」の解説

後払い・分割払いに対応してくれる弁護士を探す

費用を安くするのが難しいとしても、支払い方法を工夫して負担を軽減できます。

特に、解雇直後で資金に余裕がない一方で、明らかに不当解雇であって将来の解決金や和解金の受領が大いに期待できるといった不当解雇のケースでは、いち早く対応するため、費用の後払いや分割払いに応じてくれる弁護士も少なくありません。

費用面で不安がある場合は、遠慮せず、支払い方法について弁護士に確認するのが大切です。

不当解雇を弁護士に依頼すべきかの判断のポイント

不当解雇に直面したとき、弁護士への依頼を躊躇する人も多いでしょう。弁護士費用がかかることから、費用対効果をよく検討しなければなりません。

以下では、不当解雇を弁護士に依頼すべきかを判断する際のポイントを解説します。

不当解雇を弁護士に依頼するメリット

不当解雇のトラブルを弁護士に依頼すれば、法的に有利な解決を目指せます。

不当解雇は、労働関連法令についての専門知識が必要であり、労働者が一人で会社と対等に戦うのには限界があります。弁護士に依頼することで、次のメリットが期待できます。

  • 専門的な法律知識に基づいて判断できる
    解雇が無効となる可能性や、その際に主張すべきポイント、証拠として入手すべきものなどについて、労働法の知識に基づく的確なアドバイスを得られます。
  • 経験を踏まえた交渉が可能になる
    解雇トラブルでは、解決金や和解条件に明確なルールがあるわけではなく、交渉力によって結果が大きく変わります。
  • 迅速に解決できる
    会社側は情報や資金の面で有利な立場にありますが、弁護士が介入することで交渉が進みやすくなり、労働審判や訴訟に至らず迅速に解決できる可能性が上がります。

メリットが見込める場合、弁護士に依頼する意義があり、早い段階で相談すべきケースと考えてよいでしょう。特に、会社が争う姿勢を見せている場合や、ハラスメントがあるなど感情的な対立が激しい場合は、早期の依頼を検討してください。

重要なのは、「これ以上どうしようもない」状況になってから弁護士を頼るのではなく、できるだけ早期に検討することです。不当解雇の争いは、初期の段階ほど選択できる対応策が多く、交渉の余地も広がります。弁護士が関与するなら早期の方が有利に進めやすく、結果として解決までの負担も減らすことができます。

不当解雇を弁護士に依頼すべきでないケース

全ての不当解雇トラブルで、必ず弁護士に依頼すべきとは限りません。

特に、費用対効果の検討は必須であり、見込まれる利益に比べて弁護士費用の方が高くなってしまいそうなら、依頼を控えた方がよい場合もあります(なお、その場合でも、争わずに我慢しなければならないわけではなく、自分で対応することも可能です)。

以下のケースでは、弁護士への依頼は慎重に検討してください。

  • 事案が非常に単純で、会社も争う姿勢を示していない。
  • 請求できる金銭が少額で、弁護士費用の方が明らかに高くなる。
  • 争いのポイントが人間関係や感情面であり、法的な争点が乏しい。

これらの場合、まずは自分で会社と話し合いを行い、記録を残しながら冷静に対応する手もあります。自分で進める際にも、解雇理由を書面で交付するよう求める、やり取りはメールに残すなど、証拠を確保しながら対応してください。

ただ、「自分で対応できそうかどうか」の判断も相当難しいです。迷ったときは、依頼するかどうかを決める前提としても弁護士の初回相談を利用し、専門家の意見を聞くことを強くお勧めします。

会社を解雇されたらやること」の解説

不当解雇の弁護士費用のよくある質問

最後に、不当解雇の弁護士費用について、労働者からよくある質問に回答しておきます。

弁護士費用を分割払いできる?

不当解雇の事案では、弁護士費用を分割払いにできるケースがあります。典型的なのは、着手金の全部または一部を、毎月一定額ずつ支払う方法です。

総額が同じでも、支払い時期や方法によって、依頼の可否が変わる場合があります。特に、解雇によって収入が途絶えた直後の労働者に配慮して、分割払いに応じている法律事務所も珍しくありません。

ただし、不当解雇の争いは初動が肝心であり、弁護士が速やかに動く必要があるため、一定額を事前に支払うことを条件とするケースも少なくありません。

また、慰謝料や解決金などの金銭請求を行わず、解雇の撤回と復職を目的とする方針の場合、解決してもすぐに金銭が得られるとは限りません。この場合、報酬金についても分割払いにせざるを得ないこともあります。

弁護士費用を後払いできる?

不当解雇の事案では、弁護士費用を後払いとするケースもあります。特に、着手金について後払いを認めるケースは、決して珍しくありません。

本来、着手金は「事件に着手する前」に支払うのが原則です。

しかし、解雇直後は生活が苦しく、「争いたくても着手金が用意できない」という人もいます。一方で、不当解雇であることが明らかで、解決金や和解金の獲得が見込める場合は、解決時に報酬金と合わせて着手金を支払う取り決めをすることがあります。

もっとも、後払いが可能かどうかは、事案の見通しやリスクによって弁護士の判断となるので、必ず認められるとは限りません。

途中で依頼をやめた場合、弁護士費用はどうなる?

不当解雇の対応を弁護士に依頼した後、途中で依頼を終了する例もあります。

「弁護士への信頼がなくなった」「会社の対応が止み、サポートが不要となった」など様々な理由がありますが、この場合、既に支払った着手金は返還されないのが原則です。

一方、報酬金については、「成功」と評価できる結果が生じていた場合にのみ発生します。解約などで依頼を取り止める場合、その時点で生じていた成果や、業務の進捗に応じて、報酬金の一定割合を弁護士から求められることがあります。

具体的な扱いは委任契約の内容によっても異なるため、依頼時に「途中解約の場合の費用の考え方」についてあらかじめ確認しておくことが重要です。

解雇紛争で負けた場合、弁護士費用はどうなる?

労働者側の主張が認められなくても、支払った着手金は戻ってこないのが原則です。そのため、弁護士費用を回収できず、「費用倒れ」に終わるおそれがあります。

もっとも、報酬金は成果が出たときに発生するので、解決に至らなければ生じず、その結果として着手金や実費のみが自己負担となります。

このようなリスクがある以上、弁護士に依頼する前に、希望する解決方針が実現可能か、見通しはどの程度かといった点について、十分に説明を受けなければなりません。勝算が乏しい依頼は、リスクが高いことを覚悟すべきです。

弁護士費用は会社側に請求できる?

弁護士費用は、依頼した人の自己負担となるのが原則です。これは、不当解雇を争って勝訴したり、和解に至ったりした場合でも同じことです。

例外的に、会社の対応が悪質で、不法行為(民法709条)に基づく損害賠償を請求する場合は、損害額の1割を目安に、弁護士費用相当額を損害に加えることがあります。ただ、この場合も、実際に払った弁護士費用全額を請求できるわけではありません。

なお、裁判まで至らず、交渉や労働審判で解決する場合には、労働者が勝ち筋の事案だと、弁護士費用相当額を和解金などに上乗せする例があります。

不当解雇に強い弁護士への相談方法」の解説

【まとめ】不当解雇の弁護士費用

弁護士法人浅野総合法律事務所
弁護士法人浅野総合法律事務所

今回は、不当解雇を争う際にかかる弁護士費用について解説しました。

不当解雇を争う際の弁護士費用は、相談料・着手金・報酬金といった内訳で構成され、事案の内容や解決の方法によっても異なります。だからこそ、「不当解雇を弁護士に依頼すると、結局いくらかかるのか」という相場感を知り、相談時に説明を求めるべきです。

いわゆるブラック企業が相手だと、労働者一人で戦うのは現実的でないケースも多いです。そして、弁護士費用の負担はあるものの、有利な解決が実現し、「依頼して良かった」と感じていただけるケースも少なくありません。

弁護士に相談する際は、単に費用のみで選ぶのではなく、「どのような解決の見通しを立てているのか」も含め、費用対効果を見極めるべきです。労働者の立場で提案できる弁護士ほど、メリットだけでなくリスクや費用についても丁寧かつ明確に説明します。

不当解雇という重大な問題に向き合うときこそ、納得できる専門家を選ぶことが、後悔しない解決への近道となります。

この解説のポイント
  • 不当解雇の弁護士費用は、相談料・着手金・報酬金などで構成される
  • 交渉・労働審判・訴訟の段階を進むごとに、費用が増加していく
  • 依頼時は見積書を確認し、追加費用や費用倒れのリスクに注意する

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