不当解雇・残業代など労働問題に強い弁護士に”イマスグ”相談!!

労働問題弁護士ガイド

 03-6274-8370

Shortcodes Ultimate

(24時間フォーム問い合わせ対応)

休日・休暇

「スモ休」、非喫煙者に最大6日の有休付与は不公平?違法?差別?

投稿日:

いたるところで禁煙が一般的となり、喫煙者には肩身の狭い時代になりました。「嫌煙ブーム」にさらに拍車をかける「スモ休」が、平成29年9月にウェブマーケティング会社「ピアラ」(東京都渋谷区)が導入したことから、巷で話題となっています。

「スモ休」は「スモーク休暇」の略称で、タバコを吸わない労働者の方(非喫煙者)に対して、特別に有給休暇を与える制度であり、1年間に最大6日の有給休暇が、特別に付与されることとなっています。

斬新であり、珍しい制度であることから、賛否両論あります。「ハラスメントを回避するいい手段だ。」「うちの会社でも導入したい。」という賛成の声がある一方、「喫煙者への差別ではないか。」「不公平であり、違法ではないか。」という反対の声もあります。

今回は、この「スモ休」制度の内容と、労働法における問題点(不公平、差別)について、労働問題に強い弁護士が解説します。

1. 「スモ休」の基礎知識

まず、「スモ休」という制度は、あるIT企業がこのたび採用したことから広まった、新しい制度であることから、まずどのような制度であるか、また、労働法的にはどのように考えればよいかを理解しておく必要があります。

そこで、「スモ休」の基礎知識について、弁護士が解説していきます。

1.1. スモ休とは?

スモ休とは、非喫煙者、すなわち、タバコを吸わない労働者に対して、1年間で最大6日間の有給休暇を与える、という内容の制度です。

この「スモ休」制度を導入して話題になっている会社のホームページによれば、「スモ休」の具体的な内容、対象となる労働者は、次のとおりとなっています。

  • 「スモ休」の目的
    ① 従業員一人一人の体調管理に関する意識を高め、従業員の健康増進を図ること
    ② 一部の喫煙者と非喫煙者の日中の労働時間の不平等感の解消を図ること
  • 「スモ休」の対象となる労働者
    :正社員で、かつ、入社後6か月以上勤務している、タバコを吸わない労働者(非喫煙者)

1.2. なぜ「スモ休」が必要なの?

「スモ休」を導入したIT会社「ピアラ」によれば、スモ休を導入するにいたった理由は、非喫煙者と喫煙者との不平等の解消にあるとのことのようです。

つまり、喫煙者は、業務時間中であっても、何度も「タバコ休憩」をとることが一般的となっています。そのため、非喫煙者の方が業務時間が短くなるか、余計に残業代を得ることができることから、非喫煙者から、「不公平」「不平等」との文句があがっても仕方ありません。

そこで、非喫煙者に対して、タバコを吸わない労働者の方が優遇される制度、すなわち「スモ休」を作ることによって、平等にしようとしたのが、「スモ休」が必要な理由です。

1.3. 喫煙者からの賛成も

以上の「スモ休」の制度の説明からすると、「スモ休」は、主には、非喫煙者のためにある制度であると考えることができます。

しかし、「スモ休」の対象とならない喫煙者の側からも、「スモ休」に対する賛成の声もあります。

「スモ休」があり、その恩恵を受けられないことによって、これまで肩身の狭い思いをしていた「タバコ休憩」を、堂々ととることができるようになるのではないか、という考えからです。

2. 喫煙者と非喫煙者との不公平とは?

「スモ休」の制度がつくられた理由は、非喫煙者からの、喫煙者の「タバコ休憩」に対する不満の声があがったことが大きいとされています。

非喫煙者が、喫煙者に対していだく不公平感の原因の多くは、業務時間中に、1日に何回もとられる「タバコ休憩」ではないでしょうか。例えば、次のような非喫煙者の不満がよくあります。

 非喫煙者の不満 
  • 「タバコ休憩」を何度もとることによって、同じ給料でも非喫煙者の方が労働時間が短くて済む。
  • 業務時間中の「タバコ休憩」によって仕事が進まなかった結果、非喫煙者の方が残業時間が長くなり、残業代をたくさんもらうことができる。
  • 喫煙者と一緒に業務をすると「タバコ休憩」を多くとられることによって、業務効率、生産性が低下する。
  • 「タバコ休憩」と称して、喫煙以外のさまざまな用事やスマホいじりなど、非喫煙者のサボリが横行している。

「タバコが無いと生きていけない」と主張する喫煙者も多いかもしれませんが、タバコは「嗜好品」ですから、タバコを吸うことによって仕事をしなかったり、残業代を余計にもらったりすることが正当化されるわけではありません。

これらの不満を抱かせてしまうことによって、非喫煙者のストレスが多くなり、業務に支障が出るようであれば、「スモ休」によって改善することも必要となってくるでしょう。

 例 

例えば、喫煙者がタバコ1本を吸い終わるのに「3分」かかるとします。この喫煙者が、1日に10本のタバコを吸っていたとすれば、この喫煙者は、非喫煙者よりも労働時間が「30分」短い計算になります。

更には、職場内でタバコを吸える会社は少なくなっていますから、外に出て吸わなければならず、その度ごとに移動時間や、コンビニへの立ち寄りなどの時間がかかるとすれば、この不公平は、さらに大きくなります。

また、スメハラ問題が大きくニュースになっていることから、職場内で仕事をしながらタバコを吸える会社はないでしょうが、仮に仕事をしながら吸っていたとしても、業務効率が大きく低下することは明らかです。

3. 「スモ休」のデメリット

以上のとおり、タバコを吸わない労働者(非喫煙者)の不平等感をなくし、喫煙者、非喫煙者の不公平を是正することを目的につくられた「スモ休」の制度ですが、反対の声も少なくありません。

そこで次に、「スモ休」のデメリットや、「導入すべきでない。」といった反対意見の理由について、弁護士が解説します。

3.1. 有給休暇を使いきれない

日本では、労働基準法(労基法)に、6か月以上勤務した労働者に与えられる権利として、「年次有給休暇(年休)」が与えられています。

しかしながら、統計でみると、日本の有給休暇消化率はかなり低く、労働者の方の多くが、法律上の権利として与えられている有給休暇すら、使い切ることができていないのが現状です。

そのため、非喫煙者の方が、有給の「スモ休」をもらったとしても、年休すら使いきれていないのに「スモ休」までも使いきれず、結局制度の目的が達成されないのではないか、という反対意見があります。

3.2. 「スモ休」を取りづらいケースがある

「スモ休」の取得を、会社全体で推奨していく雰囲気をうまく作らなければ、「スモ休」がとりづらく、結局「スモ休」が活用されない、というケースも容易に想像できます。

現在、有給休暇の取得率が低くとどまっている理由も、「他の社員ががんばって働いている中で、有給休暇をとるとは言い出しづらい。」というのが、1つの大きな理由となっているからです。

ましてや、「スモ休」の申請窓口となっている上司が喫煙者であった場合などには、さらに「スモ休」のとりづらさが増し、意味のない制度になってしまいかねません。

3.3. 喫煙者(タバコ)差別である

「スモ休」は、喫煙者と非喫煙者との間の不公平感を解消するための、また、「健康増進」のための、かなり思い切った制度であるといえます。

そのため、「やりすぎではないか?」「喫煙者(タバコ)に対する差別ではないか?」という批判は、喫煙者だけでなく、非喫煙者からもあがっています。

非喫煙者には、タバコの煙(副流煙)を吸うことを強要されない権利がありますが、喫煙者にも「タバコを吸う権利」があり、他人に迷惑をかけない限り、権利が制限されすぎることもまた問題だからです。

4. 「スモ休」は差別になる?違法?

さきほど、喫煙者にも「タバコを吸う権利」がある、という解説をしました。そこで、「スモ休」が、喫煙者に対する不当な差別になるのではないか、そして、違法なのではないか、という点について考えてみましょう。

まだ「スモ休」は、新しい制度として話題になっている段階であり、裁判などが起こっているわけではないので、ここでは、違法の可能性のある問題点について、あげておくにとどめておきます。

4.1. 差別が合理的かどうか

まず1点目に、「喫煙者のタバコ休憩による不公平」を是正するという「スモ休」の目的が、そもそも不合理な差別なのではないか(合理的な理由ではないのではないか)という点です。

「喫煙者」の中にも、長時間のタバコ休憩や、1日何度もタバコ休憩をとって、会社に迷惑をかけるような労働者ばかりではありません。むしろ大半の非喫煙者は、肩身の狭い思いをしているのではないでしょうか。

そのような「不公平」「不平等」がそれほど大きく発生していない喫煙者、非喫煙者の問題にまで、「スモ休」を一律に与えることに、果たして合理性があるのかどうかが問題となります。

4.2. 喫煙者をどう定義するか

次に2点目として、どのような労働者を「スモ休」の与えられない「喫煙者」とするか、という問題があります。

喫煙者の中にも、「禁煙」をして非喫煙者になる方もいれば、「禁煙」を宣言したものの、隠れてすぐに吸い始める人もいるため、「スモ休」の対象者をどのように区切るか、また、「喫煙者であるかどうか」をどのようにチェックするか、についてもルール作りが難しい面があります。

4.3. 有給休暇が多すぎないか

最後に3点目として、仮に喫煙者のタバコ休憩や、それに伴うサボリ、業務効率の低下などがあったとしても、「1年間で6日」もの有給休暇の取得は、あまりに多すぎるのではないか、という点です。

「健康増進」という目的もまた、タバコを吸わないことを逆に強制しているかのようであり、「タバコを吸う権利」を制限しすぎているのではないか、という問題もあります。

5. まとめ

今回は、平成29年9月から「ピアラ」にて導入されたことが話題となっている「スモ休」について、弁護士が解説しました。

反対の声やデメリットも考えられるものの、「健康増進」、「非喫煙者の不平等の解消」といった制度目的は、配慮の必要なものであり、「スモ休」が今後広がっていくのかどうか、注目です。

労働問題に強い弁護士へ相談!

労働問題に強い弁護士へ相談!


ご相談者名(必須) ※フルネームでお願い致します。

メールアドレス(必須)

電話番号

ご住所 ※東京都の事務所での相談が中心となります。

ご相談の内容

労働問題は、弁護士にご相談ください!
不当解雇、残業代、パワハラ、セクハラなど、会社で起こる労働問題にお悩みではありませんか?労働者に有利な解決のためには、労働法、裁判例の知識、解決実績が豊富な弁護士にお任せください!

労働問題に強い弁護士が、あなたの労働問題の解決を、徹底サポートいたします。

-休日・休暇
-, , ,

Copyright© 労働問題弁護士ガイド , 2017 AllRights Reserved.