仕事はときに我慢も必要ですが、嫌な仕事を押し付けられるのはつらいでしょう。
働きがいのある職場でも、忙しすぎるときつくなることがあります。どれほど良い会社にも、嫌な仕事、苦手な上司がいることは少なくありません。
相談者自分だけきつい仕事を押し付けられている
相談者他の人と比べると、明らかに業務量が多い
無理な納期、面倒な雑用など、上司から押し付けられる嫌な仕事は断りたいと感じるでしょう。あまりに自分ばかりが嫌な仕事を押し付けられると「パワハラではないか」という疑問を抱くのも無理はありません。仕事を押し付ける人には共通する特徴がありますが、断りきれずに引き受けると長時間労働になる上、会社そのものが悪質だと残業代が未払いとなる危険もあります。
今回は、嫌な仕事を押し付けられることがパワハラに当たるのか、その基準や押し付ける人の特徴を、労働問題に強い弁護士が解説します。
- 嫌な仕事の押し付けが、違法なパワハラに該当する場合がある
- 押し付けられやすい人、押し付けてくる人にはそれぞれ、共通の特徴がある
- 明確に断り、理由や証拠を示し、それでも改善しなければ社内外に相談する
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嫌な仕事を押し付けられるのはパワハラにあたる

嫌な仕事を押し付けられるとき、それは違法なパワハラの可能性があります。
パワハラ(パワーハラスメント)は、労働施策総合推進法30条の2第1項で、①優越的な関係を背景とした言動であり、②業務上必要かつ相当な範囲を超えて、③労働者の就業環境が害される行為のことと定義されます。仕事の押し付けも、この要件を満たせばパワハラに該当します。
仕事の押し付けは「過大な要求」や「過小な要求」となる
厚生労働省は、パワハラを6つの類型に分けてわかりやすく説明しています。具体的には「身体的な攻撃」「精神的な攻撃」「人間関係からの切り離し」「過大な要求」「過小な要求」「個の侵害」の6つです(参照:厚生労働省「パワハラの6類型」)。
このうち、「嫌な仕事を押し付けられた」というケースは、業務上明らかに不要なことや困難な仕事を強制するのであれば「過大な要求」、合理性のない仕事、価値の低い雑用などを押し付けるのであれば「過小な要求」といった類型に該当し、パワハラとなる可能性があります。
「任せる」と「押し付ける」は異なる
社員に仕事を「任せる」のは全く違法ではなく、「押し付ける」のとは大きく異なります。業務量が多かったり難易度が高かったりするだけで問題視されるわけではありません。むしろ、成長を期待してあえて「任せる」ケースもあります。
重要なのは、仕事を与える側が、与えられた側に配慮しているという点です。現状の仕事量との調整、過度な負担でないかの確認、一任するのではなくサポートや補助を行うといった配慮があれば、押し付けになりづらく、パワハラでもありません。職場でのトラブルを避けるには、まずは上司や会社の側が、「押し付ける」のではなく「任せる」姿勢を心がけるべきです。
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仕事の押し付けを違法と判断した裁判例
裁判例でも、仕事の押し付けが問題視された事例があります。以下では、仕事の押し付けが違法なパワハラと判断され、慰謝料の支払いが命じられた裁判例を紹介します。
入社2ヶ月の建築現場の職員に対する仕事の押し付けの事案です。
当該社員は、土木建築の仕事に誇りを持っていたものの、強い責任感につけ込まれ、上司に弁当を買いに行かされ、他の作業員の仕事を押し付けられるなどの被害に遭った上、仕事のやり方がわからず、一人で深夜遅くまで残業したり、徹夜作業したり、「今日中に仕事を片付けておけ」と命じられたりしたことが認定されました。
裁判所は、会社に対し、労働者の肉体的、精神的苦痛に対する慰謝料として150万円の支払いを命じました。
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嫌な仕事を押し付けられることの悪影響

嫌な仕事を押し付けられることは、大きなストレスとなります。
「嫌な仕事を押し付けられるのはパワハラにあたる」と解説しましたが、明らかに違法なパワハラでなくても、やりたくない仕事や雑用ばかりやらされると、行動を強制されて苦痛になってしまいます。仕事の押し付けは、上司・部下の関係で起こるため、断りづらい側面があります。
押し付けられるのは総じて、嫌な仕事、きつい仕事、困難な仕事、評価につながらない仕事でしょう。一方で、楽な仕事、評価につながりやすい仕事は、担当する人自身が抱え込むため、押し付けられる人には回ってきません。
嫌な仕事を押し付けられていると感じれば、やる気や集中力も下がります。どれほど努力しても嫌な仕事しか回ってこなくなり、評価もされなければ当然でしょう。仕事へのモチベーションが下がると、ひいては事故やミス、クレームにつながる悪影響もあります。
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嫌な仕事を押し付けられる人の特徴

では、仕事を押し付けられるのはどのような人でしょうか。当然ながら不当に押し付ける側には問題がありますが、仕事を押し付けられやすい人には、共通する特徴があります。
控えめで文句を言わない
控えめな性格で文句を言わない人は、仕事を押し付けられやすいと考えられます。はっきりと断れないことが、仕事の押し付けを促進してしまう面もあります。「面倒な仕事を誰かにやってもらいたい」と考える会社や上司からは、強く言うと逆らえない人は標的とされます。強すぎる自己主張も問題ですが、言うなりになる必要はありません。
他人の評価を気にしすぎる
他人の評価を気にしすぎる人は、自分の態度によって仕事を押し付けられる原因を作ることがあります。人事評価は大切ですが、顔色を伺いすぎると利用されてしまいます。「頼まれ事を拒否すると悪く思われるのでは」と不安に感じるほど、断りづらくなるからです。
仕事は好き嫌いで判断すべきではなく、「押し付けられた仕事を断ったから低評価にしよう」というのは不当な人事評価であると考えるべきです。
「不当な人事評価によるパワハラ」の解説

他人思いで断れない
他人思いの性格が行き過ぎると、はっきり拒絶できない人がいます。断ったときの迷惑を考えたり、人間関係を気にしたりする人もいます。悪質な上司や会社は、これにつけ込み、急用や多忙を装って嫌な仕事を押し付けようとします。自己犠牲の精神で、自分を顧みず引き受け続けると、過大な業務をこなさなければならなくなります。
責任感が強い
責任感や仕事への情熱は重要ですが、仕事を押し付けられがちな特徴の一つです。
仕事に熱心で、責任感が人一倍あるほど、自分が無理をして解決しようとしますが、熱意を逆手に取られると仕事を押し付けられやすくなります。そもそも、押し付けられる仕事の中には「やる必要のない仕事」「嫌がらせ」が含まれているのではないかも検討してください。
親しみやすい性格で頼まれやすい
親しみやすさは長所であり、重要な仕事を任せてもらいやすいメリットがあります。しかし、任せる側に問題があると、命令や指示をしやすいことが、かえって無茶振りにつながり、嫌な仕事を押し付けられる原因になってしまいます。
仕事ができると思われている
周囲の信頼が厚いほど、無理難題を押し付けられる傾向にあります。
良い評価をされて仕事を与えられるのは「期待の裏返し」ですが、悪質な会社や上司に利用されると逆にデメリットにもなります。「断ると信頼を失ってしまうのではないか」という恐怖から、仕事を押し付けられ続けている人は少なくありません。
自宅が職場の近くである
自宅が職場の近くである「職住近接」の人ほど、嫌な仕事を押し付けられやすいです。「終わったらすぐ帰れる」「いつでも呼び出せる」と考えられてしまっていることもありますが、自宅が近いからという理由で頼まれるような仕事は、その人がしなければならない理由はありません。自ずと、誰もやりたがらない仕事や雑用ばかりが増えてしまいます。
「労働問題に強い弁護士の選び方」の解説

嫌な仕事を押し付けてくる人の特徴

次に、仕事を押し付けてくる人の特徴について解説します。
悪意のある人もいれば、押し付けている自覚のない人もいますが、特徴にあてはまる上司には、可能な限り近づかないのが賢明です。また、特徴やその心理を理解すれば、断りやすくなります。
楽することを最優先に考えている
自分が楽をするのが最優先だと、周囲の人が苦労します。自分さえ良ければよいという発想だと、嫌な仕事は他人に押し付けようという考えになってしまうでしょう。直接命令する場合だけでなく、嫌な仕事や雑用だけを残して帰宅し、残った人にやらせようという圧力をかける人もいます。
責任を負いたくない
責任感がないことは、仕事を押し付けてくる人の特徴の一つです。
重要な仕事、困難な仕事ほど、責任も重くなりがちで、「逃げよう」という心理から誰かに任せようとするのです。苦手な仕事を人に任せるのは、業務を効率化できるメリットもありますが、自己保身で押し付けるべきではありません。このような人ほど、手柄や評価は横取りしようとします。
社内の立場を利用する
職場の上下関係があると、頼まれごとを断りづらいものです。
仕事を押し付けてくる人は、断りづらい心理を理解して、無理な仕事をやらせようとします。上司・部下だけでなく、正社員が派遣社員に嫌な仕事をやらせるのも、立場を利用した押し付けです。同僚間でも、会社の評価に差があると、立場の上下が生まれて押し付けが起こることがあります。
管理職の役割を果たしていない
管理職は、部下を管理する役割を担います。その中には、業務量を把握して配分を決めることが含まれますが、仕事を押し付けてくる人はこの役割を果たしません。緊急性や重要性などをもとに優先順位を付け、無理のないよう仕事を割り振ることも管理職の仕事です。管理職が適正にマネジメントしないことは、ひいては会社の安全配慮義務違反にもつながります。
自分が正しいと思い込んでいる
仕事を押し付けてくる人は、自分が正しいと思い込み、自分の基準で判断する傾向があります。周囲から見れば明らかに過剰労働でも、さらに仕事を与えようとしてくるのが典型例です。優秀な上司ほど、「自分ならできるから」と無理強いしてきますが、押し付けになってしまっています。
価値観の強要による仕事の押し付けは、パワハラだけでなくモラハラにつながる危険もありますが、「自分が正しい」と思っている人の考えを変えさせるのはなかなか困難です。
「職場のモラハラの特徴と対処法」の解説

教育や成長を口実にしがちである
教育や成長を、嫌な仕事を押し付ける口実にしようとする人もいます。
例えば、「将来のために嫌な仕事も経験しておくべき」「雑用を我慢するのも今後のためだ」といった発言には要注意です。本当に人のためを思って仕事を与えているのであればよいですが、単なる言い訳であって、実際は嫌な仕事を押し付けたいだけのこともあります。
一見フレンドリーである
仕事を押し付けてくる人の中には、一見するとフレンドリーな人もいます。しかし、「友好的な関係を築けている」と思うほどに、その人からの頼まれごとを断りにくくなります。このタイプは、悪意のあるケースばかりでなく、「ちょっとお願い」「この作業もついでに」といった形で雑用を押し付けようとしてくることがあります。
「労働問題を弁護士に無料相談する方法」の解説

嫌な仕事を押し付けられるのは職場環境が原因のこともある

以上「嫌な仕事を押し付けられる人の特徴」「嫌な仕事を押し付けてくる人の特徴」はいずれも、人に着目した解説です。
しかし実際は、嫌な仕事を押し付けられる原因が、社員個人ではなく職場環境にあることもあります。環境の問題は個人の努力で解決できないものも多く、あまりにひどい押し付けが常態化していると、退職を検討する原因となります。
人手不足が慢性化している
そもそも人手が足りていないことで嫌な仕事ばかり回ってくる職場があります。人手不足が慢性化すると、社員一人あたりの業務量を増やして解決するしかなくなります。
部下の業務量が増えるだけでなく、上司もまたキャパオーバーだと、他人を気遣う余裕も失われ、嫌な仕事、辛い仕事が社内で「押し付け合い」になります。
「人手不足なのに雇わない企業の理由と解決策」の解説

仕事を押し付けられても評価されない
嫌な仕事を押し付けられたのに、正当な評価を受けられない会社もあります。
つらい仕事、大変な仕事でも、「誰かがやらなければならない」ということは少なくありません。このとき、その仕事を率先して対応した人は高く評価されて報われるべきです。しかし、会社の評価制度が機能していないと、嫌な仕事を押し付けられることは損でしかありません。このような会社に長くいる上司は、立場を利用して出世や評価に直結する仕事のみ選び取り、それ以外の嫌な仕事は部下に押し付けるといった「いいとこ取り」が発生してしまいます。
仕事の割り振りや配置に失敗している
仕事の押し付けは、業務の割り振りや人員配置によって解決できる場合もあります。しかし、仕事を押し付けられていると感じるような職場では、労務管理や人事がうまくいっていません。経営者や管理職が気付かないうちに、現場では特定の人ばかりに嫌な仕事が押し付けられているケースは、本来であれば会社全体として再配分すべきであることも多いものです。
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嫌な仕事を押し付けられたときの断り方

次に、嫌な仕事を押し付けられたときの断り方について解説します。
任された仕事の中には、自分の成長につながるもの、結局は誰かがやらざるを得ないものもありますが、負担の大きい働き方には限界があります。イライラしたまま我慢して続けるべきではなく、適切な対処法や断り方を理解しておきましょう。
きっぱりと断る
仕事の押し付けの被害を受けないために、断るときは明確に意思表示しましょう。曖昧な態度を続けていると、嫌な仕事を押し付けられる原因を自ら作ってしまいます。
断る理由を明確に示す
仕事を断る際、ただ「やりたくない」と伝えるだけだとやる気や意欲を疑われるおそれがあるため、断る理由を同時に伝えるべきです。
例えば、次のような理由を伝えるのが効果的です。
- 仕事量が多く、キャパオーバーである。
- 現状の仕事量だと、納期を守ることができない。
- 自分の担当業務の範囲ではない。
断る理由を伝えるときは、あわせてその証拠を示すのが効果的です。
例えば、「業務量」を理由に断る場合、自分の手元にある仕事をリストにして可視化するのが有効です。「担当業務の範囲」を理由に断る場合、雇用契約書や就業規則、職務分担表、シフト表など、業務範囲が明確にわかる資料を用意するのがよいでしょう。
具体的な証拠をもとに説明すれば、「面倒だ」「やりたくない」といった自分勝手な理由ではないことを理解させ、評価への悪影響を抑えることができます。
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上手な断り方を身につける
まだ会社に残りたいのであれば、配慮のある断り方も身に付けましょう。
一方的に嫌な仕事を押し付けようとする人や、それを放置する職場環境には問題がありますが、仕事には一定の我慢も必要となります。こちらが配慮することで解決する場合もあります。
例えば、断る際の態度や言い方で、次のポイントを押さえておいてください。
- 上司や管理職の苦労に理解を示す。
- これ以上仕事を増やせない理由を丁寧に伝える。
- 断るときでも枕ことばをつける(例:「大変申し訳ありません」「恐縮ですが」など)。
- 上司個人や仕事内容に対する不満はないことを伝える。
- 「業務量」や「業務の範囲」といった自分側の理由で断る。
- 一部は引き受ける、大変な業務はチームで分担するなど、代替案を示す。
「面倒だ」というのが顔に出て、嫌な気分にさせてはマイナスしかありません。特に、悪意や自覚なく押し付けようとしてくる人ほど、「嫌いだ」と感じると今後良い仕事を任せようとしなかったり、こちらの頼みごとも拒否してきたりといった嫌がらせに発展することもあります。
押し付けてきた社員の上司に相談する
嫌な仕事を押し付けられた場合、さらに上位の上司に相談するのが効果的です。
上司・部下や同僚間など、現場での仕事の押し付けはなかなか見えにくいものです。本来であれば会社全体として再配分すべきでも、部署内で起こっていると解決しにくくなってしまいます。残念ながら「上司が調子に乗っている」「あなたが舐められている」というケースもあります。
この場合、さらに上位の上司に注意してもらうことで改善が期待できます。また、押し付けた人にも悪意がなく、ただ仕事が忙しかったという場合、会社に相談することで業務量の調整や人員の再配置といった根本的な解決策に着手してもらえることもあります。
なお、この場面でも、「上司に問題がある」という伝え方だと反感を買うおそれがあるため、あくまで人手不足や業務量を理由とするのがおすすめです。
「労働問題の種類と解決策」の解説

断っても嫌な仕事を押し付けられ続けるときの対処法

断ってもなお、嫌な仕事を押し付けられ続けることがあります。拒否の意思を明確に示したにもかかわらず解決しないときは、被害拡大を防ぐための手段を講じなければなりません。
仕事を押し付けてくる人から物理的に離れる
嫌な仕事を押し付けてくる人から物理的に離れる努力をしましょう。
「嫌な仕事を押し付けてくる人の特徴」を参考に、そのような気配を感じたら速やかに距離を置きましょう。プライベートの誘いに乗らないのは当然、業務においても、会社に問題視されない程度に距離を置き、不必要な雑談はしないといった対応が重要です。
悪化する場合は、会社に相談して部署異動を願い出る方法もあります。仕事の押し付けによって体調やメンタルに不調を来しているなら、休職制度を利用するのもよいでしょう。
社内外の相談窓口を活用する
社内外の相談窓口を利用して解決する方法を検討してください。
会社は、パワハラ防止に必要な措置を講じる義務があり、相談窓口を設置する必要があります(労働施策総合推進法30条の2第1項)。そのため、「嫌な仕事を押し付けられた」というパワハラに関する相談は、社内の窓口で行うことができます。
人事や総務の部署に問い合わせ、担当者を確認しておきましょう。
仕事の押し付けが不適切であると会社が評価すれば、押し付けた人の評価が下がったり、異動や懲戒処分が検討されたりするでしょう。
しかし、小規模な会社であったり、そもそも社長からの押し付けであったりすると、社内での解決は難しく、社外の窓口を利用するしかありません。
社外の相談窓口の代表例は、労働基準監督署(労基署)です。ただし、労基署は、労働基準法などの法律違反を取り締まる行政機関なので、重度のハラスメントや長時間労働などが存在する場合でなければ対応しないおそれがあります。特に、仕事の押し付けは「指導」を装ってされるため、明確なパワハラと言いにくい場面もあります。
行政機関では解決できないときの最終手段は、弁護士への相談が適切です。弁護士に解決を依頼すれば、会社に対して内容証明を送り、「現場で仕事の押し付けが起こっているので、このまま対応しなければ安全配慮義務違反の責任を追及する」と警告することが可能です。
「長時間労働の相談窓口」の解説

残業代と損害賠償を請求する
相談しても仕事の押し付けが放置されているとき、会社にも問題があります。
加害者である上司だけでなく、会社としての対応を促すために、相談しても解決しないのであれば残業代や損害賠償を請求する方法を検討してください。
仕事の押し付けは「事業の執行」について行われた不法行為であり、加害者に対する損害賠償だけでなく、会社に対しても使用者責任を問うことができます。(民法715条)。また、健全な職場環境で働くことができない場合には、安全配慮義務違反の責任を追及できます。
嫌な仕事を押し付けられた時間は「労働時間」にあたるため、残業代が生じます。会社が働きに気付かず、未払い残業代が生じているとき、請求することで問題に気付かせることができます。
「残業代請求に強い弁護士への無料相談」の解説

退職して職場を変える
仕事の押し付けを放置する会社には問題がありますが、人に仕事をさせるパワハラ気質の上司が出世するなら、もはや職場環境の改善は難しいかもしれません。会社に訴えても変わらないなら、退職して転職し、職場を変えることも視野に入れましょう。被害を回復するための残業代や慰謝料の請求は退職後でもすることができます。
「退職届の書き方と出し方」の解説

嫌な仕事の押し付けとパワハラに関するよくある質問
最後に、嫌な仕事の押し付けとパワハラに関連して、よく寄せられる質問に回答します。
雑用ばかり押し付けるのは辞めてほしいサイン?
嫌な仕事や雑用ばかりだと「辞めてほしいサインなのでは」と感じることもあります。
確かに、社内での評価が低いと、重要な仕事を任せてもらえない結果、雑用ばかりとなってしまう人もいます。
しかし、そもそも「辞めさせるため」に嫌な仕事ばかりを押し付けることは違法です。会社が労働者に業務命令できるのは、労働契約で定められた範囲内で、業務上の必要性を根拠とする場合に限られます。退職させることを目的とした業務命令は違法であり、従う必要がありません。
問題のある会社から退職を目的として嫌な仕事を押し付けられ続けているときは、「断っても嫌な仕事を押し付けられ続けるときの対処法」を参考にしてください。
仕事の押し付けが起こらないようにする企業側の対策は?
仕事の押し付けが起こらないよう、企業側でも対策が必須となります。
「嫌な仕事を押し付けられるのは職場環境が原因のこともある」の通り、上司個人だけでなく、職場環境に問題がある場合、仕事の押し付けが起きやすくなるからです。
まず、法律で義務となっているハラスメント相談窓口を必ず設置し、社内で周知を徹底しましょう。これにより、仕事の押し付けに悩んでいる人が相談しやすくなり、会社として業務量の調整や人員配置などの対策への着手を早めることができます。
管理職の立場の人が現場で仕事を押し付けることのないよう、管理職研修、ハラスメント研修などで、「上手な仕事の任せ方」を教育することも大切です。
最後に、それでもなお問題が起こってしまった場合に早く気付けるよう、ストレスチェックや産業医面談などを通じて、従業員の健康管理を徹底してください。
【まとめ】嫌な仕事の押し付けはパワハラになるか

今回は、嫌な仕事の押し付けが、パワハラになるかどうかについて解説しました。
仕事を押し付ける理不尽な上司がいる職場では、その人自身がすべきと考えられる仕事ですら周囲に押し付けられることが少なくありません。パワハラ気質の上司ほど、やりたくない仕事や他部署の仕事、雑用などでも人に押し付けようとしますが、一方で、押し付けられた仕事を適切に遂行したとしても、評価されない場面が多いものです。
仕事の押し付けはパワハラであり、違法になる可能性があります。押し付けられたときの対処法や断り方を理解し、社内での立ち回りに注意しましょう。拒否の仕方を誤ると、「柔軟性がない」「やる気がない」などと見られ、自身の評価に影響するおそれもあります。
我慢して嫌な仕事を引き受け続けると、過重労働となってしまう危険があります。仕事の押し付けにお悩みの方は、ぜひ一度弁護士に相談してください。
- 嫌な仕事の押し付けが、違法なパワハラに該当する場合がある
- 押し付けられやすい人、押し付けてくる人にはそれぞれ、共通の特徴がある
- 明確に断り、理由や証拠を示し、それでも改善しなければ社内外に相談する
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