労働審判は、個別労使紛争を、迅速かつ柔軟に解決するために設けられた裁判手続です。
労働者保護のための手続きなので、未払い残業代の請求において有効な選択肢の一つです。残業代は法律上認められた正当な権利ですが、いざ請求となると「時間や費用がかかりすぎるのでは」という不安もあるでしょう。労働審判なら、通常の訴訟と比べ、原則3回以内の期日で結論が出るため、比較的スピーディな解決が期待できます。
ただし、事案の内容や証拠、希望する解決によっては、労働審判に向かない残業代請求もあるので、注意点や手続きの流れも正確に理解した上で利用することが重要です。
今回は、労働審判による残業代請求のポイントを、労働問題に強い弁護士が解説します。
- 労働審判は、個別労使紛争を、簡易、迅速かつ柔軟に解決するための制度
- 残業代請求の場面でも労働審判の利用にはメリット・デメリットがある
- 残業代請求で労働審判を活用するには、訴訟との比較を理解して選択すべき
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労働審判で残業代を請求できる?

結論として、残業代請求は、労働審判の対象となる典型的な労働問題です。
労働審判は、迅速かつ柔軟に解決できる制度であり、その特徴が残業代請求に適しているからです。ただし、訴訟との違いを理解し、状況に応じた適切な手段を選択する必要があります。
労働審判とは
労働審判は、迅速・適正、かつ実情に即した柔軟な解決を目的とした裁判手続です。
労働審判法を根拠とし、個別労使紛争(労働者と会社の労働問題)を対象とします。一定の地方裁判所で行われ、原則3回以内の審理で解決を目指す仕組みです。
裁判官1名と労働者側・使用者側の労働審判員各1名の計3名が労働審判委員会を構成し、審理を行います。
手続きは非公開で、話し合いが重視されます。合意が成立する場合は調停成立により解決しますが、決裂する場合は審判が言い渡されます(審判に不服がある場合は、異議申立てにより民事訴訟に移行できます)。
労働審判の多くのケースが和解(調停成立)で解決しているため、解決力の高い制度と考えられ、当事務所でも労働者側では積極的におすすめしています。
残業代請求が労働審判に向いている理由
前述の通り、残業代請求は、労働審判の対象となる典型的な労働問題です。
未払い残業代の請求が、労働審判に向いているのは、次のような理由があるからです。
- 労働審判は金銭請求と相性が良い
解決目標が「金銭」の場合、互いに譲歩をして和解する方向に馴染みやすいです。分割払いや一部減額など、和解による柔軟な解決を検討しやすい点も、労働審判が適している理由の一つです。 - 争点が比較的整理しやすい
残業代は、労働基準法上の計算方法で算出するので、労働時間の認定や固定残業代の有効性、管理監督者性など、争点が整理しやすいです。複雑な事実認定があるケースより、労働審判の利用に適しています。 - 早期解決のメリットが大きい
未払い残業代は生活に直結する問題なので、早く回収するには、長期化しやすい訴訟よりも、労働審判が適しています。 - 証拠が一定程度あれば戦える
証拠の多くは会社で保管され、労務管理が杜撰だとそもそも入手できないこともあるなど、証拠が十分でないケースは、厳格な証明を求められる訴訟よりも柔軟に評価される労働審判を選ぶメリットがあります。
以上のように、残業代請求には、労働審判の利用が適している理由が多くあります。
とはいえ、全ての残業代請求に向いているわけではありません。交渉が決裂して裁判手続への移行を検討している方は、「労働審判を検討すべき残業代トラブルの具体例」を参考に、手続きの選択を誤らないよう注意が必要です。
労働審判と訴訟の違い
未払い残業代を裁判で請求する場合、主に労働審判と民事訴訟のいずれかが利用されます。
手続きは、請求する労働者側が選択できますが、迅速かつ柔軟な解決を目指して、まずは労働審判を用いるケースが多いです。以下のような労働審判と訴訟の違いをよく理解し、手続きの選択を誤らないよう注意してください。
- 期間・期日の回数
労働審判は、3回以内の期日で解決するため、審理期間の平均は70日程度とされています。これに対し、訴訟では1年以上かかることも少なくありません。 - 費用
労働審判の方が費用が抑えられます。裁判所に納付する手数料が半額になるほか、弁護士費用も訴訟より安価に設定される傾向にあります。 - 手続の公開性
労働審判は非公開の手続きであるのに対し、訴訟は原則として公開されます。ただし、訴訟における判例は、労働審判の解決でも大いに参考にできます。 - 立証の厳格さ
労働審判でも証拠が重視されますが、訴訟の方がより厳格な立証を求められる傾向にあります。労働審判では、必ずしも十分な証拠がなくても、和解による一定の解決が図れる可能性があります。 - 柔軟な解決可能性
訴訟においても、裁判上の和解をすることは可能ですが、原則として判決で結論を決める手続きです。これに対し、労働審判の多くは、和解(調停成立)によって解決しており、実情に即した柔軟な解決が可能です。
以上のように、労働審判は話し合いを前提として進む傾向があるのに対し、訴訟は法的判断を明確にすることが特徴です。残業代請求においても、争点が明確で、早期解決を希望するケースでは、労働審判を選ぶのがよいでしょう。逆に、証拠が多数存在する複雑なケースや、残業代の請求額が高額で、会社も徹底して争う姿勢を示しているケースなどは、訴訟が向いています。
なお、労働者が労働審判による解決を目指しても、その結果に会社が不服な場合、異議申立てによって訴訟に移行するリスクがあるので注意してください。
「労働問題の解決方法」の解説

労働審判を検討すべき残業代トラブルの具体例
労働審判の特徴を踏まえ、検討すべき具体的な残業代トラブルの例は、次の通りです。
- タイムカードなどの証拠が十分だが、残業代が支払われていない場合
- 証拠は必ずしも十分ではないが、一定の譲歩をしてでも早期解決したい場合
- 固定残業代や管理監督者などの反論が要件を満たさないことが明らかな場合
- 会社も支払い義務を認めており、金額の調整が行えそうである場合
- 未払い残業代以外の複雑な労働問題が存在しない場合
これに対して、複雑な争点があったり、会社が徹底して争ってくることが予想されたりするケースでは、労働審判を経ずに、はじめから訴訟を選択するケースもあります。
個別事案に沿って「労働審判で残業代請求をするメリット」「労働審判で残業代請求をするデメリット」も比較してください。
「残業代請求に強い弁護士への無料相談」の解説

労働審判で残業代請求をするメリット

次に、労働審判で残業代請求をするメリットについて解説します。自身の事案や状況が、労働審判での解決に向いているかどうかを理解するための参考にしてください。
解決までの期間が比較的短い
労働審判は原則3回以内の期日で終了する制度です。平均審理期間は70日程度が目安となっており、1年以上かかることも多い訴訟に比べ、早期解決が可能というメリットがあります。
未払い残業代の問題は、生活費への影響があるため、速やかに回収したい人も多いでしょう。また、紛争が長期化すると、精神的な負担も大きくなり、退職後の再出発も遅れてしまいます。訴訟の手続きでは、期日を重ねて争点の整理をしてから証拠調べを行うため時間がかかるところ、労働審判では、第1回期日で争点整理と証拠調べを実施することを前提とした運用となっています。
したがって、譲歩をしてでも一定額n残業代を早期に得たい人には、労働審判が適しています。一方で、時間をかけてでも満額の残業代を回収したい場合は訴訟を選択すべきです。
費用面の負担を抑えやすい
労働審判は、訴訟と比較して費用負担を抑えやすいメリットがあります。
裁判所の手続利用に要する手数料(収入印紙代)は、労働審判の場合、訴訟の半額とされます(手数料額早見表)。弁護士費用も、訴訟より手間がかからない分、労働審判の方が安く設定される法律事務所が多いです。残業代請求のケースだと、着手金無料の料金体系を用意する弁護士も少なくありません。期日の回数が少ないと、日当も抑えることができます。
より安価に手続きを進めたいのであれば、早期和解を目指すことで、かかる費用をさらに圧縮することも可能です。
残業代請求でかえって費用倒れにならないよう、回収可能な未払い残業代の額について事前に見通しを立てておくことが重要で、弁護士に依頼する場合は、費用と回収額のバランスをしっかりと説明してもらってください。
証拠の評価が柔軟である
残業代請求のトラブルでは、証拠が非常に重視されます。
特に、タイムカードをはじめとした労働時間を証明する資料がどれだけ手元にあるかは、労働審判でも訴訟でも、結果を大きく左右します。ただ、実際には労働者側の手元に証拠が完璧に揃っているケースは多くはなく、メールやチャットのやり取り、PCログ、業務日報といったその他の証拠をもとに、間接的な証明を試みることとなります。
訴訟が厳格な立証を求められるのに対し、労働審判では、裁判官と労働審判員が実情をヒアリングし、話し合いによる柔軟な解決の道を探ることができます。この点で、証拠が十分になくても早期の救済を求めたいケースに向いています。
ただし、労働審判でも証拠が重要であることに変わりはないため、事前にできる限りの資料を収集しておくべきです。
「残業代請求に必要な証拠」の解説

労働審判で残業代請求をするデメリット
労働審判で残業代請求をすることには、デメリットもあります。以下の点をよく理解し、手続きの選択に失敗しないよう注意して進めてください。
請求額からの譲歩が前提とされやすい
労働審判は、話し合いで解決するという考えの強い制度です。
そのため、必ず残業代の請求額を満額回収できるケースばかりではありません。実務上、労働審判の途中で、裁判所から和解を勧められることが多くあります。このとき、労働者としては、早期解決できるメリットと、金額を譲歩しなければならないデメリットを比較し、慎重に決定しなければならず、強硬な姿勢を貫けば、労働審判での解決は望めません。
したがって、証拠が十分にあり、未払いの違法性が明らかであるなど、満額の回収が期待できる場合、徹底して勝訴を目指す方針の方が合理的なケースもあります。その場合、労働審判を経ずに訴訟を行う方がメリットが大きいと判断できます。
会社の異議申立てにより訴訟に移行する
労働者が労働審判での解決を目指しても、結果的に訴訟をせざるを得ないこともあります。
労働審判はあくまで早期解決を目指す制度なので、審判に対して異議申立てが可能です。具体的には、審判に対して、労使のいずれかが2週間以内に異議申立てをすれば、自動的に訴訟に移行することとなっています(相手方の同意や承諾は不要です)。
したがって、早期解決を目指しても、会社の意向によってトラブルが長期化することがあります。残業代制度全体の不備は、他の社員への波及の可能性もあり、時間稼ぎなどの会社側の都合で異議申立てをされるケースもあるため、申立前に、異議が出る見込みを検討すべきです。
「残業代請求の解決期間」の解説

複雑・高額・争点多数のケースには向かない
労働審判が、全ての残業代請求のケースに向いているわけではありません。
特に、争点が複雑なケースや残業代の請求額が高額なケース、予想される争点や証拠が多数存在するケースは、労働審判には向きません。具体的例は、次の通りです。
- 管理監督者性に争いがあり、働き方の実態を詳細に認定する必要がある場合
- 裁量労働制の適法性が争点となり、裁量の有無について詳細な認定を要する場合
- 労働者が譲歩せず、労働時間について日単位の詳細な認定を求める場合
- 複数年かつ高額の請求であり、会社が徹底して争う姿勢を示している場合
- 多数の社員の証人尋問が必要となる場合
- 会社全体の残業代ルールに違法があり、多数の労働者が同時に訴える場合
これらのケースで労働審判を申し立てても、「会社から異議申立てをされて訴訟に移行する」、あるいは「労働審判に適していないとして、労働審判法24条に基づく終了を決定される(いわゆる24条終了)」といった結論になってしまい、労働審判での最終解決は叶いません。
労働審判で残業代請求する手続きの流れ
次に、労働審判で残業代を請求する際の手続きの流れを解説します。
労働審判の流れは、申立てからはじまり、3回以内の期日で、調停成立もしくは審判により終結します。残業代請求の労働審判では、金銭請求を目的としているため、金額の調整が中心となりやすい点が特徴です。

労働審判を申し立てる
労働審判の手続きは、申立書の提出からはじまります。
残業代請求の労働審判の申立書には、次の点を記載してください。
- 申立ての趣旨
未払い残業代の金額と、支払いを求める旨を記載します。遅延損害金(年3%。退職後は年14.6%)も請求できます。付加金は労働審判では支払いを命じられないと考えられていますが、申立段階の請求には含めるのが実務です。 - 申立ての理由
支払いを求める残業代の計算根拠となる事実を記載します。
管轄裁判所は、原則として会社の所在地または労務提供の場所を管轄する裁判所となります。手数料額早見表に従った申立手数料(収入印紙代)・郵券をあわせて納付します。
残業代を請求する場合、雇用契約書、就業規則や賃金規程、タイムカードなどの資料を証拠として添付します。労働審判は、早期解決を重視するため、申立前に証拠を入念に整理して立証計画を立てておく必要があります。
労働審判の期日
申立から原則40日以内に第1回期日が指定されます。会社側では、その1週間前を目安に答弁書を提出し、反論します。
第1回期日では、事実確認と争点整理が行われ、話し合い(調停)による解決を試みます。実務上、第1回期日で事実認定と証拠調べを終え、労働審判委員会の心証が確定することが多いため、第1回の対応が決定的に重要です。
ある程度の和解の方向性が見え、少額な残業代請求であれば1回の期日で解決することもあるため、期日前の準備は慎重に行うようにしてください。
第1回では解決しない場合、第2回、第3回の期日が設定されます。
「労働審判の流れ」の解説

調停成立、または審判
話し合いがまとまれば、調停成立により終了します。
残業代請求の労働審判では、労働時間を概括的に認定したり、計算方法を調整したり、双方主張の間を取ったりといった譲歩により、解決を目指すことが多いです。労働者側では、証拠の強弱を踏まえ、「訴訟ではどの程度の金額が期待できるか」「費用倒れにならないか」といった点を見極めた上で、妥協点を検討すべきです。
残業代請求の労働審判では裁判官の心証が開示されるため、満額ではないものの、一定額の金銭支払で解決するケースが多いのが特徴です。会社側の意向で、残業代請求をきっかけに、退職合意とセットでの解決が提案されることも少なくありません。
調停が成立しない場合には審判が下され、確定すれば判決と同様の効力があります。労使いずれかが2週間以内に異議申立てを行うと訴訟に移行します。
「労働審判の異議申立」の解説

労働審判における残業代請求の和解金の相場は?

労働審判は、双方の歩み寄りの結果、和解(調停)で解決するケースが多いです。
労働者側で気になるのは、「和解金はどれくらい得られるのか」という点でしょう。費用倒れとならないためにも相場を知る必要があります。労働審判にも一定の費用がかかるため、申立前に見通しを立てておきましょう。
とはいえ、残業代請求の和解金に一律の相場はなく、基本的には、「労働審判や訴訟で裁判所の判断を仰ぐ場合に、いくらの金額が認められそうか」を目安として決めることが多いです。
なお、労働審判の解決金の相場には、次のような統計があります。
- 50万〜100万円未満(1位、23.7%)
- 100万〜200万円未満(2位、27.0%)
- 200万〜300万円未満(3位、10.4%)
つまり、解決金の額は、50万円〜300万円となる例が多いということです。一方で、残業代の証拠が十分であり、請求額が高い場合には、和解金もこれより高額となることがあります。不利な和解に応じて損しないよう、法的に認められる金額を、あらかじめ算出しておく必要があります。
「残業代請求の和解金の相場」の解説

労働審判による残業代請求は弁護士に依頼すべき?

次に、労働審判での残業代請求を弁護士に依頼すべき理由について解説します。
労働審判は、訴訟よりも簡易な制度であり、本人でも申立ては可能です。ただし、裁判所の手続きであり、法律知識や裁判所のルールを知らなければ、不利な扱いを受けるおそれがあります。
自分で申し立てることも可能
労働審判は本人申立てが可能であり、このことは残業代請求でも変わりません。
手続きは、訴訟に比べればシンプルであり、申立書式は裁判所のホームページでも入手可能です(裁判所HP「労働審判手続申立書」)。
ただし、残業代請求は労働基準法に従った計算を行う必要があるところ、労働時間の認定や割増率、固定残業代の有効性、管理監督者性など、法律知識を要する複雑な争点が多くあります。会社側が顧問弁護士や社会保険労務士の助けを借りて、「できるだけ残業代の支払いを減らそう」と試みるとき、十分な知識と経験がないと、本来得られたはずの残業代を取り逃す危険があります。
弁護士に依頼するメリット
したがって、労働審判による残業代請求を弁護士に依頼するメリットは大きいです。
労働問題に精通した弁護士に依頼すれば、法律に従った正確な請求額を計算することで、請求漏れを防止できます。また、労働者の手元にある証拠の価値を見定め、不足する証拠を補ったり、証拠が不十分である場合にも不利にならない戦略を立案したりすることができます。労働審判では第1回期日が極めて重要なので、これらの準備は時間的余裕があまりない中で行う必要があります。
また、経験豊富な弁護士であれば、裁判所の心証を読み取ったり、相場感を把握したりすることで、現実的な譲歩のラインを判断するためのアドバイスが可能です。弁護士に依頼すれば直接のやり取りを避けられるため、心理的負担も軽減できます。
「会社の異議申立てにより訴訟に移行する」の通り、労働者が労働審判での解決を試みても、必ず早期解決するとは限りません。そのため、労働審判の申立時には、訴訟に移行する可能性も踏まえた十分な準備が必要となります。
残業代請求について、回収額を最大化するには、費用倒れも気にしなければなりません。まずは初回の無料相談で、弁護士の見通しを聞くのがよいでしょう。
「労働問題に強い弁護士」の解説

労働審判で残業代請求する際によくある質問
最後に、労働審判で残業代請求する際によくある質問に回答しておきます。
在職中でも労働審判で残業代請求できる?
労働審判による未払い残業代の請求は、在職中でも可能です。
労働審判は、会社と労働者の問題を解決する場であり、退職後に限られる制度ではありません。残業代の未払いは、在職中でも日々発生するものであり、実務上も、在職中の申立は少なくありません。
在職中に残業代請求する場合、証拠の入手が比較的容易である、残業代請求の消滅時効(3年)の進行を止められるといったメリットがありますが、勤務を継続するなら関係悪化には注意する必要があります。関係に配慮して話し合いでの解決とするためにも、労働審判は良い選択だといえます。
会社に知られずに労働審判の準備ができる?
申立て前の準備段階であれば、会社に知られずに進めることが可能です。
残業代請求において、雇用契約書や規程類、タイムカードなど、証拠収集は水面下で行えます。弁護士は守秘義務を負うため、相談が会社に発覚することはありません。
ただし、労働審判を申し立てた時点で裁判所から会社に通知が届くので、完全に秘密のまま手続きを終えられるわけではありません。匿名で改善を求めたい場合には、労働基準監督署への通報も検討してください。
「労働基準監督署への通報」の解説

労働審判で残業代請求しても会社から不利益な扱いを受けない?
残業代請求を理由とする不利益な取扱いは、法律上認められていません。
未払い残業代を請求することは労働者の正当な権利行使であり、これを理由に懲戒処分や減給、降格、解雇などの処分をすることは違法です。これらの報復行為は、別途の労働問題として責任を追及することができます。
【まとめ】労働審判による残業代請求

今回は、未払い残業代の請求手段として、労働審判を活用する方法を解説しました。
労働審判の手続きのメリットや注意点を理解することで、残業代請求をより有利に進めることができます。会社との交渉が決裂し、裁判手続に進むにあたり、訴訟だと時間や費用の負担が重くて断念してしまう人にとって、労働審判は非常に有効な選択肢となります。原則3回以内の期日で、比較的短期間で、費用倒れしないよう回収する可能性を高められます。ただし、事案の内容や状況、希望する解決によっては向き・不向きがあるため、見極めが重要です。
労働審判での残業代請求の見込みや進め方に不安がある方は、早めに弁護士に相談してください。早期に準備をし、回収額の見通しを立てることが、納得いく解決を実現する助けになります。
- 労働審判は、個別労使紛争を、簡易、迅速かつ柔軟に解決するための制度
- 残業代請求の場面でも労働審判の利用にはメリット・デメリットがある
- 残業代請求で労働審判を活用するには、訴訟との比較を知り、選択する必要がある
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