残業代が支払われないとき、そのまま放置しておいてはいけません。
未払となっている残業代の金額が少額の場合、労働者(従業員)の側でも、ついつい放置してしまいがちです。
また、在職中であり仕事を続けていたり、「新卒からお世話になった。」「能力を身につけさせてもらった。」という気持ちがあると、残業代請求をする決意は揺らいでしまう方も多くいます。
残業代の未払いが続いているとき、いつ弁護士に法律相談するのが一番よいのか、弁護士に法律相談すべきタイミングと時期について、労働問題に強い弁護士が解説します。
1. 残業代の時効は2年
残業代には、2年の時効があります。
言いかえると、2年間請求しなかった残業代は、時効によって消滅し、その後に請求することはできなくなるということです。
したがって、今回のテーマである、未払い残業代問題について、いつ弁護士に法律相談したらいいのかについて、残業代の時効よりも前に法律相談した方がよいということになります。
つまり、2年以上同じ会社に勤務している労働者の方で、未払い残業代の請求を検討されている方は、できるだけ早めに弁護士に法律相談すべきであるということです
2. 在職中でも法律相談をするメリット
「残業代の請求は、退職してからにしたい。」という労働者のお話をよく聞きます。
確かに、在職中であると、残業代を請求するお気持ちにはなりづらい方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、在職中であっても、未払の残業代が存在する場合には、労働問題に強い弁護士へ、早めに法律相談すべきです。
在職中でも、残業代問題について法律相談をするメリットについて、弁護士がまとめました。
2.1. 在職中でも残業代請求できる
まだ会社に勤務をし続けたい場合であっても、残業代の請求をすることは可能です。
残業代は、労働者(あなた)がはたらいたことによる正当な対価ですから、退職をする前であっても、当然請求をして良いのです。
むしろ、さきほど説明しましたとおり、残業代請求は、2年の消滅時効がありますので、2年以上はたらいている場合には、在職中に残業代請求をしなければ、請求できる残業代が減ってしまいます。
在職中に残業代請求をすることを検討していると、
- 「会社にいづらくなってしまうのではないか?」
- 「報復に、嫌がらせ、いじめ、パワハラを受けるのではないか?
というご心配をされる労働者の方もいらっしゃいます。
しかし、正当な残業代請求を理由に、職場いじめ、パワハラをしたり、低く評価したりすることは違法です。
2.2. 退職後に残業代請求するときも、在職中から準備できる
ここまでご覧いただければ、残業代請求をしたい労働者の方は、できるだけ早めに弁護士に法律相談すべきであることが、十分ご理解いただけたのではないでしょうか。
そして、このことは、「退職後に残業代請求をすることにしよう。」と決断した場合にも、同様にあてはまります。
というのも、残業代請求それ自体は退職後に行うこととしたとしても、在職中から、残業代請求の事前準備をしておくことができるからです。
具体的には、残業代請求をするためには、証拠を収集する必要がありますが、在職中の方が、残業代請求に必要となる証拠が、入手しやすいということです。
3. まとめ
残業代請求についてお悩みの場合、できるだけ早期に、一度弁護士のアドバイスをお聞きください。
「雇用契約書に書かれている時間よりも長くはたらいたら、残業代を請求できる。」ということは、今や当たり前の常識として浸透してきました。
しかし、実際にどのような証拠を収集し、どのように残業代請求を進めていけばよいのかについて、すべて自分で理解している労働者の方は、まだまだ少ないのではないでしょうか。
残業代請求を思い立ったら、できるだけ早く、法律相談によって残業代請求をより具体的に知り、有利に進められるよう準備をしてください。
未払いの残業代を請求しようとお考えの労働者の方は、労働問題に強い弁護士へ、お気軽に法律相談ください。