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浅野 英之
弁護士
弁護士(第一東京弁護士会所属、登録番号44844)。
東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。

企業側の労働問題を扱う石嵜・山中総合法律事務所、労働者側の法律問題を扱う事務所の労働部門リーダーを経て、弁護士法人浅野総合法律事務所を設立。

不当解雇、未払残業代、セクハラ、パワハラ、労災など、注目を集める労働問題について、「泣き寝入りを許さない」姿勢で、親身に法律相談をお聞きします。

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解雇されたらやること5つと、泣き寝入りしないためのポイント

突然に、会社から解雇されてしまうことがあります。
「そろそろ解雇されそう」と予感のある場合だけでなく、急にクビを宣告される例もあります。
急なことに、冷静に対応できないのではないでしょうか。

しかし、解雇されたらやることを理解し、労働者が正しく対応しなければなりません。

今回は、解雇されたらやることを5つにまとめ、労働問題に強い弁護士が解説します。
対応に迷うとき、弁護士に相談してください。
弁護士への相談は、ハードルが高いかもしれませんが、相談が遅れるとデメリットは大きいもの。

できる限り早く相談すれば、労働者にとって有利な解決ができます。
解雇されたらすぐ相談ください。

この解説のポイント
  • 解雇されたら大きな不利益があるのを知り、将来に向けて対策を打つ
  • 解雇されたらやること5つを理解し、言い渡された直後から進める
  • 解雇されたら争うか、転職か選択するが、争う場合も平行して転職活動できる

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解説の執筆者

弁護士 浅野英之

弁護士(第一東京弁護士会所属、登録番号44844)。
東京大学法学部卒、東京大学法科大学院修了。

企業側の労働問題を扱う石嵜・山中総合法律事務所、労働者側の法律問題を扱う事務所の労働部門リーダーを経て、弁護士法人浅野総合法律事務所を設立。

不当解雇、未払残業代、セクハラ、パワハラ、労災など、注目を集める労働問題について、「泣き寝入りを許さない」姿勢で、親身に法律相談をお聞きします。

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労働問題に関する相談は、弁護士が詳しくお聞きします。
ご相談の予約は、お気軽にお問い合わせください。

解雇されたらどうなる?

まず、解雇されたらどうなるのか、将来のイメージを持ちましょう。

解雇されたら、気付かないうちに労働問題は山積み。
具体的にどんな問題が降り掛かるのか、また、不利益を回復する方法はないのか解説します。

会社にいられなくなる

解雇は、労働契約を終了させる効果を持ちます。

そのため、解雇されたら、解雇日以降は当然ながら会社にいられなくなります。
つまり、会社の社員でなくなり、当然ながら職場での勤務はできません。

「明日から来なくてよい」と言われた時の対応は、次に解説します。

給料がもらえなくなる

給料は、労働の対価として支払いを請求できるもの。
ですから、解雇によって労働しなくなれば、給料もまた、請求できなくなります。
解雇されたら、給料がもらえなくなるということです。

給料は、労働者にとって生きていくために必須です。
投資や副業など、収入の選択肢は増えましたが、労働者にとって給料こそ生活の基盤でしょう。
解雇されたら、労働契約が終わり、とても大きな不利益を負わされるのです。

失業保険がもらえる

解雇は不利益の大きいばかりではなく、一定の保障も受けられます。
解雇されたら、それでもなお安定した生活を送り、求職活動できるよう、失業保険がもらえます。
失業保険は、雇用保険による制度であり、最低限の生活を保障してくれます。

ただし、離職したすべての人が失業保険をもらえるわけではありません。
失業保険をもらうためには、一定の条件をクリアしなければなりません。

失業保険をもらう要件、手続きは、次に解説します。

解雇されたらやること5つ

解雇されたら、以上のとおり多くの不利益を被るため、少しでも和らげなければなりません。
事前に解雇を避けられるのが一番ですが、解雇されたらすぐやることを進めてください。

実際に解雇されたら、迅速に適切な対応を講じ、被る不利益を少しでも減少させましょう。
そこで次に、解雇されたらやるべき対応を解説します。

感情的にならず、戦略を練る

仕事に一生懸命に取り組むほど、突然に解雇されたら動揺してしまうでしょう。
あるいは、会社に憤りを感じるかもしれません。

ですが、感情にまかせて会社に接触するのはやめましょう。

誠実な対応を受けられなくなるばかりか、対話や交渉の機会を失うおそれもあります。
正常な判断で、解雇について交渉したいなら、まずは気持ちを落ち着かせるのが大切。

冷静な状態なら、解決のために適切な戦略を練ることができます。

解雇無効を主張し、出勤する

解雇は、会社が労働者との労働契約を終了する意思表示。
そのため、たとえ働きたくても、出社は気まずく感じてしまうでしょう。
また、解雇されたら「これまでの生活がガラリと変わる」という不安感もあります。

しかし、解雇されたら、それでもなお出勤する態度は大切です。
就労の意思を示さねば、不当解雇だったとき、解雇期間の給料を請求できないからです。

ハラスメントが存在するなど、現実の出社が難しくても、就労の意思は示しておきましょう。

「働きたいが、パワハラが危険で出社できない」などの通知書を、内容証明で送ります。

解雇理由を確認する

解雇が通知されたら、すぐに解雇の理由を確認しましょう。
解雇の理由が正しくなければ、不当解雇として争うことができるからです。

解雇通知書の内容だけでは解雇理由が不明なら、会社に確認をとるのが望ましいです。
会社の認識していた事実に誤りがあれば、不当解雇を争いましょう。

さらに、解雇理由証明書も発行してもらうようにしてください。
解雇理由証明書は、解雇された理由を会社が具体的に記した書面のこと。
解雇の争いで、労働者が、反論すべきポイントを明確にするため、とても大切な資料
です。

会社は、労働者が求めたら解雇理由証明書を発行する義務があります(労働基準法22条)。
そのため、解雇理由証明書を拒否するのは違法です。

解雇理由証明書について、次に解説します。

有利な証拠を集める

解雇を争うとき、正当な理由がなければ「不当解雇」として違法になります。
ただし、不当解雇だという主張をして争うには、根拠となる証拠が必要。
したがって、解雇されたら、有利な証拠を収集するのが大切です。

例えば、人事評価書や業務報告は、成績不振を理由とした解雇に対抗するための証拠になります。
これまで良い評価をされていたと証明できれば、不当解雇だといえるからです。

不当解雇の証拠」の解説

解雇の撤回を求め、交渉する

解雇されたら、それでもなおまだ働きたいなら、解雇の撤回を求めて交渉しましょう。

交渉次第では、解雇が撤回され、労働契約を継続してもらえる可能性もあるからです。

もっとも、労働者一人で交渉しても、会社は真摯に対応してくれません。

弁護士名で内容証明を送る方法が、交渉を進めるためには有効です。
会社も「放っておくと裁判になるかもしれない」と考え、真剣に対応してくれるからです。

解雇を撤回させる方法は、次の解説をご覧ください。

解雇されたらもらえるお金

解雇は、労働者にとってかなり不利益なのは当然。
そのため、一定の期間の予告が保障されるほか、金銭給付を受けられる場合があります。

次に、解雇されたら、もらえるお金にどんなものがあるか、解説します。

失業保険

解雇されたらもらえるお金として、第一に失業保険があります。

失業保険は、雇用保険に加入して一定の条件を満たした場合に給付されます。
退職の理由が解雇でも、受給することができます。

失業保険を受給するには、ハローワークでの手続きを要します。

詳しくは、次の解説をご覧ください。

解雇予告手当

解雇の不利益を緩和するため、会社は30日以上前に予告しなければなりません。
もし、予告期間が不足する場合には、その日数分の解雇予告手当が払われます。

例えば、即日解雇なら、30日分の平均賃金に相当する解雇予告手当が払われます。

解雇予告手当は、次に詳しく解説します。

退職金

解雇されたら、退職金がもらえる可能性があります。
退職金は、法律に義務付けられたものではありません。
したがって、退職金がもらえるかどうか、会社の退職金規程を確認してください。

退職金というと、定年まで全うした場合をイメージするかもしれません。

しかし、解雇が理由でも、退職することに変わりはありません。

なお、「懲戒解雇の場合には退職金を支給しない」と規定する例もありますが、裁判例には、それでもなお退職金の一部の支払いを認めた例もあり、注意を要します。

懲戒解雇の場合の退職金について、次に解説します。

解雇後の賃金

バックペイとは
バックペイとは

不当解雇が無効になれば、解雇後の給料がもらえます。
これを、法律用語で「バックペイ」と呼びます。

本来、ノーワーク・ノーペイの原則により従い、給料は働かなければ払われません。
しかし、不当に解雇されたら、働けない原因は会社にあります。
この場合は、例外的に、解雇された日から解決した日まで、給料を請求することができます。

未払いの残業代

残業代に未払いがあるなら、あわせて請求できます。
残業代がもらえるのは、解雇されて退職するケースでも同じことです。

なお、残業代の時効は3年のため、解雇されたらすぐ、同時に争うのがよいでしょう。
せっかく残業したのに、それに見合った金銭が払われないのはできるだけ避けたいでしょう。

残業代の計算方法は、次に解説しています。

慰謝料

解雇されたら、慰謝料をもらえる可能性もあります。

解雇は、労働契約を一方的に終了させるので、不法行為(民法709条)の可能性があるからです。
ただし、慰謝料をもらうには、解雇で受けた精神的苦痛を証明せねばなりません。

ひどい嫌がらせで解雇に追い込まれたり、セクハラ被害で辞めざるをえなかったりといったケースでは、解雇されたら慰謝料の請求が認められることがあります。

ハラスメントの慰謝料の相場は、次に解説します。

解雇されたら争うべき?あきらめて転職すべき?

では、解雇されたら、争うべきでしょうか。
それとも、あきらめて転職すべきでしょうか。

転職が一般化した現代、あきらめて次の仕事に集中する方もいます。
このような選択が、悪いとはいいません。
そこで、解雇されたら、争うべき場合とあきらめる場合の判断のポイントを解説します。

不当解雇の可能性がある

たしかに、自らに責任があるのが明白な解雇だと、勝ち目のないケースもあります。
しかし、それでもなお、解雇を争うのをあきらめなくてもよいでしょう。
解雇のトラブルの場面では、会社が、労働者より強い立場にあります。

労働者保護のため、解雇は厳しく制限されます。
客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当な場合に限り、解雇は有効(労働契約法16条)。
そうでなければ、違法な「不当解雇」として無効です。

このルールを、法律用語で解雇権濫用法理といいます。

解雇権濫用法理とは

なので、重大なミスで、会社に損害を与えていても、解雇するには相当でないというケースもあります。
このときには、不当解雇として争う余地があるのです。

不当解雇の弁護士への相談は、次に解説しています。

解雇されたら争うべきケース

では、具体的には、どんな場合に不当解雇となるのでしょうか。
不当解雇と認められやすい類型に当たるなら、争うべきです。

例えば、次の場合は、解雇されたら争うべきケースです。

  • 1回のミスや勤怠不良なのに、注意や指摘なく、すぐ解雇された
  • 同種の事例で、他の社員は減給だったのに自分だけ解雇された
  • 新入社員なのに教育なく、能力不足で解雇された

これらのケースは、解雇の処分は不相当だとみなされやすいからです。
「注意しても何度も繰り返した」「改める様子がない」といった事情があってはじめて、解雇すべきだといえます。

争うときでも転職活動はできる

なお、解雇されたら争うべきケースでも、転職活動は許されます。
解雇されれば、労働者ではなくなり、他の会社で働くのも自由だからです。

ただ、交渉から裁判まで、すべての流れを労働者1人でやると、転職活動は事実上難しいでしょう。
弁護士に依頼すれば、やるべきことは大幅に削減され、並行して転職活動するのも容易です。
会社との直接のやり取りも不要で、ストレスが軽減してリフレッシュできます。

不当解雇を争う間に再就職してよい理由は、次に解説します。

解雇されたら、まずは弁護士に相談してください

不当解雇の相談から解決までの流れ
不当解雇の相談から解決までの流れ

金銭的なトラブルのみならず、解雇でお悩みなら一人で抱え込まず弁護士に相談ください。
弁護士が協力すれば余計な負担が少なくなりますし、早期解決が望めるでしょう。

解雇されたら、すぐに相談するのが大切なポイントです。
弁護士に相談するのに、「早すぎる」ということもありません。

弁護士費用もまた、仮に解決までの期間が長くなっても、増額はしないのが通常です。
むしろ、早く相談し、早期解決できれば、結果的に少額の費用で済む可能性もあります。

解雇されてしまうと、自分を責めてしまい、相談しない方もいます。
しかし、解雇されたのは、あなたのせいではありません。
不当解雇ならば、誤って解雇してしまった会社にこそ責任があります。

労働問題に、「小さな問題」などはありません。
法律相談するにも、「小さすぎて、まだ相談すべきタイミングではない」というのは誤りなのです。

「備えあれば憂いなし」という言葉のとおり、先手を打てるよう事前に対応しましょう。

解雇トラブルは弁護士に相談すべき問題の典型です。

労働問題に強い弁護士の選び方を参考にしてください。

まとめ

弁護士法人浅野総合法律事務所
弁護士法人浅野総合法律事務所

今回は、解雇されたらやるべきことを、労働者側の立場で解説しました。
急に解雇されたら、やることはたくさんあります。

解雇は、労働者に大きな不利益であり、給料がもらえず生活に困窮するでしょう。
しかし、解雇されたら、冷静に対応するのが大切。

突然のことに戸惑い、どうしてよいかわからないなら、まず弁護士に相談してください。
早く相談すれば、解雇されたらすぐやることについてもアドバイスできます。

可能なら、解雇されそうになったタイミングでの相談がよいでしょう。

解雇されたら、交渉、法的手続きなどいずれの手段でも弁護士のサポートは役立ちます。
解雇トラブルの解決まで弁護士に依頼しなくても、法律相談は有益です。
今後どう立ち回れば、労働者に有利な解決ができるか、知れるからです。

この解説のポイント
  • 解雇されたら大きな不利益があるのを知り、将来に向けて対策を打つ
  • 解雇されたらやること5つを理解し、言い渡された直後から進める
  • 解雇されたら争うか、転職か選択するが、争う場合も平行して転職活動できる

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